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「未来への伝言」核兵器のない世界を・・・
~町田市原爆被害者の会(町友会)編 「未来への伝言」被爆の証言を伝え、核兵器のない世界を~

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142-衆-予算委員会-志位委員平成10年02月25日

142-衆-予算委員会-志位委員平成10年02月25日

○志位委員 
 次に、対外問題について伺います。

 私は、幾つかの問題で、基地問題について、総理の見解をただしたいと思います。
 まず、NLP、夜間離着陸訓練の問題です。
 厚木、横田、三沢、岩国の基地で、ことし一月九日から、昼夜を問わぬインディペンデンス艦載機の離着陸訓練が突如始まりました。イラクの作戦に備えて急遽始めたもので、これまであった事前通告もない、規制時間をはるかに超えて真夜中の十二時までやる、土日も行うという米軍の異常な横暴勝手ぶりに地元住民と自治体の激しい抗議が集中いたしました。
 NLPというのは、総理も御存じだと思いますが、飛行場を空母の甲板に見立てて、タッチ・アンド・ゴーの離着陸訓練を夜間に行うというもので、恐るべき騒音の苦しみをもたらしております。私は厚木基地周辺の住民の方に話を伺いましたが、内臓がえぐられるような苦しみということをおっしゃった方もおられました。眠れない、話もできない、電話もかけられない、テレビも聞こえない、食欲もなくなる、こういう声が寄せられますが、この訓練がまともな市民生活とは両立しないことを痛感させられました。
 問題は、こういう訓練が、厚木にしろ横田にしろ、首都圏の人口密集地の上空で行われているということであります。厚木基地について言えば、基地周辺の騒音指定地域七十七平方キロ、この中には十三万四千世帯の方が住んでいる。人口にして三十万人以上の人が、騒音指定地域の中に住んでいらっしゃるんです。
 総理に伺いますが、こういう人口密集地の上空でNLPを行う、こういうこと自体が異常な事態だという認識はございますか。

○久間国務大臣 厚木におけるNLPの訓練をできるだけ減らすようにということでやっておるわけでございますけれども、全部を硫黄島に持っていくわけにもいきませんし、なかなかないわけでございます。
 ただそれでも、やはり従来から、防衛施設の安定的使用には地元の理解と協力が不可欠であるということで、このような、急に、しかも夜間に行うことのないように従来からやってきておったわけでございますけれども、今回、急な運用上の都合ということで実施されたというふうに承知しておりますけれども、甚だ当庁としても遺憾だと考えておるところでございます。
 したがいまして、コーエン国防長官が見えました一月二十日の日に、ワーキングディナーにおいても、私の方からコーエン国防長官に対しまして、今後こういうような訓練は行われないことが望ましいということを強く要望いたしまして、同長官からも遺憾の意が率直に述べられたものでございます。

○志位委員 今度の事態については、さすがに政府も、余りに異常だということで抗議されたということですが、私が聞いたのは、硫黄島に一部移したと言われましたけれども、今なおNLPは厚木でやっているわけですね、人口密集地の上空でやっていいのか、異常だと思わないかという認識の問題でした。
 私、アメリカの本土でNLPがどのように行われているか、調べてみました。
 米海軍は、西海岸ではサンディエゴという都市を空母機動部隊の母港としております。この空母艦載機は、ミラマーという基地でNLPを行っております。これがもう一つのパネルでありますが、この右側の方がミラマー基地の広さです。九十七・一平方キロメートルという広大な基地です。それで、左側のこの小さな赤い部分が厚木基地の大きさですが、五・一平方キロ。厚木基地の大体二十倍もの広さの基地でNLPをやっている。
 それで、厚木基地の騒音指定区域の面積は、この青い部分でありますが、七十七・〇平方キロメートルでありますから、この騒音地域がミラマー基地の中にすっぽり入っちゃうぐらいの、物すごく広大な基地でやっております。しかも、この基地の周りにも人家はほとんどなく、空き地がほとんどであります。こういう状態なんですね。アメリカのNLPの実態、私、ほかの基地も調べてみましたが、厚木のように、大都市の密集しているところでNLPをやっているという事態はありません。
 これは、やはりアメリカ本土でも、このNLPという訓練は市民生活と両立しない、こういう認識があるからですよ。市民のまともな生活、平和な生活、これとこの訓練はどうしたって両立しないんだ、こういう認識があるからこそ、この広大な、人っ子一人いないような、山と平原の基地で、そういうところではやるけれども、日本の厚木のようなところでやっているところはない。これは、やはりこの訓練がいかに非人道的かを示すものであります。
 私、総理に伺いたいのですが、さっき認識を伺いました。やはりこういう訓練を住宅地の、人口密集地の上空でやるのは異常だと考えませんか、総理。

○久間国務大臣 厚木の上空でやるのをできるだけなくそうと思って、三宅島に計画したことがございます。しかしながら、なかなか三宅島がうまく進みませんので、硫黄島でやっているわけでございますけれども、硫黄島でやる場合には気象条件とか、あるいはまた非常に遠隔であるというようなことがございまして、特に、御承知のとおり、このNLPをやるのは、とにかく出艦するといいますか、出ていく前に訓練をしなきゃならない、そういう急を要する場合にどうしてもやらなきゃならぬわけでございまして、そういう意味では、横須賀を母港にしておりますと、その近くでやはりやらざるを得ないという、そういう状況でございます。
 したがいまして、私どもとしては、極力これから先も硫黄島でやる、願わくは、地元の合意を得ながら三宅島等に移すことができますれば、厚木の問題についても解決できると期待しているわけでございまして、おっしゃるような趣旨は、よく理解しているところでございます。

○志位委員 おっしゃる趣旨はよく理解しているということでありましたが、こういう人口密集地でやることが異常だということをはっきりやはりお認めになるべきですよ。
 硫黄島に移したと言いますけれども、厚木基地のNLPの回数が減ったとはいえ、まだやっているわけですからね。そして、あなたは米軍の急な運用上の必要と言いましたけれども、アメリカは、イラクのために急いでやるというときには、もう好き勝手にやるわけですからね。こういう状態は、私はこういう異常な訓練はきっぱり中止すべきだと思います。
 もう一つお聞きしたいのは、米軍機による低空飛行訓練の問題であります。
 先日、イタリアのスキーリゾート地で、米軍機の低空飛行訓練によってロープウエーが切断され、ゴンドラが落下して多くの犠牲者が出る痛ましい事件が起こりました。
 日本も人ごとじゃありません。全国各地で米軍機が、山合いを縫い、峰をかすめるようにして、傍若無人な訓練をやっております。九四年十月には、高知県の早明浦ダムで墜落事故も起こりました。私も現地調査に行きましたが、事故現場の村長さんは、墜落地点のすぐそばに保育園や中学校があった、あわやというところで大惨事になるところだった、こんな恐ろしい訓練はやめさせてほしい、こう訴えられていたことを忘れられません。
 この低空訓練の異常さはさまざま挙げられますが、私が特にただしたいのは、日本では、どういう飛行ルートで行われているのかさえ、国民に明らかにされていないということであります。
 私は、この質問に先立って、低空訓練の飛行ルートを明らかにするように、三つの省庁に要求しました。回答文がここにありますが、運輸省は、把握する立場にないというお答えでした。防衛施設庁は、所管事項ではないというお答えでした。外務省からはこういうお答えがありました。ルートがあることは承知しているが、米軍の運用にかかわる問題なので、詳細は承知していない、こういうお答えでした。
 外務大臣に伺います。これは、低空飛行訓練ルートは明らかにしないというのが米軍の方針ですか。だから知らないのですか。外務大臣、どうですか。

○高野政府委員 お尋ねの低空飛行訓練でございますが、米軍は我が国に安保条約に基づきまして駐留しております。そのために必要な種々の訓練を行うことは、当然安保条約あるいは地位協定上認められているわけでございます。
 その関連で、この低空飛行訓練でございますが、我が国の航空法等を十分尊重しつつこれを行ってきているという経過がございまして、現在もそういう事実、実態がございます。(志位委員「ルートは」と呼ぶ)個々の飛行訓練を行う際のルートにつきましては、米軍は、その地形、飛行の安全の確認等を考えながら、随時決定しているというふうに承知しておりますが、具体的には、米軍側の運用でございますので、明らかにできないということでございます。

○志位委員 公開しないというのが米軍の方針ですか。

○高野政府委員 はい、そのとおりでございます。

○志位委員 公開しないというのが米軍の方針だという御答弁でありました。
 それで、航空法を尊重していると言われたので一言言っておきますが、日本の航空法では、住宅密集地の上空では最低高度三百メートル、そうでないところでも百五十メートルという規定がありますが、特例法で、これが米軍機については守らなくていいという特例法があって、実際に尊重していないという事実は私たくさん知っております。早明浦ダムに調査に行ったときにも、自分の家より低い谷間を飛んでいると多くの方が証言していたように、全然こんな航空法なんか尊重していませんよ。こういうことは一言言っておきますが、ともかく、米軍はルートを公表しないのが方針だという御答弁でした。
 アメリカ本土ではどうなっているか。アメリカ国内では、低空飛行訓練の空域及びルートというのは地図化されております。だれでも手に入るのです。これはインターネットから入手した米空軍のファクトシート、公開資料でありますが、ここでは、高速低高度訓練活動は、制限された、地図に記載された空域の中でのみ実施されるとはっきり明記しています。地図に記載された空域、ルートはそこにあると。そして、実際に訓練ルートの地図は全部公開されていますよ。
 これは、アメリカの国防総省地図局が発行している航空ルート地図のカタログです。アメリカでは、低空飛行の飛行ルートの地図は、カタログ販売でだれでも買い求めることができます。国防総省がつくって、商務省が販売しているのです。私、実際買ってまいりました。これがその写しでありますが、ごらんになっていただきたい。
 これは国防総省地図局空域センターが発行しているものでありますが、詳細に軍事訓練ルートの地図が全部出ていますよ。これは赤、青、黒と出ていますが、この赤い部分は計器飛行のルート、青い部分は有視界飛行のルート、そして黒の部分、これは低空飛行のルートなのです。
 これは例えばカリフォルニアの地図でありますが、このカリフォルニアの地図では、コロラド川の流域に低空飛行のルートがあることがはっきりわかります。それから、例えばこれはネバダの地図でありますが、ネバダではこういう黒い大きな低空飛行のルートがはっきり刻まれています。アメリカ国内では全部手に入るんですよ。これはおかしいと思いませんか。
 なぜアメリカ軍がこれを公開しているかといえば、低空飛行訓練というのは極めて危険な訓練だからです。非常に危険な訓練だからです。ですから、環境との関係でも、航空安全の面からも、公開は不可欠だとアメリカでは判断されているから、米軍は全部アメリカでは出しているんですよ。カタログ販売で手に入るんです。
 これを日本では出さない。日本では出さないのが米軍の方針だと言った。アメリカでは出すのが米軍の方針なんですよ。一体どうなっているのか。一体いかなる理由で、日本では、アメリカでも公開しているルートが公開できないのか、はっきり答えてください。

○高野政府委員 今御指摘の、米軍が米国内の低空ルートについて発表しているものについて、突然のお尋ねでございますが、確認させていただきたいと思いますが、私どもは米側とこの問題について、従来いろいろな問題で話し合ってきております。今回も、イタリアの重大な事故が発生しておりますので、その事実確認、原因調査等について私どもの方から、早急にこれは明らかにするように申し入れております。
 そういう中で、私どもと米側との話し合いの中では、日本国内においては、地元住民の安全面の配慮、あるいは飛行訓練の所要等を随時確認しながらルートを決定しているということで、固定したルートというものはないというふうに理解しております。

○志位委員 固定したルートはないということでしたけれども、アメリカでは、ルートは変更することがあるから、八週間に一回更新しているんですよ、地図を。だから、そうやって公開しているんです、アメリカでは。安全性に配慮してやっているというけれども、安全性のためにも、これはルートの公開ぐらい当たり前じゃないですか。
 今、イタリアのことを言われました。これはインターナショナル・ヘラルド・トリビューンの報道でありますが、イタリアでは何が問題になっているか御存じでしょうか。イタリアでは、イタリアでも全部この低空飛行のルートは明らかになっている。ここにも、地図にもはっきりあります。明らかになっている上で、そのルート図にロープウエーのケーブルが記載されていたかどうかが争いになっているんですよ。
 アメリカだけではありません。低空飛行のルートは、ヨーロッパでも明らかにされています。このさっき言ったカタログ、アメリカの国防総省のカタログを見ますと、ヨーロッパ地域、北アフリカ地域、中東地域、これは低空の地図も全部カタログ販売で売っていますよ。本当にこれは日本だけ、こんな、公開さえしていない。
 これは総理に伺いたい。
 私たちは、低空飛行訓練というのは危険な訓練、これはきっぱり中止を求めるものでありますけれども、まず、公開ぐらいアメリカに、総理、これを求めるつもりはありませんか。

○高野政府委員 今の点、イタリーの事故に関しては、私ども、その事実関係、事故原因等について、米側に対して説明を求めるよう要求しております。
 日本における低空飛行の問題につきましては、今回の事故を踏まえまして、私どもとして何ができるか米側と話し合っていきたいということは、既にアメリカ側と話し合いをしておりまして、今の先生の御指摘を含めまして、今後のアメリカ側との話し合いをしていきたいと思います。

○志位委員 総理に一言だけ。
 今、含めましてという答弁がありました。では、この問題、検討しますね。総理、含めましてと言いました。

○高野政府委員 今回のイタリーの事故を踏まえまして、日本側としましても、アメリカ側とこの問題について、この安全問題について、どういうことができるか話し合いたいと考えております。

○志位委員 含めましてということを言われましたので、私たちはこの問題について、危険な訓練の中止を要求するけれども、この公開という問題、要求中の最小限のことですから、これはきちっとした対応を求めたい。
 私は、今NLPといい、低空訓練といい、日本の米軍基地の実態というのは、まさに植民地的と言えるような実態ですよ。あの名護の問題、時間がなくなってお聞きすることができなくなりましたが、この沖縄の基地についても、ああいう結果が出たら、名護での住民投票のああいう結果が出て、大田知事もきっぱり受け入れは拒否というのならば、これは無条件で撤去の交渉をするのが当たり前です。アメリカに対して物が言えない、そんな基地国家の現状に二十一世紀まで甘んじるわけにはいかない。

○越智委員長 質疑時間が終了いたしております。

○志位委員 私は、安保条約をなくし、基地のない日本を目指すという決意を申し上げまして、質問を終わります。


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  1. 2008/01/24(木) 20:21:58|
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142-衆-本会議-原口一博君平成10年03月13日

142-衆-本会議-原口一博君平成10年03月13日

○原口一博君 私は、民友連を代表いたしまして、ただいま提案されました沖縄振興開発特別措置法の一部改正案について質問申し上げます。
 佐賀が生んだ偉人江藤新平公は、司法制度の礎を築くとともに、立法府の行政府からの独立に力を注ぎました。人権擁護の視点から数々の改革を行い、人身売買の禁止、女性の解放、教育制度創立などに努めました。この立法府の原点に立ち、沖縄問題を国民主権、人権という角度からお尋ねをしたいと思います。
 まず、総理並びに関係大臣にお伺いしたいのは、沖縄の痛みと平和の貢献をどのようにとらえておられるかということです。
 沖縄を訪れたときに、ある方が私にこうおっしゃいました。同じ軍用機の音でも、米軍機の爆音と自衛隊機のそれでは同じ音には聞こえないのです。神経に直接こたえるのは米軍機の爆音です。この言葉は、沖縄の置かれた立場を象徴的に示していると思います。
 自分たちの手の届かないところで物事が決められ、それが何年も続く。命にかかわる問題であるにもかかわらず、日米安保条約の前に過重な負担を強いられる。国民主権の長期にわたる空洞化と申しますか、人権の侵害ともいうべきこの事態を早急に解消することが政治の務めではないでしょうか。
 総理は、この痛みをどう受けとめ、そしてその解決をどう図るのか、御自身の言葉で語っていただきたいと思います。
 一昨年の米兵による沖縄少女暴行事件について、クリントン大統領は遺憾の意をあらわし、沖縄の人々の気持ちをきちんと考慮し、柔軟性を持って最善を尽くすことを約束されました。また、米議会の上下院においても決議がなされました。上院は、沖縄の人々は日本における米軍基地の負担の不相応な部分を負担してきたとし、同じく下院は、沖縄の人々が行っている貢献は特別の承認及び恩恵を受けるに値すると言っております。
 外務大臣は、二つの決議をどう受けとめ、沖縄の痛みにどうこたえていこうとされるのか、決意をお尋ねします。
 戦後、長期にわたり我が国の施政権外に置かれた沖縄は、著しい格差を抱えて復帰しました。自立的発展を可能とする基礎条件を整備し、沖縄が我が国経済社会の中で望ましい位置を占めるように努力することは、長年の沖縄県民の労苦と犠牲に報いる国の責務であります。
 沖縄の振興開発については、数次にわたり施策の推進が図られてまいりましたが、沖縄の産業経済の現状は、主に公共投資、基地収入、観光のいわゆる三つに支えられており、経済的自立はまだ達成されておりません。また、完全失業率は六・五%と全国平均の約二倍に達するなど、厳しい状況にあります。特に、新規学卒者を中心とする若年労働者の高い失業率などが大きな社会問題となっております。
 このように、当面する緊急かつ重要な課題として、経済の活性化、自立化に向けて抜本的な対応策の検討が急がれているところであります。
 自由貿易地域制度や税制上の特例措置、そして、レベルの高い空港、港湾、情報通信等のインフラ整備などにより、国内外の企業を誘引し得るための条件整備を沖縄県は要望してこられているところであり、沖振法改正案では、振興策の切り札となる特別自由貿易地域制度の創設、所得控除制度や投資特別減税、免税売店の設置などを図ることとされています。しかしながら、改正法案は、あくまで優遇税制の骨格を示しただけで、特別自由貿易地域への入居条件や関税の対象品目、あるいは免税店の取扱品目など、具体的な中身は政令に委任されており、これら実施細目の規定が厳しくなれば、改正法案は絵にかいたもちになる可能性があります。
 また、今回の法改正に当たって、例えば、特別自由貿易地域制度の適用地域の問題、この地域において所得控除の適用を受ける要件である最低雇用人数制限の問題等について、県としては、ハードルを低くして、地域内で操業したい企業の入居を期待していますが、実施細目で最終的に決定される内容によっては法案改正の目的が果たされない可能性があり、沖縄の経済社会の現状に照らし、今回の法改正の効果が実効あるものとならなければなりません。この点についての総理の見解をお聞かせ願いたいと思います。
 また、今回の改正案は、一国二制度的側面を持つ一方で、その効果が発揮されるためには、水資源の確保や環境への配慮、さまざまなインフラの整備に万全を期する必要があります。農業などの一次産業や地場産業への配慮とあわせて、担当大臣として鈴木大臣の姿勢を伺います。
 次に、沖縄振興策と米軍基地問題との関連で、政府の見解をお尋ねいたします。
 さきの大戦における、住民を巻き込んだ、鉄の暴風と表現されるような熾烈な戦い。戦後も、銃剣とブルドーザーによって強権的に土地を接収、基地を強化、拡大し、沖縄は、あの美しい沖縄の島は、まさに基地の島へと変貌したのであります。そして、沖縄本島において基地はその面積の約二〇%を占め、とりわけ人口や産業の集積が著しい中部地域に集中し、これは、住民の居住地域とまさに隣接をいたしております。また、これは陸だけではなくて、水域や空域にも多くの制限区域が設定されており、県の振興開発にも大きな阻害要因となっております。さらには、広大な米軍基地から派生する事件、事故は県民生活に多大な悪影響を及ぼしております。
 そこで質問でございますが、普天間基地問題について、大田知事と関係省庁の審議官らが一昨日、六時間にわたり協議をしましたが、その協議の内容はどのような内容だったのでしょうか。平行線に終わったのは、きのう下地さんは決裂とおっしゃいましたが、沖縄の兵力展開について政府が具体的な説明をできないからではないでしょうか。なぜ沖縄だけかという問いに、沖縄基地は地理的に日米安保上重要だなどという漠然とした観念論では、とても県民の納得は得られません。
 アメリカのブルッキングス研究所は、この四日付のロサンゼルス・タイムズで、海兵隊の海上基地の約三分の二をオーストラリアと韓国に分散する論文を発表いたしました。基地負担を軽減しながら朝鮮半島の和平を視野に入れた地域安全保障の強化を図るというこの論文は、強い説得力を持っております。有事対応、米軍のプレゼンス維持という面からも、海兵隊の沖縄常駐は説明が成り立たないとアメリカの政府与党である民主党のシンクタンクが論じていることは、見逃せない事実であります。なぜ現有兵力が沖縄に必要なのか。政府として、現行兵力とそれにかかる費用を具体的に示した上で、なぜ米軍のプレゼンスが必要なのかを丁寧に説明すべきであると思います。国会に資料として提出すべきだと考えますが、総理、外務大臣の御所見を伺います。
 沖縄の基地問題は、本来、政府が対米交渉の中で責任を持って解決すべき事柄でありながら、判断が、県、名護市と順送りに地域の人々に押しつけられてきたことによって、そこに混乱の原因があるのだというふうに思います。名護市は現在でも、海兵隊キャンプ・シュワブ基地などにより、過重な基地負担を強いられております。それに加えて海上基地建設となると、住民に強い懸念があるのは火を見るよりも明らかだというふうに思います。
 総理は、沖縄の痛みを国民全体で分かち合うことがいかに大切であるか痛感していると述べられましたが、しかしながら、その後のSACOの最終報告合意における土地の返還では、そのほとんどが県内移設を条件としており、痛みを国民全体で分かち合ったものではなかったのであります。そしてこのことが、海上ヘリポート問題に代表される沖縄の米軍基地問題の行き詰まりを生み出す根本原因となっているのであります。
 私は、ここで総理とSACOの見通しの甘さを指摘しておかなければなりません。
 GAOは、去る三日、アメリカの会計検査院でございますが、SACO最終報告に関するレポートをまとめ、議会に報告しました。それによると、一つ、移転に伴うアメリカ側の負担は十年間で一億九千万ドルにも上ること、二つ、ヘリポートの建設費を四十億ドルとすると、年間の維持費は二億ドルにも上ること、三つ、有害物質の除去も加えるとさらに費用が増大し、工法上も困難な上に、最後には、環境問題も発生するおそれがあるとしています。
 総理のサンタモニカでの会談での詰めはどうだったのか。十分に練られた結論だったのか。もしそうだとすれば、政府もヘリポート建設に関する具体的なデータを示す報告書を国会に提出すべきだと考えますが、総理、防衛庁長官の御所見はいかがでしょうか。
 ここに一冊の論文があります。フォーリン・アフェアーズのブレジンスキー氏の論文であります。その中でブレジンスキー氏は、日本は事実上のアメリカの保護国であるということを主張しています。
 カーター政権の元大統領補佐官が、日本をアメリカの保護国、従属国と指摘しているのを見て、私たちは感情的な反応をするつもりはありません。ただ、自国の国益に関することや安全保障に関することが、十分な情報の開示もないままに、真摯な議論も経ずに、他国のヘゲモニーのもとで決まっていくような印象を与えるとしたら、それこそが、保護国、従属国であることの証左であるというふうに思います。(拍手)
 鈴木沖縄開発庁長官は、特別委員会の私たちの質問において、沖縄の駐留米軍の撤退時期について、国際情勢が変化すれば、沖縄県が基地返還アクションプログラムで要望している全面撤去目標である二〇一五年よりも前倒しでそれが可能である、そういう認識を示されております。政府全体としても、中長期的視点から、兵力削減の必要性を米国政府に明らかにしていくことがぜひとも必要であると考えますが、いかがでございましょうか。総理及び関係大臣の明快な答弁を求めます。
 私たち民友連は、さまざまな多元的な価値観の差異を認めながら、明確で透明性の高い合意形成の仕組みを持つ、連立時代の新しい政治のコンセプトに挑戦いたしております。
 その特徴は、一部の支持母体や既得権益が決定権を持つ縦社会ではなく、組織を超えた緩やかなヒューマンネットワークが幾重にも重なる横社会であります。人材の流動性が高く、自己責任と自由な発言環境のもと、それぞれの個性が遺憾なく発揮できること、競争システムと相互互助機能が調和していること、情報がオープンで共有意識が高いことなどでございます。
 国民主権の空洞化を許さず、弱い立場の人の声を最も重視する政治を創造していきたいと思います。
 我が国の司法制度を確立し、人権のために闘った江藤新平公の没後百二十四年が過ぎました。明治七年四月十三日、きょうは命日です。四十一歳でございました。
 あめとむちのような政策は言語道断でございます。沖縄県民の人権と自立を最大限に尊重し、沖縄の美しい環境を重視した経済自立を進めることこそが最も重要であることを強く指摘して、質問といたします。(拍手)
    〔内閣総理大臣橋本龍太郎君登壇〕

