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「未来への伝言」核兵器のない世界を・・・
~町田市原爆被害者の会(町友会)編 「未来への伝言」被爆の証言を伝え、核兵器のない世界を~

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衆-決算行政監視委員会第四…津川分科員平成14年07月23日

衆-決算行政監視委員会第四…津川分科員平成14年07月23日

○津川分科員 両端ができていないからなかなか収益が上がらないという例もわかりますが、実際、そうじゃないものも多いわけですよ。
 今、具体的に挙げますが、国道一号線のバイパスで、東海四バイパスとよく言われる藤枝バイパス、掛川バイパス、磐田バイパス、浜名バイパス。両方が国道ですよ、まあバイパスですけれども、無料ですよね、無料でできていますけれども、そこだけ有料なんですよ。それでも収益が上がっていないんですよ。今の予定では、償還期限までに準備金が積めないんです。最終的には、何十年後かに何とかしなきゃいけないんですよ。
 何とかしなきゃいけないというところで、今民営化の議論がなって、もし間違って、いや、ここは民間企業がやるから有料でございますとなったらどうなるか。一般国道からずっと行って、ここは有料、無料、有料、無料、有料、無料となるんですよ。そんなばかな話はないですよ。ここをずっと走ったら、東名より高いんですよ。これは一般の地域の方々が使う生活道路ですから、本当に無料にしていただきたい。
 早目につくるために、需要があるから早目につくって何とかしたいということで有料道路制度を使ったんでしょうけれども、そういかないわけですから、うまくいっていないんですから。それはもう明らかなんですから、これは早いうちに処理をしていただきたい。
 それは、今でも例えば藤枝バイパスは夜間無料にしています。ほかに、県の公社がやっているようなところも夜間無料にするなんということが随分あります。これは料金設定から見ればわかりますけれども、高速道路と違って、これは必ずしも償還主義でやっているわけじゃないですよね、料金設定は。もちろん、償還主義で、これが償還できそうにない場合は無料にするわけですけれども、そうじゃないものに関してだけ有料にしたはずですが、それがうまくいかないことが明らかであれば、これは早いうちに無料化していただきたい。
 それで、今大臣から物流コストの話がありました。確かにそのとおりでありまして、高速道路の通行料金が高い。確かにそうですが、実は、それ以外の有料道路も非常に高いです。実は本四なんかもそうでありますけれども、本四連絡橋も、これは高速道路ではなくて高規格幹線道路ですね。だけれども、実際うまくいかないんですから。高規格幹線道路だって、無料のなんてあるじゃないですか、国土交通省が管理している。
 そういったことから考えれば、これはなかなかうまくいかないということになれば、どんどん赤字ができて、いつかどうなるかわからないというやり方をするのではなくて、早い段階で、これは無料化をするなり、あるいは橋みたいな特別のものは特殊な料金だけお支払いいただくというやり方はあると思いますけれども、私はそちらの方が物流コストを下げるには非常に有効だと思います。
 そういった意味で、その辺の見直しをまずしていただきたい。まあ議論はどうなるかわかりません、民営化推進委員会では。でも、民営化推進委員会ですから、民営化しないという結論は多分ないと思いますから、民営化する以上は、無料道路というのは多分持たないんだと思います。
 それで、無料にすることを考えるのであるならば、これは国土交通省さんが管理する以外ないわけですから、そうなるのであるならば、これは早いうちにこういったものはやらせていただきますと。これは整備に関する話じゃなくて、維持管理の話でありますから、これを早くやっていただきたいということであります。
 済みません、ちょっと時間がないので飛ばさせていただきますが、もう一点、ちょっと地元の話で恐縮でございますが、質問させていただきます。地方空港について質問させていただきます。
 地方空港も、過剰投資にならないように、需要に見合った整備が必要であるということは、総務省さんの指摘もありましたし、以前にも大臣にお話をしましたが、会計検査院さんの方からも需要予測はしっかりやるべきだというような話がありました。
 そこで、静岡空港というものがございますが、これも今県が需要予測に対して見直しを行っている状況でありますが、それが終わった段階で国としてはどういう対応をする予定なのかということをお伺いしたい。これは局長、来ていただいていますよね。
 それからもう一つ、時間がないからついでに大臣にお伺いをいたしますが、本四、本州四国連絡橋は三本つくる必要がなかったかもしれないということを何度も大臣はおっしゃいます。結果的にはそうだったのかなと思います。
 例えば、空港の話も、近畿にどうかと。関西国際空港というものに集約しようという議論で始まったものが、いや、でもやはり伊丹にも残そう、神戸もつくろうかなと。それでは関空の立場はどうなるんだろうと私は思います。
 確かにそれは、神戸の方にとっては神戸空港の方が近いかもしれないし、伊丹はそれはそれで使いやすいかもしれませんが……(発言する者あり)今、違う違うとおっしゃっていますが、やはりそこは、その中の一つに絞って収れんをしていく、神戸の地域あるいは伊丹の地域の方々にも利用していただきやすいようにする方が国土政策としては正しいのではないか。
 静岡につきましても、空港が必要であるという意見もあります。地元からも、ぜひつくってほしい、ぜひどんどん推進してほしいという声もあります。ただ、本当にこの地域にこういったものが必要なのかどうなのか。需要予測をしっかりやった上で、多少赤字になっても、それは県がやることであるから県民が最終的には決断をすることかもしれませんが、そういった需要予測等々につきましては、国も相当責任を持って指導をしていただきたい。この二点、お願いいたします。

○深谷政府参考人 静岡空港についてのお尋ねでございますけれども、私どもといたしましても、昨年の十二月、国内の航空需要予測のガイドライン、これをつくりまして、このガイドラインに基づいて需要予測をやっていただけるよう、地方公共団体等に通知をさせていただいたところでございます。
 これを受けた形で、ことしの六月、静岡空港の設置管理者でございます静岡県におかれましても、需要予測の見直しに着手するという旨の方針を表明されております。これは先生今御指摘のとおりでございます。
 国土交通省といたしましても、この県の需要予測が適切に行われるよう指導をしたいと思いますけれども、その需要予測の結果によりましては、これはまた補助金等の取り扱いも含めまして、県ともよく相談していく必要があるかもしれないというふうには考えております。

○扇国務大臣 今の需要予測は局長が答えましたとおりですけれども、私は、ぜひ津川議員に、あなたのような若い人たちは、日本の今後はどうあるべきかを考えていただきたいと思います。
 それは、ある時期、一県一空港という要望もありました。一県一医大という要望もありました。私は、日本国土の中で、一県一空港が果たしてできるのかどうか。
 そういうことから考えますと、今の津川議員が例を挙げられました関空、伊丹、神戸、安全性から考えても、関西国際空港の管制空域、伊丹の管制空域、両方からの空域があって、その谷間を神戸空港から飛び上がろうという、パイロットにとってもこんな危険なことはありません。
 では、静岡はどうなのか。羽田、横田、それから中部国際空港、静岡。そして空域圏の地図を見ていただいたらわかりますけれども、米軍と自衛隊の空域、そこに日本の民間空港の空域、どれだけ米軍と自衛隊に大きな空域をとられているか。果たしてそれで国民の、乗客の安全性、パイロットの精神的な重圧、そういうものを取り除くことができるのか。
 まず、私たちは、利便性も必要ですけれども、何よりも安全性というものを国土交通省としては図っていかなければいけない。いささかもパイロットに、この空港は危険だなと思われるような空港をなるべくはつくりたくない。
 そういう意味で、今後大きな、今の局長が見直しますと言ったことプラスアルファ、私は、国土交通省として、国民の要望はわかりますけれども、果たして安全性が保たれるかどうかという基本理念に基づいて、私たちが安全、安心な空港づくりをするということが将来のためになると思っています。


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  1. 2008/03/30(日) 21:35:04|
  2. 横田エリアを無くそう--国会議事録でみる「米軍」「空域」「横田」|
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衆-外務委員会-赤嶺委員平成13年06月15日

衆-外務委員会-赤嶺委員平成13年06月15日

○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢でございます。
 もう大分この論議を交わしてきたわけですが、いよいよ訪米ということで、訪米に当たって、いま一度、改めて、沖縄が抱えている問題を中心に、日米関係をどんなふうに考えるのか、問いただしていきたいと思います。
 最初に、米軍の事件、事故にかかわる問題ですが、御承知のとおり、六月十三日午前七時二十三分ごろ、米軍の普天間基地の近くの民家に、米軍のヘリから、衣類や水筒、ガスマスクらしきもの、防弾チョッキなどが入った十三キロと十キロの袋二個が落下いたしました。海兵隊は、この落下物は普天間基地のCH53Eヘリが落としたものであることを認めております。現場の状況から見ても、人の上に落下すると重大な事故につながる可能性が高い事故でありました。
 早速、私たち日本共産党は被害者の住民にお会いしまして、お見舞いを申し上げて、そのときの話なんですが、その住民の方は、本当に大変なことだ、ヘリは、民家の上を飛ぶときでもドアをあけている、旋回をすれば落下するのは当然と。普天間基地あるいは市街地上空で旋回訓練をしているのですね。旋回訓練をしてヘリコプターが斜めに傾いて、ヘリコプターのドアが閉まってなかったから落下物が落ちてきた、ちょうど自分が庭の掃除をして、うちの中に入って二、三分もたたないうちに落ちてきたというのですよね。
 ですから、向こうの宜野湾市は、たびたび市議会の決議で、いわゆる宜野湾市の市街地上空での米軍の旋回飛行訓練は中止してほしい、こういう決議を上げて、何度も外務省に届けられていると思います。
 私、きのうも安保委員会で防衛庁長官にお伺いしたのですが、日本政府として正式に、市街地上空でのヘリコプターの旋回飛行訓練をやめなさいということをアメリカに申し入れる、そういう姿勢をお持ちであるかどうか、御答弁をお願いします。

○植竹副大臣 ただいま赤嶺先生の御質問でございますが、まず、ヘリコプターによる訓練でございますが、実弾射撃訓練を伴う飛行訓練等とは異なりまして、訓練空域等に限って行うことが想定されているものではありませんが、しかし、これは無制限に許されるものではないと考えております。したがいまして、米軍は、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払って行動すべきものであることは言うまでもないと思います。
 したがいまして、政府といたしましては、今後とも米国側に対しまして、訓練に際しては安全面に最大限払うように求めるとともに、地域住民の方々への影響を最小限にとどめるよう適正にするように申し入れております。
 したがいまして、十三日の件につきましては、橋本沖縄担当大使からウィリアムズ在沖海兵隊基地司令官に対し申し入れを行うとともに、また、日米地位協定室から在京米国大使館を通じまして在日米軍に対し申し入れを行っております。

○赤嶺委員 今の副大臣の答弁だと、訓練空域であれば実弾射撃訓練ができるけれども、訓練空域以外では、その他の訓練、何をやってもとめられない仕組みになっていますと。地位協定上なっているんですよ、これは。
 それで、日本政府が申し入れられるのは、安全に配慮して訓練はしていただきたいと。
 私が申し入れているのは、市街地上空での訓練の中止を申し入れていただきたいということなんです。中止を申し入れるおつもりは、田中外務大臣、ないでしょうか。

○田中国務大臣 今おっしゃった、ヘリコプターからの落下物、十キロが二個おっこったというふうなことは、やはり緊張感がないのではないかという感じもしますね。
 ですから、この中でもって、基本的に、その中止ということも含めますけれども、トータルに事実関係を申し上げますよ、ちゃんとパウエルさんに。これはどうだ、自分のところで起こったら大変でしょう、こういうことについてトータルでアメリカが何ができますかという中で、申し入れ、話をいたします。

○赤嶺委員 ぜひパウエルさんに申し入れていただきたいと思うんです。それで、実は外務省の態度は、北米局長、そこにいらっしゃいますけれども、大体その後、日米安保条約で基地を米軍に提供しているんだから、米軍も練度の向上のための訓練は必要なんだから、訓練をやめなさいというわけにはいかないんですよというのが今までの日本の外務省の国会答弁の記録なんですね。これは実に悲しいことなんですよ。
 外務大臣、ぜひパウエル長官に、宜野湾市の事故について、どういうお考え、どういう立場で臨むかは別にしても、こんな訓練のやり方があるかと申し上げていただきたいと思います。
 それで、六月十二日に、今度は瀬戸内町の加計呂麻島に……(田中国務大臣「行ったことがありますよ、奄美大島」と呼ぶ)ああ、どうも。限られた時間で質問しておりますので。加計呂麻島に燃料タンク二個が漂着してきたそうです。これは、報道によりますと、米海軍嘉手納基地所属のF15戦闘機が航空自衛隊新田原基地に緊急着陸するため、燃料補助タンク八個を奄美地方と沖縄東方の海上に落とした、嘉手納基地に戻る途中、暴風雨に遭遇したための緊急着陸で、安全に着陸するため補助タンクを切り離した、このように報道されているんです。
 外務省、それは間違いありませんでしょうか。

○植竹副大臣 間違いございません。

○赤嶺委員 それで、通報の問題ですが、外務省は米国大使館から十一日夜に通報がありましたけれども、鹿児島県には十二日夜の八時にしか通報がなかったというんですね。
 そういう落下事件がいつ起こり、そしてどのような手順で当該地方自治体に連絡をされたか、ここもちょっと教えていただきたいと思います。

○藤崎政府参考人 恐れ入ります、御答弁させていただきますけれども、実は、米側からの情報を受けまして、同日、那覇防衛施設局から沖縄県に対しまして、十二日に、福岡の防衛施設局から鹿児島県に、概要を通報したということを承知しております。
 ちょっと私どもの直接の担当でございませんので、施設局からの連絡について、以上の御答弁とさせていただきます。

○赤嶺委員 外務省、防衛施設局から鹿児島県に連絡は行ったようなんですが、外務省がキャッチをした後、鹿児島県庁に届くまでの時間が余りにも遅いんですね。これで本当にそういう事故に対応できるのかという気がいたします。改善を求めたいと思います。
 同時に、米軍は、その当時、暴風雨に遭ったので、安全対策として燃料タンクを落下させて、新田原基地に緊急着陸したと言っているんですが、私、気象台に確かめてみたんです。
 あの南西諸島地域、奄美地域、沖縄地域で当時暴風雨は発生していたかどうかということを、十日、十一日、十二日、幅をとって確かめてみたんですが、暴風雨と言われるような気象条件はなかった、気象台はそのように私の問い合わせに答えておりますが、外務省はその辺は確認しておりますでしょうか。

○藤崎政府参考人 お答え申し上げます。
 私どもが通報を受けておりますのは、十一日夕方、飛行訓練中の嘉手納飛行場所属のF15戦闘機六機が、激しい雷雨のため嘉手納飛行場に着陸することができず、航空自衛隊新田原飛行場に目的地を変更の上着陸した、こういうことでございます。

○赤嶺委員 激しい雷雨があったかどうかというのは、外務省は確認なさっていますでしょうか。

○藤崎政府参考人 お答え申し上げます。
 私ども、こういう通報を受けました際に、逐一気象庁等にこれを確認するということはしておりませんが、激しい雷雨のため目的地を変更の上着陸したという状況であったという、この激しい程度がどの程度の雷雨であったか等について今御説明することは、ちょっと私の手元に資料がないので御勘弁いただきたいと存じます。

○赤嶺委員 ぜひ調査の上、その報告をしていただきたいと思います。
 といいますのは、私たち、沖縄に生まれ育った習性から、米軍が台風のため避難ということについて疑ってかかる習性が身についているんですよ。グアムで台風が発生したためにB52が沖縄にやってきました、ところがグアムでは台風も発生していなかったという経験が何度もあるものですから、その疑ってかかる私の習性、そして米軍の横暴から国民の命と安全を守らなければいけない外務省、そういうギャップを埋めるために、ぜひまじめな努力をしていただきたい、問い合わせたけれどもというようなごまかしはなさらないようにしていただきたいと思います。
 それで、きょうは、せっかく訪米なさるので、SACO合意に対する基本的な認識について伺おうと思っていたんですが、大分時間が経過してきていますので、そのSACO合意の大きな柱であります北部訓練場の移転問題を通して、SACO合意について考えてみたいと思います。
 北部訓練場ヘリパッドの移設についてなんですが、これはSACO合意の重要な柱であります。
 防衛施設庁では、北部訓練場地域の自然調査を行い、ことしの一月に、北部訓練場ヘリコプター着陸帯移設に係る環境調査の概要を発表いたしました。主として、米軍の運用上の観点から選ばれました五区域七カ所のヘリコプターの着陸帯移設候補地で多くの貴重な動植物が確認され、移設候補地は最終的な移設先として決定できませんでした。
 今後の継続調査の結果を踏まえて総合的に判断し、場所を決めるということになっているようですが、現在どういう取り組みになっているのか、この問題をどのように考えておられるのか。これは外務省でいいですか。では、副大臣。

○植竹副大臣 今の御質問の点につきましては、外相もよくその点は考えておられます。
 私どもからのお答えとしましては、SACO最終報告におきましては、北部訓練場については、ヘリコプター着陸帯を同訓練場の残余部分に移設することを条件といたしまして、その過半が返還されることとなっております。
 さらに、このヘリコプターの着陸帯の移設につきましては、平成十一年、地元自治体の理解が得られましたことを受けまして、日米合同委員会において合意がなされ、環境への影響を最小限としながら実施することとなったのであります。
 ヘリコプター着陸帯の移設に当たりましては、防衛施設庁におきましてこれまでも環境調査がなされてきたところでありますが、さらに継続して調査が実施されることを承知しております。今、実施中でございます。

○赤嶺委員 この一帯は全体が亜熱帯の雨林に取り囲まれていて、いわば、米軍から指定をされた七カ所を調査したら貴重な動植物が存在していたからそこにはできませんでしたと。しかし、別の場所を探しますと言うけれども、その別の場所は、私はないと思います。平地を指定してきてその平地でできないわけですから、あとは谷や川しか残っていないのですが、いかがですか。まだそういう場所があるのでしょうか。

○伊藤政府参考人 この件につきましては、先般、たしか二月二十七日でございましたか、委員からも御質問を受けて、総合的に判断をするということを御答弁申し上げたと記憶しておりますが、私どもといたしましては、なお、その当時も申し上げたとおり、森の林齢だとか、あるいは今おっしゃられたような沢ですとか、そういったようなことが果たしてよりよいところがあるのかないのか、そういうことも含めて総合的にさらに継続調査をするということで、現段階ではまさにその調査に着手をしているところでございます。

○赤嶺委員 そこで、外務大臣にお伺いしたいのですけれども、この北部訓練場のヘリパッド、過半は返還して、返還する地域にある七カ所のヘリパッドを残った十五カ所ぐらいある地域に新しく七カ所つくろうという計画なんです。そこが、つくる場所が、調査をしてみたらうまくなかったというのが、今の防衛施設庁の答弁なんですね。
 それで、今、樹木の年齢の若い木があるところを探してだとか沢だとかと言っていましたけれども、この地域は、山原全体の自然破壊が進む中で、この地域だけ豊かな自然が残されているのです。それで、ノグチゲラも、それから亜熱帯特有の小動物もみんなこの地域に集まっているのです。これについて、自然度の高い亜熱帯雨林が良好な状態で保存されている。
 国際自然保護会議では、この場所を動物の避難場所、このように言っております。ノグチゲラやヤンバルテナガコガネ、固有種、あるいは今、沢の話がありましたが、渓流には沖縄固有種のオキナワコヤマトンボなど、この地域でしか見られない貴重な生物、陸生脊椎動物、鳥類、植物など、みんな肩を寄せ合うようにしてこの地域に集まっているのです。これほどの狭い地域にこれほどの多様な生物が生息するところは、我が国では田中外務大臣も行かれた西表島とこの一帯しかないのです。そして、そこで育ってきた若い木というのは、イタジイの木はノグチゲラの巣づくりに一番適当な樹木として成長しているのです。あそこにある比較的新しい樹木というのは、これからノグチゲラが巣をつくる樹木なんです。
 こういうところを、樹齢が若いからとか沢に目をつけてとか、幾らSACO合意だからといって、そこにヘリパッドをつくって小動物や自然を破壊するようなものはやってはいけないんじゃないかと思いますが、いかがですか。

○田中国務大臣 いつも赤嶺先生大変いい質問をなさって、具体的で、しかも疑り深いとおっしゃって、なるほどよく調査もなさっていますので、本当に……(発言する者あり)いやいや、さっきそうおっしゃったですね、沖縄に生まれ育たれて……(発言する者あり)済みません、私すぐにまぜちゃうのでいけないんですね、別々に申します。そうなんですよ。
 それで、やはり環境への影響、私は、これは普天間の移設もそうだし、そのほかを見ていて、沖縄それから奄美大島、さっき加計呂麻もおっしゃいましたので、あれは古仁屋から行くんだったかと思いますけれども、あそこはイルカもいますし、本当に、日本の人はみんな行って認識すべきだと思うほどすばらしい海洋生物やら自然やら植物やら、それから波照間島の小さな、もう本当に、地元の人は別にしょっちゅうこんなのあると言われるけれども、珍しい植物があって、私も、時間があればデッサンをしたかったので写真を撮ってきましたけれども、そういうものは再生不能なんですね、藻場の話もありましたけれども。
 したがって、この自然保護というものを――一度やったらなかなか戻せないんですよ。こういうことについての意識はやはり持たないといけないし、アメリカ側の方たちは、もうそこでわかる方は特に進んでいらっしゃると思うのですが、この安全保障の問題、基地の問題、それから私、前に科学技術庁長官をやっていたときに、ちょっと違うことを言うのですが、本当のことを、もとへ戻ってきますから安心して聞いてください。この原子力立地の問題も、非常に自然のすばらしいところに電源立地をしているのです。そういう中で、自然との共生、取水口があって排水があって海洋を汚す可能性もあるじゃないですか。そうじゃなく、今スクリーニングをやっていますが、そうとはいえ、こういう沖縄とか奄美大島は壊せない生態系が、天から与えられたものがあるのですね。
 ですから、そういうことについて、もう一回環境への影響の大きさを考えて、防衛施設庁にもう一回考えていただくように私からもお願いをいたします。

○赤嶺委員 環境への影響の大きさを考えて外務大臣が防衛庁に再検討をお願いしたいという認識でいいわけですよね。私、言葉じりをとろうとは思っていません。この問題で話し合いたいということですよね。

○田中国務大臣 再検討というよりも、まずちゃんと調査をしていただきたいということでございます。

○赤嶺委員 それで外務大臣、この地域に、広島大学と琉球大学の生物の先生方が長いこと山原の山に入って調査をして、その報告書は外務省にもあると思います。さきの河野外務大臣も持っておられます。
 この琉球列島動植物分布調査チームは、すべての生物は互いに関係を持ちながら生活しているため、人的攪乱の影響は、生物の多様度が高い環境ほど大きい。直径七十五メートルのヘリパッド七カ所とこれに接続する道路の建設は、一、生息場所の消失と分断、二、赤土の流失、三、乾燥等により生態系に種々の悪影響を及ぼす。建設はこのような悪影響にとどまらず、動物の生活や行動にも影響を与える。例えば、音や鳴き声で交信する動物にとって、ヘリの騒音が繁殖の妨げとなることが懸念される。環境保全を国策の重要な課題とし、国民の先頭に立って環境保全に取り組むべき国が、もし、みずからの手で最も貴重な生態系の一つを攪乱することになれば、地域社会での環境行政に影響を及ぼすばかりか、国際社会における我が国のイメージダウンにつながる、このように指摘しております。
 これは、琉球大学と広島大学の生物の合同の研究チームの先生方の見解です。あの山原の山を隅々まで知り尽くしている方々です。
 それで、外務大臣の関係で言いますと、去年の十月にアンマンで開かれた国際自然保護会議では、この山原のヘリパッド建設についてこう言っているのです。
 この地域は、野生生物の避難場所としての役割を果たしてきた同地域が、固有種の生息地の劣化を引き起こし、頻繁に行われる軍事訓練が、絶滅のおそれを高めることを懸念し、保全計画と詳細な調査要請を決議した、こういうものでありますから、私は、世界も注目していると。
 そして、あんな狭い沖縄にあれだけの基地を置こうとするから、SACOというのは、実はあれは県内の基地の撤去じゃないんです。人口の密集している普天間から人口が少ない名護市に移そうだとか、あるいは北部訓練場なんてもう過半を返還しても、既設のヘリパッドはあるんですよ。あの地域、二十二カ所ヘリパッドはあるんです。返還するのは七カ所なんです。この七カ所、つくらないという態度をとれば、田中外務大臣も心配していらっしゃる自然の生態系が破壊されずにできるんですよ。
 ところが、さっき訓練の海外への移転と言いましたけれども、向こうはジャングル訓練センターとして強化するために、こういうようなヘリパッドの新しい再編強化が始まっているんですね。ちっとも訓練の削減なんて実感ないですよ。実弾砲撃訓練が金武町から本土五カ所に分散移転しましたけれども、まだ金武町の伊芸区は実弾砲撃訓練に悩んでいるんですよ。何も負担は軽減していないというんですよ。訓練の移転では負担は軽減しないんです。海兵隊が削減か撤退かということが県民の総意なんです。
 それはわきに置いて、やはりこういう貴重な山原を守るためにできる限りの努力をやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○田中国務大臣 これは、突き詰めていくと極めて大きな日本の政策でありますし、それはもう前から気づいていましたけれども、この内閣がどういうふうに、急にはできませんけれども、私は初めから時代のかじを切っていく内閣だなというふうなことを思っていますので、こうした外交問題の中に極めて集中的にそういうものがあらわれてきているというふうに思っています。これまた財政構造の面でも、社会保障の面でも、いろいろなものが出てくると思いますけれども、トータルで、やはり民意を問うて、できるものならやはり国民投票、もちろん今すぐじゃないですよ、長い目で見て国民投票が必要になってくるようなことも出てくるなということを、私は内々考えています。
 それはトータルのお答えでして、このことについては、私は、食物というよりも生命連鎖だと思うんですよね、自然環境。これはもう人類が何十億年も前に地球上にあらわれてから今日まで来て、そしていろいろな科学技術が進歩をして便利になった。利便性、効率のよさ、それを追求していく、そしてその先にまた自然破壊がある。先ほどの菅先生から始まったきょうのこの委員会ですが、最後はまた自然を大切にしよう、環境を破壊しないでいこうという原点にやはり返っていくんですよね。
 そういう中で、この生命連鎖というものと、人間のお互いに対する不信感といいますか、そういうものを、科学技術を進める、軍事技術を進めるということと、それから、人間が本当に幸せだと生きるためにはどうあるべきか。環境問題もお互いの援助の問題もトータルで考えながら、そういう基本的な認識をきちっとつくって、そしてこういうものを、一々モグラたたきでやるのではなくて、こういう問題、一度壊してしまったらば二度と戻らない、そういう自然環境のことを言っていらっしゃる。それは拡大すれば、さっき言った地球上全体の環境の問題でもあるんですよね。したがって、人間はどのようにして自然とともに生きるかということ、人間がどこまで人を信頼できるか、善意でポジティブに生きられるか、いいエネルギーを出すかということにもこれは収れんされるなと、今お話を伺っていて感じました。
 したがって、この細かいことに、きちっとこのことに、御質問に特化して言えば、繰り返しになりますが、防衛施設庁にもう一回詳しく検討していただくことにいたします。よろしいでしょうか。

○赤嶺委員 ぜひこれは、先々SACOの合意の見直しだとか日米安保、改憲だとか、一番難しい問題にぶつかると思います。私は、やはり日米の関係というのはそこまで行き詰まってしまっているというぐあいに見ているんです。そこは同意は求めません、もともと自民党と共産党、これだけの距離がありますから。しかし、自然を守るという点で、やはりだれが見ても道理のあることはやってもらわないと、これは本当にあの山原の山々、森々の小動物たちの避難場所になっている、あの地域の自然は破壊するなということをさらに強く訴えておきたいと思います。
 それで最後に、問題整理の上でちょっと聞きたいんですが、普天間基地の代替基地なんですが、八案出されて、それで、沖縄県の方に問題を投げていらっしゃる。沖縄県が一案に絞れという意味で投げられているのか、あるいは複数案をということで投げられているのか、その投げ方の性格、あるいは八案全部国にお返しして、つくるなというようなことも含めて問題を投げておられるのか、お聞きしたいと思います。

○伊藤政府参考人 もう委員十分経緯は御承知のことだと存じますが、三工法八案と申しますものは、代替協議会六回の議論の積み重ねの中で、先般第七回の協議会において御説明をし、そして、その同じものを地元の名護市、あるいは県に御説明を申し上げているものでございます。この県、名護市への御説明と申しますのも、基本的には、県あるいは名護市の方からの御説明に対しまして、私どももいわば同席をさせていただきまして、詳しい御説明を補助的にさせていただいているという性格のものでございます。
 そして、第七回協議会で、正確にどのようなおっしゃり方か今手元にございませんが、私の記憶するところでは、この三工法八案を受けまして、地元名護市長さんは、地元の意見を集約してまた代替施設協議会に御報告するというふうに御発言されておると記憶しております。
 したがいまして、今おっしゃられましたような、何案に絞るとか絞らないとか、そういった議論は必ずしも出ていませんで、あくまで、地元の意見を集約して、また次の代替協議会で報告をされる、そこにおいてまた御議論があるということになろうかと思います。

○赤嶺委員 最後に一つだけ確認します。
 つまり、一案に絞って地元の意見を集約せよということではなくて、地元の集約の仕方は多様だという認識でよろしいんですね。

○伊藤政府参考人 そういうことにつきまして、代替協議会での御発言はなかったと私は記憶しております。

○赤嶺委員 では、終わります。




  1. 2008/03/30(日) 21:34:25|
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衆-安全保障委員会-今野委員平成13年06月14日

衆-安全保障委員会-今野委員平成13年06月14日

○今野委員 これは地元の新聞報道によるものなんですが、稲嶺知事が基地の過重負担軽減などをアメリカに要請するためにアメリカに行こうとすると、外交防衛の交渉や話し合いは両政府の専権事項だから、訪米したとしても余計なことを言うなというようなことを言って批判を受けたり、それから、米軍が二月と三月にかけて名護市の上空で、民間地域の上空で飛行訓練をしたんですね。これについても、名護市も民間地域の上空で米軍の戦闘機が訓練できるとは認識していなかったので、名護市議会が那覇防衛施設局や橋本大使がいる外務省沖縄事務所に米軍機の訓練について要請に行ったんですね。
 そのときのやりとりなんですが、市議の一人が、何の前ぶれもなく提供訓練空域でもない市街地上空でこのような事態が生じることに強く怒りを感じるということを伝えたんです。そうすると橋本大使は、訓練機の移動はあるけれども、名護地域で訓練をやっているとは聞いていないというふうに答えているんですね。この市議は防衛施設局に、訓練だったかどうか事前に確かめているんです。なので、これは訓練だったと聞いていたわけですから、施設局は訓練だったと言っていますよと伝えたんですね、橋本大使に。すると橋本大使は、ああ、そうですか、私はちょっとわからない、と返事をしている。それで、この市議さんも、何で私たちが、ああいう問題があったのに施設局に確認をしないんですかと大使に指摘をした。そうすると橋本大使は声を荒げて、そういう言い方をするのか、あなたがおっしゃった話は聞く、私はわからないものは残念ながらわからないと言わざるを得ない、申しわけないがそれが私の性格だ、と怒ったというふうに言うんです。
 これは琉球新報の四月六日の朝刊に載っているんですが、事実関係把握が不十分であると指摘されると、切れる大使なわけです。
 さらに市議が、独立している国かどうか問われていると前置きして発言を始めますと、大使は遮るように大きな声を出して、日本はとっくに独立している、そんな話を受けるわけにはいかない、私はちゃんとした日本国の役人だ、立派な。私は聞く耳を持たない、やめてほしい、幾らあなたが言ったって聞かない、聞こえない、と続けたんだそうですが、こういう事実関係は把握していらっしゃいますか。
 田中大臣にお伺いします。大臣に。

○川端委員長 初めに大臣。承知しているかということですから。

○田中国務大臣 そこまで克明には存じてはおりません。

○今野委員 知ってはいらっしゃいましたか、こういう事実は。

○田中国務大臣 事実かどうかわかりませんが、そういう報道があるということはちらりと聞いたことはございますけれども、今おっしゃったように細かい状態であるというふうなことは今初めて聞きました。

○今野委員 それでは、外務省からちょっと説明をしてください。余り時間がないので、済みません、短く。

○藤崎政府参考人 お許しを得られましたので、答弁をさせていただきます。
 二点御質疑がございました。
 一点は稲嶺知事の訪米についてでございますが、これにつきましては、橋本大使、外務省等も協力をさせていただきまして、日程づくり、十分なものができた、感謝するというお言葉を知事自身からいただいておりますし、知事はこの旨を記者会見でも述べておられる次第でございます。
 第二点でございますが、四月五日に、これは現内閣ができる前の話でございますけれども、名護市議会が橋本大使に、訪問いたしまして、この訓練の空域の問題について提起したわけでございます。その際の逐一のやりとりをここで御説明はいたしませんが、若干のやりとりがございまして、その後、大使の方から、これについては外務本省、米側とも確認した上でお答えしたいという返事をいたしまして、これは四月五日でございますが、十日に大使はヘイルストン司令官に会いまして、その後十二日に名護市に赴きまして、ヘイルストンから聴取した、この説明をいたしました。
 そして、その際に、先般のやりとりについて、もしやりとりの際に御不快なお気持ちを与えたとしたら申しわけないということを述べている次第でございまして、その後、実は名護市議会の方が私どもの方に、東京でもお話を伺っておりますが、今ぎくしゃくしているというような話は私どもも聞いていないところでございます。

○今野委員 中谷長官に伺いますが、名護市街地上空は米軍機の訓練空域になっているんですか。

○中谷国務大臣 名護上空の訓練空域の設定でございますが、那覇局長の話によりますと、一般に米軍による飛行訓練については地域を限定しているわけではなく、実弾射撃訓練を伴う場合は別として、その他の訓練はあり得る、しかし、米軍は訓練に際し我が国の公共の安全に妥当な考慮を払って活動すべきものであるということでございます。

○今野委員 それでは、市街地上空で訓練をすることについては、中谷長官はどう思われますか。

○中谷国務大臣 一般的に、先ほどお話ししましたとおり、空域を設定するわけではございませんが、我が国の実情に合わせて訓練をしていただきたいというふうには思っております。