○内閣総理大臣(橋本龍太郎君) 原口議員にお答えを申し上げます。
 沖縄の痛みということについて自分の思いを語れと言われました。私が沖縄県の問題というものに具体的にぶつかったのは、大学の三年生、まさに対馬丸事件というものを初めて知ったときからであります。そして、国会議員として最初に私が取り組み、解決に努めた仕事も、この対馬丸事件の遺族の方々への補償の問題からでありました。それ以来、随分長いかかわりになります。
 そして、米軍施設・区域が集中して存在しているために沖縄県の方々にかけているその負担というものは、私は十分、少なくとも本土の人間の一人としては理解しているつもりでありますし、だからこそ今日まで、何とかこの問題に少しでも前進をと努力をしてまいりました。
 この内閣は、そのような認識の中で沖縄の問題というのを国政の最も重要な問題の一つとして、今後とも、米軍の施設・区域の問題あるいは経済社会の振興に全力を挙げて取り組んでいきたいと思います。
 また、沖振法の改正案についてお尋ねがありました。
 この法案は沖縄の振興開発にとって重要な法案であります。今後、沖縄県において、特別自由貿易地域制度を中心とする特別の措置がそれぞれの制度の趣旨に沿って有効に活用され、特色のある産業や貿易の振興による経済の自立化に資するとともに、沖縄の雇用促進につながるよう、適切な運用に努めていきたいと考えています。
 また、沖縄の基地というものにつき、国民が納得できる説明を政府が責任を持って行えという御指摘をいただきました。
 政府といたしましては、在沖縄米軍は、国際社会に引き続き不安定な要因の存在する中において、我が国の安全及び極東の平和と安全の維持に寄与していると考えておりますし、日米安全保障条約の中において、我々はその責任もまた負うております。
 そうした中において、日米両政府として最大限の努力をSACOの最終報告に向けて払ってきました。例えば、普天間飛行場の海上施設案、これは現時点で私は最良の選択肢だと考えておりますが、経費等詳細は、地元の理解が得られた後に鋭意検討することになります。こうした点を含めて、政府は国民の皆様の理解を得るよう適切な説明に努めてまいります。
 なお、サンタモニカでの問題の詰めという言葉をお使いになりました。サンタモニカの会談は私とクリントン大統領の初めての会談でありましたし、この問題を初めて提起した場でありましたし、普天間という基地を具体的に取り上げた最初の場でありますから、詰めといった状況ではございません。その詰めというのは、あくまでもSACOの最終報告であります。
 次に、一定の論文を引用されながら、沖縄の米軍基地の全面撤去について御意見がございました。
 政府としては、日米安全保障条約というものの必要性、そしてその遵守義務というものを今後とも日本のために必要なものだと考えております。その上で、沖縄に所在する米軍施設・区域の整理、統合、縮小の問題を政府の最重要課題の一つと位置づけて、沖縄県から伺った御要望も踏まえながら、米国政府とともに最大限の努力を払った結果としてSACO最終報告を取りまとめたものでありまして、今後ともその実施に最大限努力をしてまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣からお答えを申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣小渕恵三君登壇〕




  1. 2008/01/24(木) 20:19:59|
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141-衆-本会議東中光雄君ほか 平成09年12月02日

141-衆-本会議東中光雄君ほか 平成09年12月02日

○東中光雄君 私は、日本共産党を代表して、新ガイドラインについて質問します。
 新ガイドラインは、六〇年安保改定を上回る、日米安保条約の事実上の大改悪であります。在日米軍基地の強化拡大と長期固定化、米軍の行うアジア太平洋地域での武力介入に、自衛隊を初め、自治体、民間を含め、総動員して支援する態勢をつくるものであります。
 まず、米軍基地強化の焦点、海上ヘリポート基地の建設について質問いたします。
 総理は、十一月二十一日の沖縄復帰二十五周年記念式典で、米軍基地問題の最重要の課題は海上ヘリポート基地建設だと、地元住民にその受け入れを改めて要請いたしました。
 名護市沖に建設しようとする海上基地は、老朽化した普天間基地にかわって、二十一世紀のはるか先まで使える最新鋭基地の建設であり、最新の垂直離着陸機V22オスプレーを配備するなど、海兵隊基地機能を格段に強化するものであります。
 総理は、海上基地は撤去可能だとしきりに強調しますが、それでは、いつ撤去するというのですか。米側と撤去時期を合意をしているとでもいうのですか。大体、どんな基地でも撤去は可能であります。問題は、政府の基地撤去の意思と方針を定めることであります。
 いかにも基地を縮小し沖縄県民の負担を軽くするかのように言いますが、実際に進めているのは、海兵隊のために恒久的な最新鋭海上基地をつくり、その演習を日本全土に大規模に拡大するなど、米海兵隊が無期限に沖縄に居座るための足場を強化するものではありませんか。
 また、海上ヘリ基地建設の是非を問う名護市の住民投票を前にして、防衛庁長官が、沖縄県出身及び同県駐留の自衛隊員約三千人に「隊員諸君へ」と題した長官名の文書を送付し、基地建設の賛成投票獲得への協力を要請したことは、防衛庁長官がその指揮系統を通じて、条例に基づく住民投票に干渉するものであります。地方自治への乱暴な介入であって、断じて許されません。文書の撤回と、住民投票への政府の干渉行為の即時中止を求めるものであります。
 さて、新ガイドラインの中心問題は、米軍への基地提供だけでなく、新たに海外における日米の軍事協力を取り決めたことであります。
 日米の軍事共同対処は、安保条約第五条で、日本の領域に対する武力攻撃が行われた場合に限られているのであります。ところが、新ガイドラインは、日本に対し何ら武力攻撃が行われていないのに、「周辺事態への対応」として、米軍が行う軍
事作戦行動への自衛隊の作戦協力、日本の支援等を規定しているのであります。
 これらの海外での米軍への協力、支援は、安保条約に直接の根拠を持たず、安保条約の枠組みを超えるものであり、しかも、現行国内法のもとでは実施することができないものもあることは、政府自身が認めておるところであります。安保条約上も国内法上もできない周辺地域における軍事協力を、日米政府間で勝手に取り決め、国会にも諮らず、国民に押しつけて、既定のこととして立法作業まで進めるということは断じて許されません。総理のはっきりとした答弁を求めます。
 次に、周辺事態における日米の共同行動は、日本をアメリカの戦争計画に動員するもので、極めて重大であります。
 総理は、周辺事態の協力は主体的に判断すると強調しますが、そもそも周辺事態は、日米が緊密に連絡調整し、情勢の共通認識のもとで対処するものではありませんか。
 周辺事態が発生したと米軍が認定した場合、米軍はみずからの決定で平和と安全の回復活動、すなわち武力の行使を含む軍事作戦行動に入るのです。在日米軍、第三海兵機動展開部隊やインディペンデンスなどの空母機動部隊が周辺事態で出撃するのであります。そのとき、自衛隊は、周辺地域に出動し、これらの米軍部隊に協力し、AWACSやP3Cの警戒監視作戦や掃海部隊による機雷掃海作戦などの軍事作戦行動を行うのであります。
 総理、この場面で、日本はどのような自主的判断ができるというのでありますか。米軍と同じ認識に立った判断しかあり得ないのではありませんか。総理は、日本の自主的判断で一切軍事協力はしない、こういう決定をするとでも言うのでありますか。答弁を求めます。
 しかも、日本が何らの武力攻撃を受けていないのに、自衛隊が海外に出動して米軍の戦闘作戦行動に協力し、AWACSやP3Cにより収集した情報を米軍に提供し、また米軍の戦闘相手が戦闘行為として敷設した機雷の掃海作戦を行うなどということは、自衛隊法七十六条や九十九条に該当しないことは明らかであり、自衛隊法上何らの根拠もありません。政府の言う専守防衛の原則にも反し、明らかに憲法違反の海外での武力行使そのものではありませんか。
 周辺事態で重大な問題は、対米支援を行う自衛隊の活動領域がどこまでか全く不明確だということであります。
 安保条約には、日本周辺地域という規定もその定義もありません。日本周辺地域とはいかなる地域か、その地理的範囲については日米間で合意しているのか、していないのか。また、日本周辺地域とアジア太平洋地域及び極東の範囲は同じなのか、違うのか、違うならどう違うのか、はっきりすべきであります。
 総理は、日本周辺地域については答弁をせず、周辺事態というものは地理的概念ではない、地理的に一概に規定できないと繰り返していますが、この答弁は言いわけにもなりません。あくまで周辺地域の範囲は無限定で、事態の性格によって変わるものだと言い張るのですか。もしそうであるとすれば、日本政府は、米軍が周辺事態だとして軍事行動をするところは、それがどの地域であっても、すべて日本周辺地域として米軍への協力、支援を行うことになるではありませんか。
 これでは、かつて日本の侵略を受けた中国やASEAN諸国が懸念を表明し、政府が何度説明しても理解が得られないのは当然ではありませんか。総理の答弁を求めます。
 さらに、周辺事態における米軍の活動に対する日本の支援を数々誓約したことは極めて重大であります。
 第一に、米軍基地の適時かつ適切な追加提供の誓約であります。
 米軍が必要だとして新たな基地の提供を求めた場合、日本側はその必要性の有無、規模について何らの判断も差し挟むことができず、米軍の言うままに適時適切に基地を提供することを誓約しているのであります。このため、日本政府は、適時適切に米軍用地の使用権限を取得できるように米軍用地特措法の再改悪をしようというのではありませんか。
 第二に、米軍による自衛隊施設や民間空港、港湾の一時使用を確保するということを取り決めております。
 港湾は、米軍が欲する時期にその欲する港湾に入港し、神戸港であろうと博多港であろうと、米軍の欲するままに優先使用を日本政府と港湾管理者が保障するということになるのではありませんか。
 民間空港は、米軍の作戦機や輸送機、民間チャーター機を、成田であろうと羽田であろうと関西空港であろうと、米軍が必要と言えばいつでも、日本側は言われるままに民間機の一般使用を制限、排除し、米軍の優先的使用を確保する、そのための法整備を含む体制をとるということではありませんか。答弁を求めます。
 第三に、米軍の活動に対する後方支援として、兵員、武器弾薬の輸送を初め、補給、整備、医療、警備、通信等の支援項目は、いずれも安保条約及び関連取り決めや国内法上の根拠はありません。周辺有事の米軍戦争行為への協力、支援であり、参戦行為そのものになります。こうした許しがたい誓約を実行するために、有事版のACSAや国民総動員の有事立法、海空域調整の有事立法をつくるなどは、断じて許されないと思います。
 新ガイドラインのもとで、日米政府は、共同作戦計画、相互協力計画を検討するなど、包括メカニズムの共同作業を開始していますが、これは、周辺事態への対処体制を確立するため、米軍と自衛隊という軍レベルだけではなくて、政府全省庁、地方自治体、民間挙げての戦時総動員体制をつくるものではありませんか。
 中でも、自衛隊と米軍が共通の準備段階を設定し、共通の実施要領を策定するとしていることは重大であります。これは、周辺事態等に対する即応態勢、つまり戦闘準備態勢を日米同一基準にし、戦闘時の作戦実施要領、交戦規則を日米共通のものにするものであります。自衛隊を事実上米国の従属国の軍隊として米軍の一部に組み込んでしまうことになるではありませんか。答弁を求めます。
 最後に、新ガイドラインは、日米の共同演習訓練について、従来の自衛隊と米軍による共同訓練にとどまらず、日米両国の公的機関や民間機関をも巻き込んだ共同訓練等の強化を取り決めたのであります。新ガイドライン策定後、日本全域で相次いで実施されている日米の共同演習は、いずれ
も民間の空港、港湾を使用し、民間輸送業者等の輸送業務に支えられ、多数の警察官による警備活動の中で行われ、米海兵隊の各地での実弾演習も日米共同の実動演習も米軍機の超低空訓練も、質量ともに著しく強化され、各地で重大な被害が起こっておるのであります。国民に重大な不安をもたらしております。
 まさに、米軍支援の総動員体制を実践的につくるものにほかなりません。こうした共同演習等の強化はもってのほかであります。直ちに中止すべきであります。総理の答弁を求めて、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣橋本龍太郎君登壇〕

○内閣総理大臣(橋本龍太郎君) 東中議員にお答えを申し上げます。
 まず、海上ヘリポートの撤去時期についてのお尋ねがございました。
 現段階で具体的なことを申し上げることは困難でありますが、いずれにいたしましても、普天間飛行場の代替ヘリポートにつきまして、いろいろな条件を考え抜いたあげく、安全、騒音、自然環境などいろいろな問題を考慮した上、現時点における最善の選択肢として、撤去可能な海上ヘリポートを追求することといたしました。
 次に、新指針と安保条約などの関係についてのお尋ねがございました。
 周辺事態におけるさまざまな日米協力は、日本及び極東の平和と安全の維持という日米安保条約の目的に合致するものであり、憲法の範囲内でその時々に適用のある法令によって当然行い得るものであります。新指針自体は国会承認の対象ではありませんが、実効性確保のため新規立法、現行法の改正等を行うときは、国会に当然お諮りを申し上げることになります。
 次に、周辺事態における我が国の協力の判断についてのお尋ねがございました。
 周辺事態に際し、我が国が後方地域支援などの対米協力を行うか否かについては、我が国の国益確保の見地から自主的に判断を行うことになります。我が国として、個々の事態においていかなる対応をとるかにつきまして、あらかじめ一般的に想定することはできません。
 次に、周辺事態とは地理的概念ではなく、生じる事態の性質に着目したものであります。ある事態がこれに該当するかどうか、それは、その事態の態様、規模などを総合的に勘案し、日米がそれぞれ主体的に判断をいたします。また、指針に関しましては、アジア諸国を含め関心を有する諸国に説明を行い、おおむね理解を得られつつあると考えておりますけれども、今後とも必要に応じ、説明をしてまいります。
 次に、自衛隊施設や民間空港、港湾の一時使用と法的整備についてお尋ねがありました。
 このような一時的使用を確保する場合には、使用の態様及び地元に与える影響などについても十分考慮する必要があると考えます。このような問題につき、どう調整を図るかという点を含め、周辺事態に際しての対米協力のあり方につきましては、今後、政府部内において真剣に検討してまいります。
 次に、米軍への後方地域支援についてのお尋ねがございました。
 周辺事態における日米協力は、日本及び極東の平和と安全の維持という日米安保条約の目的に合致するものであります。また、政府として、新指針の実効性確保のために、今後法的側面も含め、具体的な施策を検討してまいりますが、その際、憲法を遵守することは当然であります。
 次に、日米の共同作業についてお尋ねがありました。
 日米の共同作業は、我が国に対する武力攻撃あるいは周辺事態に際して、日米両国政府が円滑かつ効果的に対応し得るよう平素から実施されるものでありまして、議員が仰せられましたような戦時総動員体制をつくるものでは、また、それを目的とするものではございません。
 それから、共同演習等の強化についての御指摘がありました。
 日米共同訓練は、我が国に対する武力攻撃に際し、日米共同対処行動を円滑に行うために不可欠である等の観点から実施してまいっており、また、新指針で記述されております共同演習訓練の強化については、今後さらに検討してまいりたいと考えており、いずれにせよ、これを中止する考えはありません。
 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣小渕恵三君登壇〕

○国務大臣(小渕恵三君) 日本周辺地域とはいかなる地域かというお尋ねでございますが、この日本周辺地域とは、そこにおいて生起する事態が日本の平和と安全に重要な影響を及ぼし得る地域であります。このような事態が生じる場所をあらかじめ特定できるわけではなく、地理的に一概に画することはできません。したがいまして、その具体的な範囲について、日米間であらかじめ合意することはできるものではなく、また、極東ともアジア太平洋地域とも性質を異にする概念であります。
 極東は、日米安保条約に関する限り、日米が国際の平和と安全の維持に共通の関心を有している区域であります。その範囲は、昭和三十五年の政府統一見解のとおりでございます。
 アジア太平洋地域とは、日米安保条約により米軍が我が国に駐留していることが、結果としてその平和と安定に寄与している地域であります。これについても明確な境界を画し得るものではありません。(拍手)
    〔国務大臣久間章生君登壇〕

○国務大臣(久間章生君) 東中議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず初めに、普天間飛行場の代替海上ヘリポートについて私の名前でお出しした文書についてのお尋ねでございますが、当該文書は、自衛隊員に対し、防衛庁の所掌事務である普天間飛行場移設問題について、その経緯、重要性を改めて認識してもらうとともに、名護市民を初めとする国民の皆さんにその内容等についてよく知っていただけるようお伝え願いたいとの考えを述べたものであり、投票に対して干渉を行うという、そういう趣旨ではなく、文書を撤回する考えはございません。
 次に、周辺事態における協力についてのお尋ねでございますが、周辺事態は日本の平和と安全に重要な影響を与えることから、情報の交換、機雷の除去を含め、各種の協力を行おうとするものであります。
 いずれにいたしましても、協力に際しての日本
の行為は、その時々において適用のある国内法令に従うとともに、専守防衛という我が国の基本的な方針に反して行われるものではないということは言うまでもございません。
 次に、周辺事態における米軍の施設の使用についてのお尋ねですが、周辺事態において我が国が新たな施設・区域の提供を含む対米協力を行うか否か、また、いかなる協力を行うかにつきましては、我が国の国益確保の見地から、我が国が主体的に判断を行うことになります。
 いずれにせよ、指針に基づく日米間の協力は、日米安保体制の信頼性を一層向上することにつながるものと考えております。
 共通の準備段階等についてのお尋ねでございますけれども、日本防衛や周辺事態における協力措置の準備のために確立される共通の基準や、日本防衛のための整合のとれた作戦を円滑、効果的に実施できるよう準備される共通の実施要領については、今後、日米共同作業として検討することを考えていますが、米軍及び自衛隊はおのおのの指揮系統に従って行動することは当然であり、自衛隊を米軍の一部に組み込むとの御懸念は当たらないと考えております。(拍手)
    〔国務大臣藤井孝男君登壇〕

○国務大臣(藤井孝男君) 東中議員にお答え申し上げます。
 米軍に民間空港、港湾を優先的に使用させるつもりではないかとのお尋ねでありますが、民間空港、港湾の一時的使用は、これまでも日米地位協定第五条に基づき行われてきており、いわゆる周辺事態においてこのような一時使用を確保する場合には、使用の態様及び地元に与える影響等についても十分考慮する必要があると考えております。
 このような問題につきまして、いかに調整を図るかという点を含め、新ガイドラインの実効性を確保するとの観点から、平成九年九月二十九日の閣議決定の趣旨を踏まえ、法的側面も含めて、具体的な施策について政府部内において真剣に検討していく必要があると考えております。(拍手)
    ―――――――――――――

○副議長(渡部恒三君) 北沢清功君。
    〔北沢清功君登壇〕

○北沢清功君 私は、社会民主党・市民連合を代表し、ただいま議題となりました新たな日米防衛協力の指針について、橋本総理初め関係閣僚に質問をいたします。
 私たち社会民主党は、今回の新ガイドラインに関して、昨年の第二次橋本政権発足に当たっての三党合意の「現行憲法や集団的自衛権に関する政府解釈を前提」とすることと、「近隣諸国との関係に十分配慮し、誤解を与えないよう明確な説明を行っていく」ことに従い、政府・与党間の協議に参加してまいりました。
 新指針は、日米両国の防衛協力について、一般的な枠組みと方向性を示す運用の手引書であって、両国間に権利義務関係を発生させるものではないことを前提に、憲法第七十三条が求める国会承認を必要としないという考えでおります。しかしながら、新指針に関して国民の関心も高いこと、その内容に憲法や安保条約と矛盾するおそれのある事項が含まれていることと、さらには、外交は政府の専権事項といっても、国権の最高機関である国会が政府の外交に積極的に関与することによってその透明度を高めなければならないことから、我が党は、この臨時国会冒頭から政府の報告と本会議における討論を求めてまいりました。
 まず、新指針のうち、憲法や日米安保条約等と矛盾するおそれのある事項については、社会民主党は、立法化にも予算化にも同意できないという立場であることを表明しておきます。
 国民の最大の疑問は、ポスト冷戦の時代になぜ新ガイドラインなのか、なぜ堂々と安保条約の改正案を提案しないのかということにあります。
 冷戦後、世界は軍縮の方向に向かって進みつつあり、各国が平和の配当を求める潮流の中、なぜ新たな日米同盟の枠組みが確立されようとしているのか。旧ソ連の脅威が消失したにもかかわらず、なぜ引き続き四万七千人の在日米軍を維持しなければならないのか。いざというときのための準備と言うが、周辺諸国のいずれかが日本本土を攻撃し、上陸侵攻するという日本有事が近い将来本当に勃発すると考えているのか。
 同時に、アジア太平洋地域における米軍の軍事プレゼンスに日本が一層の補完的な役割、任務を負わされるのではないか。また、被災地救援、捜索・救難、非戦闘員退避、臨検などは主体的な活動とされ、PKO法の枠を超えた、事実上の自衛隊の海外出動を可能にするものではないか。このように、安保の枠組みを変え、専守防衛を柱とする我が国の防衛政策に変化をもたらすものを一片の手引書で改定を行うのはいかがであろうか。
 このような国民の疑問に対して、総理から明確なお答えをいただきたいと思います。
 次に、新指針を不透明なものとしている周辺事態及び周辺地域に関してお尋ねをいたします。
 政府はなぜ、周辺事態、日本周辺地域の地理的範囲を明確にしないのでしょうか。私たちは、日米安保条約の基本的枠組みを変更しないことが前提である以上、同条約第六条の「極東」に限定するとともに、七二年の日中国交正常化以後の我が国は、台湾関係法を持つアメリカとは異なって、中台有事を中国の国内問題として扱うようになったと解することを主張してまいりました。しかし、政府は、日本周辺地域を地理的概念は伴わないものとして、周辺事態を事態の性質に着目した概念としたことから、いかようにも解釈可能な危険性をはらむ、より拡大が求められるおそれがあるものとなりました。日本の軍事大国化への懸念を表明しているアジア近隣諸国から十分な理解を得ることもできないと考えますが、総理の御見解を承りたいと思います。
 私は、国民に一層の負担と危険を強いることになる周辺事態を認定する場合は、自衛隊の防衛出動に準じて、内閣総理大臣が閣議決定を経て、国会の同意を得て行うべきであることを強く求めていきたいと思います。安保条約第五条の事前協議においても、日本として独自の判断を担保することは当然であります。
 そして、例えば米軍に対する日本の支援によって、米軍の攻撃対象国が日本に報復攻撃をした場合、再び国民を戦渦に巻き込む危険があるのではないでしょうか。また、昨年三月の台湾海峡危機のように、周辺事態の抑止を口実としたアメリカによる介入それ自体が周辺事態を引き起こすことさえ考えられるのではないでしょうか。総理のお考えはいかがでしょうか。
 周辺事態における具体的な協力についてお尋ね
をいたしたいと思います。
 社会民主党は、民間施設の使用は国民感情からも極力避ける、武器弾薬の補給は憲法上許されていないことを明確にする、特に公海上の米艦船に対する武器弾薬の海上輸送及び整備については、武力行使と一体化するおそれがあり、協力項目から除外する、周辺事態における海空域調整は、まず現行の在沖縄米軍優先の航空交通管制のあり方そのものについて検討するなどについて主張をしております。政府がこれらの点に同意できないのはなぜなのか、防衛庁長官から明確にしていただきたいと思います。
 あわせて、日米の協議の促進、政策調整及び作戦、活動分野の調整のあり方の包括的メカニズム、調整メカニズムをつくることが合意され、また国内法整備のための関係省庁間協議が始まっています。現在の防衛政策の整合性との関係、具体的検討項目、関係省庁間協議の現況や法整備の内容、法案提出の時期について御答弁をお願いいたします。何よりも、十分な国会論議、地方自治体の声、国民の世論を踏まえないままに法整備に着手するということは、余りにも性急ではないかと考えますが、総理、いかがでしょうか。
 国際政治学者の坂本義和氏は、今回のガイドライン見直しの論議に決定的に欠けているものは、東アジアの将来に対するビジョンの創造への政治的情熱と意思であると言っております。日本がアジアの一員であるからには、アジアにおける軍事的な緊張緩和と紛争の発生防止に積極的に貢献することこそ、最も優先されるべき課題であると考えます。米軍基地の整理、統合、縮小、アジアでの多面的な平和維持体制づくりへの貢献など、有事をつくらない絶えざる外交努力が必要であります。南北朝鮮の和解と統一にも政府として努力を傾注すべきでありますし、また、三党合意では、ASEAN地域フォーラムの強化策等具体的な提案やアジア地域の軍縮に向けて積極的な提案を行うとしております。政府としては、どのような準備、検討をしているのか、外務大臣からお答えをお願いいたしたいと思います。
 最後に、橋本内閣が、村山総理の戦後五十年における八月十五日の談話を基本とし、アジアにおける緊張緩和、世界の軍縮と核廃絶の外交、地球環境保全の外交などを主目的とする外交改革に対して果敢に踏み出されることを期待し、総理の御決意をお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣橋本龍太郎君登壇〕

○内閣総理大臣(橋本龍太郎君) 北沢議員にお答えを申し上げます。
 まず第一に、日米同盟と在日米軍に対するお尋ねがございました。
 国際社会に依然として不安定要因が存在をいたします中において、日米安保体制及び在日米軍は、我が国の安全及びアジア太平洋地域の平和と安定に重要な役割を果たしており、また、在日米軍につきましては、その存在自体が目に見える形での抑止機能を果たしてもおります。日米安保体制の一層の充実及び米軍の駐留の維持は極めて重要だと考えております。
 次に、米軍のプレゼンスと日本の役割についてお尋ねがございました。
 新たな指針及びそのもとでの取り組みは、日米安保体制を一層充実させ、アジア太平洋地域における米軍のプレゼンス確保に貢献するものであります。ただし、新指針に明記されておりますとおり、日米安保条約及びその関連取り決めに基づく権利義務や日米同盟関係の基本的な枠組みは変更されません。
 次に、被災地における救援などの日米両国政府がそれぞれ主体的に行う活動についてのお尋ねがございました。
 これらの活動を我が国が実施いたします場合には、武力行使の目的を持って武装した部隊を他国に派遣することはせず、また、その時々において適用のある国内法令に従うことは言うまでもありません。
 次に、新指針と日米安保体制及び我が国の防衛政策との関係についてのお尋ねがございました。
 新指針の「基本的な前提及び考え方」において明確に述べておりますとおり、日米安保条約及び関連取り決めに基づく権利及び義務並びに日米同盟関係の基本的な枠組みは変更されません。また、指針のもとでの日本のすべての行為は、日本の憲法上の制約の範囲内で専守防衛などの基本的方針に従って行われるものであります。
 次に、周辺事態の範囲などについてのお尋ねがございました。
 周辺事態が生じる場所をあらかじめ特定できるわけではないことは、累次御説明を申し上げてきたとおりであります。極東の範囲に関する政府の見解に変更はございません。台湾をめぐる問題につきまして、我が国としては、関係当事者間の話し合いによる平和的解決を強く希望しております。指針につきましては、今後とも必要に応じ、関心を有する各国に説明を行います。
 周辺事態の認定についてのお尋ねがございましたが、ある事態が周辺事態に該当するかどうか、日米両国政府がそれぞれ主体的に判断をすべきものであります。また、周辺事態において我が国が活動を行う際にはしかるべき手続が必要だと考えますが、その時々において適用のある関係法令に従うことは当然であります。なお、安保条約第六条の事前協議につきましても、我が国は自主的に判断し、諾否を決定いたします。
 米軍への支援により戦渦に巻き込まれるのではないかというお尋ねもございました。
 指針のもとでの日米同盟関係の充実強化は、日本の安全及び地域の平和と安定に影響を与えるような事態の防止や、その拡大の抑止、収拾を目的といたしております。また、その指針のもとで我が国が国連憲章及び日米安保条約に従って行動する米軍に対し行う協力は、国際法上適法な行為でございます。
 次に、包括的なメカニズムと調整メカニズムについてのお尋ねがございました。
 前者は平素から日米共同作業を実施するためのものでありますし、後者は緊急事態において日米の活動の調整を図るものであります。具体的内容は現在鋭意検討中でありますが、両者はいずれも日米防衛協力を効果的に進めるという観点から構築するものでありまして、日米安全保障体制を基調とする我が国防衛政策と一致するものであります。
 また、国内法整備の関係省庁の作業についてもお尋ねがございました。
 新指針の実効性の確保に関しまして、九月二十九日の閣議決定の趣旨を踏まえ、現在、法的側面
を含めて政府全体として具体的な施策について検討しているところでありまして、可能な限り速やかにその検討作業を進め、所要の措置を講ずることが重要であると考えております。
 また、橋本内閣が、村山内閣総理大臣の戦後五十年談話を基本とし、アジアにおける緊張緩和、世界の軍縮と核廃絶の外交、地球環境保全など、こうした点の外交改革に果敢に踏み出すことを期待というお話をいただきましたが、私どもは、この基本姿勢を引き継ぎながら、その上でアジア太平洋の繁栄と安定のために、域内での地域協力、信頼醸成に努力をいたしていきます。
 また、国際社会の責任ある一員として、核兵器を含めた軍縮、あるいはまさに今COP3を我が国で開催しているわけでありますが、環境問題などの地球規模問題に積極的に取り組んできており、今後とも努力してまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣小渕恵三君登壇〕

○国務大臣(小渕恵三君) 私に対してのお尋ねは、アジア太平洋地域情勢の安定化、改善を図る方途はいかんということでございますが、政府といたしましては、二国間、多国間等の外交努力を一層強化いたしまして、ASEAN地域フォーラムを初め、各種の安全保障対話や地域協力の促進を図るなど、あらゆる努力を行っていく決意でございます。(拍手)
    〔国務大臣久間章生君登壇〕

○国務大臣(久間章生君) 北沢議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、施設の使用に関するお尋ねでございますが、新たな施設・区域の提供につきましては、周辺事態の拡大の抑制及び収拾のための日米の効果的な対応が我が国の平和と安全を確保する上で極めて重要であるとの観点や、既存の施設・区域や自衛隊施設の能力、近隣への影響等について総合的に勘案し、主体的に判断することになります。
 次に、後方地域支援に関するお尋ねでございますが、武器弾薬の補給について現時点で日米協力の必要性が想定されていないため対象から除外されており、憲法上の評価につきましてはお答えすることは差し控えさせていただきます。
 また、公海上の米艦船に対する人員、物資等の輸送等は、戦闘地域から一線を画される場所において行われ、さらに一般的に艦船の特性を考慮した場合、個々の作戦行動と直ちに結びつくものではないことにかんがみれば、米軍による武力行使との一体化は基本的に想定されないと考えております。
 最後に、海空域調整についてのお尋ねでございますが、政府としては、新指針に盛り込まれた項目については、その実効性を確保するとの観点から、九月二十九日の閣議決定の趣旨を踏まえ、具体的な施策について検討していく考えでございます。
 なお、一般論として申し上げれば、米軍機と他の航空機の混雑が予想される場合には、関係機関の関与を得て運航調整を十分に行い、安全確保に万全を期すことが重要であると考えております。(拍手)
    ―――――――――――――




  1. 2008/01/24(木) 20:19:14|
  2. 横田エリアを無くそう--国会議事録でみる「米軍」「空域」「横田」|
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141-衆-運輸委員会濱田(健)委員平成09年12月03日

141-衆-運輸委員会濱田(健)委員平成09年12月03日

○濱田(健)委員 どこがネックになっているかということは言葉で言わなくてもお互いが大体わかっていると思うのであります。その辺をしっかり頭に入れて対応していただきたいというふうにお願いをしておきたいと思います。
 時間がなくなりました。
 先ほど寺前先生からもガイドラインと関係づけて幾つかのお話がございました。その新ガイドラインが、思いとしていいとか悪いとかということはのけておいて、運輸省マターの部分で考えたときに、空港や港湾、これらのところに協力体制というものが日常的に仮にしかれていくとしたときに、さまざまな民生上の問題点が考えられると私は思うのでございます。
 実は、鹿児島空港から沖縄に行くときには、これは事実は確認していませんから、私が聞いたこととしてお聞きいただきたいのですが、民間旅客機が飛び立ちますと、奄美大島の上空に来るともう下降を始めます。三十分、四十分、水面がきれいに見えるような低空飛行を繰り広げて那覇空港におりると。私は最初沖縄に行ったときに、なぜこんなに早くから低いところを飛ぶんだろうか、旅客機にとっては多分操縦技術は難しいのじゃないかな、パイロットにとっては厳しい運航状況を強いられているんじゃないかなというふうな思いでおりましたら、やはり管制が、鹿児島空港を飛び立つときから米軍の管制下に置かれているらしいですよというふうにお聞きしたところでございます。
 最終的に沖縄に着陸するときの航路の問題からすれば、お互いにどこをどういうふうに飛ぶという取り決め、ルールが必要だとは思うのですが、そういう部分が、一つの例としていろいろなところで起きる。そのときに、いわゆる民間人の使用するさまざまな部署が、今よりももっと危険にというか、不都合な状況になるのではないかというような思いがするわけでございます。
 それで多分、まだなんだろうと思うのですけれども、来年度の通常国会ではこの部分についていろいろな形で国内法の改正も必要であるとかないとかという話も出ているわけですが、その辺のところが、どういう部分であるのかないのか、まだ協議していらっしゃらないのか、やるとすればどういうスタンスで、運輸省という立場からはどういう形でやられようとしているのか、お聞きして、質問を終わりたいと思います。

○土井政府委員 お答えいたします。
 ただいま先生が冒頭おっしゃられました鹿児島から那覇へ向けた飛行につきましては、ちなみに、那覇空港のアプローチコントロール、飛行機が接近するその空域におきましては、嘉手納の基地の方で管制をしている。その関係で嘉手納基地と那覇空港との飛行のセパレーションをとるという意味で、少し前から低い空域を行くということがございます。
 ガイドラインの問題でございますけれども、先ほど来大臣からもお答えいたしておりますが、米軍の航空機とか船舶が、日米の地位協定に基づきまして、現在でも我が国の空港とか港湾の一時使用を行っております。それはできます。その上で、新しいガイドラインとの関係でどういう使用をしていくかということにつきまして、これから具体的に使用の態様、形態につきまして、私どもとして関係機関と相談をする、あるいは情報を与えていただいて相談をしていくということになっていくと思います。
 ただ、その相談の上での検討の中で、私どもとして民間の空港とか港湾を所管しているわけでございまして、それの使用の態様がこれからこのガイドラインとの関係でどうなるのか、あるいはその使用が地元にどういう影響を与えるのか、これらにつきまして十分考慮いたしまして、関係機関と相談をし、まとめてまいりたいというふうに思っております。




  1. 2008/01/24(木) 20:18:28|
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141-参-本会議立木洋君 平成09年12月03日

141-参-本会議立木洋君 平成09年12月03日

○立木洋君 私は、日本共産党を代表し、新ガイドラインの報告について、総理並びに関係閣僚に質問をいたします。
 この指針は、いわゆる周辺事態が発生し、アメリカが軍事介入したら、日本が何ら武力攻撃を受けていないにもかかわらず日本も自動的に参戦することを重要な柱とし、日米共同の軍事対処の内容を取り決めたもので、日米安保体制を拡大強化し、アジア太平洋地域での軍事的同盟とする大改悪にほかなりません。
 このガイドラインでは、国際法の基本原則並びに国連憲章など国際約束に合致するものと述べていますが、国連憲章では、自衛権は武力攻撃が発生した場合にのみ発動し得るものである、そのおそれや予防などでは発動することはできないことは明白です。しかるにアメリカは、自国の海戦法規を一九八七年に全面改訂した「指揮官のための海軍作戦法規ハンドブック」によると、武力攻撃が発生していなくても、必要がある場合にはいわゆる先制自衛と称し、自衛の口実による武力行使を含む先制攻撃を容認しているように、既に国際法の基本原則に反する態度を明らかにしています。
 それにもかかわらず、このような米軍との共同
作戦行動をとることがどうして国際法の基本原則に合致すると言えるのでしょうか。しかも、国連で、国際法と諸国の独立、主権、領土保全への甚だしい侵害と非難されたアメリカのグレナダ、パナマなどへの侵略行為に対し日本政府は明確に抗議の意思の表明もできなくて、国際法の基本原則に合致した態度をとるなどとどうして言えるのでしょうか。
 小渕外相は、予算委員会での上田議員への答弁で、米軍の行動が国連憲章に反するものとなることは想定されていないと述べ、橋本総理もそういうケースはあり得ないと述べていますが、米軍の法規や侵略行為に照らしてこの発言はどう合理化されるのでしょうか。答弁を求めます。
 また、この指針について日本の憲法上の制約の範囲内においてと言いますが、憲法の枠という場合、武力行使と一体となるか否かだけが問題ではありません。日本国憲法の立場から導かれる恒久平和という枠を真剣に踏まえる必要があります。そのためには、周辺事態の発生を見ても、あくまでも平和的解決に全力を尽くすことこそ日本のあるべき姿ではありませんか。
 そもそも、周辺事態における米軍の戦闘行動に協力する根拠が現憲法のどの条項によって容認されるというのでしょうか。憲法前文の「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、」たことでも、また憲法第九条に照らしても、重大な憲法違反であることは明白ではありませんか。
 総理、まずこれらの基本問題について明確な答弁を求めます。
 アメリカの「指揮官のための海軍作戦法規ハンドブック」第八章の合法的攻撃目標の諸原則の項目では、軍事目標とは、その性質、位置、目的または使途により敵国の戦争遂行能力または継戦能力に効果的に貢献するものであって、しかもその全面的もしくは部分的破壊、拿捕または無力化がその攻撃時の状況下において攻撃者にとり明確な軍事的利益を構成するものと規定しています。
 それによると、ガイドラインに示された周辺事態における四十項目の米軍への協力は、米軍の交戦相手国に対する明らかな敵対行動で米国の明確な軍事的利益を構成するものであり、相手国から敵性行為とみなされ、その攻撃の目標となることは明白であります。
 さらに同ハンドブックでは、紛争時における国家の立場について、国際紛争に参加している交戦国か、あるいは紛争に関し中立の地位を有している中立国のいずれかであると定めています。それによっても、ガイドラインによる日本の米軍への協力は国際法上明らかに交戦国とされるのではありませんか。あわせて明確に答弁を求めます。
 日本政府は、周辺事態での米軍の行動への日米共同対処を行う臨検、情報提供、米軍武器・弾薬・燃料の輸送、機雷の除去等、まさしく戦争協力行為そのものであります。湾岸戦争は、ペルシャ湾内を航行した九百六十四隻もの船舶をアメリカ軍は臨検し、停船命令に従わなかった船舶十一隻には威嚇攻撃を行い、さらに他の十一隻にはヘリコプターを使って強制乗船しているのであります。
 現に、マクデビット米元海軍大将は、自衛隊が臨検に参加するなら武力行使が前提となると明言しているではありませんか。また、自衛隊による米軍への武器・弾薬の提供は除くとしてもその輸送は、明らかに米軍と戦闘状態にある相手国に打撃を与え、その兵士、国民を殺傷するための軍事的協力であって、米軍の戦争遂行能力及び継戦能力と不可分のものであることは明白ではありませんか。
 特に指摘したいことは、ガイドラインでは、周辺事態についても共同作戦計画や相互協力計画など具体的な計画をつくり、さらに各段階での日米両国の共通の基準、実施要領など事実上の日米共同の交戦規則の作成まで盛り込んでいます。そのために、常設の日米共同調整所がつくられ、包括的メカニズムのもとに作成される共通の基準や実施要領に反して、日本が協力を拒否する権利は全く保障されていません。さらに、平時からこれら実施要領に基づく共同演習、訓練さえ強化されていることを見ても、これらは、アメリカ自身が国際法に違反している武力行使でも、その協力を公然と日本に要求し、米軍の戦争への自動参戦体制確立を図り、実質的な集団的自衛権の行使となることははっきりしているではありませんか。あわせて明確にしていただきたい。
 アメリカの実務レベル交渉の一人であるキャンベル国防次官補は、日本の法整備の問題について、勢いを失わないことが重要だと有事立法を急ぐことを求めましたが、これこそ米軍と自衛隊の軍事行動を最優先とし、民間港湾、空港の確保、交通網の保障、物資や土地施設の徴発、役務の提供など、日本国民を米軍支援に強制的に総動員する、かつての戦時立法への逆行であり、国民の基本的人権、財産権、言論、結社の自由などの制限につながるものではありませんか。
 既に行われた実弾射撃訓練の本土移転については、キャンプ・ハンセンの訓練と同質同量の訓練とすると確約しながら、矢日別、王城寺原、北富士での砲撃数は合計して既に沖縄の一〇四号線越えの砲撃を大きく上回っています。
 しかし、問題はその数だけではありません。訓練期間の延長や二十四時間体制の夜間訓練や通信訓練まで行い、自由外出を認めないとの約束までほごにすることを含め、これを同量同質の訓練のあり方であると平気で述べることは、米軍の言うがままの要求を受け入れる追随姿勢そのものではありませんか。
 さらに、訓練海域を公表せず日米共同海上訓練が実施され、滋賀県饗庭野や北海道の旦局地方空域における日米共同訓練等は、漁船との接触事故や競走馬の流産、さらに住民を不安に陥れるもので、沖縄の基地、訓練の縮小、削減どころか、日本列島を要塞基地化する拡大強化そのものであります。
 さらに、名護市沖への海上基地建設を最重要課題として、県民の反対の世論を振興策をてこに切り崩そうとしていますが、米軍基地と沖縄の繁栄は決して両立いたしません。しかも、海上基地は最新鋭の垂直離着陸機V22オスプレイが配備され、米海兵隊の一大拠点をつくるもので、県民の意向に真っ向から反するものであり、さきに述べた共同訓練の拡大ともあわせて完全に中止すべきであります。
 これまで見たように、現行安保条約の基本的枠組みを大幅に改変する新ガイドラインは、六〇年の日米安保条約改定以上の重大な問題であります。憲法第七十三条三号では、条約の締結につい
て「国会の承認を経ることを必要とする。」と明記しているように、新ガイドラインについては当然国会の承認を必要とすべきであります。
 最後に、ガイドラインに対する中国を初め東南アジア諸国の強い批判に示されているように、日本とアジア太平洋の平和と安全のための日本の歩むべき道は、軍事力に依存するのではなく、日米軍事同盟を解消し、非同盟中立の道を選択して、アメリカとも友好条約を結び、諸外国との平和的外交政策を推し進めてこそ真の国際貢献となることを強調し、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕

○国務大臣(橋本龍太郎君) 立木議員にお答えを申し上げます。
 まず、先制自衛の国際法上の性格についてお尋ねがございました。
 我が国として、他国の国際法の解釈について評価をする立場にはないと思います。
 なお、一般論を申し上げれば、国連憲章第五十一条、自衛権の発動が認められるのは武力攻撃が発生した場合であると規定しておりますが、武力攻撃以外の形の侵害に対して自衛権の行使を排除するという趣旨であるとは解しておりません。
 次に、米国の行為と日本の対応についてのお尋ねがございました。我が国は、国際法上違法な武力行使には一貫して反対の立場をとっております。いずれにせよ、新指針のもとでの日米両国の行為が国際法の基本原則並びに国連憲章等の国際約束に合致するものであることは新たな指針においても明らかにしておるところであり、米国が国際法上違法な武力行使を行うことは想定しておりません。
 次に、周辺事態における協力の憲法上の根拠についてのお尋ねがございました。
 我が国が自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために憲法第九条に違反しない範囲で必要な安全保障のための措置をとり得ることは、憲法第十三条及び前文の趣旨からいって当然のことと解されます。周辺事態における米軍への協力も、そのような考え方に従い、武力の行使等に当たらない限度内で行うものであります。
 また、周辺事態における米国に対する協力についてのお尋ねがございました。
 新たな指針の周辺事態における協力項目に掲げられている行為は、我が国が行うことを想定している具体的な内容及び態様に関する限り、それ自体は武力の行使に該当せず、また米軍の武力の行使との一体化の問題が生ずることも想定されません。さらに、これらの協力は国際法の基本原則にも合致するものであります。
 また、紛争時の国の立場についてお尋ねがございました。
 武力行使が原則的に禁止された国連憲章のもとにおきましては、戦争が違法でないことを前提とした交戦国、中立国の概念は、今日そのまま適用されないと思います。いずれにせよ、我が国が国連憲章及び日米安保条約に従って行動する米軍に対して行う協力、これは国際法上適法な行為であり、我が国への武力攻撃を正当化させることはあり得ません。
 共通の基準等に関するお尋ねもございました。
 これらは円滑な日米協力に必要な手続等をあらかじめ定めるものであり、日米協力を行うか否かは我が国が国益確保の見地から主体的に判断をいたします。指針のもとでの日本のすべての行為は憲法上の制約の範囲内において行われ、憲法上集団的自衛権の行使は許されないとする政府の見解に何ら変更はありません。
 次に、国内法整備についてのお尋ねがございましたが、政府は、この新たな指針の実効性を確保するとの観点から、九月二十九日の閣議決定の趣旨を踏まえ、法的側面も含め、具体的な施策について検討いたしております。その際、基本的人権の尊重などを定めた憲法を遵守することは当然であります。
 最後に、普天間飛行場代替海上ヘリポートの建設についてのお尋ねがございました。
 普天間飛行場の返還は県民の強い御要望を受けて米側との合意にこぎつけたものでありまして、引き続きその建設の実現のために最大限努力をしてまいります。他方、北部の振興につきましては、地元からも強い御要望があり、政府としても県土の均衡ある発展のため積極的に取り組むべき課題として真剣に検討を進めてまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕

○国務大臣(久間章生君) 立木議員の質問にお答え申し上げます。
 周辺事態における日米協力に関するお尋ねがございましたが、これは先ほど総理も述べられましたように、指針に記述されている日米協力の項目は、経済制裁の実効性を確保するための船舶の検査等の活動を含め、我が国が実施することを想定している具体的な内容及び態様に関する限り、それ自体は武力の行使に該当せず、また米軍の武力行使との一体化の問題が生ずることも想定されません。
 自衛隊による米軍への武器・弾薬の輸送などについてのお尋ねでございますが、周辺事態において日本は、日米安全保障条約の目的達成のため活動する米軍に対しまして、武器・弾薬の輸送を含む後方地域支援を行うことを想定いたしております。この後方地域支援は、米軍が施設の使用及び種々の活動を効果的に行うことを可能とするもの
でありますが、これらの支援は主として日本の領域もしくは戦闘行動が行われている地域とは一線を画される場所において行われるものであり、米軍の武力の行使と一体化の問題が生ずることは想定されません。
 共同訓練等についてのお尋ねでございますが、自衛隊が米軍と共同訓練を行うことは、それぞれの戦術技量の向上を図る上で有効であります。また、日米共同訓練は、我が国に対する武力攻撃に際して日米共同対処行動を円滑に行うために不可欠であり、日米安全保障体制の信頼性及び抑止効果の維持向上に資するものであります。
 かかる観点から、従来より各種の日米共同訓練を実施してきているところでありまして、今後とも引き続き積極的にこれを行ってまいりたいと考えております。(拍手)




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141-参-沖縄及び北方問題に関す…-萱野茂君 平成09年12月02日