○今野委員 つまり、好ましくないことだと考えていると理解していいですか。

○中谷国務大臣 当然地元の住民の生活に配慮すべきであるというふうに思っております。

○今野委員 沖縄に橋本という大使がいらっしゃるわけです。こういう問題が起きたときに、中谷長官に今そうお答えいただいたように、こちらが中央の政府といろいろ相談をすればそういう答えが出てくるわけです、好ましくない。それならば、そういう答えを持って、米軍に、アメリカ側に、これは好ましくない、これからこういうことをやめてくれと言うのがこの橋本大使の仕事なのではないでしょうか。田中大臣、お答えください。

○田中国務大臣 そのとおりだと思います。

○今野委員 ということは、この人は職責を全うしていないということになりますね。

○田中国務大臣 マスコミの報道そのものが、全部がどこまで正しいかという基本的な問題が、私は最近特にそういう思いが残念ながら強いもので、それもありますし、同時に、北米局長が今お答えしたこともございますので、それをトータルで勘案しないと、今即右左ということを、今急に問われてお答えはいたしかねます。通告しておられましたか、このことを質問に。

○今野委員 もう時間がありませんからやめますが、この事実関係をもう一度大臣お調べいただいて、適切な処置をするというお考えはありますか。大臣にお聞きします。もう一度この事実をお調べになられて対処されるというお気持ちはありますか。

○田中国務大臣 通告のないお尋ねでもございますので、するかどうかも兼ねて検討いたします。

○今野委員 こういうことがありましたので、名護市議会の方々も大変この問題については心を痛めておられます。沖縄にあるいろいろな問題を解決していくという上でも、こういう問題の一つ一つを丁寧に解決していかなければならないと思いますので、ぜひその点はよろしくお願いしたいと思います。
 このような橋本大使、どこを向いているのか。アメリカを向いているのか、日本の中央の政府のどこを向いているのか。長い長い苦しみの中に、日本がいわば置き去りにしてきたと言ってもいい沖縄の人たちの思いをきっちり受けとめて、沖縄にいる大使としての役割を果たしているとは、こうした一連のことからはとても思えない。ぜひ対処していただきたいと思います。
 さて、田中大臣は、お風邪のようですし、風邪も治さなきゃいけないし、アメリカにも行かなきゃいけないし、大変だろうと思いますけれども、アメリカとの同盟関係、非常に大事なのだという考えをベースに置きながら、日本として言うべきことは言わなければならない。それができるのが私は田中眞紀子さんだと思っております。ただ黙ってうなずく日本の外交という姿勢は捨ててください。そうお願いして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。




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衆-決算委員会-井上(一)委員昭和57年05月13日

衆-決算委員会-井上(一)委員昭和57年05月13日

○井上(一)委員 私は、沖縄復帰十年を目前に控えたきょう、沖縄の空の問題について事実を追って質問をいたします。
 まず、今日のわが国の航空管制はどのように行われているのか、管制業務の種類はどのようなものがあるのか、この点について尋ねておきます。

○武田説明員 お答えいたします。
 管制業務を分類いたしますと、航空路管制、それからターミナルレーダー管制、それから進入管制、着陸誘導管制、飛行場管制、この五つに分類することができます。

○井上(一)委員 さらに管制官は、運輸省が実施をし、自衛隊については運輸大臣が業務を委任する、当然運輸省の資格試験に合格している、こういうことですね。そういう方たちが管制官として業務に携わっている、そうでしょう。

○武田説明員 防衛庁に委任しております管制業務につく防衛庁の管制官の資格につきましては、運輸省航空局が試験を行うことになっております。

○井上(一)委員 さらに私は、空港のいわゆる略号ですね、通常四文字のアルファベットでこれが示されているわけです。成田、羽田、大阪、那覇の略号は何ですか。私の方から申し上げましょう。成田はRJAA、羽田がRJTT、大阪がRJOO、福岡がRJFF、那覇はROAHです。
 私がここで御指摘をしたいのは、これは国際的な機関で世界じゅうの空港にそれぞれ略号をつけたわけですけれどもこのRというのは極東地区を示すものであると思うのです。ちなみに台北はRCTP、ソウルはRKSS。いわゆるRは極東地域。さらに二番目のJは国名をあらわし、日本の国名を示している。ただ沖縄については、残念な形の中でアメリカの施政権の中にあったがためにJがつけられていない。返還をなされた今日、私は当然この略号もJを用うるべきだ、RJという考え方に立つわけです。わが国はすべてRJで表示すべきだと思います。ただ、恐らくこれは飛行情報区の分類、東京飛行情報区と沖縄の那覇の飛行情報区に区分してJとOの違いだ、そういうふうに言われると思います。しかし、すでに今日沖縄がわが国に復帰しもう十年の年月がたつわけであります。私はこの点を特に指摘をしておきます。よろしいですか。

○武田説明員 ただいま先生おっしゃったような状況であることは事実であります。FIR、飛行情報区が東京と那覇に分かれておるということで、分類上そういう状態になっておるわけでございますが、空港の数と地点が非常に多いこともございまして、統一することについての技術的な問題もあろうかと思いますし、また国際固定通信回線、いわゆるAFTN回線の窓口が成田と那覇に分かれておるという事情もございまして、業務の分類上はそういう状態が続いておるということでございます。

○井上(一)委員 わが国の航空路の保護空域は、現在どういうものがあるのか。より安全な航空路、私の知る範囲ではVOR航空路ですね、これは十分にわが国の空は整備をなされているのかどうか、この点についても聞いておきたいと思います。

○武田説明員 お答えいたします。
 航空路を構成いたします保安施設の種類によりまして保護空域の範囲に若干の差がございます。
 VOR航空路につきましては、航空路の中心線の片側四マイルの範囲を保護空域といたしますが、VORから中心線に沿って五度の角度で広がる線が幅四マイルに達しますとその五度の角度で広がっていく、こういう規定になっております。
 NDBの場合は、NDBを中心といたしまして片側五マイルということで若干保護空域の幅が広くなっております。
 それで、保安施設といたしましてはVORの方が精度が高いということもございまして、全国的に日本の航空路をVORに切りかえていくということで、逐次準備の整いましたところから切りかえをやっておる段階でございます。

○井上(一)委員 沖縄地区の整備は現状はどうですか。

○武田説明員 沖縄地区につきましては、VOR航空路の整備はまだでき上がっておりません。今後の課題として取り組む所存でございます。

○井上(一)委員 より安全なVOR航空路は沖縄の空にはまだ設定されていない。私の手元の資料、私が承知する範囲内ではわが国の東北、北海道地域、これは自衛隊機が使用している地域であります。それらの地域も十分とは言えませんけれども、一定の線引きがなされているわけですけれども、沖縄地域については線引きすらもされていない。こういう状態だと私は承知するのです。こういうことではまさに復帰十年の今日、非常に政策的なおくれが空の安全一つをとらえても見られる。こういう状況に対しての認識を、早く整備をする、あるいはいつごろをめどにそれに整備がなされるのか、あるいは整備のできないいろいろな問題がいま横たわっているということなのか、そういう点の認識だけを聞いておきます。

○武田説明員 お答えいたします。
 VOR航空路の整備につきましては、全国的なものでございますが、昭和五十三年度から切りかえの作業に着手いたしておりまして、現在のところ東北の一部及び北海道、それから沖縄地区につきましてはまだVOR航空路としては設定をされておりません。しかしながら、ことしの秋、五十七年の秋ごろには北海道方面のVOR航空路の設定ができる段取りに至っております。沖縄地区につきましても、航空局の内部におきまして具体的なVOR航空路の計画がほぼ固まっておりまして、現実には事務的にではございますけれども、関係者間での協議もスタートしておる段階でございます。

○井上(一)委員 沖縄地区については、米軍のいわゆるウォーニングエリアという、そういうものもこの整備のおくれの一つの要因になっていると私は理解するのですが、そういう認識も妥当だと思われますか。

○武田説明員 航空路を、NDBを中心としたものからVOR航空路に切りかえます際には、経路も若干変更になる場合もございますし、あるいは訓練空域等との調整が必要になる場合もございます。これは全国的にどのVOR路線につきましても出てくる問題であります。したがいまして、そういった意味におきましては、沖縄におきましてもそういった訓練空域等との調整が必要になろうかと思います。

○井上(一)委員 沖縄には自衛隊用の訓練空域がないと私は承知しているのですが、いかがですか。

○武田説明員 自衛隊の訓練空域として沖縄地区に設定、告示されておるものはございません。

○井上(一)委員 沖縄の自衛隊の飛行訓練はどこで行っているのか、これは防衛庁にお聞きします。

○今西説明員 お答えいたします。
 航空自衛隊といたしましては、沖縄近辺におきましては米軍の使用いたします空域を、米軍と調整の上使用いたしております。

○井上(一)委員 通常、自衛隊の訓練空域はどのような形で設定されるのですか。

○今西説明員 これは運輸省と十分に御協議をした上で決まっております。

○井上(一)委員 自衛隊の訓練空域は、航空交通安全緊急対策要綱によって航空路とは完全に分離された訓練空域で実施されている。これは七一年の七月三十日に発生した雫石事故直後からそういうことがとられてきたわけです。沖縄ではいまの答弁でわかったように、アメリカのウォーニングエリアを借りて自衛隊が飛行訓練をしている。当然、本土では公示をされるわけですけれども、沖縄ではそういうことがされていない。これはまことにもってけしからぬ話であります。さらにはそういうなし崩し的に米軍のウォーニングエリアを使いながら自衛隊がそこへ入り込んでいる。このことについては非常に遺憾だと思います。
 それでは、自衛隊の訓練空域とウォーニングエリアとの違いをひとつ言ってください。

○武田説明員 お答えいたします。
 自衛隊の訓練空域は、いま先生がおっしゃいましたようなことで、緊急対策要綱に基づきまして運輸省と防衛庁で協議した上で設定をいたしましてAIPに公示をするものでございますが、米軍の演習空域につきましては、これは日米合同委員会で決定をされまして、防衛施設庁で告示をされるものと承知をいたしております。

○井上(一)委員 自衛隊の訓練空域は私が指摘したとおり。ウォーニングエリアは空対空や空対地の実弾射撃、ミサイルの発射訓練、非常に危険空域なんです。そういう片一方は公示であり、ウォーニングエリアは防衛施設庁の告示だけである。おのずから私は通常の民間航空路と完全に分離されなければいけないし、その点について十分な分離がなされているのかどうか、どれくらいの距離を保持しているのか、この点についても聞いておきます。

○武田説明員 お答えいたします。
 自衛隊の訓練空域と航空路の保護空域との間には五マイルの余裕を持たせるということを基準に行っておりますが、沖縄におきます米軍の演習空域そのものが現在の航空路の保護空域とは一応分離をされております。五マイルの保護空域については、ない部分もあろうかと存じますが、その点に関しましては緊急対策要綱の精神につきまして米側で十分に理解をしていただき、五マイルの余裕幅をもって演習空域の運用をしていただくということになっております。

○井上(一)委員 私は運輸省からちょうだいした図面を見ても、これはもう非常に接近をしている、非常に危険であるということをここで強く指摘をしておきますし、今後は十分に分離すべきである、より安全な手段を講じなければいけない、こういうふうに思います。さらに私は、自衛隊訓練空域より、より危険度の高いウォーニングエリアが航空路と完全な形で分離をされないで全く接近した現状は非常に危険である、こういうことは訓練空域の空制第百九十号の趣旨からしても望ましくない、こういうふうに思うわけであります。
 沖縄航空交通管制に関する合意というのが日米合同委員会で承認をされています。昭和四十七年の五月十五日、あえて項目を申し上げれば第六条の第二項。そういうことについては好ましくないと思うのですが、いかがですか。

○武田説明員 訓練空域と航空路との関係につきましては、今後沖縄におけるVOR航空路の設定に際しまして十分にその点についての配慮をしてまいりたいと考えておる次第でございます。

○井上(一)委員 私は当然だと思いますし、十分な配慮が必要である。これは撤廃、縮小を含めた抜本的な見直しが必要である。そうでないと、VOR航空路の設定というのはなかなかむずかしいと思うのです。そういうことについて十分な配慮を強く要望しておきます。
 さらにウォーニングエリアは全国で何カ所あるのか、あるいは本土ではウォーニングエリアはあるのかないのか、さらにウォーニングエリアと、私の知る範囲内では本土ではレンジという言葉を使っていますが、それはどう違うのか、同じなのか同じでないのか、どうして沖縄のみが別扱い的な状態に置かれているのか、私はこの点について尋ねておきます。

○武田説明員 米軍の演習空域として設定されておりますものは全国で二十五カ所と承知をいたしております。それで先生いまおっしゃいましたレンジあるいはウォーニングエリア、そういう名前のつけ方等につきましては過去からの経緯があろうかと存じますが、正確なと申しますか詳細な点については承知をいたしておりません。

○井上(一)委員 全国で二十五カ所、じゃ沖縄では何カ所ですか。

○武田説明員 沖縄におきましては十六カ所と承知いたしております。

○井上(一)委員 私の承知するのでは、ウォーニングエリアというものは全国で十六カ所、沖縄だけだ、いわゆる本土はあとはレンジという形で、そういうことだと私は承知しているのですが、どうなんですか。――私の方から指摘しますから、間違っておれば間違い、そのとおりであればそのとおり、これは本土ではレンジという形で空域が設定されて、ウォーニングエリアは、いわゆる施政権返還以前より継続使用しているわけなんですね。十六カ所もそうなんです。私が何を指摘したいかと言えば、沖縄が本土に返ってきた。しかし実際空のそういう問題点、安全上の問題も含めて現実では返還以前の継続使用である、こういうことを指摘をしたいわけなんです。
 それで、どうして沖縄だけが別扱いをされていくのか。さっき空港の略号ででも私は申し上げたわけです。これは意識の問題あるいは取り組んでいかなければいけない取り組みの問題だと片づけるのではなく、本当に沖縄がわが国に復帰し、本土に復帰して施政権がわが国に返ってきた、そのことと同時にこれは変えていかなければいけないわけなんです。そういうことを指摘しておきたいと思うのです。ちなみにウォーニングエリアは、アメリカの認識としては公海上に設定された軍用空域だと思うのです。レンジというのはいわゆる領土上空、だからアメリカは当初沖縄を公海上の位置づけにしていたわけです。そのまま引き続いて継続しているというところに問題がある。わが国は、いわゆる施政権が復帰して十年たつ今日、こういうことへの取り組みもお粗末である、こういうことなんです。どうして沖縄だけが別扱いになるんだろうか、こういうことなんです。

○武田説明員 米軍の演習空域につきまして、沖縄の地区においてウォーニングエリアという名称で現在使用されておることは事実でございますし、沖縄返還以前の状態が現在そのまま変わらずにあるということもそのとおりでございます。

○井上(一)委員 さらに、いわゆる実弾射撃やミサイル発射訓練、戦闘訓練を行っている危険なウォーニングエリア、本土上空ではレンジになるわけですが、そういうところに民間機が入っていったら大変危険きわまりない状況になってしまうということなんです。これは全くそのとおりだとお答えになるだろうと思います。そうすると、民間機が入れないように排他的な措置がとられていると思うのですが、それはどのような法的根拠あるいはどのような裏づけでそのような措置がとられているのか。さっきもウォーニングエリアは防衛施設庁の告示ということで設定をしていくということですけれども、その告示の目的もあわせてここで聞いておきたいと思います。

○伊藤(参)政府委員 沖縄ないしは本土におきます空域につきまして防衛施設庁が告示を行っている根拠というお尋ねでございますが、防衛施設庁は、御承知のように日米地位協定に基づいて米軍に施設、区域というものを提供する義務を負っております。その施設、区域の提供に伴って提供された施設、区域というものを一般的に告示をするというたてまえで、領空及び領海等に属する空域等につきましても同じようにわが庁において告示を行っておるわけでございます。
 なお、公海に属する部分について米側に使用を容認している空域につきましても、航空安全上同じように取り扱われるということで、便宜防衛施設庁において告示いたしております。

○井上(一)委員 民間機の安全性というものを優先すべきだということについては、そういう認識には変わりありませんね。

○伊藤(参)政府委員 わが国はアメリカとの間に日米安保条約を結んでおりますし、それによりまして当然米軍に必要な施設、区域を提供し、米軍の訓練というものが有効適切に行われるように行っております。もちろん軍用の訓練を行うものですから、それと民間航空の安全との間においてはどちらが比重が高いというふうに私ども決して考えておりませんが、事航空路において行われることでございますので、民間航空の安全、それから米軍等の訓練の確保と両立できるように常に配慮してまいりたいと思っております。

○井上(一)委員 私は防衛庁がそういう答弁、そういう考え方に立つなら、それはそれなりにまた時間をかけて議論をしたい。民間航空路の安全は優先されるべきである。同時に、防衛庁が米軍の軍用訓練も同等な位置づけをするならば、航空路に接近をするのではなくもっと離すべきである、そういうことになるのじゃないですか。いまむしろ軍用優先の実情を私は指摘をして何とかしなければいけないということですが、いかがなんですか。

○伊藤(参)政府委員 もちろん米軍等の戦闘機等の訓練も安全第一であることは言うをまちませんので、私どもとしましては先ほど申し上げましたように、米軍の訓練も有効に実施できる、しかし民間航空機の安全もこれまた必要なことでございますので、航空路それから空域につきましてはそれぞれ現在の管制等の技術であるとか訓練の態様、航空路の航行状況といったものを考えて関係省庁なり、あるいは米軍等の技術的な判断等も加えて現在それぞれ航空路、訓練空域を設定していると思いますので、安全は確保されていると考えております。

○井上(一)委員 それでは私がさっきから指摘していることについては十分な認識がないわけですね。ちなみに、米軍の訓練でわが国の国民が受けた被害、なくした人命、そういうことをあなたは十分認識しているのですか。どうなんですか。――それは後で聞きましょう。そのことについては僕は質問の最後に施設部長に質問をします。
 さらに私は、航空法第八十条の飛行禁止区域とはどういうものなのかをここで尋ねておきます。

○武田説明員 航空法八十条で規定しておりますのは「航空機の飛行に関し危険を生ずるおそれがある区域」ということで定めるものでございます。

○井上(一)委員 それでは現在航空法の第八十条さらには同施行規則の第百七十三条によって指定された区域は、どこが告示で指定されているのか教えてください。

○武田説明員 航空法施行規則百七十三条によりまして定められております飛行の禁止区域は現在までございません。

○井上(一)委員 さっき指摘したように、ウォーニングエリア、いわゆる危険区域ですね、航空法の飛行禁止区域になぜならないのかということです。そこには入り込めない、飛行ができない、そういう区域なんです。一方では、軍側が排他的にそういうものをブロックしながらその訓練区域として使用している。これは民間航空の側からすれば飛行禁止区域、そういう設定、告示が私は必要だと思うのです。そういうことをしないのは片手落ちではないだろうか、こういうことなんです。危険な区域は危険な区域だということをきっちりすることにおいて両方の安全性は保障されていく、こういうことなんです。なぜしないのか。

○武田説明員 自衛隊、米軍等の軍の航空機の訓練、演習等に使われる区域につきましてはそれぞれ公示をされており、その所在あるいは演習区域の運用の条件等につきましてもAIPにおいて公示しておるわけでございまして、そういったことで航空交通の安全を確保されておると考えておるところでございます。

○井上(一)委員 わが国とアメリカの合同委員会の合意事項として、たとえば航空機の事故調査あるいは捜索救難、航空交通管制に関して覚書が交わされているわけですね。とりわけ民間航空が大きく影響される航空交通管制に関する合意とはどのようなものなのですか。

○武田説明員 わが国におきます航空交通管制に関する日米間の合意は、日米合同委員会におきまして昭和五十年五月八日に承認されたものがございます。

○井上(一)委員 航空交通管制に関する合意、五十年五月八日。それじゃ私は具体的に、航空交通管制に関する合意の第七条で「我国は次の各号に掲げる航空機についてアメリカ政府の要請があったときは航空交通管制承認に関し便宜を図るものとする」とあるそのAで、「防空業務に従事する航空機」ということが挙げられているわけですけれども、この防空業務に従事する航空機とはどのような機を指すのでしょうか。

○和久田説明員 ただいまの御質問につきましては、合同委員会の合意の解釈の問題でございますので、外務省から御答弁いただくのが適切かと思います。

○松田政府委員 お尋ねの合同委員会合意文書中の防空任務に従事する航空機という文言についてでございますが、特段の附帯解釈も付しておりません。また、これは昭和二十七年の旧合意以来の受け継ぎの表現でございまして、ごく一般的にエアディフェンス、わが国の国土を守るための防空上の任務一般と御理解いただければよろしいかと存じます。

○井上(一)委員 それでは、いま問題のSR71はこの機に入るという理解ですね。

○松田政府委員 お答え申し上げます。
 私の理解いたしますところでは、この防空とは他国からの空からの侵略またはそれに類似する行為に対処する要撃等の行為でございまして、御指摘の偵察機につきましては、直ちにその範疇に入るものではないかと考えております。

○井上(一)委員 それでは、そのほかに何が入るのですか。

○松田政府委員 御質問の趣旨が若干私つかみ得ないのでありますが、そのほかに何が入るかというそのほかとは、SR71のほかにということでございましょうか。それでは一般の要撃機、戦闘機等々がエアディフェンスのミッションにつく場合と御理解いただければよろしいかと思います。

○井上(一)委員 ここで便宜を図るということは、どういうふうにすることが便宜を図ることでしょうか。-答弁をもしそちらで打ち合わせをされるのなら、どうぞしてください。それまでに、時間がありませんから、私は順次質問を続けます。
 沖縄空域の返還及び嘉手納米空軍が行っている管制業務について、日米間での取り決めがあると思うのです。それはどのようなものなのか、あるいはその取り決めの内容を私はここでお答えをいただきたいと思います。

○武田説明員 お答えいたします。
 沖縄における航空交通管制につきましては、昭和四十七年五月十五日付で沖縄航空交通管制に関する合意というものが日米合同委員会で承認をされております。

○井上(一)委員 いま沖縄での管制業務は、民間機に対してはすべてが運輸省所管で行われているのでしょうか。

○武田説明員 沖縄におきまする民間機に対する管制につきましては、航空路管制、それから飛行場管制、それから那覇空港におきます着陸誘導管制、それから離島の幾つかの空港に対する進入管制、こういったものにつきましては運輸省において行われております。

○井上(一)委員 米軍が、アメリカ側が支配しているというか、行っている業務は何なのですか。

○武田説明員 現在米軍が行っております管制の業務は、米軍が使用いたしております嘉手納飛行場、普天間飛行場、これらの飛行場管制並びに沖縄本島の三つの飛行場、嘉手納、普天間、それから那覇空港、この三飛行場に対するターミナルレーダー管制、以上でございます。

○井上(一)委員 それは先ほど言われた沖縄航空交通管制に関する合意、四十七年の五月十五日、それに基、ついて、民間機も含めていまだわが国の管制支配下にすべてが戻っていないということなんです。これは沖縄航空交通管制に関する合意の第三条の三項に私は起因している、こういうふうに思うのです。そうでしょうか。

○武田説明員 沖縄における航空交通管制に関する合意の中に、嘉手納、普天間、那覇空港、この三つの飛行場のターミナルレーダー管制を日本側が行う準備が整うまでの間米側が行うという内容のものはございます。

○井上(一)委員 そこには暫定期間ということがうたわれているわけです。これは「単一の施設が実施すべきであることについて相互に同意をし、日本政府がこれら飛行場に対するレーダー進入管制業務を行うことができるまでの暫定期間、これらの飛行場に対する進入管制業務を実施するものとする。」四十七年、すでに十年たつわけであります。暫定期間は、一般論からしてももう過ぎているし、いまだ暫定期間だというのは当てはまらないし、これはどういう認識に立たれているのか。さらに、ターミナルレーダー管制、進入管制業務の空域がいつごろ日本に返還される見通しを持っているのか、この点についても聞いておきます。

○武田説明員 沖縄の航空管制につきまして、航空路の管制につきましては、沖縄の復帰後二年後に日本側が実施することになったわけでございますが、先生御指摘のターミナルレーダー管制につきましては、複数の飛行場についての広域的なレーダー進入管制でございまして、施設の面あるいは技術の面、さまざまな大きなむずかしい問題がございます。したがいまして、運輸省といたしましては、そういった広域的な複数空港のターミナルレーダー管制の実施につきましては、技術面あるいは施設面で相当慎重な準備、用意が必要であろうということでございます。
 たとえて申しますれば、東京地区における成田、羽田等の複数空港につきましても、将来的には広域的なレーダー管制をやらなければならないということで、そういった経験を踏まえながらも、沖縄についても将来的にはわが方においてターミナルレーダー管制を実施しなければならないと考えているわけでございますが、残念ながら、関東地区におきましても諸般の情勢がございまして、まだ実現をしておらないような状況でございます。そういったことで運輸省といたしましては、広域的なレーダー管制に対する準備なりあるいは技術的な問題といったものについてなお引き続き検討をしていかなければならないと考えておるところでございます。
 また、そのほか沖縄における航空管制につきましては、那覇管制部の開設あるいは那覇空港そのものの引き継ぎ等で相当な投資なり、あるいは要員の配置のために時日を要したわけでございますが、その間過去十年間を振り返ってみますと、全国的な航空管制部の移転、拡充あるいは全国的な航空路監視レーダー網の充実、そういったことのために過去十年間非常に膨大な事業の消化あるいは要員の確保、訓練等に忙殺をされてきたというような状況もございます。そういった過去の情勢のために、現在のところ那覇空港のターミナルレーダー管制、嘉手納、普天間を含めた広域的なレーダー管制について、いつまでにはっきりとテークオーバーできる、引き継ぐことができるという明確な見通しは残念ながら持ち合わせておらないところでございますけれども、できる限りそういった方向に向けて今後とも努力してまいりたいと考えておるところでございます。

○井上(一)委員 さっきの便宜を図るということは、どういうことで便宜を図っているか、お答えできますか。

○和久田説明員 便宜を図ると申しますのは、絶対的な優先権を与えるというほどの強い意味ではないと解釈しておりますけれども、ある程度優先的に取り扱うという趣旨であろうと存じております。

○井上(一)委員 絶対的なとある程度というのは、これは本当に言葉の上手な言い回しだと思うのですけれども、那覇空港はわが国の空港でも非常に交通量の多い、七万九千という大きい数字を持っているわけですけれども、そういうところにSR71が超スピードで行き来するわけです。民間機がひっきりなしに飛ぶそういう空域に、偵察で飛行する場合も含めて、SR71が、さっき私が指摘した第七条A項の範疇に入って、わがもの顔というのでしょうか、そこのけそこのけSRが通るということで、民間機を遮断している、閉鎖している、こういう現状についてどういう、大変危険だという認識に立つと思いますけれども、飛行管制上あるいは航路安全上大変な支障があるという認識を私は持っているのですけれども、この点についてひとつ確認をしておきます。もう聞くに及ばない質問かもわかりませんけれども、当然私と同じ認識を持っていらっしゃると思うのですけれども、念のために聞いておきます。

○武田説明員 先生御指摘のとおり、沖縄におきましては、民間航空の交通の流れのほかに、米軍あるいは自衛隊等の軍目的の航空機も飛んでおるわけでございます。いずれにいたしましても、航空路管制業務は運輸省が責任を持って実施をいたしておるわけでございまして、民間航空あるいは軍航空を問わず、運輸省が行います航空路管制業務の実施に際しましては、安全面に対して万全の配慮を払った上で取り組んでおるのが現状でございますし、将来に向けても安全第一の姿勢で臨みたいと考えておるところでございます。

○井上(一)委員 さっき私が指摘をしました昭和五十年五月八日日米合同委員会において承認になった航空交通管制に関する合意書の、今度はさらに第八条、これは空域の一時的留保なんですね。「アメリカ軍用機の行動のため空域の一時的留保の設定を必要とするときは」云々とあるわけですね。これは、空域の一時的留保とは一体具体的にどういう状態を指すのか、お答えをいただきたいと思います。

○武田説明員 お答えいたします。
 空域の一時的留保と申しますのは、一定の経路及び高度、高さでございますが、それを定めた特定の飛行の空域を予定いたしまして、一定の時間、その経路及び高度を他の航空機が飛行しないように隔離をする、そういうふうな管制業務上の措置でございます。

○井上(一)委員 まさに専門用語でアルトラブということですね。特定の高度、経路を米軍のためにブロックして、その空域から民間機等を排除していく。
 今日までに具体的に、一年間でどれくらいアルトラブが行われたのか。さっきも言ったように、那覇空港の交通量の非常に激しい中に、どれほどそのような状態、いわゆる空域の一時的留保を何回されたのか。

○武田説明員 空域の一時留保の実施の回数につきましては、これは米軍の行動の内容に関するものでございますので、運輸省といたしましてはそれを明らかにする立場にございませんので、御了承いただきたいと思います。

○井上(一)委員 異常に多いアルトラブから民間機の安全をどのようにして守っていくのか。あるいはむしろ安全上、経済運航上民間機に大きな支障を及ぼしているのではないだろうか、そういう多発するアルトラブのために。こういう点についてはいかがですか。

○武田説明員 空域の一時留保が、米軍の行動に関連いたしまして相当数あることは事実でございます。しかしながら航空管制業務の実際の運用上、そのためにきわめて困難な状態がしばしばあらわれるということではないと承知いたしております。もちろん、そういった空域の一時留保がなければないにこしたことはないと思いますけれども、現実問題としていま存在するわけでございますが、そのために非常にむずかしい問題があるとは承知いたしておりません。

○井上(一)委員 それらの、そういうアルトラブの件数については後で私の方からさらに尋ねますが、米軍の軍用機の行動、アルトラブをとる、そのための軍用機の行動とは具体的には軍事訓練など、空中給油も含めて私はそういう具体的な行動はこの範疇に入ると思うのですが、それはいかがでございましょうか。

○武田説明員 米軍から空域の一時留保の要請が参ります際には、その一時留保のための飛行の目的については何ら連絡がございませんので、表向き私どもは承知しておらない立場でございますが、空中給油のための空域の一時留保があるであろうということは私どもも承知をいたしております。

○井上(一)委員 ここで私は松田審議官に尋ねたいのです。
 SR71はこの一時的留保に当然組み込まれている、そのことがあるからこのアルトラブ、そういう範疇に当然入るべきだ、私は入っているという認識なんです。外務省は、さっきは、いま確かめましたら、基本的には入らないということで、基本的には入らないと言っているのですけれども、どうなんですか。SR71の機能を御承知なんですか。それはどこで空中給油をするかということも御承知ですか。

○松田政府委員 お答え申し上げます。
 先ほどの井上委員の御質問は、防空任務につく航空機の中にSR71は入るかという御質問だと理解いたしました。したがいまして、それは要撃戦闘機等と直接防空のミッションにつく飛行機であるので、SR71は基本的には入らないと申し上げた次第でございます。
 ただいまの御質問の空域の一時留保に関連するものは、軍用機の行動のためと規定されておりまして、米軍機一般を対象としておりますので、SR71は当然にその対象の一つとなり得るものでございます。

○井上(一)委員 沖縄の空がブロックされている。なぜブロックされているか。アメリカの軍事訓練のためにブロックされている。そういう中で、SR71が空中給油をする、その空域の必要のために民間機が非常に危険な状態にさらされている。私はそういうことを指摘しているのですよ。
 外務省は、日米合同委員会の本文は持っているわけでしょう。そして、その合意書の中身というのはあなたは十分承知しているのでしょう。私は、特別の便宜を与える航空機にSR71は入るのかと聞いたのですよ。

○松田政府委員 御指摘のとおり、特別の便宜を図る旨定めている対象のものは、防空任務のもの及び特定の訓練を行うものとなっております。したがって、そういった対象のうちの防空任務には入らないと私は申し上げた次第でございます。

○井上(一)委員 それでは、沖縄の空をブロックしているその必要性の中には入るわけですね。

○松田政府委員 沖縄の空をブロックという御表現でございましたが、いわゆるウォーニングエリアをとること、それ自身とSR71とが直接に関係するということではなく、先生の御質問は、多分空域の一時留保だと存じますが、それであれば、現在の運用を見ましても、SR71関連の仕事がそこにあるということは実態かと存じております。

○井上(一)委員 あなたは、私の質問の趣旨を理解しながらほかへほかへそらそうとするわけなのです。私は、民間機を一時的にブロックしているアルトラブがなぜ起こるかというのは、SR71の空中給油があるからだということを指摘している。私は、外務省に、航空交通管制に関する合意書というものを本委員会に出してもらいたい。そして、この問題についての外務省の見解を改めて聞きたい、こういうふうに思います。
 さらに、さっき、アルトラブの件数については、日米間の問題でここで公表することはできないということでしたが、念のために私の承知する範囲内で申し上げておきますと、一九七九年は五百十五件、さらに一九八〇年は八百七十五件、八一年は八百件。私が指摘をしたいのは、SR71が配備され、あるいは沖縄にそういう戦略機が配備された以後このアルトラブがふえているという現状、やはりこのことに問題をおきたい。
    〔委員長退席、近藤(元)委員長代理着席〕
そういうことで沖縄の空がどんどんと軍用空域優先、そして本土復帰と逆な方向に入っていく、こういうことについて私は指摘をするわけであります。
 さらにここで、那覇空港で自衛隊のジェット戦闘機のオーバーラン防止のためにBAK-9という防護索が滑走路上に設けられているわけです。滑走路変更時には滑走路を一時閉鎖して離着陸がストップされることがあるのだということを私は聞いているのです。こういうことがあるのかどうか、お答えをいただきたいと思います。

○武田説明員 ただいま先生御指摘のことはございます。

○井上(一)委員 そういう一時閉鎖ということは、航空交通の流れにやはり支障を来すのではないだろうかと私は思うのですが、いかがですか。

○武田説明員 滑走路の閉鎖される時間、その分空港として使用できないという意味で、若干の影響があることは事実だろうと存じます。ただ、それほど長時間を要していないようでございますので、飛行場管制業務の中で、空港としての能力処理状況を落とさないような形で行われているのではないかと考えております。

○井上(一)委員 これは防衛庁に聞きたいのですが、ジェット戦闘機が通常射撃訓練を行う場合に、離陸前にミサイルなどのいわゆる火器の安全弁を外して、訓練が終わった後に、着陸してからそれらの安全弁をセットするという作業が行われているということですが、そうでしょうか。あるいは通常、これらの安全弁の取り外し、取りつけはどこで行われるのが常識なんでしょうか。

○今西説明員 ただいま御指摘の訓練の詳細につきましては私ただいま承知いたしておりませんので、後刻調べた上でお答えいたしたいと思います。

○井上(一)委員 いますぐですね。それでは、この件についても後で質問を続けます。
 ここで、ACMIについてその間少し聞いておきたいと思います。
 このことはもうすでに何回か本院でもそれぞれの委員会で議論がされているわけですが、アメリカから正式に、昨年の八月十八日に開催された五百六回の施設特別委員会で提案があったというふうに聞き及んでおりますし、その提案のあった空域の範囲、あるいはとりわけ使用条件等はどういうものであったのか。
 さらに、運輸省では、この提案に対しては、民間航空機の安全の立場から強い反対の意思を明確にされた。むしろそれは日本側が明確に拒否したのかどうかを聞いておきたいと思います。
 さらに一点、私の聞きたいことは、その八月の十八日の提案に対しては拒否はしたけれども、新たな、違った考え方で提案をしてくるのではないだろうか、こういうことなんです。先ほどから議論をしてきました沖縄の空がいかに危険な状況であるかという実情を踏まえたならば、いまでさえ危険きわまりない沖縄の空を――さらに民間機締め出し、安全性を否定するようなそういう方向に走ってはいけない、こういうことで、違った考え方で提案してきた場合の対応というのでしょうか、もうそんなことは一切考えられないんだこれはひとつ運輸省の見解と、さらに日米安保の絡みから外務省の見解も念のために聞いておきます。さらに防衛庁には、これは後で私は議論します。安全性優先という、沖縄の空を安全な状態にしたいという私の一つの理念から、防衛庁と後でこの問題については議論をします。とりあえず運輸省の見解と外務省の見解をここで聞いておきます。

○松井(和)政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま御質問ございましたACMIにつきまして、運輸省といたしましては、当該提案空域が沖永良部の西方に当たりまして、那覇空港に飛来あるいは那覇空港から出発いたします民間航空機の航空路とは外れておりますけれども、いわば航空路から空港に入るためのレーダーで誘導をするために必要な空域に抵触するという観点から、米軍の提案を受け入れるのは困難であるという回答をいたした次第でございます。

○松田政府委員 お答え申し上げます。
 本件は、運輸省、防衛施設庁と米軍との間に昨年来御協議が進んでおりまして、その都度私どもも連絡を受けて、協議の進行については承っております。外務省といたしましては、安保条約に準拠してわが国の安全を確保する手だてを米軍に依存している以上、必要な訓練が行われることの意義は認識しておりますが、同時に、運輸省御答弁のとおり、航空交通の安全確保と抵触することがあってはならないとも信じております。したがいまして、その間の十分な調整なしにこれを実施せしめるということはあり得ないことと考えております。

○井上(一)委員 私は、当然省庁間の調整は行われると思いますけれども、外務省には特に、安保条約の絡みだけをにしきの御旗にして、航空路の安全というものを否定することのないように、運輸省のいまの見解に十分協力をしていくべきだということを要望しておきます。
 さらにここで、先ほどから私が指摘をしてきましたように、沖縄の空の危険性、さらには那覇空港の現状、BAK―9の取りつけのために滑走路を閉鎖したり、いろいろと危険な現状の中で、わが国の空の交通量の非常に多い那覇空港、私の調べでは民間機が七〇%で軍用機が約三割程度だと聞いているわけですけれども、何か軍用機優先の傾向が随所に見られるわけで、民間機の安全性あるいは航空運航上大きな支障をこうむっており、非常に問題がある。そこで那覇空港を民間専用空港にしなければいけないのではないだろうか。この際、これだけ危険性が指摘をされてきた中で、私は那覇空港の民間専用空港への切りかえを考えるべきだ、こういうふうに思うのですが、その意思についてひとつ運輸省に聞いておきたいと思います。

○松井(和)政府委員 那覇空港の軍民分離という考え方につきましては、かねてから地元からの要望も私ども受けておるところでございます。残念ながら、現在の地理的条件その他から申しまして、軍民を直ちに分離するということは現状ではなかなかむずかしい問題がございます。
 現在、地元では現行の那覇空港の滑走路の沖合いにさらに一本の滑走路をつくるという構想もお持ちのようでございまして、滑走路を将来分離をするというのも一つの方向かとは考えられますが、なお、この点につきましては、諸般の十分な調査が必要であろうというふうに考えております。

○井上(一)委員 現状のいわゆる緊急策として分離策というものが論じられているわけですね。それも私は当面の問題解決としては一つの策であろうと思いますが、ここでひとつ尋ねておきたいことがあります。
 海側に滑走路を新設をしていく、そのような形の中で軍民区分をしていこう。六十二年には沖縄で国体が開催されるわけで、今日でも民間機の交通需要のスポット等を含めて施設が十分でないのに、さらに施設要求が高まっていくわけです。むしろ海側に民間機専用滑走路をつくって民間機を押しやって、陸地側に軍用専用区域をつくるようなことはしないでしょうね。そういうような発想に立ってもらったら困るから、そういうことはしない。どんどん民間は外へ外へやっていく、そして軍の方がすべてを取り仕切っていくという、そんなことはないでしょうね。これは念のために僕はぜひ聞いておきたいのです。

○松井(和)政府委員 那覇空港の滑走路の新設という問題につきましては、先ほどお答え申し上げましたように、まだ地元での構想段階でございまして、私どもも五カ年計画上これを取り込むというような決定をいたしたものでもございません。ただ、現実に地元でお考えになっておられる沖合いの滑走路新設の計画につきましては、私どもの承知しております限りでは、沖合いに民間用の滑走路をつくるという構想だというふうに承知しております。

○井上(一)委員 いや、そこなんですよ。沖合いに民間機を押しやってしまう、陸地側に弾薬庫だとかあるいはナイキ基地のいま海側にあるものを持ってきて、そしてただでさえ危険な那覇空港あるいは沖縄の空を、民家に近いところに軍用専用区域をつくるなんということは、運輸省としても絶対に同意できないと僕は思うのですけれども、いかがですか。私は、そんなことをしてはいけない、それなら暫定的な緊急策といえどもそれは断るべきである、そういうことならむしろ単独の民間専用空港にしていくべきだ、こういうふうに思うのです。その点についてさらに聞いておきます。

○松井(和)政府委員 先ほどお答え申し上げましたとおり、まだこの構想につきまして運輸省としてはっきりした考え方を詰めておる段階ではございませんが、先ほど御指摘になりましたように、現在の那覇空港が軍と民との共用なるがゆえにいろいろな問題があるというのは御指摘のとおりでございまして、滑走路を分離するということができますならば、それは一つの非常に大きな解決策になるものではないかというふうに考えておりまして、その際どちらを軍が使い、どちらを民が使うというような問題は確かに重要な問題でございますが、沖側に民間用の滑走路をつくるということも一つの案ではないかというふうに考えております。それが逆になるというのももちろん一つの案でございましょうけれども、まだ私ども残念ながら運輸省としての考え方を取りまとめるという段階には立ち至っておりません。

○井上(一)委員 これは私の見解を強く要望しておきます。
 防衛庁はいかがですか、さっきの……。

○今西説明員 まだ調べがついておりません。ただいま聞いております。

○井上(一)委員 ここで私は、沖縄の施政権が日本に返還されて十年経過した今日、いろいろと沖縄の抱える問題はたくさんあるわけですけれども、きょうはとりわけ航空の実態、空は相変わらず米軍に占領されているというような現実を具体的な事実をもって指摘してきました。長官はさっきからずっと私の質疑を聞いていただいております。あさってたしか沖縄の現地へ行かれて、復帰十周年の式典に参加されると思います。私は、軍用機の飛行が民間航空の安全を大きく妨げて危険な様相を呈している。沖縄の空の安全を守るためにどういう対策、どういう措置を講じる必要があるのかということもお聞きをしたいし、本当に心から本土復帰を祝福できる状況なのかどうか。こういう状況の中で、むしろわびなければいけないのじゃないか。まだ防衛庁の質疑は残っておりますから、防衛庁の見解もまだ聞きますけれども、これ以上沖縄県民に犠牲を押しつけてはいけないし、さらに航空路全体の安全のために努力する関係、運輸省もその中心的役割りを果たしてくれているわけなんですけれども、そんなことを考えれば、沖縄開発庁長官として出席をされる大臣に、ここでひとつお考えを、そして、知らなかった点も多くあろうと思いますが、そういう点も踏まえて、素直なお考えをまずは聞かせていただきたいと思います。

○田邉国務大臣 本件につきまして、ただいま各、運輸省また防衛庁との意見、説明等の質疑を伺いまして、大変に重要な問題だということを再認識した次第であります。本土と沖縄の間の、あるいはまた沖縄と島々とを結ぶ重要な輸送手段としての航空の持つ重要性というものについては、やはり民間航空路の安全性というもの、こういう問題については、私ども重大な関心を持っておるわけでございまして、この問題は航空管制上の問題でございますので、所管省である運輸省の判断にまたなければなりませんけれども、ただいま申し上げましたように、沖縄にとりましては航空の重要性ということはきわめて大事なことでございます。したがいまして、当庁といたしましても、民間航空機の安全を確保するということは最大な問題である。したがって、関係各省とも十分連絡を密にして対応してまいりたい。幸い十五日にも参りますので、現地の事情も十分私は拝聴して、その問題にも十分対応してまいりたい、こう考えております。

○近藤(元)委員長代理 防衛庁準備できたそうです。

○今西説明員 大変お待たせいたしましたが、先ほどの、航空自衛隊のジェット戦闘機が射撃訓練を行う場合、ミサイル等の安全装置、これはいつ外し、いつまたかけ直すのかと、つまり、離陸前に外して訓練を行うか、終了後飛行場に着陸してからかけるのかという御質問でございますが、これは、訓練空域に到達いたしまして射撃を実施する直前に外しまして、また実施後これをかけ直すことにいたしております。

○井上(一)委員 じゃ、那覇空港ではこれらの作業はどこで行われているのですか。

○今西説明員 それは、安全装置のかけ外しはただいま申し上げたようなことでございますが、その準備ということでございますか。

○井上(一)委員 あなたは十分承知でないのでしょう。いま事務レベルの人からの報告を受けて聞いたわけでしょう。私の承知する範囲では、那覇空港では、これらの作業が滑走路近くの誘導路で行われている。航空機がひっきりなしに離着陸している滑走路のすぐそばでそのような作業を行うということは大変危険だということです。通常は土のうが築かれた防護壁の中で行われていると私は聞いているのですけれども、いまの答弁と少し食い違っているわけですけれども、那覇空港では私が指摘しているように滑走路近くの誘導路で行われているということに間違いがあるのかないのか。
    〔近藤(元)委員長代理退席、委員長着席〕

○今西説明員 ただいまさらに御質問がありました点につきましても、ただいま承知いたしておりませんので、調べた上で、調べがつき次第御連絡さしていただきます。

○井上(一)委員 委員長、これは、特に防衛庁には、私は事前にも一定の、沖縄の空の自衛隊の訓練状況、さらには那覇空港の問題について指摘をしておいたのですけれども、担当でなければ十分答えられないと思います。担当の事務の方から連絡を待ちます。
 さらに、私はここで、那覇空港に基地を持つ自衛隊は訓練空域が現在設定されてないと、さっきもウォーニングエリアについて指摘をしましたけれども、アメリカのウォーニングエリアを借りて訓練を行っているというのが実態だと、私はそのように承知しているのです。このことにも問題があるわけですけれども、さらに、先ほど指摘したACMIの設定の申し入れの件ですね、運輸省は空の安全性という意味で拒否した。外務省は、運輸省の意向を十分調整しながらと言う。私は、アメリカがこのACMIを日本に提案してきたというそれは、那覇に基地を持つ自衛隊もそのACMIを利用することに、しょせん結果的にはなってしまうのではないか、ここを聞いておきたいわけです。この点は防衛庁は、いやそれはもう絶対に使わないのだということをここで約束できるのかどうか。常にアメリカの陰に隠れながらなし崩しにわが国の民間航空路帯を危険な空域にしていく。本来は自衛隊の訓練空域を設定するわけでありますけれども、沖縄についてはそういうなし崩し的な戦術で危険な空域にしていくという、こういうふうに私は推察をするわけです。防衛庁の見解を聞いておきます。

○今西説明員 ACMIにつきましては、私ども、パイロットの練度向上に非常に有益なものだ、役に立つものだという認識は持っておりますが、現在、航空自衛隊、防衛庁といたしまして、米側がACMIを設置することになった場合、これを使用するかどうか、そういったことについて具体的な計画はあるわけではございません。

○井上(一)委員 いや、いまでもウォーニングエリアを訓練空域にしているわけなんで、ACMIもしょせん自衛隊が使っていくであろう。だから答弁として、まああなたには答えを求めるのは無理だと私は思いますので、委員長、これは防衛庁の統一見解を出してほしいと思います。
 このACMIの設定提案を日本側がまだ受けたわけではありません。受けたわけではないけれども、そういう提案があるということは事実であり、この問題は国会で議論されているわけです。だから防衛庁としては、それは自衛隊の訓練空域になし崩し的に借りない、ウォーニングエリアと同じような形での自衛隊の使用はしないのだ、こういうことが約束できるのか、それとも、いやわからぬ――恐らくさっきの答弁では、伊藤施設部長ですか、本当に国民の空の安全を考えているのかどうかわからぬようなまやかしの答弁、このことについては、私はきょう、いまは一定の与えられた時間なのでこれで終えるわけですけれども、防衛庁の見解は納得がいきません。
 委員長、ひとついま私が指摘をした問題についての答弁と、それから後で結構ですから、沖縄の空を守るという見地から防衛庁に対する質問は私はさらに続けていきたい、見解をただしていきたい。外務省には航空交通管制に関する合意、さらには沖縄航空交通管制に関する合意、いずれも日米合同委員会において昭和四十七年五月十五日、昭和五十年五月八日承認をした。この合意書を私は本委員会に提出してもらうように委員長にお取り計らいをいただけるように要望して、とりあえずの質問を終えます。

○松田政府委員 最後に井上委員が外務省にと御注文がございました合同委員会関係文書の提出につきましては、過去国会で累次御説明のとおり、日米間で不公表の扱いとなっておりますもので、要旨については累次御説明しておりますけれども、文書そのものの提出は控えさせていただくこととしております。

○井上(一)委員 私自身は持っているから、だからさっきから、たとえば三条の三項によっての制約、さらには七条、八条についての問題点を指摘してきたわけです。全文でなくても、あなた方はそういうことをきっちりと国会に説明をしなければいけないと思うのです。要約が出された、どこで出されたか、あるいは私の方は比較をして全く要約じゃありません。肝心なところは皆抜かしておる。そういうことで、これは要約した文を出してもらったなんて言っているけれども、そういうものではないから、私が指摘したところだけでも明らかにして、空の安全、航路帯の十分な支障のない状況をつくるためにもひとつこれは明確にしてもらいたい、こういうことを強くお願いをしておきます。




  1. 2008/03/30(日) 21:31:28|
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衆-予算委員会第二分科会-中林分科員平成10年03月19日

衆-予算委員会第二分科会-中林分科員平成10年03月19日

○中林分科員 日本共産党の中林よし子でございます。私は、まず米軍機の低空飛行訓練の問題で質問させていただきます。
 先月三日に、イタリアのスキー場で低空飛行訓練中の米軍機がロープウェーのケーブルを切断して二十人が死亡した事件というのは、日本でも大変な怒りと、そして不安を呼び起こしております。
 とりわけ中国山地に沿ったところ、ここは米軍機のブラウンルートと一般的に呼ばれているわけですけれども、ここでは住民に対する被害がずっと続いております。このルートの下ではひどい爆音で、驚いた牛が暴れて搾乳機が外れたとか、あるいはうるさくて授業が中断するとか、赤ちゃんが驚いて泣き出すなどの被害の苦情が相次いでおります。
 広島県の県北地域では、自治体の首長さんや地域の労働組合あるいは住民団体が一緒になって、米軍の低空飛行の即時中止を求める県北連絡会が昨年六月につくられました。そこには、今十六の町村長さんも加わっております。十六といえば、広島県の中国山地の自治体ほとんどだと言っても過言ではございません。同会の会長は君田村の藤原清隆村長なんですけれども、今回のイタリアの事故について、いっここで同じような事故が起こるか、私たち低空飛行訓練ルートの下の住民はその危険と絶えず紙一重で生活しています、こういうふうに不安を語っておられます。そして、早く危険なこの低空飛行訓練はやめてほしい、このように言い、今月二日には、この会は、クリントン・アメリカ大統領と橋本首相に、低空飛行訓練の中止を求める要望書を送付しておられます。
 また、全国十四都道県でつくる渉外関係主要知事連絡協議会は、昨年の七月に、低空飛行の実態解明と飛行中止に加え、新たに日本の航空法を米軍機にも適用することを政府に求めております。
 そこで、外務省にお伺いするわけですけれども、ブラウンルート、これは一体どこからどこまでなのか、そして、どのような経路で飛ぶルートなのか、また低空飛行の高さの制限、これは米軍に対してやっているのか、実際は米軍機はどのぐらいの高さで飛んでいるのか、お答えいただきたいと思います。

○高野政府委員 まず、この中国地方を含めまして、米軍の低空飛行による、あるいはこれに関連していろいろ地元の方々から問題の提起、陳情等をいただいているところでございます。この点については外務省もこれを真剣に受けとめておるということをまず申し上げたいと思います。
 今、具体的に中国山中を飛ぶブラウンルートということでございますが、一般論で恐縮でございますけれども、在日米軍の飛行ルートにつきましては、米軍が、飛行訓練の目的達成、飛行の安全確保、住民への影響の抑制など、必要性を安定的に満たすとの観点から一定の飛行経路を念頭に置いて飛行することがあることは外務省として当然承知しておりますけれども、具体的なルート等の詳細は、米軍の運用にかかわる問題であり承知していないということで、この点は従来から国会の場においても御説明しているとおりでございます。
 それから、具体的な飛行を行う場合の高さでございます。この点に関しましては、我が国においては、現在、航空法第八十一条及びこれに関連する施行規則に基づきまして、「航空機は、」原則として一定の「高度以下の高度で飛行してはならない。」ということときれております。
 在日米軍に関しましては、飛行訓練に当たっては、我が国の航空の安全に最大限の考慮を払い、航空法に言う最低安全高度、これは、省令で、有視界方式により飛行する航空機につきましては、人家の密集していないところにおいては人または物件より百五十メートルの距離を保って飛行できる高度とされておりますが、この最低安全高度を尊重し、規定された高度以上で飛行しているというふうに承知しております。

○中林分科員 ルートの存在は知っているけれども、それぞれのところのルートについては米軍の運用の問題なのでということをおっしゃったわけですけれども、しかし私は、本当にこのルートを国民に公表しないままでは安全は担保されないだろうというふうに思うわけです。
 一九九四年に高知県の早明浦ダムに米軍機が墜落しまして、その事故に対する調査報告書というのがあるわけですけれども、この報告書にはルートが番号を打って書かれているわけです。そうしますと、この早明浦ダムの事故報告書から見ると、幾つ日本にはその米軍のルートがあるというふうになっていますか。

○高野政府委員 今委員御指摘の早明浦ダムにおける米軍機の事故に関する米国の報告書においては、特定の名前を付した飛行ルートが言及されていることは私どもも当然承知しておりますが、飛行ルートの具体的な位置については詳細に言及していないというふうに聞いております。
 幾つという御指摘でございますが、一例として申し上げれば、この事故報告書の中にNTRオレンジというような名前とか、そういう名前で飛行ルートと思われる名前が書かれている、記述されていることは事実でございます。

○中林分科員 事実は知っているけれども、それぞれがどこの部分を指しているかということについては、まあわかっているのかもしれませんけれども、国民には明らかにされておりません。こういうことでは本当に安全が保たれるのでしょうか。
 私は、この間のイタリアの事故で、イタリアでは六百メートル以上でなければならないというふうに新たに高さ制限を要求し、米軍機もそれに適用を受ける、こういうことになっているわけですけれども、日本の場合は、早明浦ダムの事故に見られるように、もう本当に低いところを飛んでいる。百五十メートル以下は飛ばないはずだ、このようにおっしゃったけれども、はるかにそれを下回って飛んでいる事情があるわけですから、ここに書いてあるオレンジルートどかブラウンルートとかそういういろいろなルート、一体どこからどこまでかということは調査をして国民に知らせるべきだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

○高野政府委員 先ほどの在日米軍の飛行ルートということでございますが、私どもの理解では、米軍は、低空飛行訓練を実施するに際して、飛行訓練の目的達成、飛行の安全確保、住民への影響をできる限り抑制するというような観点から、安全に影響のある障害物、騒音被害を与えてはならない場所等種々の要素を検討して、継続的に飛行する経路を見直しをしながらやっているということでございます。
 そういうことを私ども承知しておりまして、その具体的なルートの詳細、これについては、米軍の運用上の問題ということでございまして、私どもは承知しておりません。
 他方、今委員がおっしゃいましたイタリアの重大な事故があったことは事実でございますし、あの事故が発生して、一つの契機といたしまして、従来から行っておりますこの低空飛行に関連した安全の確保、安全対策ということについて再度申し入れをしておりまして、例えば、今月の十三日に東京で行われました日米安保事務レベル協議に
おきましても、この点を再度申し入れております。
 現実に、私ども米側と話し合いを始めておりまして、安全対策ということで何ができるかということは、私どもとしては真剣に米側と話し合いたいというふうに思っております。
 イタリアの事故報告はとりあえずのものは出ているようでございますが、安全対策面で今委員がおっしゃった六百メートルにするということ、報道では承知しておりますけれども、安全対策面で最終的な措置と申しますか、どういうことをするということはまだ決まっていないというのが私どもが確認している情報でございます。

○中林分科員 大臣、我が党の志位書記局長が、予算委員会でこのルートの問題を、公表して、本当に最低限それは国民に明らかにしなければ、安全の確保をどういうふうにやっていくかということをさまざまなレベルの協議でアメリカ側とやっていくんだ、実際やっているんだとおっしゃってみても、国民に対して公表しない、それから、例えば高さ制限をアメリカの飛行機にも適用するということがなければ、やはり具体的なものがなければ安全を確保できるというふうに私どもは信じがたいわけですよ。だから、イタリアのような事故がいつ起こるかわからないとこれだけの心配をしているときですから、もう少し具体性の持つ、せめてルートは地図上にチャート化するというようなことはできないものでしょうか。
    〔久野主査代理退席、主査着席〕

○高野政府委員 繰り返してございますが、高さ制限の問題に関しましては、航空法で言う最低安全高度を米側としては尊重するということで言っておりますし、いろいろな報道等で百五十メートル以下の飛行があったんではないかというような御指摘をいただいていることも私ども十分知っておりますが、その都度、米側にその点を我々は注意喚起し照会しているわけでございますが、その結果は常に、日本の航空法に言う最低安全高度は尊重してやるということが米軍としての、また、この低空飛行を行うに際しての基本的な政策であるということを言っておりますので、その点は、私どもとしてはそのように理解しているわけでございます。
 ルートの件は、先ほど申し上げましたとおりでございまして、そのような事故報告書にもブラウンルート等の言及があることは事実でございますが、それが具体的にどの点からどの点だという詳細については私どもも承知していない。これは、常に米側として見直しをしていて、一番安全なルートを決めてきているというふうに理解しております。
    〔主査退席、久野主査代理着席〕

○中林分科員 動くルートだからというようなこともおっしゃるわけですけれども、動いていようとも、その動くたびに公表するということはもう当然過ぎる。安全確保の上で、どういうルートかということを私たち国民が知らないでその安全を確保されているということは到底信じがたいということを強く言い、今後の協議において少なくとも公表されるべきであろうということを大臣にも強く要望して、次の質問に移りたいと思います。委員長、済みませんが、ちょっと大臣によく御理解いただくために、この地図をお渡ししてもよろしいでしょうか。

○久野主査代理 はい、どうぞ。

○中林分科員 自衛隊の訓練空域として、今大臣に地図をお渡ししたわけですけれども、島根県の西部から山口、広島県にまたがるエリアQというところ、黄緑のところで、横にしているところですけれども、エリアQ。それから、エリア7といって、この下の方があります。この一帯は、図のようにここに石見空港という民間の空港、県営の空港ですけれども、これがございます。そういうものを含む地域です。
 このエリア内での訓練は、小さい三角形部分では一万四千フィートから二万三千フィート、つまり四千二百メートルから六千九百メートルの高高度に制限されています。一方、オレンジのところ、これは地表部分から一万一千フィート、三千三百メートルまでの低いところがエリア7というふうに言われ、その上のところは、エリアQの一緒になっているところです。
 運輸省にお尋ねしますけれども、自衛隊の訓練空域はどのような理由、目的で設定されていますか。また、このエリアの中で、小さい、この下の部分が除外されているのはどういう理由からでしょうか。

○田崎説明員 お答えいたします。
 先生お尋ねのエリアQ、エリア7につきましては、民間航空機が飛行します空域と自衛隊の訓練空域を分離する目的で昭和四十六年に策定されました航空交通安全緊急対策要綱に基づきまして、当該訓練空域周辺に位置します自衛隊飛行場の訓練機のために設定されたものでございます。
 それから、一部低高度部分を削減した部分でございますが、平成五年に石見空港が供用開始されましたが、これに伴いまして、同空港にかかわります進入、出発機のための空域を確保する観点から、エリア7の一部それからエリアQの一部低高度部分につきまして、これは防衛庁と協議の上、削減したものでございます。

○中林分科員 今説明をお聞きしまして、一九七一年の雫石事故でそれぞれの飛行機の安全を確保するというために、こういう自衛隊の訓練空域が決められたということでした。
 それで、主として防衛庁にお伺いするわけですけれども、このエリアQとエリア7、ここではそれぞれどんな訓練をされているのでしょうか。それからまた、この訓練空域外で訓練をされることがあるのでしょうか。

○長谷川説明員 お答え申し上げます。
 まず、Q訓練・試験空域でございますけれども、これにつきましては、戦闘航空団でございます航空自衛隊第八航空団、これは築城の基地に所在しておるものでございますが、この航空団がF1及びF15型機を使用して要撃戦闘訓練を実施しております。また、委員がおっしゃいました7の空域、当方ではNR7と呼んでおりますけれども、この訓練・試験空域におきましては、操縦学生の初級操縦教育を任務とする航空自衛隊第十二飛行教育団、これは防府北基地に所在しておるものですが、この教育団がT3型機を使用して基本的な空中操作、編隊飛行、航法訓練などを実施しております。
 それで、これらの空域外でも訓練を行っているのかという御質問でございますけれども、自衛隊が行う訓練の中でも特に曲技飛行とか操縦練習飛行等の訓練、これにつきましては航空法に関連の規定がございまして、それぞれ航空法第九十一条及び第九十二条の規定があるわけでございますけれども、これにつきましては運輸大臣の許可を得る必要があるということでございまして、その許可を得た上で、航空安全に留意しながら教育訓練を実施しているところでございます。
 他方、今申し上げました曲技飛行とか操縦練習飛行に該当しない、平たく申しますと、より簡易な訓練につきましては、必ずしもこの空域で行わなくてはいけないということでもございませんので、そういうものにつきましては空域外で行っているものもございます。

○中林分科員 例えばドッグファイトみたいな訓練はやっておりますか。

○長谷川説明員 ドッグファイトは、先ほどQの訓練・試験空域のところで戦闘訓練を行っているという御説明をしまして、ドッグファイトというのは対戦闘機戦闘訓練のことを指しておられるのかと思いますけれども、そういう意味でございますれば、先ほど説明しておりますように、運輸大臣から許可を得た上で、訓練・試験空域において行っているということでございます。

○中林分科員 この質問をするに当たって、防衛庁の方からかなりこの訓練空域での訓練の話をお伺いしましたけれども、なかなか陸上部でそういう戦闘訓練というのは、わざわざここでしなくても、この海上沖にN空域というのがあって、そちらの方で、海上の方で存分にやれるというお話が
ございました。
 そういう意味で、このエリアQ、エリア7を、実は米軍がエリア567と呼んで訓練をしているということは、たびたび報道で明らかになっております。それで、この空域を米軍に調整し合いながら貸しているのだと防衛庁はおっしゃっているわけですけれども、米軍はこの空域をどの程度使用しておるか、それからまた、どんな訓練をしているのか御承知でしょうか。防衛庁。

○長谷川説明員 お答え申し上げます。
 自衛隊の訓練・試験空域につきましては、自衛隊以外の者がこれを使用する際には、運輸省が発行しております航空路誌、AIPと我々は呼んでおりますけれども、これにおきまして、航空交通の安全確保の見地から、使用の都度自衛隊と調整することとされているわけでございます。
 したがいまして、米軍が、委員御指摘の7の訓練・試験空域を使用する場合も、今説明しました航空路誌を踏まえまして、空域の使用について調整をしているわけでございますが、この調整事項は使用する時間帯に限定されておりまして、訓練内容についてまで調整するということにはなっていないわけでございます。
 したがいまして、防衛庁としては、米軍機がそこで行っている訓練内容については承知するべき立場にないということでございます。

○中林分科員 実は、余りにも頻繁な低空飛行訓練その他の訓練があって住民がおびえているという状況がありますので、広島県が岩国米軍基地に対して、大体ここでどういうような訓練を、どのように、いつやっているかということを問い合わせた回答がここにあるのです。英語なので、私も余り得意ではありませんけれども、それを訳した文も手に入れているわけですが、ここで、エリア567はいつからこういうことで使っているのかという問いに対して、定期的に、日常的にやっているのだ、こういう回答になっております。
 こうなると、私は、本来これは自衛隊の訓練空域だと設定されているにもかかわらず、自衛隊の訓練というのは、初心者向けのエリア7、上空の方は、海上の方でNという訓練空域がありますから、むしろそちらの方でやった方がいいんだという話もありまして、自衛隊よりもむしろ米軍機の訓練に占用されているのではないか、むしろ脱法行為ではないか、こういうような疑いを持たざるを得ません。
 運輸省として、本来自衛隊の訓練空域として使用しているにもかかわらず、ほとんど毎日、日常的に米軍が使っていいとおっしゃるのでしょうか。

○長谷川説明員 自衛隊の訓練・試験空域につきましては、先ほど運輸省からも説明がございましたように、昭和四十六年八月の航空交通安全緊急対策要綱に基づきまして、航空交通の安全確保の見地から設定されているものでございまして、この空域につきまして、もとより、自衛隊以外の者がこれを使用することを禁止するというような性格を有するものではなくて、自衛隊、防衛庁といたしまして、第三者に対して訓練・試験空域の使用を禁止あるいは許可する立場にはないということでございますし、繰り返しになって恐縮でございますけれども、自衛隊以外の者がこの空域を使用する場合には、航空交通安全確保の見地から、先ほど言いました航空路誌において、使用の都度自衛隊と調整することとなっているということでございます。

○中林分科員 私は、本当に住民の安全を守るということで、米軍機の訓練についてまで知る立場にないというようなことで逃れることは、許されないことだというふうに思います。
 実際、このエリア7、エリアQでどんな米軍の訓練が行われているかということの目撃が、頻繁にテレビでも報道される、新聞でも報道されるということなんですが、ちょっと紹介をしてみたいと思います。
 まず、自衛隊が低空で初心者向けの飛行訓練を一しているというエリア7なんですが、ここに大臣、石見町というのを書いておりますが、ここの石見町の日高昭夫さんという方が昨年の四月二十九日の午前十一時四十六分に自宅から撮影した八ミリビデオには、二機の米軍機が追撃訓練、いわゆるドッグファイトをしていることがおさめられております。それから、石見町周辺では、窓ガラスが二十カ所も割れたり、ビニールハウスが破れるなどの被害が出て、いかに激しい戦闘訓練が行われているかということが明らかになっております。
 ここに実は、石見町に在住の方の米軍機が飛んできた記録が、克明に、何日何時からどのような形でというのが、ずっと記録されております。一日に何度も低空で来ているということです。百五十メートル以下は飛ばないとか、日本の航空法を遵守しているとか、そういうお話がありましたけれども、とてもそれを守られているようには思えません。
 さらに、実は私、昨年十二月ですけれども、この石見空港周辺、つまり訓練空域から除外されている下のところです、小さい三角形のところですけれども、ここでもさまざまな目撃証言をお聞きしてまいりました。
 例えば、ここに、烏帽子山という三百三十九メートルのところなんですけれども、それすれすれに米軍機が飛んでいるという証言をたくさんの方々が口々にされました。この烏帽子山というのは、石見空港から十キロぐらいしか離れていない、そういうところです。ですから、本来ならば自衛隊も訓練してはならない、そういうところを米軍機が飛んでいるということになるというふうに私は思います。
 そこで、私はどうも、平成五年に石見空港が開港してからこれは除外されているのですけれども、除外されているということを米軍が知らないのではないか、そう思われるような訓練がされております。
 そこでお伺いするわけですけれども、運輸省は米側に、石見空港開港に当たって、ここは除外されたということを伝えてあるのでしょうか。

○田崎説明員 訓練空域の設定または変更等につきましては、航空関係者に提供されます、先ほど出ました航空路誌、AIPに掲載することとしております。当該AIPにつきましては、もちろん米軍にも配付されているところでございます。

○中林分科員 終了時間になったのですけれども、これは非常に重要なことですので。外務省は、これが除外になったことは伝えてあるのでしょうか。あるいは防衛庁は、伝えてあるのでしょうか。それぞれ、いかがでしょうか。

○高野政府委員 今、御答弁ございましたが、このような情報は、航空路誌、AIPで掲載されているというふうに聞いておりまして、外務省として特に米側に伝えているということはございません。

○長谷川説明員 防衛庁、自衛隊としても、米軍に伝えているということはございません。

○中林分科員 大臣、非常に重要な問題、ここは民間飛行場なんですよ。それが、除外されているにもかかわらず、これだけの目撃証言があるということですから、私は少なくとも、外務省としても、こういう米軍機の違法な訓練といいましょうか、住民に不安を与えるような訓練の苦情の窓口をぜひ設けていただくし、安全を担保していただきたいということを最後にお願いしたいと思うのですけれども、一言だけお願いします。