141-参-沖縄及び北方問題に関す…-萱野茂君 平成09年12月02日

○萱野茂君 大臣には直接目の前の島でありますので、ぜひ在任中に返還できますように頑張ってほしいと思います。
 次に、日米共同訓練に伴います住民への被害対応について、防衛庁、防衛施設庁に伺っておきたいと思います。
 航空自衛隊は、去る十一月三日から十四日の間、航空総隊総合演習と言うのだそうですが、それぞれの空域における日米の共同訓練を行いました。訓練空域は三沢、秋田、小松の各沖でした。主要基地は千歳、三沢、横田、嘉手納、岩国の五つの基地であったと聞いております。参加戦闘機は実数で百十機ほどとも伺っております。米空軍からは第五空母航空団、空中給油航空団などが参加し、これまでの共同訓練とは比較にならないほどかなり大きいものであったかと想定されるわけであります。
 問題は、この訓練期間中、十一月四日と十二日の二日の間でありますが、北海道の日高管内、ここは私が住まいしている地域でありますが、この管内の軽種馬牧場で戦闘機が発しました衝撃音に驚いた飼育中の軽種馬が暴走し、多数の被害を出しました。被害の範囲は日高管内五つの町の広い範囲で、被害頭数は三十八頭ほど、この中には既に流産したものが二頭、廃用処分したものが一頭ありまして、実際の被害は四十頭を超えるものであると聞いております。
 この訓練については、事前に北海道庁が事故の未然防止について北部航空方面隊など各機関に要請をしてあったにもかかわらず、この事故でありました。原因は空路に当たる千歳-襟裳岬の第三十六警戒群が役割を担っていたからでして、この訓練に参加した日米いずれかの戦闘機によるもので、民間機でもなく、ましてや第三国の戦闘機の侵入によるものでないことは言うまでもありません。
 防衛庁では早期に原因を把握し、防衛施設庁は被害の全貌を把握し、補償などに誠実に対応することが国民の信頼と理解によって成り立つ日米安全保障条約によって欠かせないことと思いますが、その対応を伺っておきたいと思います。

○政府委員(萩次郎君) 今お話しございましたように、十一月四日及び十二日、浦河町、三石町に
おいて、航空機による衝撃音に驚いた軽種馬が暴走して牧さく等に接触して負傷したという連絡が北海道庁から札幌防衛施設局に対してございました。
 先生おっしゃいましたように、被害発生当時、三沢沖訓練空域等において日米共同訓練が実施されておりましたので、私どもの方から航空自衛隊及び米軍に直ちに照会を行いました。航空自衛隊からは、自衛隊機に関しては被害が発生した時間帯の位置、飛行状況から今回発生した被害の原因である可能性は低い、こういう回答を受けておりますが、米側からはいまだ回答を受け取っておりませんので、繰り返し回答が得られるよう努力しておるところでございます。
 先生おっしゃいましたように、日米共同訓練の期間中に軽種馬に被害が発生したということは、これは問題があるのは当然でございます。被害が米軍機によるものであるということが確認されました場合には、地位協定第十八条第五項、それから民事特別法の規定によりまして適切に補償を行ってまいる所存でございます。
 なお、現在までのところ、私どもの出先が確認しております被害の状況は、申し出がありましたのが三十二頭、そのうち軽種馬二十四頭がけが、三頭が流産、二頭が歩行障害、被害が認められなかったのが三頭、今のところそのような確認が行われている現状でございます。

○萱野茂君 いずれにしても、軽種馬農家というのは今決して楽ではありません。大事に大事に育てて、目の前にお金になろうかというもの、それから今商談成立させるべく進行中とかいろいろそうした中でのこういう事故というのは、まさに農家にとっては死活問題であろうかと思います。
 そういう意味で、今お伺いしたところによれば、せめてそういう農家に対しての補償とかそういうこと、何とかなりそうにも聞こえたんですけれども、その辺ひとつ確認して、補償する用意があるのかないのかをお伺いしておきたいと思います。

○政府委員(萩次郎君) 先ほど申しましたように、被害が米軍機によるということが確認されますれば、当然のことながら協定、法律に基づいて私どもの方で補償をいたします。ただ、その確認がいつどのように行われるかということが問題でございまして、現在米側にも確認を求めておるというところでございます。

○萱野茂君 軽種馬というのは本当に神経が細かいというか、小さな音、少しの動き、人が違う帽子をかぶって違うジャンパーを着てきただけでも走るとか、いろいろなそういうことがある中で、この衝撃波といいますか、衝撃音というのは大変なことだと思います。ぜひひとつ補償の面で、地元でもありますが、地元云々ではなくて、本当に大事なことですので、よろしくお願いしておきたいと思います。
 次に、一言防衛庁の方へ申し入れしておきます。
 十二月二十一日の普天間基地移設に伴います名護市の市民投票についてでありますが、賛成票をふやすための行為を防衛庁が自衛官に呼びかけることが報道されております。もし仮にこの報道が本当であるとするならば、自衛隊員が第三者である市民に対してそのような行為を行った場合、それは明らかに政治活動であり自衛隊法違反であるばかりか、文民統制の根幹にかかわるものであると思われます。そして何よりも、このようなことはこれまで政治活動に関与せずとして教育を受けてきた自衛隊員の諸君が最も困惑することになりはしないだろうか。自衛隊と市民の信頼関係を大きく損なうことになってはいけませんので、この辺を一言申し添えておきたいと思います。先ほど、福本委員からもこの点の申し入れがありましたが、ぜひその辺、誤りのないような御配慮をお願いしておきたい。そして、私の質問を終わります。

○政府委員(萩次郎君) 今回、防衛庁長官から出されました文書は、沖縄出身の隊員に対して、関係方面で現在考えておる海上施設の基本案についてもし不明な点があれば、よく説明をして理解してもらえ、こういう趣旨でございます。自衛隊員の中には、自衛官のほかに私どもの施設庁の職員もいるわけですが、四百五十名ほどの那覇施設局でありますが、そこの諸君の仕事というのはまさにこのことを地元の方に理解してもらうというのが仕事なものでございますので、そういう意味で私どもそれなりの理解を求める努力はさせていただいているということでございまして、政治活動に関与するというつもりは毛頭ございません。




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141-参-運輸委員会-筆坂秀世君 平成09年12月04日

141-参-運輸委員会-筆坂秀世君 平成09年12月04日

○筆坂秀世君 私は、新ガイドライン問題に関連してお聞きしたいと思います。
 ある専門家が、新ガイドラインに基づいてこれから国内法の整備を図る、いわゆる有事立法もつくるということになれば、その八割は恐らく運輸省所管じゃないかという指摘もあります。
 湾岸戦争というのがありましたけれども、この戦争で後方支援を統括したパゴニスという中将がおります。この方の「山・動く」という著書があるわけですけれども、この中でも後方支援というのがいかに大事か、特にあの湾岸戦争で後方支援が成功したのはフセインがサウジアラビアの港湾であるとか空港であるとかをたたいていなかったからだと、こういう指摘もされています。
 今度の新ガイドラインでも、周辺事態における米軍の活動に対する支援として、民間空港、港湾、この使用が挙げられています。今資料をお配りいたしましたけれども、新ガイドラインで示されている協力項目、空港、港湾についてどういう協力項目があるかというのをまとめたのが今お配りしたこの資料であります。
 まず港湾関係ですけれども、協力項目というのは大きく分けて二十四項目あります。単に港湾を使用する、岸壁を使うというだけではないんです。当然積みおろしもあれば、それを保管することもある。米船舶の入港支援、人員、物資の海上輸送、積みおろしに必要な場所、保管施設の提供、米船舶に対する物資、燃料等の提供、米船舶の修理、整備、修理部品の提供、整備資器材の提供等々、文字どおり港湾運輸関係は総動員をしているというのがこの新ガイドラインでいう港湾の使用、提供ということになるわけです。
 この協力内容については間違いありませんか。

○政府委員(土井勝二君) ただいま先生の方からお配りいただいた資料で、確かに港湾、あるいは二枚目の空港、たくさんの協力項目とそれから関係機関名が挙がっておりますが、私どもこの中身についてまだ当然精査はいたしておりませんが、運輸関係につきまして、この新ガイドラインに関する協力項目の中で当省関係の項目が非常にたくさんあるという認識はしております。

○筆坂秀世君 前もって渡しておいたんだけれども、港湾でいえばこの二十四項目について、こんなものは全然間違っているというものはありますか。

○政府委員(土井勝二君) 特にこれは間違っているという項目については、ただいまのところ気づいておりません。

○筆坂秀世君 空港も、今おっしゃったように協力項目約二十一項目。当然これは空港そのものの離発着の使用ということだけではなく、人員、物資の航空輸送、積みおろし、そのための場所の確保、米航空機への物資及び燃料等の提供、米航空機の修理、整備、修理部品の提供。これも同じように、先ほど空港もおっしゃったんでもう聞きま
せんけれども、これ大変なものですよ。まさに空港、港湾、総動員体制というのが新ガイドラインで決められていることだ。
 もう一つ聞きますけれども、ガイドラインの中には港湾、空港の運用時間の延長ということも入っています。これは、アメリカの側からそういう要求があれば二十四時間、これはもう戦争をやっておるわけですから、矢臼別とか北富士とか王城寺原で米軍演習を今やっていますよ。夜間演習をやるんです。夜間演習なんか沖縄じゃやっていなかったじゃないかと言って抗議すると、夜は戦争はしませんなんということはないと、こう言っていました、米軍は。つまり、二十四時間体制ということも、この運用時間の延長の中には入る、こういうことですか。

○政府委員(土井勝二君) まだ現在のところ、運用時間の延長につきまして、二十四時間になるのか、あるいは現在の例えば十時間であればそれの数時間の延長であるのかとか、そういう具体的な要求というか希望というか、そういうものについてはまだ具体的には私ども承知しておりません。

○筆坂秀世君 当たり前の話じゃない、これからだもの。延長はあり得るのかということです。

○政府委員(土井勝二君) 一般論で申し上げまして、この協力項目の中に「民間空港・港湾の運用時間の延長」というのが協力項目例として入っておりますので、延長ということについて検討しなきゃいけないという可能性はあります。

○筆坂秀世君 そういうことですね。つまり二十四時間体制だって、これは戦争をやっているんですからあり得るということです。
 もう一つ、「訓練・演習区域の提供」ということも入っている。これは、今でもウオーニングエリアとか米軍専用空域を日本は提供していますね。この米軍の訓練空域の新たな拡大も、可能性としては相手方から求められればあり得る、こういうことになりますね。

○政府委員(楠木行雄君) 運輸省といたしましては、新ガイドラインの別表に列挙されている事項については、具体的内容を現段階では承知しておりません。したがいまして、今お尋ねの件につきましての米軍の訓練・演習区域の拡大についても、検討は行っていないということでございます。

○筆坂秀世君 何を承知してないと言ったの。ガイドラインは全部出ているよ。読んでないと言うの。そんな無責任な態度がありますか。新聞を読んでいる人間なら皆わかるじゃないか、そんなことは。衆参本会議で新ガイドラインについて集中審議やったばかりでしょう。運輸省の航空局長が知りません、そんなばかなことがありますか。もっとまじめに答えなさい。

○政府委員(楠木行雄君) 別表の中に「訓練・演習区域の提供」というのが含まれておるのは承知しておりますけれども、具体的な内容がどうなるかということを承知しておらないということでございます。

○筆坂秀世君 何を言っているんですか。「訓練・演習区域の提供」ということが入っているんでしょう。提供を求められればどうするんですか。何も考えていない、そんなばかな話がありますか、そんな無責任な話が。

○政府委員(楠木行雄君) 仮に米軍から訓練・演習区域の拡大の意向があった場合というお尋ねかと思いますが、運輸省といたしましては、これまでどおり航空交通の安全確保を最優先として空域の調整に当たっていくつもりでございます。

○筆坂秀世君 だから、航空の安全性確保を留意しながらさらに拡大するということもこれは当然あり得ると。そうでなかったら、日米間で何でこれ合意したんですか、新ガイドライン。できないものを合意するわけないじゃないですか。
 次に、ガイドラインで、港湾、空港など施設の新たな提供を適時かつ適切に行うということだけではなく、「一時的使用を確保する。」ということもガイドラインの中に書かれていますね。
 そうしますと、今いわゆる民間空港あるいは民間港湾は、地位協定五条、いわゆる五条使用というふうに言われていますね。こういう施設を、事態の推移によっては二4(b)、地位協定二条四項(b)、これは運輸省、自治体管理のもので、そういうものを米軍が一時的に使用する、そしてそのために五条のものを二4(b)にいわば切りかえていくということもこれは可能性としてはあり得るわけですか。

○政府委員(土井勝二君) 先生今御指摘のように、地位協定に基づきまして米軍が施設ないし区域を使用するというケースは、二条による使用とそれから五条による一時使用と、町方あると思います。私どもとしては、その両方の使用の可能性というのは一般論としてもあるんだろうと思います。
 ただ、具体的にそれについて何か現在のところ求められて検討しているということはございません。

○筆坂秀世君 要するに二4(b)もあり得るということなんです。これは非常に重大なんですね。もちろんよく御存じだと思いますけれども、二4(b)と五条の決定的な違いはどこにあるかというと、二4(b)になれば米軍の排他的使用権が発生するんですよ。
 これは民間空港ですよ。今二4(b)で提供しているのは、空港でいうと福岡空港ですか。あとはそうじゃない、みんな五条使用になるわけです、あとの民間空港は。関空だとか羽田だとか成田だとか。ここを二4(b)に変えれば、そこに米軍の排他的使用権が生まれるということにならざるを得ないわけです。そういう重大な問題も検討されているということであります。
 さっきも言いましたけれども、戦争をやったときに後方支援というのは最も大事なんですよ。湾岸戦争になぜ勝利できたか、後方支援がうまくいったからだというふうに言われているぐらいなんです。中でも、大量の物資を運ぶ、大量の兵員を運ぶ、大量の兵器、武器、弾薬を運ぶ、これはもう全部拠点になるのは港湾であり空港なんです。
 朝鮮有事を想定したときに米軍の太平洋軍の準機関紙がどういうように書いたかというと、もし朝鮮で何かあれば、アメリカ本土と日本の間に空にかけるような橋をつくらなければいけない、それぐらい大量の物資を輸送しなきゃいかぬと。
 例えば湾岸戦争でいいますと、サウジの空港に到着した貨物は一万五百機分です。発着数はしたがってこの倍ですから二万一千回の離発着がある。今、例えば米軍が施設提供を求めていると言われる関空、これを例にとりますと、一日当たりの発着回数は百四十回です。成田空港で一日当たり百七十回。ですから、もしこういう空港を提供するということになれば、これは完全に麻痺状態、こういうことになります。
 港湾でいいますと、貨物輸送は大体あのときには六百隻分四百七十万トン。これは沖縄の那覇港の貨物取扱量にほぼ匹敵する。後方支援というとえらい気楽そうに見えるけれども、港湾の場合もまさに兵たん支援ですから、戦争と直結する兵たん支援なんです。
 大臣、ガイドラインの米軍支援というのは、港湾、空港の使用というのはこういう危険な内容をはらんでいる、こういう認識はおありでしょうかね。

○国務大臣(藤井孝男君) ガイドラインの実効性の確保のための措置につきましては、九月二十九日の閣議決定の趣旨を踏まえまして、政府全体として真剣に検討していく必要があると理解をいたしております。
 米軍の航空機、艦船については、日米地位協定に基づき、我が国の空港、港湾の一時使用が可能ではありますが、使用の態様及び地元に与える影響等についても十分考慮した慎重な対応が必要と考えております。

○筆坂秀世君 こうした港湾や空港での協力支援をやる場合に、自治体の同意というのが、例えば私、この前仙台に行って仙台新港というのを見てきましたけれども、これはたしか県が管理していますね。こういう県なり自治体の同意が当然私は必要になると思うんですけれども、この点はいか
がでしょうか。

○政府委員(土井勝二君) このガイドラインの協力項目につきましては、ただいま大臣も申し上げましたように、実効性確保のための措置というものにつきまして政府全体として真剣に検討していく必要があるということは第一に考えております。
 それで、お尋ねの米軍に港湾、空港等の施設を提供するについて、仮に地元が拒否した場合どうするかということでございますけれども、日米の先ほどの地位協定に基づきまして米軍は航空機、艦船について我が国の空港、港湾の一時使用をすることができるということがまず書いてあるということでございます。
 それで、他方、それではこの使用の態様あるいは地元にどういう影響を与えるかという問題も大臣先ほど申し上げましたように大変重要な観点でございまして、ここのところを十分考慮して慎重に対応をしていかなければならないというふうに考えております。

○筆坂秀世君 例えば港湾でいいますと、船が入港する、これ許可が要りますよね。もちろんそこへ火薬類など危険物を持ち込もうと思えば、これも許可が要る。今ほとんど許可なしには入れないですよ。そうしますと、可能性の問題として、自治体がだめと言うことだってこれはあり得るわけですよ。あるいは民間を動員しようと。トラックなんか物すごく必要ですからね、おろした物資を運ぶためには。このトラックを確保する、民間業者に頼んだけれども拒否されたと。これじゃ役に立たないわけですから。
 そうしますと、確実に入港できる、確実に着陸できる、確実に民間業者の協力も得られるというためには、今の法律を変えていく、場合によっては罰則もつけるというふうなことも今検討されているんでしょうか。

○政府委員(土井勝二君) 九月二十九日の閣議決定の趣旨を踏まえまして、現在政府全体として関係局長会議なども含めまして慎重に検討を始めているという段階でございまして、先生ただいまお尋ねの自治体なり民間業者が拒否したときにどうするんだ、確実に協力するにはどうするんだと、そういうようなお尋ねと理解いたしましたが、その点につきましてはこれからの検討対象であるというふうに理解しております。

○筆坂秀世君 その際に、例えば罰則規定は設けないということを前提にした今慎重なる検討なのか、要するにそういう前提はない慎重な検討なのか、その点はどうなんですか。

○政府委員(土井勝二君) その点につきましては、私自身が関係局長会議に参加をしておりますが、現段階でその点についてどういう方向であるかということについては承知しておりません。

○筆坂秀世君 つまり、前提はないということです。
 もう時間が来ましたから終わりますけれども、港湾、空港を提供するといりのままさに兵たん支援なんですね。そうなればどうなるか。さっきも言いましたけれども、もしフセインがサウジの港や飛行場を制圧していたならアラビア半島を奪回しようというその後の作戦ははかり知れないほど高くつくものになっていただろうとこの後方支援を統括したパゴニス将軍は言っています。つまり、相手からすればここをたたくというのは、前線で、しかも最近はミサイルでどんどんやるわけですから、ここをたたくというのが最も有効な手段になるわけです。
 今、例えばサンレモ・マニュアルというふうに呼ばれていますけれども、日本の軍関係者とか局長も御存じだと思いますけれども、海上武力紛争法、これはもちろん公的な機関のものじゃありませんけれども、ここで海上戦争についての法律をどうするか、これまでの全部を踏まえて専門家が集まって一九九四年に一つの結論を出しました。
 この中でどういうことを言っているかというと、戦争が始まりました、そのときに港湾を提供しました、空港を提供しましたというのはこれはまさにいわば敵対行為になる、したがってそこは攻撃されても国際法上やむを得ないんだというのがその結論になっている。やはりそういう危険なことを今新ガイドラインに基づいて政府はやろうとしているんだと。
 私、このことについてやはりよく考えないと、これは本当に大変な事態になる、こう思いますけれども、最後に大臣の御所見を伺って、質問を終わりたいと思います。




  1. 2008/01/24(木) 20:16:28|
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140-衆-予算委員会-土屋品子平成09年04月03日

140-衆-予算委員会-土屋品子平成09年04月03日

○土屋委員 21世紀の土屋品子でございます。 私は埼玉県選出でございまして、埼玉県には昭和二十年に米軍に接収された基地が十六カ所、約千九百二十五ヘクタールもの基地がございまし
た。以後、数回に分けて返還されまして、現在では三施設、二百二十八ヘクタールとなりました。この間、地元市町村、周辺住民は多くの課題を抱えていた時期がございました。沖縄のことを考えますと、日本にある米軍基地の七五%を抱えているわけですから、長い間大変な御負担をいただいてきたと思っております。
 これまでの質問でも再三出てきておりますが、沖縄振興策は、今回の駐留軍用地特別措置法の改正とははっきり区別してもちろん考えていくべきだと私も考えております。しかし、沖縄の経済自立を考えた場合には、沖縄振興策というのは大変重要な課題であるとも考えております。長い間、政府が沖縄振興策に関しまして力を入れてきたということもよく理解しております。沖縄の経済は、観光産業を除けば慢性的な経済の停滞に悩み、失業率は全国平均の二倍、しかも、若年層の失業率が高いということを私は本当に懸念しているところでございます。
 その中で、きょうは自由貿易地域について御質問をさせていただきたいと思います。
 沖縄振興開発特別措置法の中で自由貿易地域がつくられておりますが、設置された当初は二十七社入っていたということでございまして、現在十一社になってしまったということでございます。
 ある台湾から進出しております企業にちょっと取材させていただきましたところ、その企業が言うには、スペースが狭いということと、港や空港に隣接していないために通関手続が不便であるというような問題点を挙げられました。このほかにもいろいろな問題があるとは思いますが、どうお考えでしょうか一お願いいたします。

○稲垣国務大臣 現在の自由貿易地域の拡充強化につきましては、沖縄県の要望の中に指定地域の拡大が含まれております。同時に、第三次沖縄振興開発計画におきましても、那覇地区の充実を図ることが指摘されておるのでございます。また、自由貿易地域本来の機能を発揮していく上におきましては、委員御指摘のとおり、空港や港湾との連携を図っていくことは極めて重要なことであると考えておるのであります。
 沖縄開発庁におきましては、本年度、自由貿易地域についての沖縄県の要望を踏まえまして、ただいま沖縄に展開する自由貿易地域のあり方をどうするか、また、そのために必要な機能について調査を行うことにしております。予算といたしましては本年度四千二百万計上しておるわけでありますが、その中で、現在の自由貿易地域那覇地区の拡大のあり方についても調査検討してまいりたいと思う次第であります。
 さらに、現在、沖縄政策協議会プロジェクトチームにおきましても、空港や港湾の基盤整備についても検討を開始したところでありますし、これはプロジェクトチームとの連携を図ってまいりたいと考えておる次第でございます。
 ただ、これを今拡充強化するといたしましても、現在のままでありますと空域と水域の活用が前提になりますので、返還前の拡大ということになりますと米軍との調整が必要でありますし、それからまた地主との調整が民有地については必要でございますが、多くの課題を抱えておるということをつけ加えておきます。

○土屋委員 昨年八月にも沖縄県から今おっしゃったようないろいろな要望が出ているということでございまして、その中に規制緩和に関する要望書が出されていると思いますけれども、自由貿易地域の拡充強化による経済特別区の形成について四項目にわたって要望されていたと理解しております。
 国内外の企業の進出を促進し、雇用拡大を考えたときに、今世界的な競争時代でございますので、隣接した国や経済地域と比較して魅力ある経済地区を形成することは不可欠だと思います。独自の関税制度や法人税の軽減措置等も必要かとは思いますが、その点について具体的な可能性をお伺いしたいと思います。




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140-衆-予算委員会第七分科会-白保分科員 平成09年03月04日

140-衆-予算委員会第七分科会-白保分科員 平成09年03月04日

○白保分科員 白保台一でございます。きょうは、主として空の安全、航空行政の問題についてお伺いをしていきたい、こう思います。
 私は沖縄県でございまして、御存じのように那覇空港、嘉手納空軍基地が近くにありますし、あるいは米軍の訓練空域が至るところに設定をされておるというようなこともありまして、管制官の皆さんでつくる組合が、時たま航空黒書などというものを出して、那覇空港は危険な空港であるというようなことがよく新聞に載ったりなどいたします。このことについて運輸省は御存じでしょうか。

○黒野政府委員 航空黒書があるということは私も知っておりますし、仕事の参考のため読ませていただいております。

○白保分科員 その内容については御存じですか。

○黒野政府委員 いろいろなことが書いてあるものですからなかなか具体的に申し上げにくいのですが、特に、今御指摘の那覇につきましては、管
制を嘉手納と一緒にやっている、そこのところの連絡等に問題があるのではないか、こんなような御指摘もあったと思っております。