○小渕国務大臣 従来から外務省といたしましては、国民の方々の御要望や御意見というものは拝聴していかなきゃならぬ、こう思っております。今後とも適切に対応してまいりたいと思っております。

○中林分科員 終わります。




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68-衆-交通安全対策特別委員会土橋委員昭和47年03月15日

68-衆-交通安全対策特別委員会土橋委員昭和47年03月15日

○土橋委員 私は運輸局の幹部の皆さんにお尋ねしたいと思います。
 きょういただいた資料の航空交通安全について、四つの項目をあげて将来のいろいろな善処方がここに書かれておりますが、私はこれらの内容についてお聞きしようとするものではありません。現在の航空交通安全のためにいま非常に私は障害である思うところの、私ども住んでおる東京あるいは三多摩地方を中心とする横田エリアというものについて、現在もそれが現存をしておるのかどうか、また、現存するとするならば、それはどういう協定に基づいて、どういう明示方法で国民に知らされておるのか、その具体的な実態は一体どういう内容のものであるか。たとえば地上から何メートル上、電離層なら電離層まで、つまり、横田エリアというものが米軍によって支配をされておるかどうか、
安保条約の第六条の規定に基づいて、地位協定の何条の規定に該当してそれが設けられておるかというような点について、簡単に答えてもらえばよろしいのです。

○内村(信)政府委員 泉首席監察官をしてお答えいたさせます。

○泉説明員 第一の点でございますが、横田エリアがどういう規定で米軍の管制を認めておるのか、これは日米安保条約の第六条の地位協定でございます。それを引きまして、日米間に航空交通管制に関する合意書というのがあります。その中に、米軍の行なう進入管制に協力するという項目がございます。それによりまして事実上の管制の行為をやらしておる。その範囲は、上限を切ってございません。つまり、地表からずっと上空まで、上のほうを切らない範囲、その範囲を米軍の進入管制が横田から実施をいたされておる、こういう現状でございます。

○土橋委員 それは地位協定第二条の規定だと思います。そしてその航空乗り入れ等についての別個の協定があるということでございますが、それはあとでまた資料を提供していただきまして、私が納得できるような、そういういわゆる協定の内容についてお示しを願いたいと思うわけです。
 そこで、この横田エリアの地域でございますが、私が聞いたところによりますと、東京都を含む一都八県であるというふうにいわれておるわけであります。そうしますと、この地域は、わが国の航空交通にとっては最も重要な、しかも航空交通としては非常にふくそうした、非常に激しい地域でありますにかかわらず、アメリカ軍が依然として安保条約に基づいてそういう広大な一都七県とか八県にわたる空を占領するということは、まことに不都合千万だと私は考えておるのであります。戦後二十七年もたって依然としてかような状態でわが国の空が占領されておるということは、国民としても、また、東京に住んでおる、三多摩に住んでおるわれわれとしても、まことに残念しごくといわなければなりません。早くこれを撤去することが必要だというふうに私は考えておりますが、その及ぶ範囲は、いま申し上げまするように、東京都を含むところの、神奈川県、山梨県、静岡県、埼玉県、群馬県、長野県に間違いはないのかどうか、さらに、新潟県の南部地方も含めておるといわれておりますが、新潟県も入るのかどうか、こういう地域で間違いないのかどうか。

○泉説明員 地図上に落としてどの地域を含むか、いま正確に資料を持っておりませんが、先生のおっしゃることに間違いないと思います。それに非常に近い範囲だというふうに思います。

○土橋委員 最近、横田にすべての米軍の関東地方の基地が集中するということが、ロジャーズ国務長官と福田外務大臣によって表明をされました。また、立川の基地に宇都宮の陸上自衛隊が移駐をする。すでにだまし討ち的に、八日に移駐をするということでございましたが、七日の夜半に彼らは突如として入ってきておるのであります。この問題は地元の立川方面にとってはまことに重大な問題でございますし、いま一つは、調布の元水耕農場あとを飛行場として使用したいというようなことを運輸当局の幹部の方々が言っておられます。地元の人たちは反対をいたしまして、やはりこれは平和的に利用したい、また、立川の米軍基地あとにつきましても、やはり副都心といわれる立川方面においての平和的な利用のためこれを活用さして基地の全面的な返還を要求する、こういうことがいわれておるのであります。
 なお、横田の基地の返還問題は、いま逐次東京都民の中では組上にのぼっております。こういう状況の中で、いま申し上げるような横田エリアというようなものがどんなに日本の国全体に大きな妨害と障害を与えているかということは、御承知のとおりであります。
 特に羽田から出る飛行機は、東回りもたくさんございますけれども、おもに日本の地勢と地理的な条件に従いまして西回りが多いわけです。また、北回りの飛行機もかなりございますけれども、特に新潟、富山、小松、福井方面に向かっていく飛行機もかなりの量があると考えております。それらが全部この横田エリアを迂回していくということになってまいりますと、その航空路が一そうひんぱんになってくる、つまり、交通の量が非常に激しくなってくるということは、だれにも想像ができるわけであります。私は、こういうことについて運輸当局は航空の交通安全を保障するために今日どういう基本的な施策を講じておるのかという点を聞きたいわけです。ここに書いてないことで、どういうふうな基本方針をもって、そのふくそうする、特に西回りの飛行機、そういうものについて善処する考えでおるのか、あるいは交通安全を保障する体制でいるのかという点をお聞きしたいのです。

○泉説明員 基本的な問題といたしましては、安全のシステムをいかに考えるかということでございます。私は、安全のシステムというのは、航空機、飛行場、管制、電子航法機器、それらを運用します熟練した要員、こういう五つのサブシステムが組み合わされて、バランスが整斉ととれまして発展していくときに、ほんとうの航空としての安全のシステムがあるのだというふうに考えております。
 ただ、横田の問題だけに少ししぼらせていただきたいと思いますが、横田空域が全体の航空交通の中で全然じゃまでないのかと申しますと、これはうそになると思います。確かに、横田空域というものが東西交通に対しましてはかなりの影響を及ぼしていると思います。そこで、われわれといたしましては、横田の空域を漸次縮小していきたいと考えておりまして、第一段階といたしましては、本年三月に米軍と調整中で実施する予定でございますが、
横田空域を、いま地表から上を制限しない高度までやらしていると申しましたが、四万一千フィートに上限を限定いたしまして、
ブルー14の高度を、従来三万一千でございましたのを、これを二万八千に変更いたしまして、
静浜から半径二十五マイルの空域、高度一万三千フィート以下が東京管制部の管轄でございましたが、これを一万五千フィートまでに上げまして、
横須賀経由の浜松行きの出発経路、羽田を出まして浜松、ブルー14から横田エリアを突っ切って東京レーダーから横田エリアにハンドオフ、渡されて突っ切っていくルートがございます。これは一万六千フィートと一万八千フィートは、横田との事前調整なしに東京管制部の専用ルートとして使用するようになっておりましたが、八千フィート及び一万フィート、低高度のプロペラ機につきましても、横田との調整なしに使用できるように米軍と折衝中でございます。
 さらに第二段階としまして、人員、機材の整備を待ちまして、同空域の日光、熊谷以北の部分、これを東京管制部のほうに入れたいということを検討中でございます。

○土橋委員 続いて、これは私先ほど聞いてみたのですが、大体こういうこまかな赤線が横田エリアじゃないかと思うのです。横田エリアの中に、ブルー14があるわけです。
このブルー14は、南は神奈川県の荏田から、北方は埼玉県の大宮までを中心とする、そして中央線を直角によぎりまして、東中野から国立までの間、約十キロといわれておりますが、十キロあるのか十三キロあるのか、はかってみなければわかりませんけれども、それだけの地域と、
荏田から大宮までは、どう考えましても四十キロから五十キロあろうと、常識的に考えておるわけであります。この地域は、彼らのいわゆる専用の滑走路といいましょうか、あるいは航空専用路とでもいいましょうか、そういう地域になっておるのですが、このことには間違いないのか。大体私の書いたこういうような見取り図、こういうかっこうで間違いないのかどうか。私も覚えで書いたのですから多少あれですが、大体こういうのに間違いないのかどうか。なければない、違うなら違うと、ちょっと答えていただきたい。

○泉説明員 大体間違いないと思います。

○土橋委員 そうしますと、いま仰せになったここに書いてある四項目の問題について、先ほどあなたも復唱されまして、私は、ここに書いてあることはよろしい、基本的な問題はどういう点にあるかということをお尋ねしたのですが、この地図で私説明いたしましょう。
 この黒いところは羽田です。そうしますと、飛行機はほとんど全部房州館山のほうへおりてまいりまして、そして大島から西に進路をとりまして伊豆半島の南端を通って普通どんどん行くわけです。ただ一部のものが、風穴をあけるように横田エリアを通って行くのだということを先ほどちょっと答弁されていましたが、そんなのはごくわずかの部分だというふうに私は思います。大部分はこのコースをとるわけです。そうなってくると、つまり、西回りの飛行機は、非常にこれからジェット機もふくそうするし、ここに書いてある施策を講じましてもなおかつ危険の度が非常に多いではないか、航空交通の安全は保障されないではないかという気がするわけなんです。
 そこで、今度、いま問題になってくるいわゆるブルー14の中心へ調布の飛行場の地域が乗っかってくるわけです。ここの飛行機は、いまお話しになったようなそういう制限で、はたして一体、たとえばそれが国際空港の成田であろうとも、あるいは南のほうの羽田であろうとも、そういう旅客を積んで東京あるいは三多摩地域へ入ってくる、そういうことが可能であるのかどうか、一体そういうことを前提としてそういうことを運輸省は要請されておるのかどうかという点の第一点です。
 第二点は、問題は立川の自衛隊です。自衛隊の航空管制は一体どこが管理をしておるのか。もしこれが東久留米にあるところの運輸省の航空交通管制部の指導を受けるということになれば、これは部分的なものであって、要するに、非常に危険な航空練習をしなければならぬ。ところが、一方は、先ほどあなたのお話によりますと、横田にもちゃんと航空管制がある。
つまり、自衛隊なら自衛隊が持っておる航空管制と、それから東久留米にある運輸省の航空交通管制の問題とは一体どういう関係に立っておるのか、一体どこが最後にさばきをするのか、どこが交通整理の基本的な責任を持っておるのかという点であります。これが第二点の私の質問なんです。
 第三点は、こういうように多角化した航空交通の管制が、つまり、「ばんだい号」の事件にしましても、あるいは七月の末のあの雫石の飛行機の墜落事件にしましても、一体どこが基本的に責任を負うのか。民間航空に対して、やはり横田エリアを中心とするのが優先的なものであって、あそこにはまず頭が上がらぬ、あそこはとにかくよけて通って、それ以外のところは、自衛隊であろうと民間航空であろうと、民間優先を中心とする航空管制になっておるのか、それとも、依然として自衛隊関係なりあるいはアメリカ軍の横田エリアを中心とするそういう管制下に日本の民間航空はみな従うのかということが私にはわからないのです。

○泉説明員 先ほどの第一の御質問の、調布は一体どういう使い方をするのかという点でございますが、ブルー14が真下にありますが、ブルー14のルートとしてのミニマムの高度は二千五百フィートであったと思います。調布を使用するといたしますと、これ以下の高度、少なくとも五百フィート以上のセパレーション、高度の分離をいたしまして、二千フィート以下で使用しなければならないということになろうかと思います。
 それから第二の御質問の、東久留米にあります東京航空交通管制部、これと横田との関係はどうか、それから横田と立川ないし調布の関係はどうか、こういう御質問につきましては、日本の航空路の管制をやりますところが三つございまして、一番北にありますのが札幌でございます。ここの管轄空域は、三沢の南、仙台の北三十マイルぐらいのところでございますが、その辺から北のほうを札幌の航空交通管制部が受け持っておりまして、それから日本の南のほうを受け持っておりますのが福岡管制部と申しますが、これは岩国の西三、四十マイルのところまでが受け持ち範囲。ですから、ただいま御指摘のございました東久留米にあります航空交通管制部、これはそのまん中の残された部分、それから太平洋をちょうど半分ぐらいに分けまして、ハワイ、アンカレッジ、グアム、沖繩、こういうところを受け持っている次第でございます。
 その中で進入管制が一体どういう役割りをするか、これはたとえば東京、横田、あるいは大阪とか航空交通の多い空港で一定の空域をその飛行場にまかしてしまう、そしてそこで計器飛行を管制するというやり方をいたします。したがいまして、立川がもし日本側に返った時点では、立川の進入管制というのは横田でやる、立川は有視界の管制だけやるということになろうかと思われます。
 それから民間優先の原則がどこでも貫かれているかというのは、これは非常にむずかしい問題でございまして、ケース・バイ・ケースで、どういうふうにお答えしていいのか私もちょっとわかりませんが、ただ、自衛隊との間には、先般来安全のためのいろいろの覚書をかわしまして、民間機の安全というものは十分に保障されているということだけお答えしておきます。

○土橋委員 大体わかりましたが、私は、横田の飛行機というのは、C5Aギャラクシー、ファントムF4ジェット機にいたしましても、レーダーでやっていると思っていた。
ところが、最近昭島市にミドルマーカーをつけたいという要請がアメリカ軍から施設庁を通じて行なわれて、いまミドルマーカーをつけている。彼らの説明によりますと、アウターマーカーだけでは不十分だ、いままで有視界飛行をやっておったのだ、こういう説明であるわけです。C5AギャラクシーとかファントムF4が有視界飛行をしておったというのですから、私は驚いてしまって、あ然としておるわけなんですが、横田ですらもそういう状態である。
ましてや、立川は千五百メートルの滑走路しか持っていませんよ。そこへ持っていって、これからどっさり飛行機が入ってくるとか、ヘリコプターを入れるということをいっておるのですが、非常に危険じゃないか。肝心かなめの横田が有視界飛行をやっておる。そのおつき合いをして立川も同じようなことをやってくる。これでは危険千万であって、とてもじゃないが、立川市の人が反対するのはあたりまえであって、同時に、騒音であるとか、ついせんだっても、いまから一月くらい前ですか、アメリカのヘリコプターが落ちまして兵隊さんがえらいけがをして死んじゃったのですね。性能のよろしいというアメリカのヘリコプターでもそういう状態です。
 まして、日本のヘリコプターは、まあそれと似たようなものでしょうから、危険千万なわけですね。しかもそれがレーダーを持っていない。ここに書いてあるような――これも通信とかいろいろのことが書いてございますけれども、それはそういうふうにつくりたいということであって、現実はつくってないわけです。ここに書いてあるような、あなたがおっしゃるような、たとえば保安の無線設備をつくりたいとか、管制の、つまりレーダーをつくりたいとか、あるいは通信施設を拡充強化したい、これは一つの希望的な観測意見であって、まだ具体的には多くの個所についてつけ(い)ていないわけですね。そうなってまいりますと、立川ですらもそういう危険な状態ならば、ましてや、調布の飛行場の使用という問題についても、これは全く野放しの要するに有視界飛行である。
 しかも、STOLを中心としていきたいというようなことを運輸省の幹部の方は仰せになっていますけれども、横田エリアを中心として、しかもそれがSTOLなんかという、これから開発をしようというジェット機、そういうものを中心に輸送するということになってくれば、まことにゆゆしき問題であるというふうに私は考えておるのです。
 いずれにしても私は、アメリカ軍の横田エリアを中心とする広大な空の占領に反対をいたしております。それからまた、ブルー14であるとかレッド1、レッド2というえてかってな航空路を彼らは設定をして、そして独立日本であるわが国の空を占領しておる、えてかってに彼らがこれを利用しておるということに対して、私は断じて認めることはできない。要するに、安保条約を廃棄しなければこの問題は解決できないし、また、横田エリアを中心とする空の占領をどうしても奪還しなければいかぬというのが私の基本的な考え方でありますので、そういう観点から、横田エリア、ブルー14を中心とする問題について、交通安全対策を中心として、ここに書いてある四つの基本的な問題もさることながら、民間航空の安全のために解決をしていかなければならぬ(略)。
 今後、防衛庁にも来てもらいまして、いま申し上げるような内容について――運輸省でも十分省として、しかも対等平等であるといわれておる安保条約を、特に横田エリアをなくするために努力をしていただきたいというのが、私の基本的な願いでございます。
 今後この問題を中心にいろいろあなた方の所見や、また、いろいろな事情についてお聞かせを願いたいというふうに思っている次第です。




  1. 2008/03/30(日) 21:29:43|
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55-衆-運輸委員会-3号 昭和42年04月28日

55-衆-運輸委員会-3号 昭和42年04月28日

○野間委員 ちょっと関連。 いまの外務省のほうの答弁の問題ですが、確かに地位協定の五条一項によると、合衆国の飛行機が公の目的で入る場合には入れるというふうになっておりますね。ただ問題は、日本の飛行機でも入港をしたり着陸したりするときは手続があるわけですね。だからしたがって、この地位協定は協定としてあるけれども、当然それを実際にする場合には、どういう手続でどうして入るかということの手続を、規定なり何なりがなければいけないのじゃないですか。それはあるのですか、ないのですか。

○澤政府委員 ほかのほうの手続は外務省のほうにお願いいたすといたしまして、航空法上では、航空局の関係におきましては、これは東京EIRという東京管制部の受け持ち範囲は日本本土から約千八百キロのところにございます。これはどこの飛行機でも同じでございますが、この東京FIRに入ります三十分前に、たとえばホノルルを出ました飛行機でありましたら、ホノルルの管制部から東京管制部にこういう飛行機が入るという連絡がございます。それによりまして、東京管制部では、その飛行機の管制上の、東京FIRに入りましてからの安全の措置をとります。それから日本本土から約百マイルの地点に近づきますと、飛行機自身のVHFで東京の管制塔との連絡がつきますから、それからは直通電話によりまして、東京の管制塔から飛行場への着陸の指示をいたします。それが航空局関係の手続でございます。

○野間委員 それはわかっておる。それは日本の飛行機であろうと、飛行機の管理として管制上そうするわけでしょう。私の言っているのは、五条一項の前段の「日本国の港又は飛行場に出入することができる。」こうなっていますね、五条一項の前段は。だからそうすると、いま澤さんのお答えのようになるのには、五条一項の飛行機は日本の法令に従ってやるわけでしょう。日本の管制に従ってやるわけですね。そういうことは書いてないです。これには。だから日本の法令に従うということになるのには、五条一項のこの前段の分については何か取りきめがなければならぬのじゃないかと言っている。あと五条の後段のほうの一等おしまいのほうに、「日本国の法令による。」と、こうなっている。これはいいですよ。そうでなくて、前段のほうなんです。前段は日本の法令によるのだということがどこに書いてあるのか。

○浅尾説明員 ただいま御指摘の前段の場合でございますが、日本法令に従う、いかにして従うかという具体的な手続は、合同委員会の合意でございます。

○野間委員 その合同委員会の合意というのは議事録でですか、それとも協定ですか、あるいは規定なんですか。そういう取り扱い上の名称はどうなっていますか。

○浅尾説明員 それは、私たちは合意と呼んでおります。

○野間委員 その合意というものは、それはつまり意見が一致したわけですね。したがってさっきの話だと、議事録になったり、あるいはそれが両国の条約になったり、あるいは協定になったりするでしょう。これは協定に基づく合意なんだから、そうすると協定の次の段階か、あるいは協定か何かになるわけでしょう。それはどういう取り扱いになるか。

○浅尾説明員 それは協定のもとでございますから、協定のもとにある合意というふうに考えております。

○野間委員 そうすると、その合意というのは協定じゃないんですな。その辺ちょっとはっきりしてくださいよ。合意というのは、ただ単に合意でしょう。それは、国際間の合意はどういう取り扱いであらわすのですか。あらわさないでいいのですか。

○浅尾説明員 これは御承知のように、一番正式なのは条約であります。それから、あるいはまた協定であります。協定がある場合、行政権の範囲である場合は、ある場合は交換公文と呼び、ある場合は合意というふうに呼んでおります。

○野間委員 そうすると、その合意というもので、この前段のものはどういうふうな取り扱いで、どうして入ってきてというふうに、ちゃんと日本の、あるいは国内法によるならよるとかいうふうに、きちんとそういうふうに整理をされてできているのですね、その内容を言ってください。

○浅尾説明員 ただいま手元にその合意を用意してございませんが、大体のことは日本の航空管制に従ってお互いに合意を得てやるのだというのが大筋でございます。そうして、たとえば通報はどうするとか、細部はさらに現地会議できめるということになっております。

○野間委員 そうすると、先ほどの小川君の質問の場合と違ってくる。先ほど小川さんの質問には、協定があるから、そういう権利が向こうにあるから、チャーター機にあるから、どんどん入ってくるんだという答えは、それはおかしいと思う。いま言われるように、ちゃんと何か規定的な合意なら合意というものが、手続が、ちゃんとあって、それに基づいて入ってこなければ、やたらに入ってきちゃう。そうすると、それをチェックする場所がないじゃないですか。したがってこの問題は、合意の内容をちゃんと整理をしてこちらに提出してもらいたいですね。それがないと審議できない。

○田中(榮)政府委員 ただいま手元に合意の文書を用意してございませんので、いずれ合意書をコピーいたしましてお手元に配付いたしまして、それをひとつごらん願いたいと思います。この合意の根拠に基づいて、いろいろいまの航空機が飛行場に入る場合の手続その他につきましては認めておるわけでございます。いまここで文書がございませんから一々申し上げることを欠いておりますが、いずれ文書を提出いたしたいと思っております。

○野間委員 合意の文書を提出してもらわないと、おそらくこれから小川さんの質問もたいへんしにくいと思う。問題はその合意の内容なんだけれども、日本で使う民間の飛行場もいまでは無差別に一おそらく今度この委員会が調べなければ、こういう問題はなかった。日本の飛行機が入れないぐらい無差別に入ってくるという内容になっておるのですか、この合意の内容は。

○浅尾説明員 これはお互いに調整して入るということであります。どちらかが、たとえば米軍の飛行機が入ってくるために民間の飛行機が上空で非常に長い間滞空するような、そういうことはないと思っております。お互いに調整して入るようになっております。

○野間委員 その調整して入るということは、断われるわけですね、断われるのですな。

○浅尾説明員 これは、民間機の飛行との関係で非常に危険であるという場合には、これは断わるということはできると思いますけれども、絶対羽田を使ってはいけないということはいえません。

○野間委員 それは問題なんだよ。それは調整というのが、確かに、いまおたくの言われるように、入れるならば断われないと思う。ところが、羽田の飛行場は、いまこちらで言ったように、日本の民間航空の飛行場なんだ。日本の民間航空に使う飛行場に無差別に入ってもいいような合意書になっておるから、向こうでは入ったと思うのだ。入ってくれば、幾ら調整をしておっても現地ではなかなか断われないですよ。だから民間航空の飛行場に入ってくるのには、それのチェックができるだけのことをしておかなければ、合意書でしておかなければ、これからでもチェックをする権限はないということになるのだから、そうすると無差別にどんどん入ってくる。きょうは問題があったから入らない、しばらくは問題があったから入らないが、権利としては入れる。無差別にどんどんふえてくるということになるのじゃないですか、それはチェックができるのですか。

○田中(榮)政府委員 私いま合意の文書を見ておりませんので、はっきりお答え申し上げることはできないのでございますが、いずれ合意の文書を確認いたしました上で、本件につきましてはひとつはっきりした答弁をいたしたいと思っております。

○野間委員 それでは私のほうでもそれが出たときに――この問題の実は本質的な問題だと思うのです。これはすぐ取り寄せられるでしょう、どうですか。――その間保留しておきます。

○久保委員 その合意書の写しですね。これは持ってこられるでしょうから、委員長のほうから外務省に言って、いまやっているうちに持ってきてもらいたいと思います。せっかくですからね。
 それから一、二お尋ねします。これは航空局長にお尋ねしますが、さっきも小川委員からあったように、最近の情勢からいくと、羽田は狭くて飽和状態になりそうだ。そのために新しい国際空港をつくるのだ。理由はそのほかにもあるかもしれないが、最も重要な理由はそういうことになっておる。そうなると、地位協定五条一項によって許していたものを、国民的な立場からいけば、これはもはや地位協定はどうあろうとも、さっき質問があったように、羽田にMACチャーター機の出入りは困る。国家的な問題として困るということになってきたといっていいと私は思う。そうすれば、全面的に羽田出入りだけはひとつやめてほしいという交渉をさっき言ったようにやるべきだと思う。地位協定にとらわれていては、どこの施設であろうが何であろうが、アメリカの言うとおりのものをただで提供しなければならぬ。これはまさに安保条約の特質なんでありまして、これをこの委員会でくつがえすということはできません。できませんが、国家全体の立場からいってこれは危険というよりは、これは安全の問題もありますが、片方ではいろいろな犠牲を払いながら新しい空港をつくらなければならぬ条件下において、片方では米軍に専用の飛行場を提供しながら、なおかつ民間空港に無理して入られるということは、国民感情も許さぬと思うのです。だから、いままでにおそらく、入ってきてもらっては困る、軍用のほうへひとつ全部出入りしてほしいという要求をしていないようでありますが、これは要求をするということが筋ではないかというのが一つであります。
 それからもう一つは、さっきこの地位協定五条一項の前段に、無差別といっては語弊があるが、無限に日本の港なり空港に出入りができるということが、アメリカの権利としてあるわけです。その飛行機や船の中に、そういう前段に掲げておるような軍人というか、軍属以外の者が入ってきたときにはあらかじめ日本側に通告しなければならぬ。それからこれらの出入国の手続は、これまたわが国の法令に従う。これはあたりまえの話です。そこで一ぺんお聞きするが、この例外的な、日本に通告しなければならぬような者がMACチャーター機に今日まで入っていたかどうか。
 それからもう一つは、さっきの答弁では、その前段の兵隊なり軍属というか、家族も入っているのかもしれませんが、そういう者を一々取り調べることができないというのだが、取り調べができないが、わがほうの主権というものも、これは尊重してもらわなければならぬ。ましてや区別のつかない民間空港というか、羽田の一般空港へ入ってくるのでありますから、どれが軍属やらどれが単なる旅行者かわからない。空港の管理体制からいっても、地位協定には免除されているか知らないが、本来ならば出入国の手続もこの合同委員会の責任として取りきめがあるのだろうと思う。全然ないというのはおかしい。そういう点はどうなっているか。

○澤政府委員 久保先生の第一番目の御質問でございますが、米軍は確かに地位協定五条一項で羽田を使用する権利を持っております。持っておりますが、航空当局といたしましては、羽田はやはり民間の飛行場でありまして、民間の商業機が優先的に使うべきであるということで――最近MACのチャーター機の数がふえまして、そしてスポットを占領して、民間機が非常に不便になるという状態に立ち至りましたので、直ちに外務省を通じて米軍に、第一段としては、他の米軍に貸与している飛行場を使用してもらいたい、どうしても羽田を使う場合には、十一時から六時の間を使ってもらいたい、これは能力の面から私たちはそのようなお願いをしたわけでございます。
 羽田の能力には離着陸回数上の能力とスポットの能力と、これは御視察いただいて御説明申し上げましたように、二つの面がございますが、羽田の能力は、現在の時点におきましては離着陸の能力はまだ余裕がございます。しかしスポットの能力が、もう午前の早い時期と夕方以降満員になっているわけでございます。そういうことで、なるべく他の基地を使用してもらいたい、羽田にどうしても来る場合は、スポットのあいている十一時から六時の間を使用してもらいたい、このような申し入れをしたわけでございます。

○久保委員 いや、ぼくの質問の要点は、もはやそういう遠慮してほしいという段階じゃなくて、もう羽田は利用せぬでよそを使用してほしい、いわゆる専用にお使いになっている横田なり何なりを使ってほしいと言う時期じゃないだろうかということを申し上げているのです。
 それからそれに関連して、アメリカは何がゆえに羽田を利用しているか。これはあまり聞いたことないようですが、どんな理由で使うと言っているのでしょうか。その理由は明らかになっていないのですか、どちらですか。

○澤政府委員 米軍が羽田を使います理由は、これは当方の推測でございますが、よろしゅうございますか――当方の推測として、横田の給油能力が非常に弱いのが第一でございます。横田の給油能力が弱いために、現在は貨車及びタンクローリーで給油をいたしております。これは外務省からもお話があるかと思いますが、横田の給油能力の増強については日本側に要求があるわけでございます。
 それから第二点は、MACチャーター機はほとんどが民間機でございまして、ノースウエストとかブラニフとか。パンアメリカン、それぞれ羽田に自分の整備基地を持っている純粋の民間機でございます。したがいまして、それらの整備、給油等の状態が羽田のほうが便利である、そのような状態ではないかと思います。これはただし私のほうの推測でございまして、米軍に確かめたものではございません。

○久保委員 近い合同委員会でそれを一ぺん聞いてもらいたい。聞いてもむだだということでなく、次の段階を考えて聞いてもらいたい。というのは、片方ではいま言った、パンアメリカンとか何か使っているから、整備基地も羽田にあるからということだが、もしパンアメリカンで横田に離着陸するというなら向こうに整備基地を設けてもらえばいいのであって、羽田を何でもかんでも利用しなければだめだということではないと思うのですね。そういうこともありのすので、ただ条約に縛られてどうも言うことを聞かざるを得ないのだという先入観念だけでこれを処理すべきではないと私は思うのです。
 合意の写しがきますれば発表していただきたいと思うのですが、私から申し上げたいのは、何としてもこの際、もはや羽田からはどいてもらいたい。どいてもらったほうがいいのじゃないか。あまり混雑しているととろに、調整をして入れるといっても、これは限界があることでありますから、しかも空港の管理上もこうなってはやはりおもしろくない。そういう安全の面からも管理上からも、やはりこの際は断わってみたらどうかという気持ちを持っているわけです。その点はさっき明確じゃなかったが、どうですか。航空局としては、来てもらわぬほうがいいのでしょう。その点はっきり言ってください。

○澤政府委員 航空局といたしましては、米軍は、先ほども申し上げましたように、協定第五条第一項の規定によりまして羽田を使う権利を持っております。ただし羽田空港の能力その他から、これが普通の商業機に非常な悪影響を及ぼすという場合には、これを遠慮してもらいたいということで、まず第一にほかの基地に行ってもらいたい、どうしても使わなければいけないときには、十一時から六時という羽田のあいているときに使っていただきたい、このように考えておる次第でございます。

○小川(三)委員 二十二日に羽田を調査したときには、米軍のほうから電話で回答がきていると言っていましたね。口頭というよりも、電話でそろいう回答がきている。その後いま航空局長の言われたことを、外務省のほろとしてはそのまま伝えているのかどうか。それに対して電話で回答がきた、その内容をはっきりしてもらいたい。

○浅尾説明員 先ほど申し上げましたように、航空局からの御要望は、なるべくよその飛行場を使ってほしい、羽田を使用する際には、できる限りすいている時間、十一時から午後六時、そのまま外務省のほうから合同委員会を通じてアメリカ側に伝え、アメリカ側の回答は、先ほど申し上げましたように、できるだけ他の飛行場を使用いたします。羽田を使用する際にもできる限り午前十一時から午後六時、こういう回答でございます。

○小川(三)委員 実際はどうなっています。局長、現在は。その後米軍から回答がきたでしょう、電話で。あとは文書で取りかわしたというが、その後実際においてそのとおりやっているのかどうか。

○澤政府委員 先ほども御説明申し上げましたように、数は急激には減っておりません。これはMACといたしまして、一月分の予定を立ててやっているからであろうと思います。ただしその使用状況は、昼間のあいている時間に集中して使用いたしております。それから先ほど、これは非公式なものでございますが、ノースウエスト、ブラニフの羽田の事務所の者は、私のほうの羽田空港の事務所に、近くノースウエストでは半分、それからブラニフでは大部分のものを横田のほうに回すように、こういう上からの指令がきている、こういう非公式の連絡がまいっております。

○小川(三)委員 そうすると、これはいままで、横田へ回せたものを横田へ回さずに羽田を使用していたのかどうか、横田へ回して間に合うものであるならば、いままで何で羽田へ着陸していたのか、その点はどうなんです。

○浅尾説明員 私のほうも正確にアメリカ側の意図はこうだということはちょっとわかりませんけれども、私のほうの推測も、先ほど航空局長からお話がありましたように、横田が十分に使えなかったのは一つは給油の問題、一つはその他のサービスの問題。給油の問題は、向こうの貯油能力との関係の問題でございます。

○小川(三)委員 この月間のというと、四月までは向こうの計画どおりやらざるを得ない、あと数日を残して。五月からの計画については、アメリカ側に変更する意図があるのかどうか。五月はこういう状態で、あるいは六月以降はこういう状態でというような計画、発着陸についての報告は全然少ないのですか。

○澤政府委員 まだ、五月の機数の予測については連絡を受けておりません。

○小川(三)委員 いまはどうなんです。たとえば一月の分は十二月のうちにきているとか、あるいは二月については一月のうちに報告があるとか、そういう点はどうなんですか。

○澤政府委員 いままでも連絡がございませんでしたのですが、非常に三月ふえたものですから、四月の予定は、各社を通じて調査いたしましたその数字よりは大体いま下回って着いております。

○小川(三)委員 これは明らかにベトナム攻撃のために使っておる飛行機なんです。したがって、ベトナムの戦局いかんによっては、また羽田をどんどん使用するという可能性が十分あるでしょう。そのことは外務省は十分予測できるわけですね。したがって、これは全然使用させないということであるならば、国会で決議するよう外務省でも国会へ持ち出すくらいの決意でなかったら、簡単にアメリカに使われてしまう、今後だって。問題があるのはその点ですよ。

○浅尾説明員 向こう側の回答はいつまでということでございませんで、今後なるべく日本側の要望に沿ってほかの軍用の飛行場を使う、それから第二は一定の時間に羽田を使うように努力する、こういうことであります。

○小川(三)委員 これはベトナムでエスカレートすれば、日本の飛行場が彼らによってエスカレートされるのです。そのとおりでしょう。この関連以外には考えられないでしょう。どうなんです。しかもこれは兵員を輸送しておるというが、武装しておる兵員を輸送しておる場合に――武装しておるんでしょう。平服で乗っておる兵員じゃないのですよ。武装しておるんでしょう。武装しておるようなものを羽田の飛行場に発着陸させること自体がおかしいのです。どんな条約があろうとも、その点について少なくとも独立国であったら、もっと断固たる態度が必要でしょう。その点どうなんです。