○白保分科員 航空交通管制の問題で聞きたいと思いますが、今の沖縄の航空交通管制はどのような形になっておりますか。

○黒野政府委員 沖縄と申しましても、広いものですから、那覇、嘉手納中心のお話をさせていただきますと、管制業務というのは大きく分けて三つになります。これはもう先生御存じかもしれませんけれども、念のため。
 一番上が航空路管制、要するに、航空路で安全に飛行機を飛ばすという仕事があります。これにつきましては、我々、那覇FIRと呼んでおりますが、那覇にございます私どものセンターがこれを完全に管理いたしております。それから、飛行場におりる直前、飛行場から大体半径五マイル、この間につきましては、飛行場管制業務と申しまして、これは飛行場の方で管制しております。したがって、これも民側、私どもがやっております。
 問題は、その中間でございまして、航空路からおりて飛行場に五マイルまで近づいてくる間、これは進入管制業務と申しておりますが、これにつきましては、今米軍の嘉手納の飛行場の方で一元的に処理している、こういう状況でございます。

○白保分科員 よく嘉手納RAPCON、こういうふうに言われるわけですね。今の進入管制の問題について申し上げますと、御存じのように、島嶼圏というのは海とか空が日常使われる、沖縄本島のような陸上だけではなくて、島々が多いわけですから。そういたしますと、海とか空というのは日常生活に欠くことのできない生活道路、私どもはこういう受けとめ方をしています。
 私などは、那覇市を中心に、宮古島を中心とした宮古郡だとか石垣島を中心とした八重山郡だとか、一番南の端は与那国島、台湾のすぐそばまで、こういったところと関係しているわけですけれども、そういったところというのは海と空が非常に重要になってきます。
 そういう意味では、空の安全というのは極めて重要な、生活にかかわりのある問題ですけれども、進入管制の問題で、領土、領空、領海は主権国家が当然みずから排他的に行使できる、そういう地域であるにもかかわらず、こういう進入管制が行われておる。こういう面で、私どもは、極めて不思議だな、なぜそういうような形になるのだろうかと、素朴に思うわけです。
 この問題については、どのような形で解決していくのか、どこまで続くのか、こういった問題が残ると思うのです。この辺はいかがですか。

○黒野政府委員 沖縄の進入管制業務につきまして、今米側にやってもらっているのですが、正確な表現はちょっと別にいたしまして、かつてこれを決めたときに、日本側の管制能力といいましょうか、そこがまだ不十分であるから、その間米軍がやりますよ、こういう経緯で進入管制業務を嘉手納の方で今やっているわけです。
 それに対しまして私どもは、もう我々でも十分できます、ですから私どもの方に返してもらうべきであるということにつきまして、日米合同委員会の中に民間航空分科委員会というのがありますが、そこでたびたびそういう議題を提案していろいろやりとりしておりますが、米軍としては今の段階ではお返しできない、こういうことで今日に至っているということでございます。

○白保分科員 四十七年五月、「沖縄における航空交通管制」、こういうものが日米合同委員会において合意された。その中の五番目に、「単一の施設によって進入管制を行なう必要があるので日本国政府がこれら飛行場のレーダー進入管制業務を行なうまで暫定的に米国政府が那覇空港の進入管制業務を実施するものとする。」この部分だと思うのです。
 そこで大臣、先ほど局長の答弁にもありましたように、日本の管制官の管制業務が劣っている、みんな米軍なんかよりも力が低い、こんなふうには私は思っていないのです。これほど高度に発達して、航空行政も円滑に行われている状況の中で、暫定的に行うといって四十七年五月に取り決めしたものが、もはや二十五年です。沖縄が米軍の占領下にあったのは二十七年です。もうそれに匹敵するぐらいの日時を経た今、暫定的にといって今日までこういう状況にある。
 先ほども申し上げましたように、こちらは主権国家ですから、主権国家としては、領土、領海、領空に排他的な力を持っているわけです。そういう中で、暫定的にと、復帰時点の四十七年五月ですから、二十五年前からこういう状況にあります。
 このことについて、大臣、どのように受けとめられておりますか。

○古賀国務大臣 今政府委員の方からも答弁を申し上げておりますけれども、運輸省といたしましては、今先生に御指摘いただいたような点も踏まえまして、引き続き、米側に粘り強く要請をしていくという方針で臨んでまいりたいと思っております。

○白保分科員 この航空交通管制、今大臣から答弁をいただきましたので、ぜひ粘り強くやっていただきたいのです。
 先ほども申し上げましたように、一つの問題は、管制業務が劣っている、私はこういうふうには受けとめていない、だから早急に、主権国家としてこちらが主導的にやるべきである。これはここにも書いてあるように、単一の施設によって行われることが大事だというふうに出ていますから、当然そうだと思うのです。もう一つは、空そのものが、主権国家ですから、どこのものかといえば日本のものであり、県民のものであり、国民のものである。
 そういう二つの観点からいうならば、これは合同委員会等で毎回御努力をなさっておられると思いますが、ぜひ今後も叫び続けて、要求し続けてやっていただきたい。
 実務を担当されていますから、ぜひ一言決意を。

○黒野政府委員 先生御指摘のとおり、私どもの管制能力は、米軍といいましょうか、そこに決して劣るものとは思っておりません。したがいまして、今大臣からもお話し申し上げたとおり、粘り強く返還を求めたいと思っております。

○白保分科員 それから、那覇空港の問題についてお聞きしたいと思いますが、空港そのものの問題についてお聞きしたいと思います。
 実は、よく那覇空港で事故が起きたりします。那覇空港は、御存じのように、四十七年の十一月でしょうか、航空局長と防衛局長が那覇飛行場の使用に関する協定を結びまして、一部共同で使用するということになっております。その共同で使用する内容、どういうふうな協定の内容になっておるのか、資料をお願いしたのですが、間に合いませんでしたので、ここでお聞きしたいと思います。

○黒野政府委員 実は四十七年の返還のときに、この那覇空港をどうするかということは、私、航空局で直接担当いたしまして、今の線引き等もやった一人でございます。
 当時は、那覇空港を民間空港として返すというのがいわば沖縄の復帰の一つの目玉であったわけでございまして、私ども、なるべくその民間空港側の面積を広くとろうということで、防衛庁と極めて厳しい折衝をしております。
 先生御存じかと思いますが、滑走路があって、あれは何側になりましょうか、自衛隊の宿舎というか設備がありますが、その中で那覇市に近い方につきましては、比較的広く民側が獲得しておりますが、それより先に行きますと、もう自衛隊のエリアが迫っているということがございますし、さらに、海の側には、あれはナイキでしょうか、そういう自衛隊の施設がある。こういう、一般空港としては変則的な状態にあると思っております。

○白保分科員 そこで、共同で使用している中で、この十年間におけるところの那覇空港の滑走路を閉鎖した事例ということで、運輸省の皆さん
方から資料をいただきました。F4が着陸の際に左タイヤパンクによって滑走路を逸脱したとか、あるいはブレーキ系統の故障でバリアを使用して停止をしたとか、こういったいろいろな事故があります。
 最近はもう、前とは違ってそれほど大きな事故にはなっておりませんが、前には、スクランブルから帰ってきたものが着陸に失敗して乗員一人を死亡させるとか、こういったこともよくあって、その間空港を閉鎖するというようなことがたびたびこれまで行われてきたわけですね。
 問題は、島嶼圏ですから、先ほどから申し上げているように、空の交通というのが、島々で一つになっている離島県にとっては極めて大きな交通の要衝ですし、そういう面では、この共同使用というのはいつまでもというわけにはいかないだろう。
 一方で、観光立県として、毎年順調に入域観光客がふえています。国内だけじゃありません。国外からも、台湾や韓国あるいは香港、そして東アジアのところから、大変着実に入域観光客がふえていく状況の中で、これは復帰時点からよく言われていることですが、沖合展開をして自衛隊と民間は分離すべきだ、こういうことが強く言われています。これは安全の確保という観点からいって、自衛隊と民間は分離すべきだ、そしてどちらかを沖合展開すべきだ、こういうことがたびたび言われ、また運輸省にも経済団体等から要請もあったと思います。そのことについて、どのように受けとめられているのか。

○黒野政府委員 実は、逆に防衛庁が管理されている空港を民間が使っている、使わせていただいているといいましょうか、そういう空港も数カ所ございまして、自衛隊と一緒にいると危険であるということはなかなか断言は難しいと思っております。
 同じ資料かと思いますが、お手元にありますように、タイヤのパンク等によって滑走路を閉鎖するというようなことがございます。この辺は大変不便でございまして、私も、こういうときには直ちに防衛庁の方に抗議をしたりしております。
 仮に、那覇空港が今のままではもう能力いっぱいだ、あるいは近い将来にいっぱいになるというときには別につくるというのが合理的だと思いますが、今のままで、自衛隊と一緒にいるから、危険だから大那覇空港の構想を推進しようではないかということになりますと、逆に、我々が防衛庁からお借りしている空港についてどう考えるのだという問題にまで発展するおそれがあるわけでございます。
 それはそれといたしまして、この大那覇空港構想というのは、当時からあった、沖縄にとって一つの夢というか大きな目標というか、そういうものであることは私どももよく承知しておりまして、これからの需要の動向に対応しながら考えていかなければいけない問題かと思っております。

○白保分科員 航空局長のお立場はよくわかります。わかりますが、使用頻度の問題だとか回数の問題だとか、パンク状態になっているとか、こういう状況になったら、これは自衛隊と一緒になんかやっていられないですよ、突然飛び出したりなんかするわけですから。そういうことを申し上げているのではなくて、私どもは初めから、事故が起きてはならないというのが基本ですから、自衛隊が使用するのと民間が使用するのと使用の仕方が違うのですよ。ですから、そういう面では、今、国際化、ハブ化ということも言われている状況の中で、これは一緒に同居してやっているのは無理があるのではないか。
 通常の使用回数だとか頻度とか、そういった問題からいったならば、まさに局長がおっしゃったとおりだと思います。しかし、これまでもたびたび事故を起こしたり、それによって観光客に迷惑をかけたりしている。それから、島々の人たちの生活道路です、足です。こちらの大都会で考えているような状況じゃないのです。飛行機を使って生活している、こういう人たちが島々では多いわけです。そういう面では、これはあなたの考えているような形ではいけないのじゃないか、そういうことを申し上げているのです。
 ですから、そういう面では、私は、今後の問題として、これは自衛隊と共用は極めて無理がある、こういうふうに強く申し上げておきたい、こう思います。
 もう一点、那覇空港に関係する問題ですが、もう既に皆さんも御存じだと思いますけれども、おかげさまで新しいターミナルビルの建設が始まって、非常に急ピッチで進んでおる。我々も毎週行き来するわけですけれども、そのたびごとに、管理棟や、そしてまたそれについてくるところの道路、こういったものができ始めているところを見ながら行き来しております。
 そういう中で、最近沖縄の地元紙に、那覇空港の立体駐車場の建設問題をめぐって那覇市と運輸省が「緑化めぐり対立乱気流」などという、こういう記事が出ているわけですね。このことについては、那覇市の方は、もっと緑が欲しい、駐車場には緑をうんとふやすべきだ、こういうふうに言って、景観条例を盾にとって申し入れをしているようでありますし、一方運輸省は、景観条例の対象外だ、こういうことでもって退けておるというようなことが大きく報道されておるわけです。
 御存じのように、沖縄は戦災で緑を全部なくしてしまって、その後やっと回復をしていっている状況です。同時に、私自身は、環境問題を県会議員当時からずっとやってまいりましたし、それから緑化を進めてきた、そういうのが政治的スタンスの一つであります。当然、駐車場といえども大いに緑をふやすべきだ。
 御存じのように、今でも那覇空港へおり立つと、真夏などは、出てきたら目の前の駐車場に緑がありません。出てくるまではクーラーで冷房がきいていますから涼しいのですけれども、外へ出た途端にむっとする、すごい熱気で嫌な感じがする、こういうことがあります。したがって、これから新しいターミナルをつくっていこうとする中では、当然緑がふえていく、当初からふやしていく、こういう形をとることが妥当だろう、こう思っておりますので、この「緑化めぐり対立乱気流」という、このいきさつはどういうことでこういうことになったのか、その辺についてお聞きしたいと思います。

○黒野政府委員 詳しいいきさつは私も実は承知しておりませんが、先生からこういう御質問をいただくということで急遽調べまして、ビル側がどういう考えでいるかということにつきまして確認をさせていただきました。それによりますと、駐車場の各階の周囲に緑化ゾーンを設ける、あるいはターミナルビルの出発階からの眺望を確保するために駐車場全体の高さを三階にとめるとか、それなりに努力はしてきています、こういう報告を受けております。
 ただ、それが今先生の御指摘の条例にまだ違反しているということならば、それはそれで、また私どもとして指導はしなければいけないと思っております。

○白保分科員 非常にすばらしい前向きな答弁をいただいていいな、こう思っております。
 実は、那覇市は、これは国内全体総じて考えても、御存じのように、沖縄県という位置は、全総計画の中でも、あるいは今の振興開発計画の中でも、東アジアに展開していくところの日本の一番南の玄関口、こういうふうに位置づけられています。
 そういった意味で、那覇市自体も、県都でありますから、亜熱帯庭園都市、こういう位置づけで亜熱帯の庭園都市にしていこうということで進めているわけですね。したがって、すべての人たちが、先ほども申し上げましたように、島である以上はその那覇空港に集まってくるわけです。そこからスタートしていく、入ってくる、こういう状況ですから、今局長おっしゃるように、前向きに庭園都市に協力をしていただいて、それらしいものをつくり上げていただきたい。
 北から南まで非常に長い日本の国ですから、北海道と沖縄が同じというわけにはいかない。新聞
などを見ていますと、ターミナルをつくって、そしてまた駐車場をつくる、そういったものには一定の規格があるやに見受けられる節もあります。そうではなくして、これからそれぞれの地域がそれぞれ特色あるものを生かしていかなければならないわけでありまして、そういう面では、当然その辺のことについては考えて対応をしていただきたい、こういうことを強く申し上げておきたいと思います。
 もう一つお聞きしたいのですが、これは先般、沖縄北方特別委員会でも、説明員の皆さんに来ていただいてお聞きしました。実は、今それぞれの地域が周辺の外国との国際交流を始めているわけであります。そういった中で、私ども一番南の方の石垣市は台湾と非常に古くから関係があります。私も石垣島で育ちましたが、戦前から、台湾から石垣島に来られる人たちが数多くおりまして、復帰の際に帰化をされた人たちもいっぱいおります。
 その人たちが、まだ台湾に親がいたり、兄弟がいたり、親戚がいたりということで、台湾と石垣島との交流というものは極めて大きいものがあるわけです。今、船では常に、物資を運んだり、人が行き来をしたりやっております。石垣島にいる台湾出身の方々が台湾へ行こうとする場合には、那覇まで来て、那覇空港から台湾の飛行機に乗って台湾へ行く、こういうような状況にあるわけです。
 先般、石垣市の市長が経済団体の皆さん方と一緒になって台湾へ行きまして、台湾側でも非常にこういった要望が強いものですから、石垣-台北間の空路を開設するという動きがだんだんに強くなってきています。
 そういった面で、これを進めていくにはどうしたらいいですかということで、せんだって質問をしたわけでありますが、このことについて、ある新聞などは、運輸省を通さずに直接交渉をやっているのではないかということで、航空局がおかんむりだというような報道がされたりしているようでございますけれども、それはそれとして、地域間交流が今強く始まっているわけですから、そういう面で、これをどういうふうな段取りで進めていった方がいいのか。
 そしてまた、その先に、台北という問題ですから極めて政治的にも難しいものもありますけれども、運輸省はこの辺のことについてどのように受けとめておられるのか。お聞きしたいと思います。

○黒野政府委員 台湾との間にはこれ以外もいろいろ問題がございまして、基本的には、お互いの輸送需要をふやそうではないかという方向で議論をさせていただいております。もちろん、正確に申し上げますと、国交がないものですから、日本側は交流協会、台湾側は亜東関係協会、その間での合意事項をつくった上で、乗り入れが実現するということになるわけでございます。
 それで、今先生御指摘の石垣-台北間でございますが、私ども、できるだけこれは実現すべき路線ではないかと思っております。これは、石垣の発展のためにも、あるいは沖縄全体の発展のためにも意味のある路線だと思っておりまして、これは、台湾側の事情、あるいは我が国側ですと、CIQの設備とかいろいろな問題がございます。そういう問題を一歩一歩乗り越えて、何とか実現はしたいなと私は思っております。

○白保分科員 最後になりますが、大臣、これは大臣に所見を伺いたいと思います。
 実は、最近、新規参入といいますか新規航空会社、これは私ども沖縄でも、財界人が集まって検討をして、非常に乗り気でやっているような状況なのですね。航空運賃の問題に絡んで、日本は諸外国に比べれば航空運賃は高い、こういうふうによく言われるわけですが、そういう中で、新規の会社が今多く名乗りを上げているわけです。
 そういった会社が名乗りを上げて設立されて、新しい路線を獲得していく。そういう場合に、恐らく航空運賃の競争というのが出てくるだろう。もし出てこなかったら、これは運輸省が抑えているのではないかと、またいろいろな批判が出てくると思いますが、こういう新しい航空会社の設立と競争、こういったものを前にして、このような状況というのをどういうふうに受けとめられておるのか。新規会社に対してどのように受けとめられ、競争に対してどのように受けとめられているか。それについて大臣の所見をお伺いいたします。

○古賀国務大臣 今日の社会経済状況を考えてみますと、さまざまな分野の中で自由な競争を促進していくということは、私は、ある意味では当然のことだと思っております。この航空業界の中でも、私は原則的に、今後新しい企業が参入することによって適正な競争を促していくということは、極めて重要なことだと思っております。
 ただ、航空行政の基本は何といっても安全でございます。そういう観点から、やはり我が国の安全基準というものをしっかりとクリアさせていただいて、そうした中で新しい企業が育成されていくということについては、私は、極めて前向きな姿勢で対応させていただきたいということを基本にさせていただいております。

○白保分科員 時間が来ましたので終わりますが、非常に大事な答弁でございまして、安全審査というものは厳重にやってください。同時に、航空運賃は自由競争をぜひ促進していただきたい。このことを要望して、終わります。




  1. 2008/01/24(木) 20:15:14|
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140-衆-日米安全保障条約の実施…白保委員 平成09年04月08日

140-衆-日米安全保障条約の実施…白保委員 平成09年04月08日

○白保委員  基地問題にかかわる問題として基地の整理縮小というのが議論され、また、進めていこうということでやっておるわけですが、今、沖縄の米軍にかかわる問題で極めて重要な問題で、訓練空域と訓練水域の問題があります。
 沖縄の空は大きくて広くて青くて、海も広くて大きくてと、だから米軍が一生懸命練習しやすい、こんなふうにはならないのです。島々を全部船で結んでいる、島々を飛行機で結んでいく、言ってみれば空路、水路、海路というのは、航路というのは県民の足です。道路です。そういう中で、訓練空域があるために大変県民生活を阻害している部分があります。久米島にしても、迂回しています。あるいは伊江島などはもう使えません。そういう意味で、後ほど管制権の問題にも触れたいと思っておりますが、訓練空域、これの返還、縮小、こういったことについては政府はどのように考えていらっしゃいますか。

○池田国務大臣 空あるいは海の、航路としてのあるいは空路としての役割がいかに沖縄にとって大切であるかは私どもよく承知しているつもりでございます。そして、SACOの作業におきましても、こういった面におきましても何とか縮小あるいは返還できるものはないかということで作業してまいりました。
 そして、決してそれは地元でお考えになりまして十分とは思われないとは存じますけれども、最終報告におきまして、具体的に申しますと、安波の訓練場の水域において七千九百ヘクタール弱、それから那覇港湾施設の返還に伴うものとして約十四ヘクタール、それから空域については、北部訓練場が返還されることになりますと、その関連において上空二千フィートまでの空域というものについての、水域の返還あるいは空域の使用解除ということについて合意をしておるところでございます。

○白保委員 それと、もう一つ申し上げたいのは鷹ましたが、航空管制です。これは、今、那覇空港の進入路は、八キロからは那覇空港でやっています。ところが、その他は全部嘉手納が管制権を握っている。本土の場合には、占領後、占領後というか二十八年ごろに既に管制権は返還されているはずです。沖縄も、復帰した時点においては当分の間といって始まったのが、今日まで二十五年間。日本の管制技術がそんなに落ちているとは私は思いません。むしろ優秀だと思います。管制権、いつまで握らせておくのか。運輸省は、常に返還を求めているそうです。外務省を通じて、合同委員会等を通じて求めているそうです。沖縄の空は危険である、こういうふうに言われています。この管制権の問題はどうされますか。

○池田国務大臣 現在、嘉手納、普天間のほかに、本土におきましても、横田、岩国、松山の飛行場におきまして、管制業務が米側によって行われております。
 それで、我が国といたしましては、今委員も御指摘になりましたが、合同委員会の下部機関で民間航空分科委員会でございますが、そちらの方で管制業務の日本への移管ということを累次求めてきております。最近の事例で申しますと、平成八年、昨年の六月並びに十二月にも申し入れているわけでございますけれども、それにつきましては、現在のところまだ米側との調整がついていないという状況でございます。今後もいろいろ努力はしてまいりたい、こう思っております。

○白保委員 もう一点、これは防衛庁ですが、総理の方から見えますか。余りよく見えないと思いますが、これは台湾です。これは与那国島です。これは防空システムです。日本の防空システムです。日本の防空システムが──与那国島の上空です。真上です。これは私わかります。これは第五空軍がかつてやったんだろうと思います。第五空軍が、米台条約があり、沖縄を占領して、そういった時期には勝手に線を引いています。だから、それはそれでその当時のものです。
 しかし、今や日本は主権国家、領土、領海、領空、ましてや防空システム、自分の領土の真上に、台湾の防空システムがこっちにまで来ているんだ。日本の防空システムはここまでしか来ていない。いろいろ聞いたら、運用面でやるから大丈夫だと言っています。しかし、主権国家として、それで許されるんでしょうか。この問題については、きちっと整理をしなきゃならない問題だと思います。かつてのそのままの流れをくんでいます。運用面と言いますが、ここは、防空システムは、台湾の防空システムは与那国島の上空、真上に来ていますよ。このままじゃ済みませんよ。このことの整理をどうされますか。

○久間国務大臣 詳しくは防衛局長から答弁させますけれども、防空識別圏と領土権とは違いますので、今言われたようないろいろな経緯の中で現在防空識別圏はそのようになっているのは事実でございます。この問題については、従来からの経緯もあるようでございますし、また台湾との関係もあるようでございます。しかし、領土権とは関係ないということで、我々としてはそのまま現在のシステムを使っているわけでございます。

○白保委員 最後ですから、もう時間がありませんので最後に申し上げたいと思いますが、総理、四十六年の秋の沖縄国会がありました。昭和四十六年。そのときに国会は大混乱を起こしていましたけれども、最後は自民党と公明、民社が本会議へ入って、公明、民社反対の中で協定は成立いたしました。その際に、沖縄県の基地の整理縮小、米軍基地の整理縮小の決議を院の決議として行いました。あれからもう二十六年、本土においては、先ほど、けさも話がありましたように、膨大な基地の整理縮小がなされました。沖縄は一六%と言われています。
 そういう中で、今沖縄の県民が求めているのは、海兵隊等の兵力削減をやっていけば、海兵隊は六割、こう言われていますから、恐らく大きな基地の整理縮小につながるだろう、こういう期待を持っています。ところが、総理は、それは求めない、こういうふうに言われて、県民は、という
ことは基地の整理縮小がないということかというふうに受けとめられています。いかがでしょうか、最後に。