○田中(榮)政府委員 いろいろ御意見があろうと思いますが、問題は、地位協定の第五条によりまして、一応日本側としましては、飛行場を使用して差しつかえないという協定になっておりますので、したがいまして、アメリカ側の使用に対しましてこれを拒否することはできないわけであります。ただ問題としましては、現在商業飛行場でございますから、この商業飛行場はやはり商業機が使用するということ、優先的にこれは当然認めなければならぬと考えておりますので、したがいまして、商業飛行機の発着陸に支障を来たすようなことが発生いたしましたならば、当然これはアメリカ側にその旨を申し入れまして善処方を要請する以外にはないと思っております。そういう意味におきまして先般アメリカ側にその旨を申し入れいたしまして、先ほど浅尾課長から答弁いたしましたように、二つの点はアメリカ側としても今後考慮する、こういう回答を一応もらっておりますので、一応この回答を了といたしまして、さらに今後十分成り行きを見ました上で、もしこれがまた商業機の発着に非常に支障を来たすような点がありますならば、さらに政府といたしましても本件につきましては、再度また話し合いをするというような機会を持ちたい、かように考えております。

○久保委員 いま政務次官からお答えがありましたが、この問題は安保条約の改定というか新安保の論議の際にも問題になったのでありますが、いま小川委員から申し上げたように急激にふえたというのは、やはりベトナムにいま四十二、三万の兵隊をアメリカは出しておるわけです。さらに最近の情勢からいうと、歩兵部隊を云々ということで論議を呼んでおることは、政務次官も御存じのとおりであります。また、LSTの問題で二年ほど前に国会でも論議されました。これまた、事故があって最近論議しておる。これも同じように、佐藤総理が平和に徹する、そういう外交方針をよく言うわけでありますが、特にベトナムの戦争に加担すると言っては語弊がありますが、結果としては加担しているかっこうなんです。しかも、戦争の実態からいえば和平工作というか、、そういうものもなきにしもあらずでありますが、全体を支配する空気としては、ベトナム戦争はエスカレーションの方向にあるということは事実だと思うのですね。しかし、そうなってまいりますと、戦争の常識というか常道からいけば、あらゆるところに敵側の兵員なり兵力というものを粉砕するのがまず第一、あるいは後方部隊を撹乱する。まさに、羽田の空港にMACチャーター機に兵隊あるいは軍属が乗ってくるということになりますれば、本格的に北側の戦争がエスカレートしてくれば、羽田空港は当然爆撃の対象になる。わが方はベトナム戦争に介入はしてない、平和に徹するというようなことを言っても、これは口頭禅に終わる。まさに戦争がやめる方向にあるときならばあんまり注目されないのでありますが、いまのような情勢下においては、単に羽田の空港の利用あるいは管理、あるいは能力というか、そういうものだけで普通の場合は論議されてもけっこうだと思うのでありますが、この際はやはり、アメリカ軍の輸送であるとかいうようなものをどうとらえていくかというのが、私は政治的課題だと思うのですね。だから、なるほど地位協定五条第一項によりますれば、どこでもアメリカが必要とするところは貸さねばならぬということにはなっておる。だけれども、国家の安危に関することであるならば、やはりさっき言ったように返還をというか、使用をやめてもらうという方向で、これは日本国民の利益という観点から私は要求するのはあたりまえだと思うのです。アメリカの戦争に協力するとかしないとかいう問題以前の問題でありまして、これは少しく考えてほしい。LSTの問題もそうなんでありまして、当時われわれが国会でこの問題を取り上げたときには、LST乗組員の生活の問題はどうなんだとかいうところまで話がいきました。私は国家の安危にかかわるようなことを、そういうものと引きかえっこに、ある特定の者が生活するためにという理由で私はそういう者を乗せるべきだとは思っていないのです。その人の生活を維持するために一億というか九千万というかわからないが、国民全体が危険にさらされるということでは、これは日本国憲法からいっても当然やめさせてもいいと思います。ところがいまだに旅券がどうのという話をしているようでありますが、この問題はあらためてまた取り上げることになると思うのです。これとやはり関連性があると思うのですね。単に人が殺されたからというだけで、あるいは羽田の空港が一ぱいだからというだけで取り上げる問題ではないと私らは思うわけです。そういう点について一応お考えを御披露いただきたいと思うわけです。

○田中(榮)政府委員 ベトナムの和平問題につきましては私どももまことに遺憾に考えておる次第でございまして、一昨日からの予算委員会におきましても、ベトナムの和平工作は政府としてはどう考えておるか、総理に対しても相当具体的にいろいろ御質問がございまして、政府としても今後十分にひとつ努力はしていくという答弁でございまして、われわれも本件につきましては相当高度の外交政策によりまして、ひとつ日本だけでなくて、他の諸国の御協力を得まして、ベトナムの和平問題を早期に解決せねばならぬと思うわけであります。ただ、この問題につきましてはよくお話はわかるのでございますが、協定上の問題では一応使用できるということになっておりまして、その使用する場合の条件と申しますか、どういうものを運んでくるかという内容につきましては別にかれこれ話し合いをしておりませんので、これにつきましてはわれわれとしては関与できない立場に立っております。ただ問題は、現在の羽田飛行場における一般の飛行機がその使用に支障を来たす、あるいは保安上危険を生ずるというようなことがあっては一大事でございますので、そうした観点から、今後もしそうした事実が発生するおそれがありますならばアメリカ当局とも十分に話し合いをいたしましてアメリカ側の善処を要望してみたらどうか、かように考えておりますので、ひとつ御了承を願いたいと思います。

○野間委員 防衛施設庁が来たようですが、その前に、協定によると合衆国以外の飛行機も入れるというふうになっておりますが、いま澤局長の答えられたのは米国のものというふうに聞きましたけれども、米国以外のものがあれば、それはどのくらいあるのかということが一つ。
 それから先ほど局長が、日本の管制圏に入ってくると日本の管制能力が働いてというお話があったので思い出したのですが、管制圏に入ってきたが羽田の飛行場にはおりなかったというようなものもあるようにも思えるので、そういうものもとらえていらっしゃるのかどうかということが一つ。
 三番目に、支障を来たした場合には支障を来たさないようにという御答弁と、それから能力の関係についてお答えがあったのですが、一番重要なのは能力であると思うのです。羽田飛行場の管制あるいは管制通信その他の能力。その能力というのは、日本の民間航空機の現状を基本にして人員の配置、機械その他が配置をしてあるというふうに思います。そうすると、それを基準にしてつくられておる空港の能力を越えて、いま澤さんが答えられたような数も、相当高い割合で入ってきておるわけですね。それは能力を越えておるわけだと思う。その関連はどういうふうに考えておられるかということが第三番目。
 それから今度は、もし管制内に入ってきたが着陸しなかったというようなものがあると、それは管制の能力には関係はしてくるわけですね。私がちょっと聞いた範囲では、着陸をしないで管制圏を通っただけの数が相当たくさんな数になっておるようです。それは管制能力に対して相当大きな支障を与えておると思うのですが、すでにいままでに、最初数機しか着陸をしなかったチャーター機が、今日では御発表のように、二百とか三百というふうにたいへんな数になっておるわけです。それにプラス、管制圏に入ってきたものというふうになりますと、能力を圧倒的に上回るような支障を来たしておると思うのです。そういう関係はどう考えておりますか。

○澤政府委員 米国のMAC以外の国連軍の飛行機あるいはその他の外国の飛行機の統計、ただいまございませんので、これはすぐ作成いたしましてお届けいたします。
 それから能力と先ほど申しましたのは、羽田の能力が、離着陸の回数といたしましては、たびたび申されますように十七万五千回までの能力があるわけであります。これは昨年一年間で十一万七千回の実績でございますから、離着陸の能力はまだあるわけでございます。私が能力がない、あるいは民間機に支障を及ぼすと申しましたのは、羽田のスポットでございます。羽田のスポットが現在でもごらんのように満員の状態になっておりまして、これ以上MACがふえれば民間機に支障を及ぼす。これは羽田の商業飛行場としての能力に支障を来たすということで、外務省を通じてお願いしたわけでございます。
 それから管制圏に入ってきたけれども羽田に着陸しないで、いわゆる日本の管制官の管制能力には、管制官のコントロール下には入るが羽田に着陸しないで素通りしている飛行機の数、これは手元に統計はございませんが、これは東京管制部のほうでは相当の飛行機の数の増加となっております。これも資料を後ほどつくりましてお届けいたしたいと思います。

○野間委員 ちょっと確めたいのですが、いま発表されておりますのはアメリカのチャーター機ですね。私が質問しているのは、それ以外の国の、あるいは国連軍のチャーター機があるんじゃないかということなんです。

○澤政府委員 先ほどから申し上げております数字は、アメリカのMACのチャーター機でございます。それ以外の国連の飛行機も若干ございますが、数は微々たるものでございますが、これは統計をつくりましてお届けいたしたいと思います。

○小川(三)委員 局長に伺っておきますが、羽田飛行場が使用能力があるにもかかわらず使えない分があるというのは、いわゆるブルー14によって空の制圧を受けている、管制をアメリカに持たれている、これについては外務省なり何なりを通じて、この撤廃なり解除なりあるいは縮小なり、そういう点について申し入れをした事実があるかどうか。

○澤政府委員 羽田の能力とブルー14の関係は、これはブルー14の関係もございますが、羽田の能力が二本の滑走路を十分に発揮できませんのは、あの間が非常に密接しているからでございます。AランとCランの間が二百五十メートルしかございませんので、同時に離発着ができないというのが羽田の能力を一番制限している理由でございます。
 それからブルー14の問題につきましては、新空港の位置を決定いたしますに際しまして、これは外務省を通じて数次にわたって米側と交渉いたしておりましたことは御高承のとおりでございます。

○小川(三)委員 その交渉の経過はどうなっていますか。

○浅尾説明員 私の承知している限りでは、新空港の問題が起きましたときに、その前に現在米軍が立川、横田、厚木を使用しておりますけれども、そのうちのいずれかを日本側に返還することができないかというラインで交渉いたしましたが、当時の米側の回答は、これらの三飛行場はいずれも米軍のために使用しており、将来も使用するので返還することができないという経緯であったように記憶しております。

○小川(三)委員 そうするとブルー14については、撤廃する意思もないしあるいは制限する意思もないということですね。

○澤政府委員 これは御承知のように横田、立川、厚木、この三飛行場を日本側に返さないといたしますと、結局その飛行場に進入いたしますための空路というものが必要でございます。これがブルー14でございまして、下の飛行場を廃止しない限りブルー14の廃止は不可能であろうと思います。

○野間委員 合意書は来たのですか。

○浅尾説明員 来ました。

○野間委員 それは配付はしませんのですか。

○内藤委員長 一部しかないそうだからいずれ……。

○野間委員 それではあとで印刷していただくことにして、きょうは読んでもらいましょう。

○浅尾説明員 この合同委員会の合意書はすでに国会、予算委員会その他にも提出したことがございます。それと同じでございますが、いろいろ書いてございますが、主として関係するところだけ申し上げさせていただきます。
 まず第一に、昭和二十七年の六月の合意というのがございまして、その中の二に、「日本政府及び米軍の行なう航空交通管制はICAOの定める標準方式を使用する。」それからさらに昭和三十四年の六月に新しく合意いたしまして、その一が一番関係するところというふうに理解しておりますが、「一、米軍に提供している飛行場周辺の飛行場管制業務、進入管制業務を除き、すべて、日本側において運営する。二、防空任務に従事する軍用機に対しては交通管制上、最優先権を与えることに同意している。これらの軍用機の離着陸に際しては、その迅速な行動を可能ならしめるため予め定められた一定の空域をあけるように他の航空機の管制が行なわれる。」それからさらに気象の交換その他いろいろございますが、これは省略させていただきます。

○野間委員 いまの合意書、聞いただけなのでやや正確ではないのですが、聞いた範囲でいくと、先ほどの御答弁のように、調整をするとか、あるいは支障を来たしたときには断わるということはありませんか。支障を来たさない程度にとか、そういうふうに言われたのは、いまお読みになった範囲では、合意書に基づいてそういうふうに言われたというふうにはとれませんね。

○田中(榮)政府委員 ただいま読み上げました合意書の昭和三十四年六月の合意でございます。この一ですね、「すべて、日本側において運営する。」運営の意味はいろいろございますが、「米軍に提供している飛行場周辺の飛行場管制業務、進入管制業務を除き、すべて、」それを除いて「すべて、日本側において運営する。」こういうことになっております。したがってそれらに関する一切の権限は、日本側において権限を有する。したがって、話し合いの上においてもし支障を来たす場合においては、困ると言ってこれを断わることができる、こういうふうに一応解釈ができるのであります。いかがでしょうか。

○野間委員 三十四年六月の第一項の「米軍に提供している飛行場周辺の飛行場管制業務、進入管制業務を除き、すべて、日本側において運営する。」というのですね。そうすると、除いて、だから羽田のほうはこれは後段の「日本側において運営する。」というところに適合されるという考え方で、いま御答弁をされたということですね。そうすれば、私が心配するような無制限に入ってくるということは、この三十四年六月の合意書の第一項によって排除できるというふうに理解していいわけですね。そういう根拠に立って、ことばはちょっと強いけれども、そういう根拠に立って日本側において運営するんだから、支障があれば断わりますよというふうに一声えるのだというふうに解釈していいわけですね。

○田中(榮)政府委員 この地位協定五条の精神から申しますと、一応は飛行場使用は日本側におきまして応諾いたしております。ただ、合意書におきまして、ある程度日本側において運営するというかぎをこちらが持っておりますから、このかぎを使用することによって、こちらのほうに商業機の運航に非常な支障を来たすというような場合におきましては、向こう側と協議の上で、先ほど局長からお話ししたように、返してもらうというような交渉ができると、こういうふうに解釈しております。

○野間委員 少し遠慮されておるのだ、答弁が。言われるように、確かにこれは第一項で「日本側において運営する。」というふうになっているのだから……。それではお聞きしますけれども、かつては月数機であった。それが、御発表のとおり、月に三けたの数字になってきた。それほど入ってきているのだから――支障というのは、そのつど考えるわけでしょう。そうすると、そのつど支障がある、あるいは非常に管制上無理だというふうに考えられてお断わりになったことはあるのですか。

○澤政府委員 先ほどの管制の協定の解釈でございますが、この三十四年六月の、米軍に提供いたしました飛行場の飛行場管制及びこれの進入管制を除いて日本側に全部管制権が移譲されたわけでございますが、この協定はあくまで管制上の技術的な協定でございまして、これに基づきまして、MACであろうと商業機であろうと、全部東京FIRに入る前に日本の管制部に通達がございまして、管制部ではこれを羽田のタワーに移しまして、VHFの通信が可能になってくれば、その羽田の飛行場に着いた順番に着陸を許可するという状況でございます。したがいまして、政務次官がおっしゃいましたように、米軍は地位協定五条の精神に従いまして、羽田に着陸能力あるいはスポットの能力がなくなれば、これは日本側としては断われると思いますが、能力のある間は地位協定に基づきまして断われないという関係で、ちょっとこの管制の協定と面が違うのではないかというふうに思います。

○野間委員 それはわかりました。ただ、先ほど久保議員からも御質問のあったように、せっかく日本の民間航空を振興しよう、また非常に増強されつつあるということですね。したがって、政府としては民間航空を一そう強化をしていこうという方向にいまあるわけでしょう。そのために飛行場の整備をしょう、新国際空港までつくろうというときですね。そういうときなんだから、したがって消極的にそのときそのときに支障があるとかなんとかというのじゃなくて、この一項後段の「日本側において運営する。」という、あるいは使いようによっては有効に使えるかもしれない、そういうものを最大限に使って――この辺がちょっとわからぬのですが、たとえば五月なら五月に何機チャーター機が毎日何時何分にこういうふうに入ってきますということを、これによると、事前に日本側に通知があるのですか、ないのですか。

○澤政府委員 事前には通知はございませんで、入りましたあと、これは米軍の五条一項に基づくチャーター機であるという証明書の送付がございます。

○野間委員 それじゃ、あなた、話にならないじゃないか。
 政務次官、これはえらそうなことをおっしゃるけれども、計画的に前にわからなければ、そのときそのとき、管制官の、あるいは現場の職員の判断で、支障があるとかないとか、そういうことになってしまうのじゃないですか。

○澤政府委員 あらかじめの予告はございませんが、傾向値を見ておりまして、たとえば一月が百九十九、二月が二百、三月も毎日十機程度に達した。これはこの状態が続けば支障がくるということで、外務省を通じて申し入れをしたものでございまして、今後も、先ほど小川先生から御質問がございましたように、現在の使用状況を見ておりまして――現在は昼間にこれを圧縮して使用いたしております。この使用状況を見まして、また民間機に支障を来たすような傾向が出れば、またすぐ米軍のほうに申し入れをしたい、このように考えております。

○野間委員 日本の民間機ですからちゃんと計画があってやっておるわけでしょう。定期航路にしても、不定期にしてもそうですね。それがアメリカのチャーター機はかってに自由にいつ何どきでもどんどん入れるという取り扱いでは、これは運輸大臣やあるいは外務大臣が知らないうちに、支障があるかないかは現場の一担当官、管制官にまかされているだけなんですよ。これじゃ両国間の合意といえないじゃないですか。そんな合意になっているんですか。そんな合意ではあまりひどいですよ。ちゃんとそれは計画があって、これは戦局が拡大してくるからふえてくる、その傾向値を見ておったのでは、これは減らすといったって減るかどうかわからないですよ。ちゃんと向こう側から計画をもらって、それでこれでは支障があるなしを、外務省か運輸省か、最高幹部がちゃんと協議をしてきめて、そしてこれは断わりますとか、これは支障がありますとか、これは十一時から六時までならいいですとかいうふうに判断をしてあげなければ、合意したことにならないじゃないですか。そうでなければ、いま国会でわざわざ調査をして、それからせっかく申し入れをして、議事録までとって、これはなるべく入らぬようにしますとか、入らぬでくれとかいったって、実効はないですよ。それはいましてないならば、日米協議会でちゃんと、何月からは計画書を出してもらうというふうにまた合意してください。どうですか。これは。

○田中(榮)政府委員 お答えします。
 従来平均の機数というものが大体統計的にわかっておりますので、いま局長からお話がございましたように、毎日の飛来する機数が、多少上がり下がりはございますが、大体平均されております。したがって、それを土台にしてこちらのほうとしてはいろいろ計画を立てておるわけですが、今後非常に飛来する機数が飛び抜けて多くなるというときには、あらためて計画の変更について話し合う必要があるのじゃないか、こう思っております。

○野間委員 入ってきた結果、平均をしてみたら支障のないようになった、それは偶然なんだ、こっちから見れば。そうでしょう。入れているのは向こうなんだから。こっちから見れば不可抗力なんだ。いまのあなたの考えは、五条一項があるからしようがない――やたらに入ってくるのです。雨みたいに。それで平均してみたら十一時から六時までだった、偶然ですよ。なぜそういうことで支障がないといえるのかというんだ。実際に入ってきたときが問題なんです。あとで統計をとってみたら支障がなかったというのは、それじゃ支障がないとはいえない。そうじゃなくて、毎日毎日入ってくるときに支障があるかないかは、ちゃんと事前に皆さんが知っておかなければ、それは日本の政府として支障がないとはいえないじゃないですか。だから、いままでしてないならしようがない。少なくとも今後は、いついつからはちゃんと計画をもらいます。もらって、それによって判断をして入れるようにいたしたい、そういう申し入れをアメリカさんにしたらどうだと言っているのです。

○澤政府委員 運輸省といたしましては、このMACチャーターのチャーター会社は大体わかっておりますから、そこを通じて五月なら五月の予測をとるように努力をいたします。それから外務省には、合同委員会を通じて、もし米軍側でその予測を日本側に交付してくれることが可能であれば、交付してもらうようにいたします。

○野間委員 何も会社に聞くことはないんです。アメリカの軍用機なんだから、会社に責任はないんです。ちゃんと五条一項を読んでごらんなさい。アメリカ合衆国の管理下にと書いてある。何も澤さんがそんなことを言うことはない。これは外務省のことです。外務省の態度はどうなんですか。

○田中(榮)政府委員 私のほうは、実害があるかどうかということは、外務省ではわからないわけです。実際はこちらでやっておるわけです。航空管制は運輸省の責任でやっておる。その結果を見て、私どもは米軍当局に交渉する立場にある。したがいまして、運輸省からこうしてもらいたいという御要請があるならば、私のほうでは申し入れるに差しつかえございません。

○野間委員 そんな責任回避はない。だからうしろにすわっておるんだ。支障が予想されたから、国会でわざわざ調べたんですよ。その意味では、運輸省はぼんやりしていたんだ。支障があると判断されるので、わざわざ国会が調べて、問題にしておるわけです。したがって、羽田空港において、民間航空において将来は支障が全くないという保障をわれわれはほしい。それを言っているんです。次官の答えは、まだ支障がない、統計上の話です。調べてみたら、ことしはない、ああよかった、またこの次もないということでしょう。そうではなくて、日本政府としては、五月は支障がないということをちゃんと判断をして入れるというくらいの、きちっとした態度を持っていいじゃないか。それを外務次官は、日本側において運営をするということを言っておるんだから、ここに書いてあるんだから、そのくらいのことできないでどうなんですか。

○田中(榮)政府委員 外務省では決して交渉をいとうものではないのです。私のほうでは、合同委員会に提出すべき意見は幾らでも提出いたします。ただ、運輸省のほうでこれだけの実害があるといろ、はっきりしたデータを持って合同委員会に臨みませんと……。ひとつわれわれに十分御連絡願いました上で、今後事を運んでいったらどうかと考えております。

○野間委員 観念がおかしいんです。日本の政府はいつもそうなんだ、支障があったらと。よくここでお話しになるけれども、どこかで汽車が衝突をして人が死んだ。人が死んだから踏切を直す、人が死んだから信号機をつげる。そういうことをまたやろうとしておる。支障が予想されるからやりなさいと、ぼくは言っておる。支障があってからではおそいんですよ。
 先ほど澤さんがあとから出しますと言われたけれども、日本の航空管制圏、羽田の航空管制圏に入ってきておるチャーター機の数がこれに出ている。たいへんな数なんだ。四十一年の十月は千五百九十五機、アメリカのチャーター機が羽田の航空管制圏に入っておる。これは航空管制の問題でたいへん問題なんですけれども、日本の航空管制官が非常に優秀で、一生懸命やっておるから支障がなかっただけなんだ。羽田空港の上で近接をしてしまって、非常にあぶなかったという報告が、羽田飛行場から運輸省に届いている数が運輸省にあるわけですね。それはきわめて微妙な、しかも四つも五つも周波数を持って一これは一人が一周波数を持つべきものを、一人で四つも五つも持って精密な仕事をしている。管制官がやっているから事故がなかっただけです。管制官は、事実上飽和状態になっておるから、これがちょっとあやまればたいへんなことになる。これはチャーター機が落ちるかもしれない。日本の飛行機が落ちた場合にはびっくりしないが、アメリカの飛行機が落ちたらびっくりするでしょう。そうなってからではいかぬというのです。ぼくが言っているのは、日本の民間の飛行機がアメリカのチャーター機と接触して、そういう事故が起きる危険性が羽田飛行場の上空にある。それが千五百九十五という去年の十月の数字なんです。それほどになっておるにもかかわらず、まだ支障がないから統計でいいんだ、傾向でいいと言っている。少なくとも五月はちゃんと計画をもらい、いつどのくらいのチャーター機が上空を通る、あるいは飛行場におりてくる、それを見て、これはむずかしい、この程度ならば、今日までの統計でもだいじょうぶという判断はつくが、いままでなかったといっても、これからはそうはいきませんぞ。それを言っているんです。

○田中(榮)政府委員 御趣旨の点はよく了解いたしました。
 ただ、私どもとしましては、地位協定の五条の点もございますので、米軍に飛行場を使用させなくてはならぬという一つの義務があるということを前提にいたしまして、その上で、いまお話のございましたような点で、十分運輸省とも協議をいたしまして、これに対して至急米軍当局にその点を申し入れまして、その回答をさらに確保してもらうといいますか、その実現をさらに確保してもらう。そういう点で努力してみたいと考えております。

○野間委員 ようやく合意に達しそうです。運輸省では、会社に聞くということではなく、おたくのほうでは、私が申し上げたチャーター機の航空管制圏に飛来している状況、それから今日までの入っている状況、そういうものを、資料があるはずですから、ちゃんと提出をして、ちゃんと外務省で――いま言われた後半のほうのことばはちょっと問題があるんです。せっかく向こうへ善っているんだから、そういうふうになるようにしたいということなんだが、私が言っているのは、そういうふうにするためには、いま口頭で約束されたことを実現をするためには、正確にちゃんとした数字がなければ、いついつどう入るかという計画がなければ、実際に口頭回答のようになっておるのかどうかが事前にはっきりしない。これは統計の話だから、事前にはっきりするように、外務省ではきちんとしてもらう。
 私は四十一年三月から十月までのチャーター機の飛来状況、それからチャーター機の羽田飛行場におりた数、どこの会社の飛行機をチャーターしておりたかということもちゃんと持っている。ただ持っていないのは、先ほど聞いたアメリカの会社以外の会社からアメリカがチャーターをしてやったもの。それは持っていない。それを出してもらいたい。しかし、これはちゃんと澤さんが来ているから、こういうものを見せれば、いくら外務省でも、これはたいへんだということになるだろう。十分に協議をしていただいて、そうして事前にちゃんと計画がとれるようにしてもらいたい。できれば、私はいついつまでに回答をもらいたいというように申し上げたいんだが、両国家間のことだから、また外務委員会でもないからそこまで申し上げませんが、そこはきちんとしていただいて、少なくともきちんとした御回答を運輸委員会にお示し願いたいと思います。

○田中(榮)政府委員 ただいまの申し入れの点は、十分に了承いたしました。努力いたします。

○野間委員 その点はひとつやっていただくことにして、もう一つは、チャーター機が着陸をします。着陸をすると、それは兵員がそのまま乗って、また出ていくわけですね。それはどうです。

○澤政府委員 チャーター機が着陸いたしますと、これはトランシット・パッセンジャーということになりますので、保税区域で待機をいたします。給油の間待機をいたしまして、また出ていくのが大部分でございます。

○野間委員 そうすると、たとえば荷物ならどういう荷物、あるいは兵隊さんならば、完全武装した兵隊であるとか平服の兵隊であるとか、そういうものはわかるわけですね。
 それからもう一つ。日本の民間飛行機の場合には、飛行の行く先、そういうものが載っておりますね。それはどういう取り扱いになっておりますか。

○澤政府委員 軍服を着ておりましたり、平服を着ておりましたりいたしますので、その外観でわかりますが、休憩いたしますときは、武器はみな置いてまいりますので、武装しているかどうかはわかりません。行く先は、通常の管制の規制に従いましてフライト・プランを私のほうの航務課に出しますので、これはわかります。

○野間委員 それでは、たいへんお手数ですけれども、航務課には行く先は記録はしてありますか。どうですか。

○澤政府委員 私のほうで行く先はわかります。

○野間委員 それでは、いまどの辺に出ていくのか、澤さん御承知ですか。

○澤政府委員 実はベトナムのことの御質問があるかと思いまして、ベトナム関係だけを持ってまいりました。四十一年は千三百六十九機でございますが、そのうちベトナム向けのものが四十八機で、ベトナムから来たものが二百九十五機でございます。

○野間委員 ベトナムから来たものの行き先は……。

○澤政府委員 私どものほろで受け取りますのは、これは管制上の規制でございますから、次の飛行場までのものでございますから、最終発着地は私のほうではわかりません。

○野間委員 四十一年の千三百六十九機のうち、羽田へ一回降りて、それからベトナムへ向かっていくのが四十八機である、それから、ベトナムから羽田へ帰ってきたものが二百九十五機である、こういうことですね。それでは出発点もわかっておるのでしょう。そうすると、ベトナムへ向かっていく四十八機の出発点はどこなんですか。

○澤政府委員 これはとってございませんので、後日調べまして……。

○野間委員 わかりました。それではこれはとっていただいて……。それからついでにとっていただきたいのですが、アメリカ本国から日本の羽田へ到着をして着陸をして、それからベトナムへ向かっていった数、これもあわせてとっていただきたい。
 それから澤さんたいへん悪いのですが、この千三百六十九機の状況を傾向的に、全部でなくてけっこうですから、いま言われたように四十八機は、これはそう多くないのですから、こういうふうに出発地、行く先の数を一緒に出してくれませんか。

○澤政府委員 これは交通管制上の通常の業務としてそのときそのときで処理をしてしまいますので、統計的にやっておりませんからちょっと時間をおかし願いたいと思います。

○野間委員 時間のほうはけっこうです。
 関連のほうが長くなって悪いのですが、あと一点。羽田の飛行場に千三百六十九機四十一年に着陸をしたというのは、主としてどういう必要があって、たとえば給油であるとか乗員の休息であるとか、どういう必要があって着陸をされておるのか。

○澤政府委員 先ほど申し上げましたように、主たる目的は、これは航空のほうで技術着陸、テクニカル・ランディングと申しておりますが、給油が主たる目的でございます。

○野間委員 三十四年の六月の合意書の一項の問題は以上でよろしいのですが、二項のほうがちょっとわからないのです。「防空任務に従事する軍用機に対しては」優先的に、つまりこれはオールマイティーなのですね、日本のほうのあらゆる問題を一切排除をして管制が行なわれるようにするということになっておるようですが、そういうふうに理解していいのかどうか。

○澤政府委員 これは外務省からお答え申し上げたらいいのかもしれませんが、これは非常体制の場合の管制の米軍との打ち合わせの問題でございます。したがいまして、現状におきましてそのようなものが発動されたことはございませんし、現在のMACも商業機と同様、羽田に到着する順番で着陸を許しているという状態でございます。

○久保委員 その経験というか、そういう事例がないとおっしゃるが、ほんとうですか。それは違うでしょう。

○澤政府委員 私がいま申し上げましたのは、ただいまのお読みになりました協定は、非常事態、もっと戦局がいわゆる戦争になりそうな場合の管制のやり方についての、米軍と日本政府との打ち合わせの問題でございます。その場合には、防空態勢の飛行機を優先させて管制をするということでございます。現在は平和な時代でございます。そのようなものは発動はいたしておりません。米軍機といえども商業機のあとに来ればもちろん商業機のほうを優先的に離発着さしているわけでございます。

○久保委員 そういう事例はないとおっしゃるが、いままでないのですか。たとえばキューバの問題があったときなんか、たとえばです。そういうのがなかったようにあなたはおっしゃるけれども、ないのですか。

○澤政府委員 私の記憶いたしております限り、交通管制上、その規定に従って米軍機を優先さしたという事例は記憶いたしておりません。

○野間委員 いま羽田に限って問題を出していますが、今度この問題はちょっと羽田を除外をして、全体としてお答えをいただきたいのです。これは、いま運輸省のほうでは実際に発動したことはないというお答えですが、そこで外務省のほうにお尋ねするのですが、「防空任務に従事する軍用機」こうなっているのですよ。「防空任務に従事する軍用機」となりますと、緊急事態であるとなしにかかわらず、防空任務というのはアメリカの場合、日常でもあるんじゃないかというふうに思えるのですが、その辺の解釈はどうなっているのですか。

○浅尾説明員 これはただいま航空局長から答弁されたとおりでけっこうだと思います。ただ、現実の問題として、防空任務に従事している米軍機の数が一時より非常に減っておりますし、解釈はいまの航空局長の答弁のとおりだと思います。

○野間委員 そうすると、外務省のほうでも運輸省のほうと同じように、この条項はいわゆる緊急事態における防空の任務というふうに解釈しておるわけですね。

○浅尾説明員 そのとおりであります。




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46-衆-運輸委員会航空に関する…-2号 昭和39年04月02日

46-衆-運輸委員会航空に関する…-2号 昭和39年04月02日

○西村小委員長 これより運輸委員今航空に関する小委員会を開会いたします。
 航空に関する件について調査を進めます。
 本日は二名の参考人の方々の御出席をお願いいたしておりまして、航空に関する諸問題につきまして、貴重な御意見を承ることにいたしました。
 参考人の方々には御多忙のところ、本小委員会に御出席くださいまして、まことにありがとうございました。どうか忌憚のない御意見をお述べいただければ幸いと存じます。
 それでは、日本航空株式会社社長の松尾静磨君にまずお願いをいたします。