○橋本内閣総理大臣 どう繰り返して申し上げても、過去五十年間のたまったものを全部吐き出してこられる限りにおいて、私には受けとめようがないんです。そして、現実の問題として、私は、今この日本の周辺、アジア・太平洋地域というものを考えるときに、米軍の規模の縮小を求める、海兵隊の縮小、撤去を求めるという状況ではないと思っておりますし、その情勢判断の上で、行われれば四月の何日かに行われる、調整中の日米首脳会談においても、私は今回はこれを議題にしないということは終始一貫同じことを申し上げてまいりました。同時に、情勢の変化に応じて兵力構成を含む問題を議論するということは、共同宣言でも申し上げているということも繰り返し申し上げてきました。
 そして、全く御信頼をいただけないのであればやむを得ませんけれども、少なくともSACOの最終報告というものは、先ほど来の御論議の中にもありました空域、水域も含めまして、現時点で日米両国がぎりぎりまとめ上げた報告書なんです。これは気に入らないと言われればそれまでかもしれません。しかし、気に入らないからこのままだと言われてしまったら、今の状況が残っちゃいます。
 先ほど私は他の委員に対して少し言葉が過ぎたので、おわびをしながらもう一度申し上げたいと思うのですけれども、那覇軍港は確かに経済的な影響のある問題で、これを解決をしなければならないことは間違いがありません。随分長い時間がたって現状が変わらずに今日まで参りました。しかし、このSACOの最終報告の中に盛られている普天間、まさに住居の密集している中にある基地なので、動かさなかったら本当に危険だ、知事さん自身が切々とおっしゃった話です。
 そして、御論議としてはいろいろなものがありましょう。しかし、現実的に沖縄の中における移設しか考えようのない時点で、撤去可能な海上施設というものを私どもは一つの方向としてお示しをいたしました。そして、せめて適地があるかないかの調査ぐらいはさせていただきたいと、今必死でお願いをしておりますけれども、そのお願いにも県が、知事さんにお願いをしましても、県としては同行できないと言われるのが今の状況です。
 私は、沖縄県の皆さんがこれからも今議員が述べられましたように評価をしてくださらなくても、我々は全力を尽くして少しでもその痛みを減らす努力をしてまいりますが、それをせめてお考えはいただきたい。普天間の対案というものを一切拒否されたままで全部なくせということでありますならば、残念ながらこの問題、議論は平行線でありましょうし、その間今のままの基地の状況が残る。この点だけは変えようじゃありませんか。少しでも安全を取り戻せるような努力をしたいと私は願っております。
    〔杉浦委員長代理退席、委員長着席〕

○白保委員 時間ですので、終わります。




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140-衆-外務委員会中路委員平成09年04月16日

140-衆-外務委員会中路委員平成09年04月16日

○中路委員 最初に、地中海漁業一般理事会の協定の問題について二、三御質問します。
 この地中海漁業理事会は一九五二年に発効して、六三年、さらに七六年に改正されましたが、我が国は加盟してこなかったわけですね。九四年の十一月に国連の海洋法条約が発効したが、その翌年に日本はオブザーバー参加をしました。そして今回正式加盟に踏み切ったわけですが、これはどういう……。これまで加盟してなかった、簡潔にお願いします。

○野上政府委員 御承知のように、我が国は地中海におけるマグロ漁業等の問題につきましては、従来から地中海を含む地域をカバーしております大西洋まぐろ類保存国際委員会、ICCAT、アイキャットといっておりますけれども、これを通じて協力してまいったわけでございます。
 今先生御指摘のように、地中海漁業一般理事会が、九五年の五月にICCATでとっておりますようなマグロ類の保存の措置を勧告したことを踏まえて、これを我が方としても評価して、そういった点から我が国としてもこの地中海漁業一般理事会においても同様の保存のための協力、貢献等を行っていくということで参加することにいたしたわけでございます。
    〔委員長退席、福田委員長代理着席〕

○中路委員 地中海漁業一般理事会が、今おっしゃったように、これまでのようなマグロのとり放題はもう許さないという動きが出てきたわけですが、この地中海漁業の理事会の勧告文が、スペインで九五年の五月二十六日に採択をされています。この勧告文を読ませていただきますと、例えば六・四キログラム以下のクロマグロの捕獲と水揚げを禁止するための必要な手段をとるとか、非常に厳しい漁獲の規制を決めているわけです。
 こういう動きの中で、このままでは、地中海で漁獲の全量がクロマグロですから、日本にとっては打撃になる、いわば、そこで慌てて本協定を締結しよう、これが実際の動きじゃないのですか。

○野上政府委員 今先生御指摘の、地中海漁業一般理事会で九五年五月に採択された保存措置の勧告内容というのは、我が方が既に従来から参加して協力しております大西洋まぐろ保存のICCATの勧告内容と同様のものでございます。特に、別に新しい内容が出てきたものということではございません。
 例えば、大西洋の方にございます六月、七月の大型船によるはえ縄漁業の禁止というようなものは、従来、我が国が実施してきた話でございまして、そういったようなものが地中海においてもようやく認められるようになってきたということを評価いたして、我が国としてこの地中海の方においても協力をして、参画していくということにしたわけでございます。

○中路委員 八二年に国連海洋法条約が作成されたわけですけれども、先ほどお話しのように漁場の沿岸諸国がこうした規制をすることがこういう中で当然予想されたわけで、私は、海洋法条約が発効される、そういう時点から、今日の協定の締結をやはり検討していくべきではなかったかと考えました。余りにも目先の利益だけの外交では、やはりこうした動きを見通して、もっと早く今日のこうした協定の締結についても検討すべきではなかったかと思いますが、いかがですか。

○野上政府委員 先ほど御説明申し上げましたように、この地中海漁業一般理事会がとりました措置というのは我が国にとって格段に目新しいというものではなくて、言うなれば、ICCATで従来やっていた話を地中海でもやるようになったということでございます。
 そういった意味で、加盟国が違うとかいろいろな問題がありますので、我が国としても、地中海漁業一般理事会に参画して、マグロの資源の保存に積極的に協力するとともに、我が国の漁業の利益を図っていくというのが趣旨でございます。

○中路委員 今私、経過を少し勉強させていただく過程で、一言外務大臣に要望をしておきたいのですけれども、この協定の締結の、いわゆる先ほどお話ししました、地中海漁業協定の一般理事会の九五年の五月の勧告でありますけれども、この点はきょうの問題を論議する上で非常に重要な資料でもあるわけですが、外務省にその原文をお願いしましたら、原文は持ってきたのですけれども、訳文は断られたのですね。こうした国会の条約審議に非常に重要な資料ですから、その点では、ぜひ条約審議に必要な資料は翻訳もして論議のために積極的に関係の議員にも提供していただく、今後ひとつこうした点についての要望を外務大臣にお願いしておきたいのです。

○池田国務大臣 外務省といたしましても、国会における御審議のために必要な資料は極力御提供申し上げるように心がけてまいりたい、こう思っております。
 今御指摘のその資料がどういうものか、今ちょっと私もつまびらかにいたしませんけれども、よくございますのは、外交のことでございますから、当然、事の性質上なかなか、あるいは相手国あるいは関係国との関係でお出しできないという実質的な問題があることもございます。
 それから、それ以外に形式的な問題といたしまして、恐らくこのケースもそうだと思うのでございますが、国際機関なりなんなりのいろいろな会議等で行われました書類というものは当然英文なり仏文なりそういった言葉でできておる資料でございます。もとより、それを条約なり国会の御承認を得るべき協定としてお出ししますときはきちんと日本語としても確定いたしますけれども、一般的には、日本語のいわゆる訳文というものがないままに我々のところに保管されているあるいは利用されている資料が少なくないわけでございます。
 そういった意味で、決して労を惜しむというわけでは――労も実は大変なんでございます、それを一々訳しますのは。それだけではなくて、資料の性格からいいまして、あえて仮訳みたいなものをつくるのがいいのか悪いのか、そういう点もございますので、やはりそういった事情もあるということはひとつ御理解賜りたいと思います。しかし、原則といたしまして、国会の御審議に供するために、あるいは先生方の御要望なさいます資料につきましては、極力外務省としてもお出しするようにしてまいりたい、こう思っております。

○中路委員 原文はいただいたのですね。訳文を、そんなに長いものではありませんし、実際に、劣化ウランのとき質問したああいう膨大なものじゃないのですから。ぜひひとつそれはこれからよろしくお願いします。
 もう一問、海上人命安全条約に関連してですが、ソ連の船舶は、ナホトカ号を初めとして相当老朽化していると言われていますけれども、定期的に検査する体制があるのかどうか、あるいはそうした必要な国内法令がどんなものがあるかよくわからない、外務省に聞きましてもそうです。船舶による汚染防止条約にも加盟していませんし、この人命安全条約議定書なども締結してないロシアであります。
 今回の膨大な被害補償について、条約的にはだからロシア政府の責任はないということなのかもしれませんけれども、ロシア政府が自国の船舶の安全確保のために法令や実施体制を整備していないということが原因だとすれば、日本政府としてロシア政府に補償に関する協議をする必要も出てくるのではないかと思います。ロシアの検査・安全体制もよく把握していただきたいのですが、こうした補償の問題の協議ですね。
 それからもう一つは、いまだに二千五百メートルの海底と言われていますが、沈んでいるナホトカ号の半分の処理に対してロシア政府の責任を追及すべきだと思います。引き揚げるのに膨大な費用も要するわけですが、技術上の問題もあると言われていますけれども、ナホトカ号の残りの船体
引き揚げについて、あわせて政府はロシア政府と話し合う必要があるのではないかと考えます。
 この二点についていかがでしょうか。
    〔福田委員長代理退席、委員長着席〕

○浦部政府委員 まずナホトカ号の事故の原因でございますが、これにつきましては、まだ最終的な結論というものが御案内のように出ておりません。かつ、この結論を出すためにはいわゆる船尾部分の調査というものが大事だということにつきましては、二月の初めにモスクワで日ロ間の専門家が会合いたしまして、そういう結論に至っておるわけでございます。これを受けまして、その後二回、日本とロシアの専門家が話し合いを行っております。
 具体的にその部分の調査ということにつきましては、実は海中のケースについては行ったわけでございますが、これから引き揚げるということになるわけでございまして、これについてもロシア側が参加をしたいということでございますので、共同で対処していこうということになっております。この引き揚げ自身の作業がこれからどうなるかということは御専門の当局でやっていただいていると思いますが、いずれにしろ、ロシア側の専門家の参加を得て調査をやっていき、こういう協力を進めながら事故原因の早急な解明に努めたい、かように考えておるわけでございます。
 また、一般論といたしまして、確かにロシアが海上の事故防止であったり汚染防止等々についての条約に入っていないという点につきましては、先ほど申し上げましたような専門家の会合等の機会、各種機会を通じまして、そういう条約に参加してくれるよう慫慂をしているところでございます。
 また、次の御質問でございますが、今度は船尾の引き揚げにつきましては、運輸大臣のもとにナホトカ号船尾部残存油対策検討委員会というものが設置をされておりまして、その専門家の委員会の方々の結論が三月下旬に、いわゆる尾つぼの部分の引き揚げは技術的に不可能であるという結論に達していると承知をしております。
 ただ、いずれにいたしましても、政府といたしましては、本件ナホトカ号の事故についてはあらゆる観点から積極的にロシア側と話をしているわけでございまして、今後とも、御指摘の船尾部分の対策についても、関係省庁と連絡を取りながら、必要な場合にはロシア側に対しても働きかけていくことを十分検討していきたい、かように考えております。

○中路委員 時間があとわずかですので、少し条約と離れますが、二、三確認をしたいと思うのです。
 先日、昨年ですが、横浜にあります上瀬谷通信施設の中に、作戦管制センター、ここにCTF57という看板が出されてきました。外務省に最初お尋ねしたら、そういう部隊は外務省の名簿にもない、多分第五でしょうというお話だったのですが、調べていただきましたら、第五七任務部隊司令官、この看板ですが、哨戒飛行部隊の司令部です、時期は一九九五年七月以降に駐留開始という外務省から返事をいただきました。また、横須賀に同じ時期に、第五艦隊の潜水艦任務部隊、TF54、タスクフォース54という部隊も存在をしています。
 第五艦隊というのは、バーレーンに司令部があります、中東任務範囲の、作戦範囲の部隊ですし、第七艦隊と合わせて両方に入っているわけですね。二足のわらじで、中東へ行けば第七艦隊が第五艦隊に入るから連絡調整だというお話もありますけれども、しかし、中東を作戦範囲にする部隊の司令部が横須賀に提供している基地、上瀬谷に存在をしているということについては、私は、日米安保条約に基づいた基地の提供からいっても大きな問題があると思うのです。
 施設庁にまずお聞きしますけれども、横須賀にこの部隊入ったのは、最近できましたフラッキーホールと名づけられた司令部の建物に第五のその潜水艦の人が入っています。落成式には横浜の施設局長も参加をしたというのは新聞で報道されていますが、この司令棟はいつの日米合同委員会で決められたのか思いやり予算だと思いますが、どこの予算で建てられたのか、そこの使用条件はどうなっていますか。

○石井説明員 ただいまお尋ねの司令都庁舎でございますけれども、これの整備に係る基本合意は、平成五年一月二十七日の日米合同委員会において合意されました。これは日本政府による提供施設整備費で整備したものでございます。この司令都庁舎の整備に要した経費は約二十六億五千六百万円でございます。(中路委員「もっとはっきり言ってください、数字がちょっと」と呼ぶ)経費は約二十六億五千六百万円でございます。先ほど先生、落成式に横浜の施設局長出席というふうに新聞で読んだとおっしゃいましたけれども、施設局長は出席しておらなかったというふうに我々は承知しております。

○中路委員 上瀬谷の方も、外務省の私いただいた報告では、先ほど言いましたように、一九九五年七月以降駐留開始という報告をいただいた。ただし部隊がいるかどうかは別にしても、駐留ですから、駐留開始時期が九五年の七月。
 外務大臣にお聞きしたいのですが、第五艦隊のこうした司令部が日本の米軍に提供している基地の中に置かれておるということは、安保条約との関連でどういうことになりますか。

○折田政府委員 御説明させていただきます。
 米海軍横須賀基地には、第七艦隊令下の潜水艦部隊である第七四任務部隊、TF74の司令部、それから第五艦隊令下の第五四任務部隊、TF54司令部という、同一の司令官及び幕僚が両司令部の職務を兼務している部隊が存在しております。
 それから、上瀬谷通信所施設内には、第七艦隊令下の哨戒航空機部隊である第七二任務部隊、TF72司令部と第五艦隊令下の第五七任務部隊、TF57司令部が、同様に同一の司令官及び幕僚が両司令部の職務を兼務しております。
 第七四任務部隊と第五四任務部隊は単一の潜水艦部隊を構成しておりまして、それから第七二任務部隊と第五七任務部隊は単一の航空機部隊により構成されているわけでございます。
 そしてこれらは、それぞれ単一の部隊に属する潜水艦及び哨戒機につきまして、その時々の行動エリアに応じまして、第五艦隊担当空域で行動する場合には第五四任務部隊または第五七任務部隊の司令部として機能し、第七艦隊担当空域で行動する場合には第七四任務部隊または第七二任務部隊の司令部として機能すると承知しております。そして、五四任務部隊及び五七任務部隊の各司令部は、第五艦隊令下の潜水艦、哨戒機の指揮とともに第七艦隊と第五艦隊との連絡調整等を任務としているものと承知しております。
 そして、かねて政府よりお答えしているところでございますけれども、日米安保条約第六条の趣旨は、施設・区域を使用する米軍の能力や任務を極東地域内に限定することにあるのではございませんで、この同条が定めます目的に合致した施設・区域の使用が行われているか否かは、施設・区域を使用する米軍が、我が国を含みます極東における国際の平和と安全の維持に寄与する役割を現実に果たしているか、そういう実態があるかどうかによって判断されるべきものであるというふうに申し上げてきているところでございます。
 そして、第五四任務部隊司令部それから第五七任務部隊司令部は、先ほど申し上げましたように、第七艦隊と第五艦隊の間の連絡調整を行うとともに、第七艦隊令下にある第七四及び第七二任務部隊の司令部としても機能しているものでございまして、また、第七四任務部隊と第五四任務部隊は、単一の部隊により構成され、同一の司令官により指揮されております。
 仮に、同部隊の一つの艦船が第五艦隊担当区域に行動している場合であっても、その同じ潜水艦が必要に応じ司令部の命によって第七四任務部隊の任務につくということになっているわけでございまして、この司令部及び任務部隊が、我が国を含む極東における国際の平和と安全に寄与する役割を果たしているという実態には変わりがござい
ませんで、このような司令部が我が国の施設・区域内に設置されることは、日米安保条約上問題になるものではないというのが我々の考え方でございます。

○中路委員 これは、第五艦隊の司令部はバーレーンにあるのですよ。だから第七艦隊が中東へ出かけて向こうで作戦する場合は、第五艦隊の中に入るわけですね。しかし、横須賀にいるのは第七艦隊、今実際にいるのは。そして、これは西太平洋、インド洋までやっているわけですから、向こうへ行けば第五艦隊の中に入るというのは、わかります。
 そうだとすれば、少なくとも上瀬谷、横須賀にいる部隊で、第五艦隊の看板を同時にかける、存在を。しかも最近ですから、これは日米安保条約で基地を提供している趣旨からいっても、安保条約を事実上中東まで拡大して、その本拠地にしていくということになるのですよ。第五艦隊の少なくとも看板やこの司令部がここにいるということについてはこれは取り消して、第七艦隊が中東へ行った場合は、第五艦隊の中に入って、それはそこで調整されるでしょう、同じ二足のわらじを履いているのだから。最近までなかったのですよ、日米安保共同宣言を出されて前後からこうした看板をどんどん出してくるというのは、私はけしからぬことだと思うのです。少なくともこの第五艦隊の存在は、日本の基地からこれら取り消すべきだということを強く主張しておきたいと思います。
 時間が来ましたので、もう一問だけ、ちょっと外務大臣にお聞きしておきたいのですが、今横須賀は、御存じのようにアメリカの空母の母港になっています。インディペンデンスは今オーストラリアの方に行っていますが、退役するということになっていますね。あと、通常の空母でキティーホークとコンスナレーションくらいしかないと思うのですが、四月四日の一般の新聞でも、アメリカの軍事筋が、二〇一〇年にはすべて原子力空母に切りかえる方針だと述べています。ずっと将来の問題ではなくて、近くこうして横須賀を母港にしているこうした艦船が通常型空母から原子力空母にかわるという場合に、これは認めるわけですか。いかがですか。

○池田国務大臣 ただいま委員の御指摘の問題でございますけれども、私どもそういった空母がかわる云々という話をまだ聞いておりませんし、仮定の問題にお答えするのは差し控えたいと存じます。

○中路委員 具体的にいつ変わるかということは別にして、じゃ一般論でどうですか。一般論で、原子力空母の母港ということが問題になった場合、日本の非核三原則やあるいは原子力の平和利用、こういう関係の問題でどうですか。

○池田国務大臣 ただいま先ほど提起された仮定も外します、横須賀も外します、一般論と言い直されましたから。完全な一般論として非核三原則はどうかと申しますと、これは要するに、核兵器にかかわる原則である、このように承知しております。

○中路委員 時間がないので終わります。改めてやりますが、原子力の平和利用という問題もあるんですね、原子力船の。核を持ち込まないというだけではなくて、そのもとにある問題があります。この問題はいずれ、一般論ではなくて、近く具体的に出てくる問題ですから、改めて論議をしたいと思います。
 時間なので終わります。




  1. 2008/01/24(木) 20:14:07|
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140-衆-沖縄及び北方問題に関す…古堅委員-上原委員 平成09年06月13日

140-衆-沖縄及び北方問題に関す…古堅委員-上原委員 平成09年06月13日

○古堅委員 「日米防衛協力のための指針」、すなわちガイドラインの見直しに関して、外務大臣にお尋ねしたいと思います。
 この指針の見直しに関する中間報告は、周辺事態という口実のもとで日本全体をアメリカの戦争に巻き込むものであるが、その場合、米軍専用基地の七五%を占める沖縄はその最大拠点とされる仕組みになっておって、危険きわまりないものと
なります。
 かつてのベトナム侵略戦争のときも、米軍は沖縄から連日出撃し、県民は、その戦争協力にやりきれない痛恨の思いをいたしました。今度は、米軍の出撃基地にとどまらないで、自治体や民間も動員し、空港、港湾に至るまであらゆる戦争協力を強制しようというものです。米軍用地特措法の大改悪による基地の押しつけの怒りとともに、県民はガイドラインの見直しの中間報告に強い拒否反応を示しています。当然です。
 そこで、沖縄の立場から、以下の質問をいたします。
 最初に、米軍の活動に対する日本の支援として、「日本は、施設・区域の追加提供を適時かつ適切に行う」とありますが、公有地及び民有地の新規提供もあり得るのか。

○折田政府委員 指針見直しの作業で、施設・区域として追加提供する可能性が検討されているのは、自衛隊施設及び民間の空港、港湾並びにこれらにおける人員、物資の積みおろしに必要な場所及び保管施設でございます。
 追加提供を行う施設・区域に民公有地が含まれるか否かというのは事案によって異なるものでございますけれども、いずれにせよ、具体的な事態が生じた場合には、提供する施設や土地の管理者や所有者との関係に適切な配慮を行う必要があることは当然でございます。そのためにいかなる調整を図るかといった点を含め、今後の新指針の作成、その後の日米共同作業を行う中で、関係省庁とも協議をしつつ検討してまいりたいと考えておるところでございます。

○古堅委員 私が尋ねているのは、あり得るのかということについてです。もう一度お答えください。

○折田政府委員 民間の空港、港湾ということが協力検討対象項目に入っているというのは、そのとおりでございます。

○古堅委員 あなたは私の質問を聞いておるのか。公有地及び民有地の新規提供もあり得るのか。追加提供を適時適切に行うとあるのだが、民有地や公有地の提供もあり得るのか。もう一度お答えください。時間をとらせないでください。

○折田政府委員 民間の空港、港湾というのが検討対象項目に挙がっていると私は申し上げました。

○古堅委員 委員をばかにするんじゃないですよ。なぜ質問に答えないのですか。あなた方が中間報告の中で、「日本は、施設・区域の追加提供を適時かつ適切に行う」。
 じゃ、質問を変えていきますが、公有地や民有地の新規提供はないと言えますか。

○折田政府委員 検討項目にそういう項目が入っているということを申し上げているわけでございます。

○古堅委員 なぜ質問に答えないのですか。ないと言い得るのですか。もう一度答えてください。

○折田政府委員 検討項目に入っているというふうに申し上げているわけでございます。

○古堅委員 ないとは言えないということで、検討項目に入っているということは、あり得るということを意味するものであります。
 米軍基地の縮小、撤去が叫ばれている今、全く逆方向の約束を政府がアメリカに対して行う、こういう中間報告が今提起されているということを意味するのですね。大臣、お答えください。

○池田国務大臣 我が国の安全を確保していく上において必要な日米間の協力について、いろいろな事態の場合にどういうふうにするかということをこのガイドラインの中でいろいろ検討しているわけでございます。
 そういった中で、おっしゃるように、民有地あるいは公有地等の提供ということがその協力との関連においてあり得るということは、確かに検討項目として挙がっております。しかし、それは枠組みの話でございまして、このガイドラインをもって基地の追加提供を進めていこうということじゃございません。
 当然のことでございますが、新たな施設や区域の提供を行う場合には、地位協定に基づいて、日米合同委員会において一つ一つチェックされていくわけでございますし、そういった意味で、このガイドラインによって何らかの具体的な提供があるというわけじゃない。それはまた、別途のいろいろな事情を勘案し、具体的にこういう協力が必要だ、そしてこういった面での追加提供が必要だということはあるということでございます。
 しかし、逆のケースもあるわけでございまして、この協力の枠組みができる、そして、これまでになかったようないろいろな協力のありようを定める。その関係で、従来必要だと考えられておった基地がなくても済ませ得るという面もあり得る。これは、先ほどの御審議の中でもそういった面もあるのじゃないかという御指摘がございましたが、現実問題としてそういうこともあるでありましょう。しかし、それはガイドラインの直接の効果あるいは結果として出るものではないということでございます。

○古堅委員 外務大臣までごまかしの答弁をされるので、時間がないですから前へ進みます。
 「民間空港・港湾の一時的使用を確保する。」とあるが、周辺事態における那覇港の使用については、港湾管理者である親泊市長がさきの市議会で反対を表明しておられます。地方自治というのは憲法の原則の一つであり、自治体の意思を政府が尊重することは当然のことであります。そのことを確認できますか。大臣、お答えください。

○池田国務大臣 憲法の定めるいろいろな原則というものは、我々は当然大切にしなくちゃいけないと思います。しかし、そういった中で、我々政府として果たさなくちゃいけない役割がいろいろあるわけでございまして、国民の安全、国の安全を守っていくということも政府としての大変大きな使命でございます。そのために地方公共団体の御理解を得る必要がある場合には、その御理解を得るようにいろいろ努力をしながら進めてまいりたいと思っております。

○古堅委員 憲法の地方自治の原則にのっとって自治体の長が反対を表明しておられる、それを覆そうというもので、とんでもないことです。できるとすれば、何を根拠にそういうことができるのですか。

○池田国務大臣 これは安全保障、防衛の問題だけじゃなくて、いろいろな国の仕事がございます。そういったことを進めようといたしますときに、地方公共団体の御協力を得なくちゃいけないケースは幾らでもあるわけでございます。
 しかし、そのときに、常に当初から地方公共団体においてもそのことに同意されるかどうかという点は担保されないわけでございまして、それは立場の違うケースは幾らもあるのだろうと思います。そういった際にも、国として、政府としては、御理解を得るべくいろいろ努力をしていく、そして必要な行政の責任を果たしていくということはむしろ当然のことでございまして、そういう御理解を得るための努力をすることが地方自治の本旨にもとるとか憲法違反であるという御主張には、私はどう考えましても納得がいかないところでございます。

○古堅委員 自治体の長が、既に、ガイドラインの中間報告を見て大変だということで反対だという意思表示をしていることに対する質問なんですよ。
 次に進みます。
 ここで言う民間空港には、那覇空港あるいは宮古空港、石垣空港など、沖縄の離島にある民間空港も含まれますか。

○折田政府委員 先ほど来政府側から御答弁しているところでございますけれども、今度のガイドラインは一般的な大枠、方向性を示すということでございまして、具体的な、より詳細な日米協力のあり方というのはガイドラインが作成された以降の話でございます。現時点において、特定の港、空港の使用について何がしか想定しているということはございません。

○古堅委員 明確にどの空港ということを否定しているものではない、ということを裏返せば、ど
の空港についても否定されないという意味合いも持つということですか。念を押しておきます。

○池田国務大臣 ガイドラインの性格は大枠なり方向性を定めるものでございますから、このガイドラインが具体的に特定するものでないという御答弁を申し上げたわけでございます。そのことをもって、それをひっくり返して、それじゃ全部対象になる可能性があるじゃないかとおっしゃるのは、そこのところに論理の飛躍があり過ぎるのではないかと存じます。

○古堅委員 論理の飛躍ではない。政府のごまかしというものなんです。
 大変重大な問題だと思うのでさらにお聞きしますが、周辺有事という事態では、増強される米軍機はまず沖縄に集中的に飛来することが想定されます。それは数百機とも言われております。とても嘉手納基地などでおさまらないものであります。そのあふれた米軍機が一番近い大きな民間空港、那覇空港を使用するということになりましょう。民間機の運航に重大な支障が生ずる危険があると思うけれども、どうですか。

○折田政府委員 先ほど来申し上げているように、今度は一般的な枠組みを定めるガイドラインをつくっているわけでございまして、個別具体的な空港等を念頭に置いて今作業をやっているわけではございませんけれども、一般論から申し上げまして、民間航空機との関係というのは当然調整していかなければならない項目だろうと思います。

○古堅委員 具体的になかなかかみ合った答えになってくれないので前に進みますけれども、その場合にも重大な支障が起きないと言えないことを政府はしようということだろうと思います。
 もう一つ、お聞きします。
 別表の検討項目例の最後に「日本周辺空域での航空交通管制及び空域調整」ということが書かれております。日本周辺で米軍が戦えば、沖縄周辺の空域は戦闘機や空中警戒管制機などへの空中給油等の場所となると考えられます。こうした空中給油などを行う空域は、民間航空機は通航禁止の措置がとられることになるのではないかと思いますが、いかがですか。

○折田政府委員 先ほど来申し上げましたように、一般的な枠組みの検討をやっているわけでございまして、まだ具体的にどういう形でどういう調整をするかということはこれからの検討課題でございます。当然、民間航空機との調整というのは重要な要素であろうと思います。

○古堅委員 念を押してお聞きしますけれども、通航禁止ということもあり得る、そういうことも想定していますか。

○折田政府委員 まだ具体的にどういうことについてどうしようかというところまで、現在のところ検討しておりません。

○古堅委員 前に進みます。
 ガイドライン見直しの中間報告は、米軍基地が集中する沖縄にとって極めて重大な事態をつくり出す、いわば危険な戦争教範をつくっているようなものだというふうに受けとめています。
 最後にお聞きしますけれども、日本周辺地域における事態で日本の平和と安全に重要な影響を与える場合、簡略して周辺事態と言っておりますが、これはどういうことを意味するのか、抽象的でさっぱりわかりません。
 そこで聞きますが、アメリカが戦っている相手が攻撃の矛先を日本に向け、日本の領土、領域を攻撃するかもしれないという事態を重要な影響を与える事態というのか、もっと広げて、米軍と第三国の戦闘の結果、例えばペルシャ湾からの石油輸送が困難になるようなことまで含めるのか、あるいはまた、アメリカが日本周辺地域の第三国と戦闘に入ったということだけでは重要な影響を与えるとは言えないという見解なのか、明確にお答えください。

○折田政府委員 日本周辺地域において発生する事態が我が国の平和と安全に重要な影響を及ぼしているかどうかというときは、そういう事態が発生しましたときに、その事態の態様、規模等を総合的に勘案して判断するということになろうかというふうに思います。
 今、議員、いろいろな例を出されましたけれども、具体的な実態を踏まえて判断すべきものであると思います。

○古堅委員 念を押してお聞きします。
 領土への攻撃が差し迫っているときだけではなしに、石油輸送などの確保も含まれる、そのように理解しておるのですか。

○折田政府委員 日本の平和と安全に重要な影響を与えるということでございまして、これは総合的に判断しなければなりませんけれども、単に経済的な側面のみならず、日本の安全保障の面にとっても重要な影響を与えるというような事態を念頭に置いているわけでございます。

○古堅委員 単なる経済的な問題だけの場合は含まれないということになりますか。

○折田政府委員 先ほどと答弁は同じになりますけれども、経済面だけでなく、総合的に勘案して、日本の平和と安全に重大な影響を及ぼしているかどうかという判断をするわけでございます。

○古堅委員 時間が参りましたから終わりますが、日米安保体制そのものが憲法の平和原則をじゅうりんする重大な問題だと考えます。
 今回のガイドライン見直し中間報告は、政府自身が憲法上許されないとしてきた領域に踏み込むもので、日本みずからが日本をアメリカの戦争に駆り立てるものと申さねばなりません。それを推進するための有事立法を云々するなど言語道断の話です。憲法の平和原則の原点に立ち返ることこそが、今日求められている政治の根本だと思います。見直し作業は直ちにやめるべきであることを厳しく指摘して、終わります。

○仲村委員長 上原康助君。

○上原委員 三大臣、御苦労さまです。
 きょうは、易しくてやわらかい問題でお尋ねさせていただきたいと思います。時間が二十分しかありませんから、私もできるだけ要領よくお尋ねしますので、御答弁も簡潔にお願いをします。
 まず、防衛庁長官あるいは施設庁になるかもしれませんが、かねがね私も、県道一〇四号線については、新年度に入ってから沖縄でやらないようにぜひ御努力を願いたいということを強く取り上げてまいりました。政府、防衛庁、外務省等々の御努力があってそのような方向に、今、日米間で合意されているか、あるいはされつつあるように思うのですが、その点、改めて明確にしていただきたいと思います。

○久間国務大臣 先般来、本土における五カ所の地区でそれぞれ引き受けていただきたいということでお願いしてまいりまして、一応合意いただいたわけでございます。
 しかしながら、細部の詰めができていなかったものですから、本年度に入りましてからどうなるかということで危惧されておりましたが、先般、山梨の方に、北富士の方にお願いをいたしまして、従来、あそこも七月からは原則として射撃をしないということでございましたが、特に七月の十八日以降は大変困るというふうなことでございましたので、また米軍の方と調整いたしまして、一応、七月の三日から十二日までの間ということで大体話が今煮詰まりましたので、そういう方向で、沖縄ではやらずに北富士の方で第一回目をやる、その後、北海道の方で九月以降ということで今調整をしているところでございますから、一〇四号線越えにつきましては本土の方で実施するようなことになろうかと思います。

○上原委員 この点は、私、せんだって地元の原島大使にも表敬かたがたお目にかかって、意見交換いたしました。防衛施設局の嶋口局長を初め非常な努力を、現地の海兵隊の方々あるいはまた総領事ともやったという報告を受けましたので、わずかなというか一つでもいい方向に持っていく努力がなされたことに敬意を表して、さらに海兵隊の縮減というものを我々は主張しているわけですから、外務大臣、今すぐとは言いませんが、行ったり来たりせぬで本土に駐留してやるように、外交努力を要望しておきます。
 それともう一つは、ガイドラインとの関係もあ
るわけですが、先ほど白保先生のお尋ねにもあったのですが、もう少し確かめます。昨年十二月十二日のいわゆる那覇空港におけるニアミス事件、これは運輸省の報道でないからということで見過ごすわけにはいかない。まかり間違えば大変な惨事になる。報告書はいつまでに出るのか、どういう調査をしているのか、その点についてもう一度明確にしてください。-防衛庁、これは自衛隊機とANKとのニアミスですから、調査をして、運輸省と協議の上、その事実関係を明確にしていただけますね。

○久間国務大臣 運輸省の方で今事故調査がされているというふうに伺っておりますけれども、私どもの方は、むしろこちらから何ら干渉することなく、事故調査を見せていただきたいとは思っておりますが、今のところ事前に連絡を受けておりません。

○上原委員 これは、私は那覇空港で飛行機を利用する方々は経験がおありと思うのですが、自衛隊の戦闘機は二つずつで離着陸するのですよね、優先的に。だから、大変なウエーティングタイムもあるし、民間空港でありながら飛行に支障を来している。場合によると、三十分も待たされることがあるのですよ。だからいろいろ不満が出る。
 そういう状況の中に、さらに有事の際というか非常時の事態になれば米軍も共用するということになると、ますます問題が起きるので、せんだっての安保委員会でも少し要望を兼ねて指摘をいたしましたが、基地の運用、ガイドラインの仕上げに当たっては、そういった過密な基地については極力配慮をすると言うくらいの姿勢は示してもらわなければいかぬと思うのですが、この点については両大臣から、外務と防衛庁の方から御答弁願います。

○池田国務大臣 御高承のとおり、このガイドライン自体は方向性とか大枠とかそういう性格のものでございますから、これによって直接具体的な基地のあり方に変化が起こるというものではございません。しかしながら、先ほどからの御論議の中にもございましたけれども、一般的に言いましても、日米協力をいろいろ進めていく上において運用が一層効率的になる、その効果として、基地の縮小という方向で一定の効果があるという可能性も排除されない、それはそのとおりに考えております。
 いずれにいたしましても、ガイドラインそのものでどうこうということではございませんけれども、基地の負担、とりわけ沖縄の今御負担になっておられますものがいかに大きいかということは政府も重々承知しておりまして、まずは現在SACOの最終報告の着実な実施ということで努力をしておりますが、将来ともにこの基地の負担軽減の問題については真剣に取り組んでまいりたいと思います。

○久間国務大臣 共用空港における運航につきましては、両者の利用状況を十分調整してもらいながら支障のないようにしていかなければならないというふうに思っておりますので、これから先も運輸省ともよく協議しながら、とにかく運航に当たってもそつのないようにしなければなりませんし、特に事故の発生のないように努めていかなければならないものと思っております。

○上原委員 ちょっと私が尋ねていることとは御答弁はすれ違いがありますけれども、要は、那覇空港は大変過密な状況に現在もある。さらにガイドラインでいろいろ使用されるというようなことになると、余計に使用状況が過密になり危険になる。そういうことはよく配慮されるように考えてもらいたい、考えるべきだということを申し上げているわけです。
 次に、施設庁長官が来ておりますので、あなたはやがて勇退するというから、答弁の機会がもうないかもしらぬから聞いておきましょうね。
 この島田懇談会で米側に要求すべき事項が挙げられていますよね。米軍による植栽であるとか基地内通行であるとか制限水域、基地内水源の利用、地元との良好な関係維持、こういうことについては外務省でやっているのか、施設庁でやっているのか。せっかく指摘をして、政府にやりなさいと島田懇談会で言っているわけだから、その点についてどうなっているのか。簡潔に。




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140-衆-安全保障委員会-前原委員平成09年06月10日

140-衆-安全保障委員会-前原委員平成09年06月10日

○前原委員 質問に答えていただきたいのですが、日本が改めて防衛協力を要求した中身というのは具体的にどれですか。
 今の北米局長の御答弁ですと、例えば平素からの協力とかあるいは日本有事の際なんかは、細かな点、法整備はできていないけれども、昭和五十三年のガイドラインでもそういう話はしているんですよ、その内容については。今回改めて日本側としてどういう要望を、さらに防衛協力をしてほしいという要望をしたのかどうか、すべてアメリカから言われたものじゃないかというふうなことを言っているわけです。その点についてお答えいただけますか。

○秋山(昌)政府委員 現在のガイドラインの第三項におきまして、極東有事における我が国の便宜供与というのがあるわけでございます。それで、その研究は進んでなかったわけでございますけれども、考え方としては、今回新たにいろいろと米側に対する便宜供与をするということではなく
て、何ができるのかできないのかを明確にしたいということでこれまで米側と議論してきたわけであります。
 そして、今折田局長から話がありましたけれども、もちろん安保条約六条はございますが、「日米協力の機能及び分野」の「運用面における日米協力」というところで、「米軍は、日本周辺地域における平和と安全の回復のための活動を行う。」これは軍事行動も含めてということでありますから、ある意味で最大の、便宜供与という言葉はちょっとおかしいと思いますけれども、日米防衛協力の中の、米側の日本に対するある意味で最大の協力であろうと思います。もちろん、第二項に言うところの我が国が武力攻撃を受けた場合の話も含まれますけれども、これは従来から議論しているわけでございます。
 あえて今の前原先生の御質問に答えますと、例えば人道的活動のうち被災地への人員及び補給品の輸送と被災地における医療、通信及び輸送については、これはまさに日米が相互に支援するということで、今回新たに議論したものでございます。
 また、避難民の取り扱いに関しまして、避難民が日本の領域に流入してくる場合につきまして、これはこれまでも議論がございましたけれども、主として日本が責任を持って対応すべきものでございますが、米国は適切な支援を行うということが書いてあるわけでございますし、検討項目例にございますところの避難民の救助及び移送並びに避難民に対する応急物資の支給は、これはまさに米国の日本に対する支援を想定していると我々は理解しております。
 捜索・救難にございますところの捜索・救難活動及びこれに関する情報の交換は双方が実施するものでございますし、同じく国際の平和と安定の維持を目的とする経済制裁の実効性を確保するための活動のうち、船舶の検査及び関連する活動は日本だけではなく米国が行うことも想定しておりますし、情報の交換は双方が実施するものでございます。
 あと二点申し上げますと、非戦闘員を退避させるための活動のうち情報の交換は双方が実施するものでございますし、運用面の協力にあるところの警戒監視、機雷除去及び海空域調整はいずれも双方が実施しまたは調整するものでございます。
 なお、今回の「周辺事態における協力」の(ホ)にございます「米軍の活動に対する日本の支援」は、まさに日本が米軍に対して支援をするものをまとめたものでございます。




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140-参-日米安全保障条約の実施…照屋寛徳君-平成09年04月14日

140-参-日米安全保障条約の実施…照屋寛徳君-平成09年04月14日

○照屋寛徳君 沖縄では、陸上だけじゃなくして、広大な制限水域、制限空域がございます。極めて危険であり、漁業活動の制限、都市開発の障害、離島空港の整備などに支障を及ぼしております。この制限水域や空域の撤廃、縮小を大田知事は強く政府に求めておりますが、その実態と知事の御要請、県民の思いについてどういうふうに対処されるか、簡潔にお答えいただきたいと思います。

○政府委員(諸冨増夫君) 現在、沖縄周辺には、米軍の訓練等のために水域が二十九カ所、空域が二十カ所設けられております。水域の面積は合計約五万五千平方キロメートルでございます。空域につきましては、緯度、経度及び高度で設定されておりまして、これを単純な計算で申し上げることは困難でございます。
 なお、これらの水域及び空域の数については多くは重複しておるところでございます。いずれも米軍の訓練等のために現在提供されております空域、水域でございまして、当面返還は非常に難しいというふうに考えているところでございます。

○照屋寛徳君 私はあえて総理の御見解は求めませんけれども、この制限水域、空域の問題についても、これは県民生活との深いかかわりがありますので、ぜひ総理としてお取り組み方をお願い申し上げたいというふうに思っております。
 さて、一坪地主やあるいは反戦地主のことが話題になっておりますが、実は総理、この特措法改正を契機に従来契約に応じておった、特に嘉手納旧飛行場権利獲得期成会の皆さん方が契約を拒否する、こういう態度に転じたわけであります。この人たちが持っている土地というのは、もう嘉手納の滑走路全部ぐらいの大きな面積なんです。
 だから私は、この人たちの権利回復、司法の場では実現しませんでしたけれども、ぜひ沖縄の戦後処理問題として、国家総動員体制のもとでとられた土地でありますから、地主がお元気なうちに政府としても期成会からの意見聴取やあるいは再調査をやられて、政治の力で期待にこたえていただきたいと思いますが、総理の御所見をお願いいたします。

○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変申しわけありませんが、議員から今御指摘を受けるまで私はそうした状況の報告を受けておりませんでした。改めて事務方から話は聞いてみたいと思います。
 しかし同時に、私は県民の方々にそれでは足りないという声があることを存じておりますけれども、昨年まとめましたSACOの最終報告、日米両政府が一生懸命に少しでも沖縄の皆さんにこたえようとしてまとめましたもの、これすら実行できない状態が続いておって次のステップに入れるかと言われれば、私はその自信はございません。その上で、議員の今御指摘のケースは後ほど事務方から聞いてみたいと思います。




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140-参-国際問題に関する調査会田岡俊次君 平成09年04月21日