○松尾参考人 松尾でございます。ただいま委員長より御指名にあずかりましたので、民間航空の問題につきまして、私がかねがね考えていることを申し上げまして、御参考に供したいと存じます。
 御存じのとおり、航空事業は、貴重な人命を預かり、あるいは貴重な郵便物、あるいは貨物、こういうものを安全に目的地に輸送する、こういう使命を持っておりまして、しかも一非常に公共性もあるとわれわれは常に考えておるのでありますが、最近国内でもひんぴんと事故が起こる、こういう問題につきまして、私は同業者といたしまして非常に残念に思っております。この点につきまして若干私の考えておることを御参考までに申し上げたいと存じます。
 事故が起こることについては、せっかく戦後民間航空がおくればせながら軌道に乗りつつある時期に、しかもオリンピックを前にして国内にひんぴんとして起こっていることは、日本の民間航空界として非常に残念なことだというふうに私は考えております。この航空事故をなくすためにどうすればいいかという問題でございますが、私は忌憚なく申し上げますのでおしかりを受けるかもわかりませんが、お許しをいただきたいと存じます。
 私は、航空事業そのもものに関して、官民ともだ非常に考えが甘いのじゃないかという気がするわけでございます。バス会社を営業するように利権的に考えるような風潮が戦後若干経営者そのものにもあったのじゃないかという気が非常にするわけであります。そういうこともありまして、戦後航空事業の申請がありまして、役所もまたこれを規制する何らの重要な法規ももないというようなこともございまして、運輸省でも相当な数を許可された、そういうところに、官民ともに航空事業に対する認識不足と申しますか、考えが甘いと申しますか、そういうことも一非常に原因しているのじゃないかというぐあいに私は考えるわけであります。この事故をなくすということは民間航空事業の発達を意味することでありまして、まず私は航空事故をなくすことが非常に重要なことであると考えます。それには運輸省自体でやってもらうべき問題と、会社自体がやることと二通りあると私は思います。
 運輸省でやってもらうことは保安施設を整備するとか、特に飛行場の問題等について、これはいずれにしても予算その他を伴う問題でございますが、こういう問題を慎重に考えなければいかぬ、あるいは乗員の訓練についても本格的に政府で考えてもらう。それからもう一つは、この間運輸大臣からこれ以上航空運送事業を許可しないという発言も国会であったようでございますが、これを許可する場合の会社の陣容といいますか、安全関係に関する陣容がほんとうに整っているのか、ただ書類だけじゃなくて、実際に整っているかどうかということをもう少し厳密に調査をされまして許可すべき問題じゃなかろうか、こういうぐあいに私なりに実は考えております。
 それから会社自体でなすべきこと、これは会社の経営者がほんとうに公共性のある、しかも重要な人命を預かってやっておるという考えに徹底しておるかどうか、ここにも、私自体も含めまして、同業者諸君がほんとうに自己反省をして、その言う方針に徹して会社を経営していくことについて若干欠けておる点がありはせぬかというような気がするわけであります。それはなぜかと申しますと、経営者は、安全に関する運航整備というものに関しては、部下の運航部長まかせとか、担当の常務にまかせるとかいう行き方をやっておる会社も小さい会社には多々あるわけでありますが、それではなかなかいけないのではないか。欧米のように、民間航空がほんとうに基礎ができて、何十年の経験を持ち、組織も充実して、社員の経験も豊富で、歴史を持っておる会社であれば、これは社長なりその他幹部は、そういう点をまかせきりでもいいと思いますけれども、何せ日本の民間航空は戦後初めて始めた事業でございまして、歴史も非常に浅く、一番経験を積んでおるといいましても日航と全日空くらいでありまして、非常に経験が浅い。それだけの陣容なり、そういったものが整っていない。そういう時期にありましては、ほんとうに経営者自体も、そういう点を再重点的に考えていくということに進むべきだ、会社自体がそういうように反省して進むべきだ、こういうぐあいに考えるわけであります。そういう意味におきまして、ローカル六社といっておりますが、こういうものは非常に規模が小さ過ぎまして、規模が小さければ経営もなかなか成り立っていかない。したがいまして、技術屋その他の訓練あるいはそういう技術屋の優秀な人もなかなか入手は困難だし、あるいは組織立ったいわゆる規定類自体もなかなかできないといういろいろな事例がありますので、国内の航空問題については再整備をする必要がある。それを一回ではなく、将来また二回、三回と、こういう段階を通じまして基礎をつくっていって、国内の民間航空の発達を促進すべきだ、こういうぐあいに私は考えます。しかもこういう過渡期におきましては、われわれ業者もお互いに助け合って、お互いがそういう事故を起さぬように、しかもお互いの会社が経営が成り立っていくようにお互いに協力していくべきだ、こういうぐあいに考えておるわけであります。
 それから国際航空について若干御参考のために意見を申し述べたいと存じます。
 現在日本航空は、いろいろ御支援を仰ぎまして、国際航空は、太平洋を一週間に十四往復、東南アジアを一週間に十五往復、北極回りの欧州線を一週間に二往復、南回りの欧州線を一週間に二往復、こういう路線を現在やっておるわけであります。この国際路線も三十八年度から計画どおり順調にいっておると私は思っております。ところが、これは十年前からでありますが、自由競争でございまして、私たちは十年間この諸外国の先輩各航空会社と非常に熾烈な競争をやっておるわけであります。世界の航空路の運賃は将来非常に下がる傾向にあるわけでありまして、これはどうしてもそうなる傾向になっております。したがいまして、この運賃が下がりますと、どうしてもわれわれは経費のコストダウンをやっていかなければならぬということを強く考えておるわけでございまして、一昨年あたりから、料金が下がれば、経費のコストダウンをせざる限り、どうしても一利ざやが出ない、そういう考えで、日本航空はこのコストダウンを昨年から懸命に実施し、本年もまた来年も実施するつもりでやっております。
 そこで、国際航空の三十八年度の総売り上げは、予想どおり大体四百億近くいったものと思っております。それから三十九年度は四百七十億の総収入、こういう予定でわれわれは現在大体順調に進んでおりまして、現在の日本航空の資本金は百四十九億、そのうち政府出資が八十三億、民間出資が六十六億でありまして、しかも借り入れ金が百四十九億に対しまして現在四百億持っております。三十九年度には、オリンピックの年でもありますし、路線の本数をふやす関係もありまして、約百億の借金をやはりしなければいかぬ、こういうぐあいになっております。したがいまして、金利が一カ年に二十数億、乗員の訓練費がやはり年間二十億くらいかかっております。創立以来乗員訓練費にどのくらい日航は金をつぎ込んだか、今年、三十八年度の三月三十一日までに六十四億三千万円を乗員の訓練費に会社は使っております。そういたしますと、八十三億という政府の出資は非常に大きいように思いますけれども、政府出資の八十三億の約八〇%は、創立以来乗員訓練費に使っているということも一言えると思います。それから創立以来いままで機材を買いました金は、そうなりますと大体借金で買っている、そうしてそれを毎年払っていっておる、こういうことが言えるかと存じます。
 私たちが非常な競争の激しい国際線に勝っていくために、何が一番ファクターとして支障になっているかといいますと、何といいましても乗員の訓練費でございます。これは日本が戦争に負けまして、非常なブランクがあった。その間日本航空ができたとき、乗員の供給のソースが全然ない。自衛隊その他はあとからできた、こういう関係もございまして、乗員の訓練費には、いま説明しましたように、非常に多額な経費をかけているということが言えると思います。欧州の有名な各航空会社の乗員の補給源――乗員の訓練費にどのくらい金を使っておるかということを御参考のために申し上げますが、欧州の各航空会社の乗員の雇用源は大体空軍でございまして、空軍から大体八〇%、それから国が養成してそこから雇用しているものが一一%、会社自体が自分の金で養成しておるのはわずか五%、こういうぐあいになっておりまして、かりに訓練費の営業費用に対する割合を御参考までに申し上げますと、ルフト・ハンザは日航よりおそくできましたが、訓練費に使っておる金が営業費のわずか二%、BOACが一・四%、スイスエアが二・五%、SASに至りましては一・六%、KLMがわずかに一%、日本航空は四・八%。営業費用の四・八%をこの乗員の訓練費に使っておりまして、欧州のこういう航空会社の約二・七倍の乗員訓練費を使っておる、こういうことで非常に国際競争力をわれわれは弱められておる。そういうことを一昨年来この運輸委員会その他でも窮状を申し上げまして、やっと三十九年度の予算で政府の三億五千万の乗員訓練の補助費が出た。これは非常にわれわれ感謝しております。
 それからもう一つ、日本は非常にパイロットの層が薄い、厚くない、それからその経験の豊富さにおいても欧米各国に非常に劣っておるということが言えると私は思うのであります。そういう点が日本の民間航空の事故の頻発の原因にもなっておる、こういうことが私は言えると思っております。かりにパイロットの層の厚さあるいは経験の豊富さを欧米各国と比較してみますと、このDC8あるいはボーイング707という大型の長距離ジェットのキャプテンの経験時間をここに御参考に申し上げますと、最低でいきますと日本航空、わが社は七千二百時間の者がキャプテンになっております。ところが欧州のそれは一万時間、そこに何千時間かの差が経験においてある。それからコーパイロットは、日本の民間航空も全部非常に不足しておりますが、わが社では最低大体一千時間足らずでコーパイロットになります。ところが欧州では、コーパイロットに至りましては、最低五千時間の経験を持っております。欧州各国は、パイロットの層の厚さ、それから経験の豊富さにおいて日本の民間航空とは非常にそういう点においては差がある。そういうところに私は、事故防止その他についても、経験が薄いのであるがゆえになお一そう私たちは乗員の訓練、あるいは経営者といたしましても、そういう差があればあるほど、もう少し基礎ができるまではやはり事故ということについてはほんとうに真剣に頭を使うべきだ、私はかねがねそういうぐあいに思っておるのであります。
 それからもう一つ、私たちが国際競争を分析してみまして問題になっておるのは、金利でございます。金利が、御存じのとおり、日本は非常に高い。外国から借りましてもわれわれは高くしか借りられない。先ほども一申しましたとおり、四百億から五百億の借金を日本航空はしておるわけでございますが、この面につきましても非常に負担になっておるということが言えると思います。大体毎年二十数億の金利を払っておる。現在わが社は三十九年度、四十年度、この二カ年で大体七十億利益を上げたいという予定をしております。七十億で配当ができるかどうかわかりませんが、三十九年度と四十年度でかりに七十億上げたとしますと、順調にいけばあるいは五分くらいの配当ができるかもわからぬと思うのですが、その配当に当たる金というものはごくわずかなものです。民間資本がわりあいに少ないということで、税金その他合わせまして十二億程度あれば五分の配当はできるわけですが、しかし実際配当をするには二カ年で七十億の利益を上げていかなければならない。二カ年間になぜそうなるかと申しますと、その内容を申しますと、三十九年度に乗員訓練費が二十億かかる、四十年度も二十億かかる。そうすると、七十億のうちの四十億というものは乗員訓練費にかかる、またその中に金利が二十数億ずつかかる。こういう特別の、日本航空会社自体ではどうにもならない費用のために、わずか十二億あれば配当できて民間からも増資ができるはずなんですが、そういう問題のために七十億も一八十億も利益を上げないと配当できない。配当しなければ民間の増資はできない、こういうジレンマに私たちはおちいっているわけでありまして、したがいまして、この金利の面を解決するためには、どうしても政府出資を、十億とか十五億とかあるいは十七億とかいうことを言わないで、少なくともここで毎年百億ずっとかあるいは五十億ずつでもいいのですが、三カ年なりあるいは四カ年なり日航が国際線で基礎ができるまで出資をして、そういう金利面の負担をかけない、そして競争力をうんと強めてドルをかせがせる、こういう方針をぜひ立ててもらいたいということを私はこの三、四年来力説しているわけであります。三十八年度は大体七千万ドルから八千万、ドルの外貨節約になるわけでありまして、私たちはこの二、三年の間には一億ドルあるいは二億ドルというようなところまで外貨の面で日本の国なりあるいは日本の社会にぜひ貢献をしていきたい、こういうぐあいに考えているわけであります。
 アメリカの国際航空をやっている会社は、パンアメリカンは非常に大きいのですが、その他二、三ございますが、これは外貨を航空事業で大体五億ドルかせいでおります。しかしアメリカの国会ではこの五億ドルでは少ないということを発言をされまして、アメリカの飛行機に乗ることは国産品を使うのと同じだ、アメリカ人はもっとアメリカのフラッグキャリアに乗るべきだ、五億ドルでは少ないと、アメリカでさえも国会でそういう発言が非常にあっております。そういう意味で外貨をかせぐということは航空事業の非常に大きな一つの使命でございまして、ルフトハンザでさえも三億ドル程度を目標にしているわけであります。
 したがいましてもう一つお願いしたいことは、日本人はできるだけ日航に乗ってもらうということもこれは非常に必要なわけであります。これはわれわれ日航自体が商魂たくましく大いにセールスをやるとかあるいはそういうPRをやるとかいうことも、われわれの力の足らぬ点もございますけれども、やはり官庁なりあるいは国会なりでそういうことになりますと、民間の各社もだんだんそれに従ってくる、こういうぐあいになるのじゃないか。これは二、三年前から政府なりあるいは国会で非常にそういうムードをつくっていただきまして、順次ふえてはきております。しかしかりに私が例をちょっととってみますと、北回り欧州線は日本航空とKLMとSASとエール・フランス、この四社が全く同じ条件で一週間に二往復ずつやっているわけであります。昭和三十七年には日本人で北回りを利用されたお客が一カ年間に一万四千二百二十一人ありまして、そのうち日航機を御利用になった方は五千四百九人でありまして、三八%に当たります。二六・七%はエール・フランス、二九・八%はSAS、残り七・五%はKLM、こういうぐあいに利用されておるのであります。それから羽田で出入国される日本人の旅客の数でございますが、これは日本航空が運航していない線は除いてあります。その総数は昭和三十七年には十二万三百九十七人、そのうち日本航空を御利用になった方は五万一千七百四人、四二・九%でございます。そういう状況でございますが、これは三十七年でございまして、三十八年度は政府なりあるいは諸先生方のそういうごあっせんもありまして、だんだんふえてはきております。北回りの欧州線で同じ一週間に二往復ずつやっているこの四社を比較してみますと、日本人が日航機には三八%、ところがフランス人はエール・フランスに何%乗っているかと申しますと、七二・三%乗っておる。それからスカンジナビアン・エアライン、SASでございますが、これに北欧三国人は八二一一%乗っている。オランダ人はやはり自分のところの飛行機KLMに六四・九%乗っている。日航を除きまして、他の三国はやはり自分のところの飛行機を非常なパーセンテージに利用している、こういうことが言えると思いますので、わが社も一非常に努力はいたしますけれども、諸先生方におかれましても、できるだけ日本航空を利用してもらうということが外貨の節約にもなると私は思うのであります。日本人の積み取り率を向上するということも、国際競争をやるための一つの大きなファクターではないか、こういうぐあいに常々考えておるのであります。
 もう一つ私たちは、国際航空は、国と国との航空協定に基づいて日本が持っております航空権益を国のかわりに代行しているというような考えを持っているのでございますが、この航空協定が戦後相当不平等に結ばれておりまして、これから結ばれる航空協定に対しましても一、私は外務省あるいは運輸省の方々に非常に考えてもらいたいことが一つあるわけであります。非常に不平等に結ばれて、私たちは現在非常な悪条件で競争をやっておる。それは、世界の航空路上における東京というポイントの重要さ、これを日本の官民ともに非常に軽く見ているのではないかということなんです。この七、八年いたしますと、スーパーソニックの時代になる。そういたしますと、世界の航空路上における重要ポイントは東京、ニューヨークあるいは欧州のロンドン、大体この三カ所くらいになる、私は日本はそういうぐあいにすべきだと思うのでありまして、日本と全然関係のないような、日航が乗り入れないような相手国に、東京というポイントを何らかのほかの取引のために離着陸権を許可するというようなことは非常にこれは軽々しい。東京という重要なポイント、権益を非常に軽く見過ぎているんじゃないか、こういうぐあいに思うわけでありまして、この国際協定を今後、あるいは過去のことでも改定する場合は、国際航空路上における東京というポイントを、現在もそうですか、将来ますますこのウエートが加わって重くなる、これは日本の重要な権益ですから、これを日本政府はぜひもっと有効に利用すべきだ、こういうぐあいに思っております。その点もぜひひとつ御推進をお願い申し上げたいと存じます。
 それから、非常に長くなって失礼でございますが、スーパーソニック問題を一百私は御参考のために申し上げておきたいと存じます。
 いまスーパーソニック、超音速機をつくるということになっているのは、欧州とアメリカと二カ国でありまして、欧州ではイギリス政府とフランス政府が共同でこの超音速旅客機を開発する。両国政府で一千億円以上の試作費をたしか出しているんじゃないかと思います。こういう試作費を出しまして、コンコードというスーパーソニックを開発する。それからアメリカでもやはり開発していくという決心をしておりまして、アメリカではマッハ二・六五、これはノースアメリカンという製造会社がいま計画しております。それからボーイングでマッハ二・七を計画しております。それからロッキードではマッハ三を計画しております。アメリカ政府でこのいずれかを近くきめるわけであります。音速と申しますと大体一千キロ、だからマッハ一というのは一時間一千キロメートルでございますので、こういうマッハ二・六五からマッハ三の旅客機ができますれば、大体時速千八百マイルから二千マイル出る、こういうことになって、高度二万メートル。そうしますと東京-ハワイ間が三千八百五十マイルでございますので、大体東京-ハワイ間が二時間半。それからハワイからサンフランシスコが二千四百五十マイルございますので、まあ一時間半、大体東京からサンフランシスコまで四時間足らずで行ける。これの完成期が大体昭和四十七年から四十八年、いまから約七、八年ということになろうかと存じます。いまアメリカでこの超音速機を七十五機注文を受けておりまして、わが社も五機、一機当たり十万ドル、五機で五十万ドルの手付金を打っておるわけであります。この価格は大体一台九十億円であります。欧州のコンコードはちょっと速度が落ちまして、マッハ二・二というのを計画しておりまして、これは現在四十一機注文を受けておるわけでございます。こういうことになると思います。
 そこで七、八年いたしますと現実にこの超音速機というものは必ず出現してくる。しかも東京は、先ほども申しましたとおりに世界の航空路上の三大重大ポイントの一つになる可能性が多分にある。日本としては、観光事業あるいはその他のためにぜひそう持っていくべきだと私は思うのでありまして、そのためにはどうしても、現在でも一羽田は非常に狭隘でありまして、新しい世界有数な国際空港をできるだけ早く、がたがたしないで政府できめていただいて、もう今日からやはり手をかけないと、なかなか間に合わないのではないか、こういう心配も非常にしておるわけでございます。実際新空港は非常に計画がおくれております。さればといって、それでは羽田が新空港ができるまでそのままいけるかどうか、これも私は非常に心配しております。羽田自体の現実の問題として、運輸省当局もいろいろ考えていただいておりますが、現在の羽田空港も少なくともこれから六、七年間は、新空港ができるまで使わなければなりませんので、この羽田が新空港ができるまでほんとうに事故がなくて使えるかどうかという点につきましては、私は非常に実は心配をしておるわけであります。その新空港と合わせて羽田自体の問題も、とにかくこの六、七年使わなければならぬのでありまして、できるだけ安全に離着陸ができるようにお考えを願いたい、こういうぐあいに思うわけであります。
 以上、非常に長たらしく取りとめのないことを申し上げましたが、常々私が考えておることを御参考に申し上げて、あるいは非常に失礼なことを申し上げたかもわかりませんが、それはぜひひとつお許しをいただきたい、こういうぐあいに思います。
 どうもありがとうございました。(拍手)

○西村小委員長 次に、全日本空輸株式会社副社長福本柳一君にお願いいたします。

○福本参考人 私は副社長の福本でございます。本日は社長が参りまして申し上げるべきでありますが、あいにく不在でありますために私がかわって申し上げる失礼をお許し願いたいと思います。
 私は根っからの航空人ではありませんが、日本の戦後に驚ける航空再開後の第一日から、全日空の前身であります日本ヘリコプター会社のお手伝いをして今日までまいったわけでありまして、いわばここ十年間、門前の小僧をつとめたその体験から国内航空の実情をありのままに申し上げて御参考になればはなはだ幸いだ、かように存じておる次第でございます。
 国内航空は、ただいま御説明のありました国際航空とは違いまして、日本の国内の航空というきわめて狭隘なる中に多くの会社がひしめき合って経営しておる関係上、なかなか複雑な、一見外部からは想像のつかないような経営上の困難さなり、あるいはトラブルも生じてくるわけでありまして、小委員長のお話のように、率直に申し上げなければ参考にはなりにくいのでありますが、とかく率直にこのまま申し上げますと、あるいはいろいろの方面に多少の差しさわりが生ずるやもしれぬということを非常に心配するものでありますが、この点はそういう意味におきまして、また申し上げる私自身は、この十年間、晩に自宅の電話のベルが鳴りますと、はっと胸を痛めつつ苦難の道を歩いてきた体験談であるという点に御同情を願いまして、御了承をあらかじめお願い申し上げたい、かように存じます。
 わかり切ったことでありますが、航空会社の使命が、安全で便利な運航を提供するものであるということは、これはもう私が申し上げるまでもないことでございます。ところが今回こういうお催しのありました原因ともなりましたように、最近ことに国内航空におきましては、いわゆる世間では航空ブームとさえ言われるようなきわめて盛況を呈しておる業界であるにもかかわりませず、むしろ事故が頻発をして、その基本の問題である安全性まで非常に心配になってくるような奇現象を呈するようになっておるのが現在の国内航空界の現状である、私はかように感じておるものでございます。しかも、その国際航空については、ただいま松尾さんから、その競争力も外国の航空会社に比してきわめて弱いという点を非常に訴えられたように拝聴いたしたのでありますが、国内におきましては、民間航空会社、つまり民間資本によるたくさんの航空会社というものは、いま日本航空が国際線において他の航空会社よりきわめて劣勢なる競争力を持って運営をしておられる以上に不利益なる経営状態を続けていかなければならぬというのがこれまた現状でございます。と申しますのは、飛行場の設備にいたしましても、あるいは会社の資本その他の力におきましても、また所有する人的要員におきましても、採算の点から見ると、きわめて不利益な、採算性のきわめて悪い条件のもとに――ことに日航と比べますと、そういうきわめて条件の悪い、あぶなかしい職場において経営を続けておるというのが現状なのでございます。したがいまして、もちろん航空事故の直接の原因としましては、すでに十分言及されておるところで、幾多の具体的事実があげられておるのでありますが、これを一口に申し上げてみますと、それは、まだ日本の国内航空界の経済的な底というものはきわめて浅いものであるにもかかわりませず、多数の航空会社が乱立をいたしまして、その経営基盤が固まるどころかまだ緒につかない間において、一方航空界の実情は、航空機の非常に急ピッチの発達もありますし、またちょうどただいまはパイロットその他の航空要員の人的な方面におきましても、戦前と戦後の人が入れかわるというきわめて重大なる一大転機に遭遇をしておるということが、あわせて国内航空の存立をきわめて困難にしておる大きな原因だと私は考えておるわけでございます。
 大ざっぱにこれらを考えてみますと、その内容をなすものは、空港施設がもう少し改善されればよい、あるいは事故はパイロットの技術未熟によるものが大半を占めておるのであるから、この技術の向上をはからねばならぬというようなことから、結局は経営の不如意ということが大きな事故の原因になっておるのではなかろうかというのも、大体一般に言われておるところと同じような考えを持っておるものでございます。
 こういう状態におきましては、年々累積してまいりますところの赤字を見るにつけ、不安、焦燥の観念というものにかられまして、まじめに落ちついて路線の開拓に専念するということができず、余儀なく有利な路線を獲得するのに狂奔をして、無理な経営を続ける。先ほども松尾さんからお話がありましたが、こういう甘い、またはある意味からいえば利権的な経営のうちにひそむ考えというものが大きく作用しておるのではなかろうかということも心配の種になってくるわけでございます。
 したがいまして、その対策をどうすればいいかということにつきましては、これは運輸省はじめ、小委員会その他の方々がすでに調査団を派遣される運びになって、各項目について御検討が行なわれておるわけでありますが、見方によれば、これはまず航空会社自体の反省または努力による事態の克服ということを前提とすることはもちろんのことでございますが、公益性のきわめて強い免許事業でありますので、どうしても政府の施策にまたなければどうにもならぬ部面というものがきわめて多いのでございます。この点は国内のことでありますし、もうすでに御承知の点も多々あると思うのでありますが、毎日はらはらして経営をいたすものといたしまして、二、三具体的な事実も申し上げて、御参考になればと存ずる次第であります。
 たとえば、条件の悪いもとに仕事をしなければならぬと申し上げましたが、この第一にくるものは、滑走路の問題でございます。これは聞くところによると、各府県に一飛行場を設けるというほどの盛況は呈しておりますが、その内容は航空施設としてはきわめて不十分なるものがまだ多いのでございまして、大体ローカル線の延長は御承知のように千二百メートルが一応の規格になっておるようでございます。もちろんこれは技術上必要なる延長であることは間違いないと思うのでありますが、しかし人間が運航をいたします実用的な滑走路長といたしましては、きわめて足りない、不十分なる滑走路である、かように実際上の仕事をしてみて私は感じておるわけであります。たとえば戦後起きた事故、またわれわれの会社といたしましても体験をして、申しわけない事態も起こしたこともありますが、よくオーバーランをやります。滑走路からはみ出すようなことがしばしばあるのでありますが、これは滑走路が短いだけでなしに、滑走路へ入るときの進入角度というものが、滑走路がもう少し長くなければ、またその周囲の障害物がもう少し整理されていなければ、低い角度をもって遠方から近寄るわけにまいりません。ただいまは大体三十分の一で入ることになっておるのでありますが、少なくとも五十分の一ぐらいな角度をもって入れば、接地点が中のほうにならずに十分に使えるということがあるのでありますが、ちょっと誤まりますと、また障害物があれば、とかく人間の心理状態といたしまして、それを余分によけて入るということは、これは免れないことでございます。大分空港における先般の事故も、私はしろうとでまだよくわかりませんが、材木の積んであるのに当たったり、いろいろのことを見れば、多少こういうことも心理作用として影響しておったのじゃなかろうかと想像しておるようなわけでございます。そのほか航空保安施設の問題でありますが、これは離着陸の誘導装置あるいはレーダーというようなものでございますが、これがあるとないとでは、またこれが使えると使えぬということでは、運航上の安全性はもちろんのことでありますが、ちょっと天気が悪ければもう欠航しなければならない。また行ってみてちょっと雲が多ければ、ほかの飛行場に行かなければならぬ、かようなことは、単に安全性にきわめて重大なる不安を感ずるのみでなく、お客には迷惑をかけ、会社は迷惑をかけた上に非常に損失をかぶらなければならぬ、こういうような事態が起きますので、空港のいいところで商売をするのとしないのとの開きというものはきわめて大きくなり、ローカル航空会社というものは、かようなところを本場の仕事場として使わなければならぬという条件下に置かれておるようなわけでございます。
 それからもう一つ、直接空港に関係のある方はよく御存じでありますが、世間にあまり知られていないで、しばしば小言を食いながらどうすることもできぬ問題が一つあるのは、飛行場自体、空港自体の運営時岡の問題、これはローカル空航はたいてい十二時間勤務になっておりますが、これは少なくとも十六時間にしていただきたいというのが、ローカル航空会社あげての念願でございます。しかしこれも予算を伴うものであり、人員の不足というような点でなかなか実現がむずかしいのでございますが、しからば従来どうしておったかということになりますと、地元の空港の従業員のお方の御協力、われわれもお願いをするのでありますが、そうして時間をオーバーしても、飛行機がおくれたりいろいろする時分には、これを運営していただくということが起こっておったのでありますが、近来この労働組合運動というものが非常に盛んになってきまして、ある航空会社でそういう行為をやっておるということが、お互いの間ではなかなか許されぬことになって、いわゆる共闘とかという方式によって時間厳守ということに相なりますと、せっかくシーズンに入り、日も長くなって、まだ太陽はさんさんと照っておるにもかかわらずもう店じまいをして、飛行機は遊ばせなければならぬ、こういうことに相なりますので、これは飛行機の稼動率が非常に下がって不採算性を増すのみならず、ダイヤの編成も十分できないし、地元のお方のお客さんはまだ日があるのにもう店じまいをするとは何ごとかと言って小言をちょうだいするというようなケースがきわめて多いのであります。これは何とかして早く、幹線における空港の運営と同じように二十四時間の運営にしていただければ、日本航空さんがやっておられるように、暁の運航も夜中の運航も十分にできて双方利得が増す、こういうことが残されておる。
 なお少し話はこまかくなりますが、その上に十六時間の運営の仕方にも、まだ改善を希望する点がずいぶんある。たとえば全日空の便で宮崎を晩の六時にたって羽田に直航いたしますと、八時二十分には着くことになっておりますが、六時に宮崎を出発した全日空の飛行機が羽田に旭くまでは、宮崎空港の運営にあたっておられる従業員のお方は責任が解除にならぬから待っておらなければならぬ。これは二時間余りもこういうことにさくということはきわめて重大な問題であり、技術の問題として、私はしろうとでありますが、わが社のそういう担当者に聞きますと、それは途中に飛行場が幾つもあるのだから、そこへバトンタッチしてやっていけば、だんだんもとのところは済むじゃないか、早く帰れるじゃないか、こういうような砧もしておったわけでありますが、こういうこともあるということを一言申し上げておきたいと思うのであります。
 そのほかには、まだ米軍の飛行機というものが国内の至るところにあります。一等関係の深いところには厚木にもありますし、そのほか方々にあります。そうしてそこはスピードの速いジェット機の練習がしょっちゅう行なわれておる関係上、これを避けて迂回航路を運航しなければならぬ。これは国情としてやむを得ないのでありましょうが、これも先ほど松尾さんからも政府に要請されたように、何とか主要の路線についてはこういうことも緩和していただくならば、輸入ガソリンの節約にもなり、会社の経営には非常なプラスになるということで、これは数億円の問題がすぐここにころがっておるようなわけでございます。
 なお、危険性防止の問題につきましては、これは先ほどもありましたから私は触れませんが、羽田はすでに東京における自動車と同じような様相を呈するような傾向になりつつありますので、すみやかに国際空港の実現を期しまして、そうしてその安全をはかってもらいたいと思うのであります。われわれも及ばずながら、さきに藤岡航空を合併して以来というものは、あそこで遊覧の小さい飛行機がちょろちょろいたしまして妨げをするのは大きな損失であるというので、合併後におきましてはこれを中止いたしまして、幾ぶんでも緩和のほうに貢献をしたいという気持ちをあらわしておるようなわけでございます。
 そのほか、パイロットの不足による経営の圧迫ということは、先ほどお話がありましたから、私は省略をいたします。ただ繰り返して申しますが、パイロットは、われわれの会社におきましても、戦前のベテランがただいままで主力になってきたのでありますが、十年たった今日は、年齢のかげん上、終戦後において養成された人々が新たに第一線の機長として交代をするという大きな転機に来ておりますので、これは専門家の間におきましても、その技術の向上、充実ということは真剣に考えて善処しなければならぬ問題だ。これはみずから反省をしつつやっておるようなわけであります。
 それからその他、これも予算に関係があるので、私からあまり申し上げるのはどうかと思いますが、運輸省のチェック制度の問題であります。これも空港の運営と同じように、訓練ができまして機長になる、あるいは路線の認可を得るためにチェックをしていただく申請をするのでありますが、何分その申請の数が多くて手数がないものでありますから、これは幾日も幾日も待たなければやってもらえぬというのが現状でございまして、これは累計いたしますと、一ぺん調べてみたことがあるのでありますが、合わせてみれば一年の間手をこまねいていて機長になる者が待つというような場合もずいぶんあるのでありますが、これも予算に関係のある人的問題でありますので、深くは申し上げないことにいたしたいと思います。
 それから、経営の内容につきましてこれは直接関係のあることでありますので一言御参考に申し上げたいと思いますのは、結果から申しますと、六礼も七社もある各国内航空会社が届け出をされておる。その届け出数字というものと、日航さんも合わせ、われわれも合わせての数字から見ますと、相当の利益を計上して、お互いが共存し得る航空基盤があるかどうかという問題が大きな根底的な問題をなすと思うのでございます。いろいろな数字から検討いたしてみますと、そういう余地はほとんどない。また、ここ数年それは見当たらない。ちょうどコップの水を大ぜいで分け合って渇をいやすようなもので、どんなにじょうずに分配をいたしても、渇をいやすだけの一人前の分量は存在しないというのが、まだ浅い現在の日本の国内航空の実情だ、私はそう考えておるのであります。試みにその点で申し上げてみますと、三十四年以来今日までの状況が数字によってきわめて明らかになっておるわけでございますが、それは一口に言えば、需要は非常に順調に伸びておりますが、採算性はそれと反比例をして、低下の一途をたどっておる。これが私がただいま申し上げる理由でございます。ちょうど需要は四年間に四二倍伸びたのでありますが、ところが、その収益のほうは、ローカル航空会社の赤字はむしろ逆に五倍くらいにふえてきたというような現状でございます。なぜそういうふうになったかと申しますと、先ほども申しましたように、将来の収益を目当てに航空機その他の投資をいたさなければできないし、日本の現状におきましては、国産機のYSHもまだ実用に供しておりません。したがいまして、部品の一つ一つに至るまで、ことごとく外国からの輸入に待たなければならぬので、もちろんコスト高は当然のことでございますが、収益に比較して投資がきわめてオーバーになり、いわゆる投資効率というものが非常に低いというのが現在の航空界の実情でございます。したがいまして、先ほども話がありましたが、たくさんの航空会社が非常な意欲を持ってわれもわれもと乱立するに至ったというのは、外見上の需要面だけの成長に幻惑されて、官民ともに膨張政策を余儀なくされた。こういうところに相当大きな原因がひそんでおるように私は考えるのでございます。したがいまして、これらの状況下における措置、対策をどうしていくかということが問題になるわけでありますが、これは希望はありますけれども、僭越にわたりますので、解決はその筋のお方にお願いするといたしまして、参考資料を提供いたしたいと存ずる次第でございます。
 御承知のように航空機は償却ということがきわめて経費の大きな部分を占めておるわけであります。償却の点について申し上げても、現在は新しい飛行機だとたいてい七年間の償却年限がございますが、そうしてこれを償却することが次の経営を維持する根本ではございますけれども、現在ローカル航空会社でほんとうに完全なる償却をやっておるものがあるかといえば、私は皆無であると申し上げて過言でないと思います。と申しますのは、航空機のいまの急ピッチの発達から考えてみますと、むしろ七年は長きに失するのでありまして、すみやかに償却を完了しなければ、古くなればなるほどコストは高くなって、お客のアッピールは下がってくる、こういう現象がありますので、償却におきましても定率償却ということは最も適当なる償却方法として行なわれなければならぬと思うのでありますか、定率の償却をやっておる航空会社は、日本航空はじめ全部ありません。われわれも定率で許可は得ておりますが、まだそこに達しない状況となっておるのであります。だから、全日空が利益を出しておるとは申しましても、これはまだほんとうの意味の利益と一言い得るかどうかも、そこに疑問があるわけでございます。
 それからもう一つ飛行機の経済寿命というものは、先はどスーパーソニックの飛行機の話がありましたが、あんなりっぱな飛行機でなくても、各飛行機ともテンポが早いので、物理的には十分使えるのでありますが、実際上は経済的な寿命を縮めつつあるというような傾向が現在の実情でございます。
 それから、これも重複いたしますが、会社が自立をして将来経営を続けていくためには、どうしても資本の自主的増加をはからなきやならぬ。これはどうしても増資をしなければできません。ところが、増資をするのには増資をするに必要な最小限度の利益配当というものを行わなきゃならぬのでありますが、これを得るためには、現在航空界を大ざっぱに申し上げますと、日本航空も含めて国内航空の全部の総資本は約百四十億ぐらいに見積もっておるわけでございます。そういう見当をつけておりますが、かりにそれに八分の配当をしようといたしますならば、税引き前は二十三億円の、利益をあげなければならぬ。しかも次々に変わっていく飛行機を適当に増強していくためには、一般の会社と同じように、またそれ以上に必要がありますので、大体三割程度の増資をしなければならぬとしますと、総資本は百八十二億。そうすると税引き前の利益は三十億円をあげなければならぬわけであります。これは現在の届け出のある利益の総計を合わせてみましても九牛の一毛にすぎないのでありまして、当分これが適当な利益にまで上昇するとは何としても考えられないようなのが現在の国内航空の状況でございます。そうして、いま申し上げたのもある程度の確実な数字ではないので、多少は相違をするところもあるかもしれませんが、それほど現在の航空界における貸借対照表の描け出というものは、ほんとうの実情を反映しておるかどうか疑問があるほどまだ整っていないのが現状でございます。日本航空さんは別でありますし、われわれもその点は同様実情を反映しておりますが、一般にはまだそこまで至らぬのが実情であると思うのでございます。
 以上申し述べてきましたので、大体国内航空の歩んでおる現状がどうであるかということはおよそ御推察を願ったと思うのでありますが、しからば、そんな底の浅い分量の、ボリュームの少ない、片方においては七社も八社もある航空会社を育成をして、ほんとうに飯を食わしていくことができるのかどうかという問題が最後に残ると考えます。この点については、多少愚見に属することがありますので失礼かもしれませんが、考えの一端を申し述べさせていただきます。
 それなら絶対に考える余地は、利益を見出す余地はないのかと申しますと、多少日本航空さんに関係があるので申しにくいのでありますが、私は、日本航空さんの存在ということをどう見るかということがここに起こってこなければならぬと思います。というのは、日本航空さんの国内航空というものは、国内航空の観点から申しますならば、きわめて飛び抜けた強大なる競争力を持って臨んでおられるということが第一の前提でございまし七、しかもあげられた収益というものは、赤字を出しておる航空会社の他のローカル線の穴埋めにカバーされるのではありません。これは十分知りませんが、聞くところによれば、国内線でもうけて国際線の赤字を埋めるんだ、こういうお話に聞いておりますが、現在もその政策がとられておるかどうかは別問題といたしまして、現実の問題といたしまして、きわめて有利な、国内といたしましては好条件のもとに運営をいたし、また強い競争力のもとにこれを運営して、あげた収益というものは国内のローカル赤字に還元することなく、国内の航空事情からはきれいさっぱり持ち去られるというのが現状でございます。私は、それほど国内のローカル赤字が多いならば、それはそれに還元をしてやる方法、措置というものが政策として考えられないものであろうかどうかということを思うものでございます。というのは、ローカル線の航空会社は、赤字を続けていきますと、土俵からはみ出して破産のうき目にすぐ遭遇するのでありますから、ここに焦燥感を抱き、背伸びをして経営をし、危険をおかしてやるということも、悪いことではありますが、また同情すべき点もあるのであります。ところが、法律によって存立を保証され、利益が薄い場合であっても、大半の株主は後配株として配当の必要はございません。さらに大きな赤字を続けてしまっても、破産ということはなくて済む状態に置かれております。したがいまして、私は、ここに国内航空においては、少なくとも日本航空さんと競争的立場におるものは、経済上の公正なる競争を行なわれるという観念は存立し得ないものだと考えております。俗なことばで言えば、相撲の土俵の制約を受けない相撲取りさんと土俵の上で相撲をとるようなもので、勝ちっこは絶対にあり得ない、かような感じがいたすのでございます。こういうわけでありますので、この点をどういうふうに活用したらいいかということがいわゆるローカル線、ことに最近問題になっております合併三社の日本国内航空の誕生にあたりまして、将来これを育成するのにいかなる栄養分をどこで調達してくるかということが問題になり、万一他人に、他の航空会社に迷惑をあまり及ぼさないで滋養分をつけてやろうと思うならば、そういう点に支障のないところに資源を求めるということが賢いやり方じゃなかろうか、かように私は思うのであります。日本航空さんというものの存在は国家的にきわめて重要なものであって、先ほども話がありましたが、国際的には弱いこの競争力は、二千億も鉄道幹線に入れる余裕があるならば、なぜ外貨の獲得のこの国際線の路線建設にその半分でもつぎ込むことができないのかどうかということに対しては、私は国民の一員といたしましても多大な疑問を抱いているような次第でございます。
 それからもう一つ、これは全日空に関係のあることで恐縮でございますが、いま生まれてくる日本国内航空の誕生の育成は、これはやらねばならぬことは運輸大臣ははっきり申されているのでありますが、そういたしますと、これはまことにけっこうなことでございますが、他にまだ東亜航空とか中日本航空とか長崎航空とかいうようなローカル会社が苦難の道を歩んで経営をいたしております。藤田航空は、先ほど申し上げましたように全日空が合併をいたしましたので、ただいまはございません。そうすると、こういう航空会社はいままでどうしておったかと申しますと、全日空と自主的に業務を提携いたしまして、相互にコストダウンなり、また運送の内容を向上させるために協力してまいった。そうして全日空といたしましては、ローカル路線でありまして、譲れば双方便利なようなところもありますので、逐次お互いに共存の意味におきまして路線を譲りながら、いわゆる自主調整を遂げてきておるわけでありますが、万一政府の恩典を浴するためには何社かの合併ということが必要であるならば、これらの会社も全日空と業務提携をしておる不利を振り捨てて、政府にそういう同じような補助を得たいということを申し出ることに相なるということはきわめて明らかで、私なんかも、おまえさんのところとなまじっか提携しているために非常に不利益に落ちそうだということをしばしば訴えられるような現状でございます。
 それからもう一つ、これも日航さんに関係があるので申しにくいのでありますが、この航空の経営を困難にする大きな問題は、先ほど申し上げたように機材の償却ということもありますが、さらにもう一つ大きな問題は人件費の重圧ということであります。急速にこれが盛んになってきましたのは――ことに他のことを言わずに全日空の実情を申し上げますと、春闘があり、年末が参るたびごとに、パイロットからは、同じところを同じように飛んでおるのであるから、乗務手当も日航さんと同じにしてくれということをしょっちゅう言われるのであります。これはわが社のみの問題でなくて、他の航空会社もまたわれわれより給与の内容が低いものでありますから、まず全日空並みにしてくれということを言われるそうでございまして、逐次今日共闘の風潮が盛んになればなるほどこれはレベル化されるという趨勢は免れることができないので、いまやこういう対策が経営の相当大きな部分を占めるようになっておるわけであります。私は、ここに実情は違うのでありますが、一般の産業界におきましては、民間の給与が高くて官公のほうが低いのが通例のように記憶しておるのでありますが、航空界におきましては、いわゆる国策会社である日航さんの給与が一等よくて、民間の航空会社のほうが下にある。これはそれが当然な結果かもしれませんが、平易に考えてみますと、逆になっておるような気もいたします。したがいまして、レベル化を要求されることももっともではなかろうかと苦慮をいたしておるようなわけであります。
 そこで最後に、国内において何らかの栄養分をさがし求めるといたしますならば、以上申し上げたような点もありますが、全日空といたしましては、日航さんが一ATAとして経営をしておられる国際線以外に、ごく近い外国にはノンIATAの形式においてかせぎ場所を見つけるようにいたしますならば、これはまた国内航空育成のために相なると思うのであります。現段階におきましてはCATその他二、三の外国の小さい航空会社はきわめて古い飛行機を持って大阪あたりに侵入をして、日本の航空界に雄飛をいたしております。私はこういうふうなのを見るにしのびないような企業意欲をかり立てられるのでありますが、こういう点についてもわれわれは国際線をやりたいというような希望でなくて、国内の航空にはいま申し上げるようなきびしい経済事情があるのでありますから、外国並みに近隣の友好を助長し、外貨をかせぎ、双方の交通を緩和するために必要あり、また余地があるならば、出ていくべきであり、出かせぎをすべきではないか、かように考えておりますし、現にそういう実例は、保護もずいぶん受けておるわけでございます。あながち無理な注文とのみは考えていないような次第でございます。
 いろいろ長く申し述べましたが、先ほどもあらかじめ申し上げましたように、あまりに苦難の道を十年間歩んで、株主さんにも御迷惑ばかりかけてきたものでありますから、多少申しにくいことを申し上げた点もあると思うので、この点はあしからず御了承をお願いしたいと思います。
 それから、もう一つ言い落としましたが、国内においてはまだ開発をして十分なる収益を上げるに至っていないような路線に重複的にこれを認めるということは、いわゆる正直者がばかをみるというぐあいで、だれもまじめに路線を開拓する者は将来なくなります。しかも同じ十分に収益が上がらぬところに二つの会社が競争いたしますと、どうしても競争の中心は機材でありますから、劣性な機材を持っておるものは、必ず同じ機材を要求して、ここに無理な過当競争、機材競争というものを誘発することは明らかであり、ひいて事故を起こす原因とも相なると思うので、最後にこれをつけ加えさせていただきまして、私の申し上げることを終わります。(拍手)