140-参-国際問題に関する調査会田岡俊次君 平成09年04月21日

○参考人(田岡俊次君) 
 私は、本日は、日本の安全保障を真剣に考えます国民の一人として、軍事評論家としてお招きに応じた次第でございます。したがって、今回私が申し上げますことは、私の属しております新聞社等にはいささかもかかわりなく、私個人の観察、見解を申し述べさせていただきたいというふうに存じますので、その旨御承知おきを願いたいと思います。
 さて、本日は、日本周辺の軍事情勢と申しますか、極東ロシア軍の空洞化、それから中国軍が拡大をしておるというけれども、これは本当であるかどうか、それからまた朝鮮半島の南北の軍事バランスはいかがであるか、また米軍のこの周辺における駐留の状況はどうであるか、その目的は何であるかということにつきましてお話を申し上げたいと存じます。
 極東のロシア軍が弱体化していることは、川島局長も今若干言及をなさいましたとおりで、これは世界史上今までに例を私は思いつかないほどの極端な自壊が始まっております。日本にとりましては、十八世紀にロシアが千島あたりに出てきて、「赤蝦夷風説考」とかいうことで北方の脅威が言われまして以来、常に北方からの軍事的重圧ということは感じておったわけですけれども、それまでの長い二百年余りのロシアの脅威からやっと解放されたという安心すべき状態になったというふうに考えております。
 かつてのソ連は、ここにございますとおり、人口が二億九千万人ございましたけれども、現在は一億四千九百万人というわけで、日本よりも二割多い程度のかつての半分という人口になりまして、GDPも、現在の日本円にしますと四十八兆円程度、日本の十分の一程度という小さい貧弱な国になってしまいました。
 そういうわけで、ロシアの兵力もかつては四百二十万人ほどおりましたのが現在百二十万人、つまり三百万人減ということになりまして、極東は特にこれがひどくて、下士官、兵の欠員が四〇%、これは徴兵を忌避する人、それから徴兵の対象外になる人が余りに多いということでこういった極端な兵力減に至っております。
 ロシアの国防費も、九二年、これはソ連が崩壊した翌年の最初のロシアとしての予算ですけれども、このときと現在と比べますと、額面では二百九倍という極端なふえ方をいたしておりますけれども、その間物価が千八百三十倍でございますので、実質はわずかに九分の一に減少する一兆八千億円、およそ日本の防衛予算の三分の一程度というふうな値になっております。
 特に問題なのは、食糧費が不足いたしまして、この食糧費というのは日本の今の役所で問題になっております食糧費じゃなくて、本当に食うための食糧費でございまして、これが必要量の三分の一しかないというわけで、九三年の二月には、ウラジオストクにあります海軍の士官候補生学校で栄養失調で二十数人が倒れて入院をしまして、そのうち四名が死亡する、太平洋艦隊司令長官がその責任を問われて更迭されるというふうな悲惨な事件も起きております。
 給料は、特に軍人の給与の遅配、欠配がひどいということはもう評判でございます。昨年十一月に海上自衛隊の招待でロシア太平洋艦隊司令官のクロエドフ大将が日本に来られましたので、うちの記者がこの方にインタビューいたしまして、遅配、欠配がひどいというふうに伺っておりますが、これは本当でございましょうかと聞きましたら、いやそれは全く本当でございます、私もことしは七月からまだ給料をもらっておりませんということをおっしゃるので、それはやはり今まで情報だったけれども、司令官自身が新聞記者に直接話すんだからこれほど確かなことはあるまいというので、我々も大笑いをしたような次第でございました。
 そういったわけで、ロジオノフ国防相が今度近く来られますけれども、彼はロシアは二〇〇三年までに防衛能力を完全に失うに至るであろうということをおっしゃっております。日本の防衛白書を見ましても、大体この傾向ははっきりしておりまして、防衛白書というのはえてして、よその国の脅威をできるだけ言って予算をとろうとするものですけれども、これもずっと長年同じ比較をしますと、おのずと出てまいります。
 ここにありますように、陸軍兵力は五一%減、水上艦が四五%減、潜水艦が五七%減、作戦機に至っては六三%減というふうにどんどん減ってきています。これも、まだ現在形として残っておるものだけでございまして、実際上動けるかと申しますと、海上自衛隊が昨年視認いたしましたロシア艦艇はわずか九隻。この九隻と申しますのは、出も入りも一隻ずっと数えますから、実際は五隻でございます。ピーク時の八七年には百四十一隻出ておりました。極端に減っている、ほとんど動けない。
 それから、航空自衛隊のスクランブルにもこれはあらわれておりまして、八四年には九百四十四回こちらの戦闘機が出動しておりますけれども、昨年は二百三十四機、約四分の一にこちらの出す戦闘機数が減っております。これは、もちろん全部がロシアに対するものじゃなくて、間違って入ってきます、接近してまいります韓国とか台湾とか、それからまた米軍機が間違ってコースを外れて飛んでおるとか、そういうこともございます。それも入れましてこちらが出した数が二百三十四機でございます。
 極東におります、この極東というのは、今までしばしば印象としては間違うもとでございまして、日本の近くだと思いますけれども、防衛庁の言います極東の定義は、カムチャツカ半島からバイカル湖の西までの広大なエリアでございます。これは、かつて日露戦争のころから満州正面のロシア軍のことを極東と言っておりまして、それですから、現在もバイカル湖の西までが極東というふうになっておるわけです。この広い極東の範囲内におりますロシア空軍の戦闘機が三百機、それから攻撃機が三百機程度だろうというふうに、これはミリタリーバランスの見積もりでございます。日本が三百七十機ですから、実は余り変わらない程度になってきている、実力的には変わらないと私は見ております。
 九五年のソ連の全体の戦闘機生産が三十機ほどだと言われております。第一線で十五年使われるといたしますと、トータルで四百五十機ほどたまるかと。そのうち、三分の一ぐらいは大体伝統的に極東ですから、そうすると向こうは百五十機ぐらいになるのかなと。日本の半分程度ということに相なると思います。
 特に問題なのは、部品の不足、燃料の不足から来るパイロットの訓練でありまして、年間二十時間ないし三十時間というふうにロシアで報道されております。これは、アメリカ空軍が二百四十時間、自衛隊は若干一時減りまして百五十時間程度飛んでおります。二十時間、三十時間では離着陸の腕も確保できない。これは自動車で考えましても、例えば月に二時間、三時間しか乗らない人というのは、とても危なくて横に乗せてもらうというのは嫌なわけですけれども、ましてや戦闘機パイロットはこれじゃもうどうにもならないという状況になっております。
 こういったわけで、ロシアというのは、軍事力は核を除いてもうぺしゃんこでございまして、アメリカに異様にといいますか、接近をして何とか世界で認めてもらおうというところがございまして、アメリカとロシアは今や同盟国だということを公言いたすに至りました。昨年の四月にも、クリントン・アメリカ大統領がモスクワに参りましたときに、米ロは今後も同盟国であり続けるということを演説しておられます。実際、アメリカ軍とロシア軍は共同訓練も盛んにやっておりまして、特に日本のそばでは、沖縄におりますアメリカの海兵隊、これが九四年にはウラジオストクの近くに参りまして、ロシア太平洋艦隊の海軍歩兵部隊と一緒になって上陸作戦訓練をする。
 九五年は対日戦勝五十周年記念でございましたので、今度はロシアの海兵隊がハワイへ行きまして、ハワイでアメリカ海兵隊と一緒に共同の上陸作戦訓練をする。対日戦勝記念日に米ロの海兵隊が上陸演習をするというと、これはどこをねらっておるのかねというような皮肉も我々は言っておった次第でございます。もちろん、これは別にどこと日本をねらっているわけでもなくて、ただ、たまたまそのときやったということでございましょう。昨年もウラジオストクの近郊でアメリカとロシアの海兵隊がまた一緒に共同訓練をいたしております。
 じゃ、ロシアが今こういうふうにだめだとしまして、将来また共産党政権が復活するとか、もしくは右翼軍事政権が復活してロシアが強くなるんじゃあるまいかという懸念を表明する方が、特にアメリカでも見られますけれども、よく考えてみますと、かつてソ連がどうしてだめになったかといいますと、結局は言論統制、官僚支配、それをやっている限りは、第二の産業革命である情報革
命には乗れっこない。だから、どんどん下降をしてまいったわけで、結局専制体制を復活すれば過去の下降カーブを再現するにすぎない。
 ですから、ロシアが専制主義になって、さらにまた強くなるということはどうもありそうもない。じゃ、市場経済でどうかといいますと、民衆に市場経済の経験が乏しい、余り商才があるようには思えませんので、結局はロシアというのは今後もどんどん低迷を続けるのであろうなというふうに私は考えて、そう心配いたしておりません。
 さて、問題は中国の方でございまして、中国に関しましては、一般には中国の軍事力の拡大ということが言われるのでございますけれども、それは一つは、一九九〇年ごろから盛んにアメリカの中でそういう説が出る。それ以前、八〇年代はアメリカは中国の武器の近代化を一生懸命支援いたしておりました。
 そのころは、ソ連に対抗するチャイナカードというのを使うために援助をいたしまして、例えば中国の戦闘機でありますF8のⅡ型、これも失敗作だと思いますけれども、グラマンと共同開発をいたしておりました。ところが、ソ連が崩壊したものですから、軍としてはやはり何か脅威がないと説得力に欠ける、予算をとるにも同盟国の協力を求めるにもまずいというわけで、何か突然中国だ中国だという話が出てまいった。
 その一つの証拠のようによく言われますのは、公表国防費が急増しておるというふうに言うわけですけれども、ここに表をお示ししましたとおり、九三年が一四・九伸びたといっても、その年の消費者物価の上昇率は一四・七じゃないかと。その次の年に至ると、二二・四%伸びたと騒いだけれども、実はインフレの方が二四・一%で、実はマイナス二%であるというふうな状態でございます。これは九六年、事前にお配りしました資料では六・一%になっておりますが、これは小売物価で、正しくは八・三%でございます。八・三%昨年の消費者物価は上昇しております。
 ことしは一五・四%防衛費はふえておりますけれども、インフレを何とか六%程度に抑えたいというのが中国政府の目標で、しかしアジア開発銀行は一四%程度になりはせぬかと言っておりますから、どの程度本当にふえるのかというところは注目されるところでございます。
 やや長期的に見ますと、過去十年間、八六年から九六年の間に国防費は三・五一倍に額面でふえておりまして、この間の物価上昇率は三・〇八倍でございます。これは二とございますけれども、これは違っておりまして、三・〇八倍でございます。そうしますと、この十年間で四三%の増、年率でおよそ四%の増というふうなことでございます。
 特に注目されますのは、中国が軍事基地を将来ふやしたくてもふやせるかどうかということを考えますときに、歳入がどうふえているかということがポイントなんです。この十年間で歳入は額面で三・二六倍ふえておりますけれども、その間の物価が今申しましたとおり三・〇八倍の増で、実質はほとんどふえておらないじゃないかと。名目のGNPは約七倍になっているにもかかわらず、歳入の方がその三倍余りでしかない。これは非常に異常な話でございますけれども、これは一つは、中国が国家的な全国的な徴税機能を欠いておりまして、地方に末端の徴税は依存せざるを得ない。ところが、地方の官憲の不正、腐敗が非常に横行いたしておりまして、それからまた、もちろん国民も脱税をするというわけで中央政府に金が入らない。中国では現在、流行語は「上有政策、下有対策」、上に政策あれば下に対策ありというのが中国の流行語になっているようなところでございますから、皆が悪いことをするので中央政府の歳入がふえない。
 というわけで、国防費も言われているほどにふえているわけじゃなくて、ことしなるほど一五・四%ふやしたといっても、実はそれは日本円にしまして一兆二千億円程度。防衛予算が四兆九千億ですから、防衛予算の四分の一もないというところでございます。もちろん、このほかに科学技術の振興費が兵器開発に使われるのじゃないかとか、いや軍の副業収入もあるじゃないかと、それを入れれば三倍程度にはなるだろうという見方もございます。
 ただ、これは中国軍の経費が不透明だというのは確かなので、例えば内訳がどうなっているのかを言わないというところで非常に不透明なところはあるのでございます。ただ、これは各国とも予算の立て方が違うというところが時にありまして、日本の場合でも、防衛予算の中に軍人恩給が入っていないじゃないかとか、自衛隊の退職者の年金も入っていないじゃないかとか、科学技術庁のロケット・衛星開発費、あれも本当は防衛費じゃないのとか、それから海上保安庁予算もあれは防衛費じゃないかとか、外国から見れば日本も何か小さ目に言っておるよと。一%以下と言っているけれども、実は一・五%以上は使っているはずじゃないかというようなことを向こうの方は必ず言うわけで、国によってもちろん若干そういったことは常にあるところでございます。
 特に中国の場合、武器輸出による利益、これを新しい兵器を購入するための外貨の原資に充てておったということ、これは多分間違いないと思うんですけれども、それを含めますとかえって中国の軍事費の伸びは減ってまいります。と申しますのは、かつてイラン・イラク戦争中に中国は非常に両方に売り込みまして、八八年には三十六・四億ドルの輸出を記録しておりました。これが九五年に至りますと、わずか六億ドルというわけで六分の一に低下する。
 これはイラン・イラク戦争が終わりましたことと、それから世界的にも軍事費を冷戦が終わって使わなくなり、さらにロシアが財政、経済に困るものですから、本来のロシア製のオリジナルな兵器をどんどん安値で売り出す。そうすると、中国はロシア製のコピーを売っておったわけですから、同じような値段でロシア製の本物を買えるならだれも中国のものは買わないというわけで、中国の商売は上がったりということになりまして結局六分の一に減ってしまう。これを含めると、本当は中国の国防費はむしろ減っているということだって考えられるというふうに思います。
 ですから、もう一つは、ロシアから支援戦闘機を買った買ったという人がおります。ただ、そう言って騒いでいる人は何機買ったかということを絶対に言わないという点が非常に特色でございまして、実は九二年以来総計で五十機買っただけでございます。これは一機四十億円もしますので、中国の一人当たりGNPが日本の六分の一程度ですから、日本にしますとあたかも一機二百四十億円の戦闘機を買っているというわけですから、とてもそんなに買えるものじゃない。そこで、細々とやっと五十機程度を買いました。
 ですから、今後ライセンス生産をしてふやすんじゃないかという説も一部にございますけれども、実はライセンス生産をしてもそうそう安くなるものじゃございません。レーダーとかコンピューターとか、エンジンとか、それからあとはチタニウムの部品とか、こういったものは中国ではできませんでしょうから、これはすべてロシアから輸入せざるを得ない。それから、組み立てる人件費にしても、今はロシアと中国はさほどの差がなくなってきておるということを考えますと、余り買えるものじゃなくて、今までのいろんな見積もりがありますけれども、せいぜい二百機程度かなというふうに思います。
 現在中国軍は、およそ五千五百機の戦闘機を持っておりまして、これはほとんどすべてがミグ17、19、21、一九五〇年代にソ連で初飛行しましたもので、その後中国で国産したものです。これはもう全部退役の時期を過ぎておりまして、この五千五百機を全部これからもう間もなく捨てなくちゃいけない。そのときに、かわりに五十機程度買ってどうするのという程度のものであろうと思います。
 ただ、この五千五百機の戦闘機というのはもちろん過大兵力でありまして、アメリカでも現在、
海軍、空軍、海兵隊を合わせまして四千八百機。ですから、五千五百機も要らないわけです。ただ、中国が将来も東の台湾、それから韓国が統一すれば韓国正面、ロシア正面、それから南のベトナム正面、こういったものに備えて首都等の防空をするということを考えますと、少なくとも千機程度は要るんであろうなと、日本の三倍。日本が三百七十機、韓国が四百機程度、台湾も三百数十機新しいのを持つということを考えますと、まあ千機程度は要る。
 そうしますと、戦闘機が十五年もつとしまして、年間で六十機か七十機の調達をしなきゃいけないはずである。ところが、それが九二年に買い出して以来、今までたった五十機しか買っておらないということを見ますと、これは中国軍は一般に言われております増強と違って、むしろ急減の方向にあるというふうに見るべきだと思います。
 海軍も現実には相当な減少を示しておりまして、主力であります潜水艦は、八〇年代には百十隻ほどジェーン海軍年鑑によればありましたけれども、現在で六十二隻。しかも、この六十二隻のうちのほとんどを占めます三十八隻の潜水艦は、これはソ連で昔設計しましたロメオ型という潜水艦ですが、これのもとは実に一九四四年にドイツで設計されましたUボート21型で、これをソ連が、戦後アメリカと対立しましたから慌てて海軍をつくるときに、そのドイツの設計をコピーしてそのW型をつくり、その改良型がロメオで、それが中国で再コピーされたというものです。もうとてもこんなものは、今何かに使える意味があるとすれば、ドイツがもう一度Uボート映画をつくるときに、借りてきて出せばよろしいという程度のものが中国の潜水艦隊の今でも数的には主力でございます。
 しょうがないので、中国としてもディーゼル潜水艦キロ型をロシアから二隻買い、さらに二隻入るという話ですが、これでもパッシブソーナー、聴音装置等の性能は西側のものに比べれば相当劣っているものだと思います。日本は近代的潜水艦を十六隻持っておりますから、これはもう勝負にも何もなりません。
 それから、水上艦も九〇年に六十三隻ございましたけれども、現在で五十一隻、大分減っております。しかも、近代的なものはルフ型というものが二隻ございますけれども、これはエンジンは八〇年代にアメリカから買いまして、レーダー等はフランス、オランダその他から買って組み立てたようなものですけれども、これは結局輸入がとまりましたのでつくれません。やむなく今度はロシアからソブレメンヌイ級というのを二隻買うという話でございます。
 これに対しまして、日本は近代的な護衛艦五十九隻、P3C百機近くを持っておりますから、ですから中国海軍が日本の海上自衛隊の敵でないということは、これはもう火を見るよりも明らかだということであろうと思います。
 実は、防衛庁の中国問題の専門家たちはこのことをよく知っておりまして、防衛白書は一見すると何か中国が強くなっているような印象を与えるけれども、詳しく見てみればどこにも増強という言葉は彼らは使わない。結論部分では「中国の軍事力近代化は、今後も漸進的に進むものと見られる」というふうに書いてございまして、この近代化が「漸進的に進む」というのは、実は増強どころか近代化すら遅々として進まずということを熟知している専門家が、そうは書きにくいからこういうふうにちょっとうまく書いたというところでございます。
 中国は、数的には激減するんだけれども、近代兵器が入ってくるから強くなるんじゃないかということを言われる方もいらっしゃいます。しかし、近代化というのは両側にかかるファクターでございまして、よその国も近代化しているわけです。ですから、戦力というのは相対的なもので、結局近代化のスピードにおいて台湾とか韓国に比べればはるかに低いということで、ますます中国は差をつけられつつあるというのが実態でございます。
 台湾の方は、F16を現在百五十機発注中で、やっと最近二機着きました。フランス製のミラージュ2000を六十機、それから国産で結構いい戦闘機「経国」号、これを百三十機製造中でありまして、今のところもう圧倒的に優勢というふうになりつつあると思います。海軍の方も、アメリカの設計のフリゲート艦「成功」型を七隻、それからフランスの一番新しいタイプのラファイエット級を六隻、それからアメリカのノックスクラスが今九隻入っております。こういったわけで水上艦も非常に近代化している。
 もともと海空軍は、中国と台湾と比べますと台湾の方が優勢でございまして、優勢だからこそ金門島、馬和島という大陸に張りついた島を確保できた。あれは、中国にとりましては本当に目の上のたんこぶというところでございましょう。金門島はアモイの港の入り口に、もうすぐそばにございまして、アモイの港から出た途端に撃たれるという形になっております。それから馬和島の方は、これは福州の湾口にありまして、これもあたかも、例えば軍隊でいいますと駐屯地の正門前に何か敵が陣地をつくってそこに機関銃を構えてねらっておるというような形になっておりますので、これは中国としては非常に悔しい。
 そこで、一九四九年に全土を人民解放軍が支配する前ですけれども、あそこに攻めかかりまして、一万人ほど上陸させましたところが、五千人が戦死し、五千人が捕虜になるというわけで全滅しました。五八年にも猛烈な砲撃をやり、制空権をとって孤立させてとろうとしたんだけれども、そのときは台湾空軍は実に三十二対一という撃墜比率のスコアを記録しまして、それで制空権を守り抜き、結局金門島はそれ以来ずっと落ちない。現在でも金門島には三個師団ないし四個師団、それから馬和島に二個師団相当を配備しております。
 中国の上陸能力というのは、これは台湾の軍隊の見積もりでは、漁船とか商船全部をいろいろ動員したところでせいぜい二個師団、三万人だなというわけですから金門島すら落ちない。まして台湾本島には台湾陸軍が二十四万人もおりますから、これはもうとても上陸作戦は不可能、自殺行為であろうと思います。
 中国の一番の問題点は、むしろ軍隊が強くなっていることより軍人が商業化して市場経済の波に乗り、金もないものだから、とにかくむちゃくちゃな商売を始める。三百万人の軍隊に二万の企業がある。百五十人に一社というふうなむちゃくちゃなものでございまして、それが観光客相手の射撃場をやるとか、それから軍の電波を使ってポケットベル会社をやるとか、輸送部隊がトラックを使って運送会社を始める。例えば日本関係のおもしろい話では、九二年十月二十一日の朝日新聞に、黒百合ジャパンというのが人民解放軍から功労勲章をもらったと。これは何かといいますと、黒百合という育毛剤を中国軍がつくっておりまして、これは中国の軍事医学科学院かなんかが発明をしまして、それで中国軍の工場でつくっておる。それを輸入元が三十億円売り上げたというので、何か中国軍の勲章を日本の会社がもらったというふうな笑い話もある。
 それぐらい、これぞまさに中国軍というところでございまして、非常に経済がだんだん分立する中で、軍までこういうふうな商業活動をするということは非常にけんのんなことだというふうに思います。中国としてもそれはよく知っておりまして、転勤をさせようとするんですけれども、将軍の中にはもうかるところに居座るために、上に上げると言っても、いや小生は浅学非才にしてそのような重責にたえないとか何か言って居座るような人もいるというわけですから、軍がそこまで商業化する。
 それから、中央政府の税収がどうも不思議なほど上がらない、それから転勤拒否も起きるということになりますと、公然たる分裂でなくても、何かひそかな分裂みたいなことがもう既に起きつつあるのかなということまで私としては若干懸念を
せざるを得ないところでございます。
 朝鮮半島につきましても、一般には緊張が伝えられておりますけれども、実はよく本質を見てみますと、あれは北朝鮮が一方的に弱くなっているというだけの話でございまして、ソ連が九〇年に韓国と国交を樹立し、中国が九二年に国交を樹立するというわけでロシアからの石油の輸入がばったりになってしまう。中国の方は少しは出しておりますけれども、自分の方も石油、食糧の輸入国ですからそうそう支援はできない。
 というわけで、北朝鮮のパイロットは、九二年には実に年間四時間しか飛ばないというふうなことも言われておりました。これは本当かなと思っておりましたけれども、昨年五月に亡命してまいりました李・チョルス大尉が、勤続十年間で飛行時間が三百五十時間、すなわち年間三十五時間平均。幾ら何でも年間三十五時間ではパイロットになれませんから、最初のうちはもっと飛んでおったわけで、ですから、これは最近ほとんど飛んでいないということを彼の発言も示しておるというふうに思います。
 さて、そういったわけで、航空戦力におきましては、アメリカと韓国軍を合わせますと大体六百機、それに対して北朝鮮の方は、第一線として何とか使えそうなものは百機程度でございまして、数で六対一。さらにパイロットのトレーニングが違う、電子装備が違う、搭載兵器の質が全く違う、情報能力が違うというふうに、これの積が戦力になりますから、実際には航空戦力は数百倍の差があるというふうに思います。戦車に関しても似たようなものです。
 一九五〇年の朝鮮戦争とはもう全く違っておりまして、あの当時は北朝鮮軍が圧倒的優勢で韓国軍には戦車もなければ航空機もほとんどない、地雷もなければ陣地もない、対戦車火器も有効なものがないという状態で攻められまして、そこでソウルへ三日で突入されたわけです。今回は航空優勢が圧倒的であり、それからこの四十年間営々として陣地を築いてきておる。兵力的にも数においても実際上は遜色がない。それから、兵器の性能では南が上というわけですから、これがもしも戦になれば、まずならぬとは思いますけれども、なった場合にはあっという間に韓国軍に北朝鮮軍はやられて、つぶされてピョンヤンは占領されてしまう。
 これは、五〇二七号という作戦計画を九四年の三月に韓国の国防大臣が議会国防委員会で説明をしまして、そのときにもソウル近郊で敵の戦力を撃砕し、それからピョンヤンをとり、ピョンヤンの北八十キロの清川江岸まで行って、そこで一時停止するという作戦計画を堂々と説明しているぐらいでございます。もちろんミサイルがソウルに若干飛んでくるとか、砲撃で死傷者が出るとかいうことはございましょうけれども、結局は韓国が勝つことは疑いないと思います。
 日本にとりまして問題なのは核弾頭があるかどうかです。これは、九一年末までにプルトニウム一、二発分を取り出した可能性はございますけれども、その起爆をするためのインブロージョン、爆縮技術の完成を試すためには、多分北朝鮮の技術では、コンピューターではできないから実験をしないといかぬでしょうけれども、もちろん実験はしておりません。
 それからさらに、弾頭にするためには、スカッド系列ミサイルですと直径が八十八センチですからそれ以下にしなくちゃいけない、弾頭の重量も一トン以下にしなくちゃいかぬというふうになると思います。ところが、なかなかそうするのは難しいようで、インドが最初に核実験を七四年にしましたときは、小屋ぐらいの大きさがあったという話ですし、アメリカが長崎に投下しました最初のプルトニウム原爆MK3、これは重さが四・九トン、直径が一メーター五十もあるものでございました。ですから、これがもしもできたとしてもミサイル弾頭にはなるまいというふうに思います。
 化学弾頭の方は多分あると見た方がいいんでしょうけれども、これは対策があると効果が割合少ないものでございます。例えば、松本の場合には死者が七人出ましたけれども、東京で密閉状態で使ったけれども、そのときはもう対策がかなりわかっておりましたから、あれは死者十二人で何とか食いとめております。
 じゃ、ノドンがあるかどうか、今もこれがイシューになっておりますけれども、ノドンは九三年の五月末に最初のテストをいたしました。それは射程が五百キロ出た。その後四年たちますが、二回目の発射実験を行っておらない。これは、もしも本当に開発をしているのであれば数十発は撃たなくてはならない。数十発撃って、そこで欠点を発見して、それから量産に移って配備になるというのが手順でございまして、これはいかに非常識な国だといっても、そういった物理的なものはごまかすわけにはいかない。
 仮に実験もせず、いきなり配備しますと、発射ボタンを押してもどこへ行くかわからない、そこで爆発するかもしれない。当然数十発は撃つものだろうと思います。だから、毎月のように撃って二年三年やれば、これはいよいよ完成するかなということになりますけれども、実は四年たっても全然撃っていないということを見ますと、ああこれは多分まだ金がないか技術がないかで、どうもあれはやめたらしいなというふうに私は判断をいたしております。
 むしろ問題は、韓国軍が最近、統一は近いというふうに見まして、次の防衛力整備計画で、これは九八年から二〇〇二年までですけれども、これが完成しますのは大体二〇〇五年とかその辺にそういう装備ができてまいるのでしょう。ですから、そのころまでに北朝鮮の脅威なんか言っておっても予算がとれませんものですから、だから周辺諸国と言い、特に日本ということも時には使って、それに対する防衛ということを盛んに言い出しました。
 次の中期防の韓国の計画は、百兆八千億ウォンで大体十四兆円、これは日本の九六年からの中期防の五六%という相当な巨費、GNPが日本の六分の一にすぎないのに日本の半分以上を使う。それで、年間装備費に至りましては七千八百億円ほどになります、日本は九千百億円ぐらいですが、また日本の武器は少数生産でやたらに高いものですから、それから天下り等もあって高くなっています。ですから、大体対等かなというふうに思います。
 この下敷きになっております韓国国防省附属機関の国防研究院の「二十一世紀を目指す韓国の国防」というのが一昨年の七月に出ておりますけれども、これは千五百キロ圏での空域を統制し得る航空戦力、すなわちこれは日本列島上空で制空権を確保するという計画でございます。これが北京や上海ですと千キロを割りますから千五百キロということになりません。これは明らかに日本を念頭に置いておるなと。
 海軍の方は、遠洋での作戦を立体的に行い得る機動部隊の建設をするというわけで、アメリカ軍の将校に対しましても、例えばこの装備を買いたいと。そんなものは要らぬでしようというふうにアメリカが言うと、いや対日戦争のときに要るんですということを韓国軍の軍人が公言するということは、アメリカのいろんなソースから私も聞いているところでございます。軽空母もつくるとか、潜水艦を現在九隻建造中ですけれども、千二百トン級はこの九隻でやめて、次は三千トン型の潜水艦をつくるというふうなことを言っております。
 こういったふうに、むしろ韓国が今のところそういう日本との戦争ということを言い出しておるということは、実際にはもちろん戦争にはならぬだろうと思います。統一しても経済が大変ですし、また中国との国境は今の二百四十キロが千二百キロぐらいになりますから、そうそうこちらに向かえるわけはないと思いますけれども、彼らの方がそう言い出しているということは、一般に認識されておらない一つのファクターとして考えた方がよろしいというふうに思います。これは今、森本先生が、感覚が似通った国としてオーストラ
リア、韓国を含めた安全保障体制とおっしゃったので、あえてここのところはちょっと申し上げた次第でございます。
 じゃ、時間が来ましたので、また後ほど御質問にお答えしてお話しをさせていただきたいというふうに存じます。




  1. 2008/01/24(木) 20:10:39|
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