○西村小委員長 これにて参考人の御意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――

○西村小委員長 続いて質疑に入ります。質疑の通告がございますので、少し時間がおくれましたが、順次これを許します。長谷川峻君。

○長谷川(峻)小委員 最近航空事故が起こって以来、運輸委員会の中に小委員会が設けられ、きょうの催しは、航空事故が起こってからの町参考人としての御意見を伺って、日本の航空政策の根本問題にまで触れてきたと思うのです。そういう問題については、あとあとで委員会で質疑が起こり、あるいはまた当局に対していろいろ具申する点があろうかと思いますが、この際に参考人に直接事故の問題等々について二、三簡単にお尋ねをいたします。
 それはオランダのような国が、国会が始まれば女王が施政演説をされる。そのときに一番先に取り上げられるものはやはり航空政策である。そうしたところが、先ほど松尾参考人の話のように、KLMは八二%も自国人が乗っておる、こういうことにあらわれてきておるのです。だから終戦後日本の空から飛行機が一台もなくなったときに、航空関係者はもちろんのこと、一般の方々も非常に遺憾に思っておった。そこで口航法が生まれたときに、それまでアメリカの下に働いておったパイロット諸君が、向こうの純与がいいにかかわらず、安い給与でも自分の空でひとつ雄飛しようとした。あなた方経営者とあわせてそういう技術屋の諸君の熱意というものが今日の日本全体の航空政策というものを拡大させた。まずこのことを私は銘記しなければならぬと思います。しかし経営内容については、たとえばただいま全日空の福本さんがおっしゃったように、毎日はらはらするような経営をされておるということになりますと、私たちは、いまやあらためて日本の航空政策を十二分に考える段階に来たと思う。それについては、どちらかというと、日本航空と全日空、すなわち国際線の問題と国内線の問題でいみじくもいま福本さんから、並んでおられる日航の社長さんのそばで申し上げにくいことといってだんだんの話が出ましたが、そういう根本的な問題などについても出てくると思うのです。ただいま全日空からの「国内定期航空事業のあり方に関する陳情並びに所見」を拝見しますと、問題は、結局民間航空の場合には、日航との関係というものがここに初めて具体的に出てきておるのだ、これについてかつて日航といえども全日空に出資したこともあるし、あるいはまた機材あるいは技術の相談等にあずかっておったやに私は理解しております。そういうことからいたしますと、これはいろいろな技術問題等々もありますけれども、その前に日航さんのほうから、いま全日空が申された民間航空会社のあり方について、国策会社として高きベースのレベルがあるとか、あるいはまた国内線でもうけたものを国際線のほうに回しておるから、そのほうを自分のほうによこしたらいいじゃないかというような話なども出ておりますから、まずこういう問題について日航さんの従来の経過と、それから日航としての立場というものを、幸いにこういういい機会でありますから、全部が聞かれるチャンスというのはなかなかないので、その辺からお話しいただきたいと思います。

○松尾参考人 ただいま福本さんからるる話がありましたし、長谷川先生からいま御質問もありましたので、率直にお答え申し上げたいと存じます。
 私は航空事業が国によって、経営が非常にやりやすい国、それから経営が非常にやりにくい国というのが先天的にあると思っております。たとえばアメリカあるいは南米、こういう地域が非常に広範囲でありまして、地上の交通機関と航空機とでは非常に時間的の差があるというところは、国内線というものが非常に有利にできる、しかし日本は、お考え願っても、ただ北から南に長いだけでありまして、国内の民間航空を経営する上には先天的に非常にハンディキャップがあると私は思っております。そういう意味におきまして、日本の国内の民間航空というものはあまりにも数が多過ぎる。私はいつか全日空さんの前身である日ペリと極東航空とございまして、政府の方針で両方ではなかなか立っていけないからというので合併のあっせん役をやったわけであります。われわれはどっちかといいますと少し経験があったという関係もありまして、これは六、七年前と思いますが、その当時全日空さんが事故を起こされまして、これではいかぬじゃないかという議論が政府に起こりまして、たしか岸内閣のときと思いますが、内閣に航空事故何とか懇談会ですか、そういうものができまして、われわれもその委員のメンバーに入りまして、そのときの結論で、日本航空は経済的あるいは技術面その他の面について全日空に協力すべきであるという結論が出ました。私はそのときこれは日本航空会社にそういうことだけを言うのじゃなくて、政府でも、諸外国がやっておるように、非常に過渡期でございますから、たとえば郵便で補助していくとか、そういうこともやるべきじゃなかろうかという意見を申し述べましたけれども、そういうことはあまりやられなかった。ただあの結論を実行したのは、私は日本航空だけだと考えております。これは福本さんもよく御存じと思いますが、特に美上路さんと死んだ中野君はよく知っておられると思うのですが、あのとき私たちは全日空さんが経営状況が非常に悪いというので、ヘロンその他三機ばかりチャーターで出しておりますが、その当時はチャーター料も延び延びになって、なかなか手形ももらえないというような実情もあったわけであります。そういう点でも私たちは援助をいたしまして、そして出資もするということで、たしか現物出資で一億五千万、その他現金で一億、おそらく二億五千万くらい全日空さんに出資をいたしまして、同業者でございますから、いろいろお互いに助け合っていくということで今日に来ております。その後順次増資をされまして、全日空さんにはこの前まではたしか百二十万株、日航は最大の株主になっておるわけであります。そういう関係で、その当時全日空さんはローカル線だけやっておられまして、幹線には入っておられなかったので、やはり幹線をおやりにならないとなかなか採算がとれないだろうということで、東京-札幌、東京-大阪に二往復ずつ幹線に入られることを、いろいろ社内には反対がありましたけれども、われわれは承認いたしました。その後便数がふえまして、最近では東京―大阪、東京―札幌を将来は五―五でいくというような態度で私たちは全日空さんと協調していっております。こういうぐあいに御理解願いたいと私は思っております。
 それから全日空さんから、国内幹線は全日空で全部やったほうがいいというお話もあったようであります。これはわれわれもあるいは全日空さんも、ジェット機時代になって、アメリカ自体でも非常に航空会社が多過ぎるのではないかという政策が打ち立てられまして、アメリカみたいな大きな国でもわれわれの十倍もある会社がやはり合併合理化するという方針で来ておるわけであります。たとえばユナイテッド航空会社とキャピタル航空会社が合併、ハン・アメリカンとTWAが合併を推進したけれども、なかなか進まないという事情があります。そういうふうに航空会社というものは、ある程度世帯が大きくないと合理化ができないということが非常にあるわけであります。たとえばアメリカの国内にいたしましても、イースタン・エア・ラインズとアメリカン・エア・ラインズと合併するという機運が一昨年あたり非常にあったわけであります。なぜそれが合併するかと申しますと、イースタン・エア・ラインズはアメリカ大陸の北のほうをニューヨークから太平洋岸に来ているわけであります。そうすると、これは冬はほとんど合理的にいかない。お客が減る、飛行機が余ってくる、人間も余るということなんですね。オン・シーズン、オフ・シーズンの影響をこの会社は非常に受けます。しかしアメリカン・エア・ラインズは南側を東から西に定期を持っているので、この両者が合併すれば、一年間を通じてオフ・シーズン、それからオン・シーズンがないではないか。お互いに北側がオフ・シーズンになれば飛行機を南側に持っていく、南がオフ・シーズンになれば北に持っていくということで、飛行機の台数も減って非常に合理的にいく。そういうことで会社の経営が成り立っていくという行き方を世界各国でやっております。それから御承知のとおり、欧州ではエア・ユニオンというものができかかっておりまして、国が違っても、お互いの会社を一つみたいにして、そしてお互いの持っている国際的の権益を各社で合わせた飛行機で合理的に運営をしていってもうけていこうという政策も国際的に講じられておるという状況であるわけであります。そこで、これははなはだ失礼な言い方ですが、四、五年前に私がうっかり言った意見ですが、日本の民間航空はどうすれば最も一合理的にいくかということを常々考えておりまして、私は日本航空と全日空と合併したほうが一番合理的だ、最もよろしいという意見をちょっと言いましたところが、非常に攻撃を受けたという事実があります。しかし、なかなかそういう合併というものはできませんので、そうすれば全日空さんとわが社とどういうぐあいに提携していけばいいかという問題になるわけであります。そこで国内幹線では、現在の日本航空としてはある一定した利益をあげていけばよろしいということは、国内幹線でいろいろパイロットなりあるいは乗務員なりあるいは地上の職員なりあるいは技術屋なり、すべてが十分な訓練を受けて国際線に行くということが非常に望ましくて、しかもこういうことが国際線を運営するための競争力を強めるというぐあいに私は確信しておるわけでございます。ハン・アメリカンは国内線を持たないわけでございます。ハン・アメリカンはなぜこの数年来ノースウエストと合併の政策を立てたり、あるいはTWAと合併するということをやったかといいますと、パン・アメリカンの一番痛いところは、国内線を持たないということであります。これが一番痛い。国内線である程度のそういう人的訓練なり、あるいはその他の合理化するための施策として、国内線があるということは、国際線に進出するための一つの足場だと思う。たとえば他の企業にいたしましても、国内でしっかりした基盤を持たなければ、他の国に絶対勝てないと思います。それとほんとうに同じでございまして、日本の国内線を分離させるという議論は十年来あるわけですが、私は一貫してそれに反対してきたわけです。国際線の基本もまだきまらないのに、国内線も国際線も飛ぶというようなことでは、これは日本航空としては反対であります。かりにこれがドイツあるいはイタリア、あるいはフランスみたいに、ほんとうの航空政策というものが国会で打ち立てられて、日本の政府はこれでいくのだということができて初めてそういうことを私は論議すべきだ、こういうぐあいに考えております。
 そこで、国内線の全日空さんからもいろいろ問題がありましたけれども、私は全日空さんとはできるだけ協調する、私たちは協調の手をほんとうに差し伸べておるわけです。そういう意味におきまして、いま国内線でもうけた金を国際線にやっているというお話もありましたが、それは現在は国内でも国際でも利益をあげております。国内幹線で何もがめつくもうけていくという考えは、わが社の方針として持っておりませんで、できるだけ全日空さんと協力をし、同業者がやはり立っていく、あるいは今度生まれた国内航空会社もやはり立っていくということで、一応私は国内はここ三、四年それでいって、そうした後また国内の航空事業の再編成といいますか、そういうものを、あるいは業者間がお互いに考え、あるいは諸先生方の御指導で考えていくということが私は非常に望ましい、こう思うわけでございます。そうしないとこれを一挙に再編成するといいましても、おのおの会社の存立の歴史がございまして、私は非常に困難だと思います。
 それからもう一つ、国際線の問題ですが、国内線で非常に利益があがらないから、国際線に出ていったらどうだろうかというような福本さんのお話もございましたが、これももっともな話だとは思いますけれども、それをやりますと、今度は国内線以上に国際線がやはり乱脈になるというぐあいに考えているわけです。たとえば国際問題では非常にたくさんの問題を、現在運輸省あるいは外務省、われわれにはらんでおるわけです。政府の外交政策が国際線ではぴんぴんと響いて、営業にも非常な支障を来たす、こういう実情でございます。たとえば、私はもう数年来、東京―モスクワ、ダイレクト相互乗り入れということを主張してきたのですが、これがわれわれ同業者の間でも東京―ハバロフスクまででいいじゃないか、あるいは諸先生方の中にも東京―ハバロフスクでいいじゃないか、あるいはその他第三者が日ソ合弁で新潟とハバロフスクでいいじゃないか、こういう議論が一部に起こっておる。そうしますと、せっかくモスクワ-東京、ダイレクトで行こうという気になっておっても、おまえの国では東京-ハバロフスクまででいいという議論が多分にあるじゃないか、こういうことになる。あるいは中共の問題でもそうだと思う。こういうことが非常に大事であります。私は、航空協定の権益というものは、国家百年の権益だとほんとうに思っておる。こういうものは、国全体がやはり一貫した考えで交渉をしていかないと、絶対に有利な権益はとり得ないと私は思っております。そういう点でも、国際線というものは、やはりルフトハンザでももう一本でやっておるのです。やはりドイツあたりを見習うべきだ。われわれよりおそく出発しまして、今日はわれわれよりも数等上の航空界の地位を獲得しておる。こういう実情なんでありまして、そういう面も考えまして、やはり国内にできた会社は事故を起こさぬようにお互いに協力して助け合っていく、そうして過渡期でございますので、一挙にはいきませんので、三、四年先にりっぱな航空政策を立てていただいて、もう一ぺん航空再編成というものを慎重に考えていただく、こういうことを私は非常に痛切にお望みする次第であります。

○長谷川(峻)委員 いまのお話で大体了解をいたしましたが、次に、ちょっと技術のほうに入ってみたいと思います。
 松尾さんのお話の中に、航空事業というものは公共事業であるけれども、セーフティ・ファーストが一番であろうと思う。これがちょっとでも危険を感ずるところに非常に問題がある。ところが、操縦するのはパイロットですから、そうしますと、先ほどあなたのお話の中に、日本で乗っておる諸君は一万時間にも一ならない者が乗っておる。外国は大体一万時間以上だということですが、私はやはり層の厚いことが非常に大事だと思う。それから福本さんのお話の中にも古きパイロットとちょうどいま断層ができつつある、非常にたいへんなことだというお話があった。そうしますと、宮崎に運輸省の航空大学などもありますが、私は自分の考えとしては、いまのような訓練でいいんだろうか。下宿からぶらぶら通っていって訓練を受けて、また、下宿に帰ってごろごろ寝るというふうなかっこうでは、やはりまずいのじゃないか。ドイツの例を引かれましたが、ドイツの場合でも、ヨーロッパでは空軍の者が一番多い。そうすれば、日本の場合でも空軍の中における一番時間の少ない者と、そういう大学を出た者の訓練度は、大学を出た者のほうがいいのじゃない、こういうように私は感じておるのです。それが一つと、もう一つは、ですからそこで私は寮生活をして、学生は寮生活の中においてさらにまた大学へ行って勉強させるというようなシビアーなものを少しやらないと、人間の命をあずかるのですから、そういう方法も一つあり得るのじゃなかろうかと思いますが、専門家としてのあなたの御見解を伺いたいと思います。

○松尾参考人 パイロットの問題は、先ほどから私いろいろ申し上げましたとおり、これはわが国においては非常な断層があるわけです。非常に経験者が少ない。戦前経験があった者は、先ほど福本さんからお話がありましたが、もうぼつぼつ引退しなければならぬというような時期にだんだん到達しておる。しかし、飛行機はどんどんスピード・アップしてなかなかむずかしくなっておる、こういう実情です。諸外国は、先ほども申しましたとおり、ほんとうの補給資源というものは八〇%が空軍に置いておるわけです。そういう意味からいたしまして、航空大学のあり方がほんとうにいいかどうかという問題は、私は常に二、三年申し述べておりますとおりに、やはり寄宿舎制度あるいは寮制度というものは、少なくとも防衛大学あるいは商船大学よりも、もっと航空大学はシビアーであってしかるべきだ、もっと金をつぎ込むべきだと思う。先生がおっしゃるとおりに、ほんとうに寮生活をする寄宿舎をつくって、防衛大学程度のやはり心身の訓練をやってやらないと、これは非常によくないと思います。そのためには、私はるる航空大学のあり方について建言したわけであります。
 それからもう一つ、いわゆる自衛隊でございますが、自衛隊が使っている金というものは膨大なものでありまして、訓練の施設、あるいは整備員も一含めてですが、膨大な施設を持ってやっております。われわれ民間航空会社がもう三十年さか立ちしても一とてもできないようなりっぱな施設を持っておられることが一つと、それから教官が非常に豊富にある。航空大学は教官が豊富でない。給料が第一安い。優秀な航空の教官は、おそらく航空大学には行かないと思うのです。ほんとうならば、ああいう航空大学とか、ほかの大学でもそうですか、毎年の卒業者のうちから最優秀な者がそこの助教に残って、将来その学校の先輩として教官になるのが私は普通だと思う。そうすることによって、その学校の校風と申しますか、いわゆるアトモスフィアのりっぱなものができていくのだと思うのですが、航空大学を出て、優秀な者で残る者は一人もいない、そういう状況ではほんとうのパイロットの教育はできない、私はこう思うわけです。それでは航空大学の教官の給与を上げられるかと申しますと、これは役所ですからなかなか上げられない。こういう非常なジレンマに航空大学はあるわけであります。航空大学では少なくとも寄宿舎ぐらいは予算をつけていただいて、それから教官の給料も、民間と同じとは言いませんけれども、優秀な教官が集まるような予算のつけ方なり考え方を徹底してもらう、あるいは、これはできるかどうかわかりませんが、自衛隊からでもリタイアしたような人をある程度の給料で迎えてやる、こういうことを考えないといけないと私は思うのです。それから航空大学自体のそういう優秀な教官ができても、それじゃこの教官は将来どうなるか。いうまでも一生教官か、こういうことにもなるわけであります。だからそういう点が私は非常にむずかしいと思います。しかし、いま皆さんの御協力で、自衛隊に私たちは毎年二十名ばかり訓練を委託しておりますが、自衛隊の教官は、これは何も教官で終わるわけじゃありませんで、空将とかほかへ行かれる。そういう非常な希望があるわけです。したがって優秀な教官がおられる。こういうことなんですね。そこでその辺、同じ政府の金を使っているのですから、もっと合理的に使うような措置を講じてもらうということが一番大切ではないか、私はこういうぐあいに考えるわけです。
 それからもう一つ申し上げたいのは、事故防止はパイロットだけではないと私は思う。これにはやはり先ほども申しました政府の施設もございますけれども、そのほかに会社自体のいわゆる技術陣容、ほんとうに経験豊富な技術陣容、こういうものが絶対に必要だと私は思うのです。私の日航は、整備会社を合併いたしまして、技術屋だけで三千名ぐらいおる。そうして施設も何十億もかけてやっている。こういう施設をもって相当の訓練を経ていますけれども、これでもなかなかで、毎日安全ということに対しては社長以下われわれは非常に熱心に意を用いてやっておるわけでありますが、何せ戦後日が浅いですから、会社自体が十二、三年、われわれのところは平均年齢二十七、八でありますから、まだ非常に若いのであります。これから十年もたちますと、それは非常に優秀な者が出てまいり、組織もがっちりできることと思いますので、安心してもいいでしょうが、実際は日航自体もあれだけ金をかけてもそういう事態でありますので、これは全日空さんだって、そういう技術面については層が薄いと私は思うのです。その他の航空会社については、そういう面についてはほんとうに紙っぺらより薄いと、あまりほかの航空会社のことを言って悪いのですが、実際は私はそうだと思います。運輸委員会の方々、少なくとも航空小委員会の方方には、羽田の各工場で、われわれがどういうことをやっているかということを一度あるいは一日ぐらいかけてほんとうに見ていただきたい。そうしてぜひ認識していただきたい。実はそれでもほんとうは足りないくらいに思っているわけであります。そういう点では戦後の日本の民間航空というものが、非常に金もかかることであるし、世間でこの事業そのものを、バス会社を動かすように、これは政治をやられる皆さんも、あるいは役所も、あるいは財界も非常に考えが甘いのではないか。そうして事故を起こして、みんながうろたえてしまう。こういうことが私は現状じゃないかと、こういうぐあいに思うわけであります。
 どうも失礼なことを申し上げましたけれども一、お許しを願いたいと思います。

○長谷川(峻)小委員 そこでこれはちょっと夢物語のようですけれども、さっきあなたからも羽田の空港は非常にあぶない、危険を心配しておるという話があったのですが、私もしろうとだが、そういうことを感じておるのです。あの飛行場は、ときに滑走路が短いと感じてみたり、まん中がくぼんでおったというようなことが新聞に出てみたりしておるのですが、やはり羽田が東洋においては中心になっておるのですし、しかもせんだってアメリカではマッハ三の試作に成功したということもあり、木村秀政さんが書いておるものを見てもたいへんなことらしい。そのときにはいずれ新しい空港ができるかもしれませんけれども、現在といえども私は非常にあぶないと思っておる。すなわち三百三十三メートルの東京タワーとの関連などは、このジェット機時代たいへんなことだろうと私心配しておるのです。もしあそこにぶつかるようなことでもあればたいへんだと思っているのです。そうしたことに対して、現在の羽田についての概論的な危険性と申しますか、あそこで仕事をされておる立場から、全日空もあそこで仕事をしておるのですが、お互いが注意すべき点を、あらためておっしゃっていただきたいと思います。

○松尾参考人 羽田の問題は、非常に危険というのは、地上の設備と空域と両方問題があると思うのですが、地上の滑走路その他については、これはこの間新しい滑走路ができまして、まあいける、こう思っておりますが、空域では、現在の羽田でも空域は半分しか使われておりません。西側は、伊豆半島の南北にいわゆる軍の航空路がありまして、いかなる瞬間をつかまえても、何十機かの飛行機が空中にある、こういう状況でありますので、向こうは全然使えない。だから非常に天気のいい日に限って、非常に視界のきくときに限って、大島を回らないで名古屋なり大阪に行くという最短コースがとれるわけです。これだけでもおそらく全日空と日航とを合わせますれば、非常に便数がふえて飛行機が大きくなっておりますから、一カ年間に燃料費だけでおそらく十億くらいになると思うのです。そういう羽田の状況なんでありまして、私は航空局長もそういう点を非常に御理解願って、伊豆半島の上に要するに空中のトンネルをつくってくれということを二、三年前からしきりに言っておりまして、最近たしか一つできたはずです。要するに幅がどのくらいで、高さはここから何メートルぐらいの間は民間航空が通れるというような一つの考え方、空中のトンネルをつくっていただく。こういうことも米軍のほうと強力に交渉を願って、たしかそういうこともできかかっております。これは航空局長にもお願いし、非常に熱心にやってもらっております。そういう羽田の空域の状況であるわけです。いわば半分は東京タワーとか町に制限されまして、おそらく六割ぐらいしか使われていないという実情であります。それに今度は東側にこれにまた阻害するような新空港ができたんじゃ、まるで羽田は使えない。細長くなっちゃって非常にぐあいが悪い。だから、業者としましても空域というものを非常に考えてやっていただきたい。近いところは非常に空域が錯綜しましてむずかしい。特に東京の周辺は自衛隊の基地があり、米軍の基地があり、空域はあるようで、なかなかないのです。東京湾というものは非常に広いように思いますけれども、東京湾というものはジェットでは一分か二分でございますから、決して広いのじゃないのです。だから、そういう点をぜひお考えを願って――羽田は撤去して何かにするという意見もいろいろ出ておるようですけれども、しかし羽田は国内航空に使うべきだ。あれだけの施設、これは何百億の、会社まで合わせますとおそらくそれ以上と思いますが、金を使って基地になっております。そしてしかも東京都からの交通の便というものがあれくらい便利な所は、おそらくはかにはない。これからもできないと私は思いますので、羽田はどうしても将来やはり国内航空のほんとうの基地としてお使い願いたい、こういうぐあいに思っておるわけであります。

○西村小委員長 久保三郎君。

○久保小委員 せっかくの機会でありますが、時間もだいぶたっておりますので、簡単に二、三お尋ねします。
 福本さんにお伺いしたいのですが、国内線における日航の問題については、御両所からそれぞれ御所見の発表がありましたから、これは別にお聞きする必要はないかと思いますけれども、ただ最近、国内航空として三社が合併したわけなんですが、この合併の形態は、いわゆるローカルといいますか、そういうもののあり方からいって大体適切だろうかという考えをしているのです。というのは、現状を見ますと、北は北海道から南は九州といいますか、そういうところで三社がやっておるのは、言うならば全部ばらばらで、隔離された形の航空網を持っているわけですね。全日空輸とはもちろん関係がある場所がたくさんある。そうしますと背骨を入れないで肋骨だけをつなぎ合わせたかっこうになる。こういう関係で今後の合併集約というか、そういうものが国内航空の路線の戦線整理といいますか、いわゆる企業乱立というか、過当競争というか、そういうものを考えた場合には、どうもちぐはぐのように考えるのですが、それはどうお考えでしょうか。

○福本参考人 これは私ではちょっと申し上げにくいので、僣越でありますが、適当なのはこれを勧告された政府当局、並びにそれのあっせんをつとめられ、現にそれをつとめておられる御本人の松尾さんがここにおられるので、また私自身も先生と同じようなことを聞きたいとかねてから思っているわけでございますので、できることならこの点はひとつそちらのほうからお願いしたいと思うのでございますが、いかがでございましょうか。

○久保小委員 航空局長には当然お尋ねするのですが、松尾さん、ごあっせんいただいておるそうでありますから、御支障なければひとつ御見解のほどを……。

○松尾参考人 北日本ができましたのは、日航ができて藤山さんが会長のころだと思うのです。そのときはまだ日本航空株式会社法ができない前でありまして、そのとき、北日本航空会社が、北海道の開発にはあれだけの面積も広いし、航空会社は将来必要であろうということでできまして、そのとき日本航空は三千万円出資をする、そうして子会社として育てていこう、こういうたしか重役会の決議だったと思うのです。ところがたまたまその時期に日本航空株式会社法ができまして、日航の性格が変わったわけでございます。そうしますと、出資その他は政府の認可を得なければならぬということで、その出資はまかりならぬ、こういうことで出資をしなくてあの会社はできたわけです。ところが、先ほど申しましたとおりに、オン・シーズン、オフ・シーズンがありまして、北海道だけでは冬はああいう気候でございますので成り立っていかないという面があるわけです。これはアメリカでもそうなんですが、その後、先ほども触れましたが、日ペリと極東航空との合併のあっせんについて、私はその当時専務をしておりましたが、柳田さんが社長のころで、運輸大臣からあっせんをしてくれということで引き受けられたとき、私はそのアシスタントをやったわけです。その当時、荒木茂久二さんが航空局長でした。私はこのとき、どうせ極東航空と日ペリと合併するならば、これは将来必ず問題になるから、北日本も一緒に、一挙にぼくはあっせんをやってもいいと思うが、やったらどうだ、こういう話も実はしたわけなんです。ところがそれはなかなかやっかいだから、まずそれは第二段階でいいということで、日ペリと極東と合併しまして全日空ができたわけであります。その後私は、その当時、航空局、長はだれであったか、林君かだれかやっておりましたが、北日本を全日空に合併するようにあっせん依頼を受けたわけであります。そこで、それは福本さんもその当時の事情をよくおわかりなんですが、非常にあっせんをやったわけです。ところがその当時全日空さんも非常に経営上やはり苦しい点もございましたので、なかなか合併ができなかった。その当時の北日本は全日空さんと合併をしてもよろしいというような条件に相当なったわけなんですが、ついにやれなかった。そこで、私はメンツもつぶしまして手を引いたわけなんです。その後また、だんだん北日本が飛行機を買って、だんだん勢力が伸びてきたから、全日空さんのほうで、もう一ぺんあっせんをしてくれという話が実はあったわけなんです。それは私は、実は一ぺんやってだめだったから、ぼくはまたやりたくないから、ほかの人に頼んだらどうかということで引き受けなかったわけなんです。そしてその後、あそこが非常に積極的といいますか、めちゃといいますか、飛行機を買い、借金をして非常に拡充計画に出た。そこでますます経営が困難になってきた。富士航空にしても日東航空にしてもなかなかこういうことではお互いに立っていかぬということで、運輸大臣が、やはりローカル六社がそれぞれ乱立してはお互いに全部つぶれていく、そしてまた航空事故を起こす可能性も多分にあるということで、運輸省でそういう政策をおとりになって、まず三社合併のあっせんをやるという方針がきまりました。私にあっせん役ということで、このローカル三社を第一次として合併をしていって、そして立て直しをやって、日本の国内の乱立している航空会社をだんだん少なくしていくという方針を運輸省が立てられたことは、私はごもっともな方針だ、こういうぐあいに考えまして、あっせんをやったわけであります。そこで四月の十五日に、大体三十六億くらいの資本金で発足するということになっております。ただ、国内の旅客には相当の自然増があります。毎年相当の数で自然増があるわけなんです。これは幹線もそうですか、ローカルにも自然増があるわけでありまして、そういうローカル会社も、幹線だけをねらわないで、やはりローカル線は非常に交通が不便でありますので、そういう点の開発も、自然増もあることだし、企業としては、大いに努力をすべきだ。そのためにはやはり北から南に連絡をつける路線をやはり運輸省としては政策上許可していったらどうだろうか、こういうぐあいに私は考えております。

○久保小委員 いまの松尾さんのお話によると、最後のお話で全日空の問題も出てくると思うのでありますが、北から南の貫通したのをやはり許可すべきだというお話は、全日空の先ほどの福本さんのお話も、またそこへ問題が出てくるのではなかろうかと思う。これはいずれにしても運輸省も関係して今後検討されるでしょうが、企業乱立ということは、松尾社長も福本副社長も一様に合致した点でありまして、日航と全日空との関係は別でありますが、いずれにしても企業乱立というものが、資本の装備にしても経営の内容にしましても非常にまずい。まずいから事故が起こるということでありますので、そういう点からいえば当然、これは算術計算になるかもしれませんか、企業を整理統合をしていくということだと思います。その整理統合していく場合には、やはり将来の展望に立って一つ一つ進めていかなければいかぬと思いますが、われわれは寡聞にしてまだ航空当局からも運輸省からも三社合併の方針は聞いておりませんし、いままで機会がなかったので、ここでお尋ねしたわけです。
 そこで時間もありませんのではしょりまして、国際線の問題でありますが、先ほど松尾社長からお話があった国際線の競争の問題は、確かに苛烈になってくる。そしてまた日航にいたしますれば、全世界をぐるっと回すというまでにはまだ参っておらぬと思うんですね。これからが一番難関のある路線の開拓ということになると思うのです。そこで先ほどおことばにありましたように、いうならばこれは日本の権益をわれわれが代表してやっているんだということ、私もそう思っております。そうだとするならば、この資本のいわゆる政府出資という問題が一つ出てまいりましたが、いうならばやはりそういう国際線は命令航路というような性格だと私は思うんですね。そうだとするならば、命令航路に対しては国がやはりある期間何らかの手当てをしなければならぬと思うのですが、そういう御主張はいままでなさっておるのでしょうか、いかがでしょう。

○松尾参考人 新しい路線をおっしゃいましたとおりに、開拓するためには、私は少なくとも三年かかると思います。世界じゅうどこを探しても、初めから黒字になるようなところは、われわれはおそく出発しておりますから、これは絶対にあり得ない。たとえば北回りの欧州線もやっと三年目になりましてどうやら軌道に乗りかけてきた、こういう事情でありまして、南回りの欧州線は昨年始めましたので、まだなかなか軌道には乗らぬ。たとえば昨年の十月――十月が毎年航空事業上一番オン・シーズンのトップでありますが、このときには南回りの欧州線もごくわずか利益が上がった、全線十月は利益が上がったということは言えますが、年間を通じますと、新しい路線の開拓には少なくとも三年はかかるということが言えると思います。おっしゃるとおりでございまして、そこで、これはまたこれから世界一周路線ということを計画しておりますけれども、これはアメリカとの航空条約の改定のニューヨーク・ビヨンドの交渉もまだできておりません。これからでございますが、新しい路線をやる場合、いま久保先生がおっしゃいましたとおりに、路線補助とか何らかのことを考えていただきたい。私はあとで返してもいいと思うのです。この三年なら三年軌道に乗るまで、あるいは利子のつかぬ金を貸してもらってもいいと思うのです。そういうことをぜひ考えていただきたいということを、これはもう常に申し上げておるのです。かりにそうなれば、路線の進出というものは、われわれは非常にやりやすくなるということが言えると思う。ドイツがなぜあれだけの、とにかくわれわれより三年もおそく出発して、ああいう路線の拡充をやり得たかと申しますと、昭和三十六年にはルフト・ハンザは百億の欠損を出しております。それから三十七年にはやはり五、六十億の赤字を出しております。しかし、これは政府が一ぺんに出た赤字を消してしまっております。それからエ-ル・フランスにしましても、三十七年にはやはり五、六十億の赤字を出したと思うのですが、こういうものも全部消しております。それからエール・フランスあたりは、そのほかにフランスの空軍がやはりジェット機の修理、オーバーホール、これは相当もうかるような高い金で出しておると思うのですが、年間二百台くらい出しておる。こういうところでも非常にかせいでおる。そして乗員の訓練にしても、わが社みたいには使っていない。金利も一わが社みたいに高くはない。そういうところとわれわれは競争をしているわけなんです。だから、非常な悪条件で競争をしているわけであります。したがいまして、欧州各国とわが社とのいわゆる収支採算点については、たとえば、飛行機はスピードも性能も同じと見てちっとも差しつかえないと思うけれでも、収支の採算点は、日航は、欧州その他に比べまして、まだ高いんです。これは一、二、三%高いんじゃないかと思います。なぜ高いか、その一二、三%高い要素は何かということを考えてみますと、これは乗員の訓練費もその中に入っております。金利も入っております。それから、政府からのそういう実際の金で助成じゃなくて、いろいろなオーバーホールその他で非常に有利に利益を上げさしている。そういう点もからみまして、どうしても採算点がわれわれは外国会社より高い。それで、採算点が高いと、いままで二便やっているのを三便はやれないのです。ところが、外国は採算点が低いから、いままで二便やっておったのが三便もやれる。たとえば収支の採算点が、外国は五〇%、われわれは六〇%だといいますと、外国は、五五%だともう一便ふやせるわけです。そして、とにかく損をせずに行く。われわれは、六〇%以上でないともう一便はふやせない。こういう非常な窮屈な競争をやっていかなければならぬ。しかも、おそく出発をした。こういうことがございますので、新しく開拓を始める場合には、ぜひそういうぐあいにお考え願えれば非常にけっこうだと思います。

○久保小委員 われわれは、目的が明確な立場から、助成というか、そういうものはやるべきだという考え方を最近持ちつつあるものですから、一言お尋ねしたわけです。
 それで、福本副社長さんがお話になった、日航もノンIATAでやれるものであったらやったらいいじゃないか、こういうお話があったと思いますが、そういうことについて簡単にひとり……。

○松尾参考人 ノンIATAとおっしゃいましたが、CATはIATAメンバーでありまして、トランパーでやっているところも若干ございます。しかし、これは料金その他が違いまして、非常に混乱を来たすことは事実なんです。そして、それがはたして採算ベースに乗るかどうか、そういう点も私は検討する必要があると思っております。




  1. 2008/03/30(日) 21:28:10|
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参 - 日米安全保障条約等特別… - 7号 昭和35年06月12日

参 - 日米安全保障条約等特別… - 7号 昭和35年06月12日
34-参-日米安全保障条約等特別…-7号 昭和35年06月12日

○鈴木恭一君 了解いたしました。
 次に、気象業務のことについてお尋ねいたします。協定の第八条によりますると、日本国政府は、両政府の当局間の取りきめに従い、気象業務資料を米軍側に提供することになっております。が、米軍の日本国政府への提供義務というものを規定しておりません。これはいかにも片務的のように考えられまするが、その理由はいかがなものでございましょうか、お尋ねいたします。

○国務大臣(楢橋渡君) お尋ねの第八条でありますが、第八条は、一見片務的な表現になっておりますが、実際におきましては、台風に関する諸情報、飛行機観測資料、北米大陸の資料、その他の気象資料が、米国側から日本側に提供されておりまして、必ずしも片務的ではないのであります。また、日本側から提供する資料も、通常の国内業務資料というものを分送するものでありまして、米側のために特別な追加作業をやっておるのではありません。そういう事態になっております。

○鈴木恭一君 なぜ私がそれを強く申しまするかと申しますると、同条の(d)項を見ますると、「地震観測の資料(地震から生ずる津波の予想される程度及びその津波の影響を受ける区域の予報を含む。)」のだというようにございます。先般のチリ地震のあの津波、全く私どもは寝耳に水であったのであります。一瞬にして数百億もの財を失なった。楢橋大臣は、ぜひ自分たちとしては国際的な協力体制を作る、あるいは内部の機構を改正する、研究機構をもっと拡充したい、いろいろの御配慮もあるようでございます、しかし非常に手近に、手近というと少し語弊がございますが、この条項が、もし双務的に向うからでも聞き得るのだというようなことでありまするならば、こういうものを救われたんではないか、かように私どもは考えるのでありますが、そういう点に対する御処置等かございますれば、御説明をお願いいたしたい。

○国務大臣(楢橋渡君) 御指摘の点、ごもっともでありまして、第八条の(d)項に、「地震観測の資料」というところで、「(地震から生ずる津波の予想される程度及びその津波の影響を受ける区域の予報を含む。)」ということがあるのであります。行政協定第八条の(d)項で、こういう地震の情報は、日本側から米国側へ通報することになっております。しかし現実には、これらに対しまして、米国側の情報は、日本側には入ってくることの慣例になっておるのでありまして、従って今回のチリ地震津波につきましても、米国側からの情報は受領しておったのでありますが、その内容は、非常に有益なものであったにかかわらず、気象庁が、これまでの知識や経験、まあ地球上の向う側に起こった地震というようなことで、この点は、やや軽視した感がありまして、そこで警戒警報の確信を得るに至らずして、不十分な点から、今回のような防ぎ得る予防をなし得なかったという点は、まことに遺憾でありまして、従いまして、こういうような点につきまして、気象庁といたしまして、行政協定とは別個に、津波に関する情報の国際的な相互交換を確実に行なうような計画をいたしておりまして、今鈴木委員の御指摘になりましたような諸点につきまして、ことに気象庁の内部機構、あるいは津波に対するもっと科学的な分析、今申し上げました国際的な情報の交換、あるいは協定等に十分に力を入れて、再びこういうことのないように努力いたしたいと思う次第であります。

○鈴木恭一君 了解いたしました。
 次に、航空についてお尋ねいたします。日本の防衛のために飛行場を使用することを許した以上は、航空の点について、ある自由というものは、これは、もう当然でございます。合意書を拝見いたしますと、飛行場に入る、あるいは基地から飛行場へ来る、これは飛べるのだというふうになっておりますが、これを拡大解釈いたしますると、米軍の飛行機というのは、日本全土すべてにわたって飛べるのだというようなことになるのでございます。そのよしあしは別といたしまして、そういうことに相なっておるのでございましょうか。お尋ねいたします。

○国務大臣(楢橋渡君) お答えいたします。
 合衆国の軍隊に対して日本の駐留を認めておる趣旨に基づきまして、米国の航空機が機動性を確保する、また駐留の目的のために出入国の自由及び国内の行動の自由を認めることを、行政協定の第五条において取りきめておる次第であります。なお米国機も、一般航空機と同様にわが国の航空管制に服することになっておりまして、この航空管制は、運輸大臣の管轄になっておるのであります。演習行動につきましても、あらかじめ日米間で具体的に合意された範囲で行なうようにしておるのでありますから、この点から申しますれば、領空主権の侵害されておるということにはならないと実は思う次第であります。

○鈴木恭一君 ただいまの御説明で、ある点まではわかったのでございますが、協定の第六条で「すべての非軍用及び軍用の航空交通管理及び通信の体系は、緊密に協調して発達を図るものとし、かつ、集団安全保障の利益を達成するため必要な程度に整合する。」のだ。このために両者間の取りきめによって定めるのだ。これは通信においてもそうでございまするが、この取りきめによりまして、自分の飛行機はもちろんでありまするが、三沢とか板付は、民間機が、それは外国のものであろうと、あるいは日本のものであろうと、米軍のコントロールに服すのでありまして、常識としては、何だか米軍がやっておるような気がいたします。特に一旦緩急あるような場合には、どういうことになりまするか。これはちょっと違っているかとも思うのでありまするが、全空域に対して日本の航空管制はあるのだと運輸大臣は申されましたが、その点そうでもないように思えるのでありますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(楢橋渡君) 今一般の米国の飛行機は、日本領空を飛ぶ場合における問題は、今お答えを申し上げましたが、今鈴木委員のおっしゃいます緊急の場合、たとえば敵機が襲来したというような場合における処置はどうなるか。これは保安管制と交通管制との問題でありますが、航空交通管制に関しまする日米間の合意におきましては、緊急の必要がある場合には防空責任担当機関、これは、在日米軍及び防衛庁がなにしますが、これに保安管制を行なうことを実は認めておるのであります。保安管制とは緊急事態におきまする防空活動の必要性から防空責任担当機関が行なう措置でありまして、それに対して、一定の民間航空の、たとえば航行を禁止するとか、そういうこともやる、防空に関することをその責任担当機関が行なうことでありまして、一定の区域の航空交通の制限、またその内容の一部をも含まれておることが予想されるものであります。緊急事態におきましては防空責任担当機関におきましては、保安管制を行ないまして、運輸大臣に要請があれば、運輸大臣におきましても、航空交通管制上必要な措置をとることになっておる次第であります。

○鈴木恭一君 次に、これはほんの一例かもしれません、全般にそういうことに相なっておるとは存じませんが、あのジョンソン基地に米軍の防空センターがある。日本の運輸省の航空センターもそこにあるようでありまするが、何か軍の仕事を日本の役人がいたしておる、アメリカ人に使われているのだというような印象を与えておるのであります。これは常識上どうかと私どもも思うのでありまするが、これはほんの一例と思うのでありますが、また真相はどうなんでございましょうか。

○政府委員(辻章男君) お答え申し上げます。
 今御指摘がございましたように航空交通管制本部がジョンソン基地内の庁舎を借りましてやっておるのは事実でございます。これは、従来の米軍が航空交通管制センターの仕事をしておりました施設をそのまま引き継いだ関係で、そういう体制をとっておるのでございまして、仕事の内容といたしましては、航空交通管制は、米軍の防空的な仕事とは全然別個の仕事でございまして、完全に独立してやっておる次第でございます。

○鈴木恭一君 わかりました。
 最後に一点お尋ねいたしますが、協定の第二条には、たとえ米軍の使用しておる施設区域でも、必要がなくなったときには再検討して日本へ返還するというような規定もございます。これは当然の措置だと存じまするが、わが飛行場などは、平和条約を締結いたしますまでは現実に飛行機もなかったのでありますし、飛行場も必要はなかったのでありまするが、これは米軍が管理してもしかるべきものでありましょう。そういう点、これは語弊があるかもしれませんが、米軍はその権限の上に眠っておる、またこちらは御無理ごもっともである、言い出しもしないというようなことがあっては、これは相済まんと思うのでございます。これはほんの、間違っておるかもしれません、間違っておるかもしれませんが、現在調布の飛行場、これなどは、わが方でいろいろ民間の人が拝借いたしておるようであります。あるいは遊覧飛行に使っておるとかあるいは離着陸の練習に使っておる。また陸軍の飛行クラブもあるようであります。そういうふうなものにつきましては、羽田の空港等も相当混んでおることもわれわれは承知いたしております。ぜひこういうふうな返還というようなことに対して、やはり常に配慮をするべきではないか。また向うとしましても、正当な要求というものは必ず私は通り得るのだ。お互いが信頼と理解の上に立っておるのでありまするから、そういうことも、私、感ぜられます。
 そういう点はいかがでございましょうか。

○政府委員(丸山佶君) お話の通りこの条項に基づきまして、現在米軍が使用しております施設及び区域でございましても、その使用度合いのいかんにより、すでに使用度合いが非常に減じておるのではないか。あるいは当分の間使用を休んでおる状況がある。それが全般でなくても一部でも、そういう事情がある。これらのものに関しましては、絶えず合同委員会の中にあります施設の特別委員会に持ち出しまして、それらの返還あるいは日本側との共同使用という問題を検討し、またこちらから要求すべきものは要求する。このような措置をとっております。米軍側でも、常にこの条項に従って、自分の施設及び区域の使用度合いを調べて、その都度それに応ずる返事をいたして参っておりますが、それに従いまして、鋭意努力をいたしております。




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参 - 運輸委員会 運輸事情等に関する調査 昭和35年12月20日

参 - 運輸委員会
昭和35年12月20日
37-参-運輸委員会-3号 昭和35年12月20日

○委員長(三木與吉郎君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。
 まず、名古屋空港における飛行機事故の対策について御報告願います。

○説明員(今井栄文君) 航空局長の今井でございます。ただいまお話のございました小牧における航空機の衝突事故のその後の状況につきまして御報告を申し上げたいと思います。
 昭和三十五年三月十六日、事故が起こりました直後、運輸省におきましては直ちに事故対策本部を設置いたしまして、運輸次官を長といたしまして関係のそれぞれの係官が集まりまして、事故の調査、事故の対策につきまして協議をいたしておったわけでございますが、一方、村手管制官に対しましては、局側と職員組合と相はかりまして、局の同僚の有志から募金いたしまして、その浄財によりまして救恤措置を講じて参ってきております。それから村手君につきましての勤務のその後の状況につきましては、管制塔から勤務をはずしまして、現在名古屋の航空保安事務所の総務課のデスク・ワークに配置がえをいたしまして、そこで庶務関係の仕事をやっておるようにいたしております。それからさらに並行して、航空局の特に事故担当の専門家、つまり航務課及び管制課の責任者によりまして直ちに事故調査につきまして行動を開始たいしまして、ようやくその結論を得まして、それをもちまして関係の諸方面、特に検察庁あるいはまた村手君担当の弁護士等に対しまして、事故の事実、あるいはその事実に対する法律、あるいは訓令その他の諸法規等につきまして詳しい説明をいたしますと同時に、なお事故調査についての結論をできる限り詳細にまとめるように努力して参ったのであります。
 当時の結論といたしましては、私どもの得ました結論について簡単に申しますと、管制の指示にも過失があった。しかし、実際に衝突事故を惹起したパイロットにもあわせて責任ありという判断でございました。それからなお、今年の六月十三日に、先ほど御説明申し上げました航空事故対策木部の結論を得まして、その結論に基づきまして諸般の対策、主として予算措置その他に関する措置を講じて参ってきております。
 事故対策に関する報告書は、ただいまお手元にお配りいたしたと思いますが、その主たる内容について簡単に御説明申し上げますと、まず第一は、管制官の勤務体制の改善の問題でございます。これは、大きく申し上げますと二つに分かれまして、一つは、現在かような非常に困難な環境のもとにおいて、非常に重要な責任の仕事を、極度な精神的な緊張裏において常時行なっている管制官に対して、現在の給与は低過ぎる。従いまして、これを何とか給与を高めてもらいたいということが第一でございます。
 第二点は、現在、管制官は三直四交代で勤務いたしておりますが、これが従来米軍がやっておった当時、また現在自衛隊の管制職員のやっております勤務の体制からしますれば、これをすみやかに四面五交代制に改善することが適当であるということから、来年度の予算要求等におきましては、四直五交代制を骨子とする増員要求というふうなものもいたしている状況でございます。この二つが管制官の勤務体制改善の主たる内容でございます。
 それからその次に、もちろん、この養成、再訓練等の研修の強化というようなことも大事なことでございまして、こういった点につきましても、現在羽田にございますトレーニング・センターをさらに強化して、再訓練、養成等について格段の努力を払いたい、かような結論になっております。
 それから、その次に大事な問題は、現在の特に管制の中枢でございます入間川ジョンソン基地にございます管制本部、これが現在、地下構造式のもので、通風、採光、あるいはその他の環境が非常に悪いということと、それから作業場が非常に狭いというふうなことからいたしまして、しかもケーブル、無線施設、その他の施設も米軍が使っておったままでございまして、従ってそれが非常に老朽化しているということから、これを他の適当な地に移転すべきであるということで、管制本部の移転の問題も来年度の予算に、航空局といたしましては第一の順位で予算の要求をいたしている状況でございます。
そのほか、長距離レーダーの設置であるとか、あるいはまた、その他の保安施設を早急に整備するという意味の計画も立てまして、現在予算要求をいたしておるような状況でございます。これらが、この事故に対して今後の諸方策として考えられた問題の骨子でございます。
 それからなお、当委員会での航空法審議の際に付帯決議として掲げられました飛行場の共同使用問題についても検討いたしておりますが、何分にも場所がなかなか得られないというふうな関係もございまして、早急に現在の共同使用飛行場を分離するということはなかなかむずかしい問題でもございますので、これは地元の自衛隊との間に、十分訓練計画その他についての打ち合わせをいたしまして、再び事故が発生するというふうなことのないように、でき得る限りの措置を講じて参っております。
 それから、非常に長くかかりましたが、本年の十一月三十日に、村手君その他の処方が決定を見まして、村手君については起訴、それから平野二佐に対しましては起訴猶予、それからまた村手君を監督する立場にございました賀好管制官に対しましては不起訴というふうな決定がなされたわけでございますが、そのうち、私どもといたしましてよく検討をいたしたのでございますが、検察庁の考え方の中には、特に村手君と平野二佐との責任の関係につきましては、事実認定につきましては、検察庁側も航空法九十四条、及び私どもが訓令としてこれを地方に流しておりますいわゆるANCという管制の基準書がございますが、これは米国において現在使用中のものを私どもがそのまま管制の実施上の基準として訓令として流しておるものでございますが、このANC、これは自衛隊も採用いたしております。
 この航空法並びにANC等を準用いたしまして、検察庁も、平野二佐に刑事責任ありという立場をとっておるわけでございます。つまり、簡単に申し上げますと、管制の指示の過失と、それから注視義務の過失との競合によって事故が発住したということを言っておるわけでございます。
 その点につきましては、先ほど御説明申し上げました私どもの事故調査の結論と同じ線で問題を考えておるというふうに私どもは了解いたしておる。ただ、検察庁として、一方は起訴とし、一方は起訴猶予とする。つまり平野二佐については情状を酌量するという処分をとられたわけでございまして、これは行政官庁としての私どもの立場からしますれば、全く検察庁の権限の範囲の問題でございまして、私どもとしては申し上げることもないわけでございます。村手君に対しましては、その処分後におきまして、部内でもいろいろ検討しまして、さらにまた私ども同僚有志によりまして、同君への援助を強化いたしますと同時に、行政処分は裁判確定後に行なおうということで、現在は行政処分はいたしておりません。それからまた、本人を刑確定まで休職処分にするかいなかの問題につきましては、私どもの気持といたしましては、よく人事院と協議いたしまして、でき得る限り休職処分にしないで、そのまま勤務をデスク・ワークを続けさせるというふうな方向で現在努力いたしたい、こういうふうに考えております。
 それからさらに、同君につきましては、今回措置が、一応事実認定においては両者に責任ありということでございましたが、結果としましては、起訴と不起訴というふうな処分に実質上の開きが出て参ったわけでございまして、今後私どもとしましては、でき得る限りの努力をいたしまして、同君に対する求刑なり、あるいは判決なりの軽からんことをこいねがうのみでございます。さらに職員組合は平野二佐を十二月の十三日に告発いたしております。それからなお、全日空機その他乗客の方々に対します民事上の責任につきましては、今後の問題となるわけでございますが、法務省の訟務局の非公式な見解としましては、運輸省並びに防衛庁の両者に責任ありというふうな立場をとっておられるようでございまして、今後この点につきましては十分関係者の問で協議いたしまして、民事責任をとる問題につきましても遺憾のないような措置を講じていきたい、かように考えております。
 以上で簡単でございますが、説明を終わらしていただきたいと思います。

○大倉精一君 今の報告の中で、自衛隊との共同使用の問題ですね。この分離の問題が前々から一番問題になっておったのですが、それが今不可能だという結論らしいのですが、これは自衛隊と、今すぐでなくても、そういうような方向に努力をするという、あるいは何らかのめどを持って実行するというような、そういう考えはおありにならぬですか。さらにまた、分離不可能ということであれば、どういう理由で不可能かという点についてもう少し説明を願いたいと思います。

○説明員(今井栄文君) その点につきまして言葉が足らなかったかと思いますが、極力分離する方向で努力するということは、この前、楢橋運輸大臣もお答え申し上げておりましたし、私どもも現在その気持は何ら変わっておりません。ただ、さしあたっての問題といたしまして、現在直ちに行なうことは非常に困難であるという趣旨で申し上げたわけでございますが、努力いたすつもりでございます。

○大倉精一君 現在直ちにやれということは、これは無理かもしれませんが、ただ単に努力するというだけでは、これはやはり努力したが、だめだったということになると思うのです。特にこの前小牧に行ってみた感じによりますと、やはり飛行場の使用の優位は自衛隊にあるような気がいたします。特に米軍からいろいろな資金援助なり、援助があるという、そういうふうな関係もあるかもしれませんが、とにかく、われわれがあそこに行ってみた感じでは、やはり自衛隊優位だと、そういう感じがするわけです。だから、あなたの方が努力をすると言っても、相手がある、自衛隊というものがある。その他の関連があると思いますから、そういう方面と折衝なさったかどうか、あるいは折衝なさったとするならば、その状況経過はどうであったか、報告ができるなら一つしてもらいたいと思います。

○説明員(今井栄文君) 自衛隊との関係につきましては、特に飛行場の使用問題につきまして、千歳、小牧両空港につきまして非常に従来問題がいろいろございますので、私どもは自衛隊との関係を調整するために、両省の間に現在協議会を作りまして、定期的に会合をいたしております。で、事故後におきましても協議会は数回開いておったと記憶いたしますが、こういった問題についても話し合いをいたしたことがございます。しかしながら、先ほど申し上げましたように、とにかく、さしあたっての問題としては、なかなか困難であるから、事故の起こさないように十分に両者でよく協議して、とにかく現状はやっていこうというふうな一応の結論になっております。

○大倉精一君 特に小牧の飛行場については先般の視察の際にも、国際空港にしてくれという要望が非常に強かったのです。最近においては外国旅客機があそこから出発したという実績があると聞いておるのですけれども、そういうようなことになってくれば、ますますもって小牧飛行場は分離という問題を具体的に日程にのせないといけないのじゃないかと思う。特に岐阜県の各務ケ原の飛行場もあることですし、そういう問題は、やはり具体的な協議をして、何らかのめどをつけるようにしないというと、単に努力だけではだめじゃないかという気がするのですが、どうですか。小牧空港が国際空港というそういうような傾向があり、また地元の要望もあすこは強い、そういう空港そのものが非常に必要だと思うが、いかがですか。

○説明員(今井栄文君) 今のお言葉のような趣旨に沿って今後防衛庁と折衝していきたいと思います。

○大倉精一君 これは大臣にあらためて要望しなければなりませんが、そういう点について、単なる努力でなくて、やはりこういう一つの目標を、具体的な目標をもって努力されるということが必要だろうと思う。
 それからジョンソン基地の施設について、非常にこれは通風が悪いからというような報告があったのですけれども、ジョンソン基地ばかりでなくて、あすこの小牧空港の施設についても、あれは野戦用です。あすこの、レーダーなんかある所は、野戦用の、移動式のものです。ああいうものをきちんとしたものにできないか。あすこは、第一線におって、そうして昼夜分かたず勤務するような状態で平常勤務をやっている、そこに非常に無理があるのじゃないか。これは報告は受けておりませんが、こういう点はどうですか。

○説明員(今井栄文君) 今御質問のございました着陸誘導装置、たとえばGCAとか、あるいはターミナルの無線機というふうなものは、当時の野戦用のものを引き継いでおるということは事実でございます。そこで私どもも全体的な計画からしまして、逐次代替を考慮いたしております。小牧に限らず、伊丹についても同様でございますが、レーダー施設にしても、無線施設等にしても早急に改善を要するものもございますので、私どもはその性能の現在の状況を勘案いたしまして、でき得る限り新しいものと取りかえるような措置を極力予算的に講じているのが現状でございます。

○大倉精一君 このジョンソン基地というような大きなものは、いろいろと費用の点もあるだろうと思うが、ああいうポータブル式の野戦用のもの、これはやはり早く何らか措置を講じないというと、あすこでもって勤務するというのも大へんです。三直四交代を四直五交代にするといっても、勤務の環境自体は非常に問題だと私は思う。ああいうところはやはり早急にできるところから先にどんどんやってもらうということが必要だと思う。
 それから給与の問題が出ましたが、どうですか、今、管制官になる志願者といいますか、そういう人は全然いないとか、あれは志願者がないのですか、募集しても志願者がないという状況ですか。

○説明員(今井栄文君) 今の点御指摘の通り私ども非常に憂慮いたしております。実は去年あたりまでは志願者も十倍、二十倍というふうに相当ございましたが、ことしあたりからは募集人員に対してわずか程度上回ったというふうな応募者の状況でございまして、こういうことですと、優秀な方にきていただけるというのが非常にむずかしくなるわけでございまして、今後私どもは、先ほど御説明申し上げましたような施策を実現いたしませんと、優秀な管制官を、必要な数をわれわれは確保するということは非常にむずかしくなると思います。

○大倉精一君 将来の問題ではなくてことしの問題、来年の問題として大事な問題ですけれども、今度のように非常に過激な勤務をしておって、そうして若干の給与が云々されても、それによって、ほとんど過失には違いないかもしれないけれども、不可抗力的な過失といいますか、そういうちょっとした過失でもってすぐ刑罰になる、あるいは休職になる、職を失う、こうなってくると非常に不安定な職種になるのですね、これは。そういう点についての何か保障というか、お考えになっておるのですか。

○説明員(今井栄文君) 私どもとしては、先ほど申し上げましたような管制の改善に関する一連の施策を実現すれば、そういった面についての勤務不安も逐次解消していくというふうに考えております。

○中村順造君 今の大倉委員の質問に関連いたしまして一、二お尋ねしたいと思いますが、この問題は非常に当委員会で何回も何回も審議されたわけなんですが、大体結論に近づいておるような情勢なんです。村手管制官はいつ起訴されたのですか。

○説明員(今井栄文君) 村手君の処分が決定いたしましたのは今年の十一月三十日でございます。

○中村順造君 先ほどお話の中で同僚有志集まって何か資金カンパというようなお話もありましたが、起訴になると、やはり公判が進められてくるわけですが、そういういわゆる費用の点だとかいう面についてもいわゆる同僚有志だと、こういうことなんですか。

○説明員(今井栄文君) 同僚有志だと申しましたのは、私どもを初めとしまして、航空局関係の勤務者全部でございます。

○中村順造君 その金は結局本人の裁判の費用に充てる金ですか。

○説明員(今井栄文君) 現在までのところはまだ本人の弁護士に対する費用であるとかいうふうなものに充当いたしまして、残りは全部貯金してあるわけです。今後集めるものにつきましても、私どもはそういうような経験がないので、どの程度要るかわかりませんけれども、弁護士ともよく相談いたしまして、できるだけ格安に弁護していただくという線で相談をしておるわけですが、そういった私どもの浄財も、でき得ればそういった面について使っていきたい、かように考えております。

○中村順造君 ちょっと話が小さくなりますが、村手管制官の場合は、これは検察庁の方では管制指示上の過失がある、こういうことで起訴したわけですが、そういたしますと、管制の指示に過失があったということになれば、明らかに業務上の過失なんですね。そうすると、たとえば交通は汽車も飛行機も船もあるわけなんですが、業務上の過失を犯して、そうしてそれが裁判になった場合に、莫大な弁護料だとか裁判の費用だとか、本人の処分については、大体休職処分にはしない方針だということで、最終的ないわゆる行政処分は裁判が確定してから、こういうことだから、本人の生活に今さしあたって困るということもないと思うのですが、問題はこの裁判の費用にしぼられて、業務上の過失について、それを本人の業務上の過失だから、役所側は全然これは関係ない、こういう考え方をとられるのか。業務上の過失だからやはり役所の方も、これは航空局自体としても、やはり仕事を進めていく上にも、一つの過失とみなすならば、これはある程度そういう弁護料なんというのは、必ずしも本人の負担ということじゃなしに、役所の方でその点を考えてしかるべきだと思うのですが、その点はどうなんですか。

○説明員(今井栄文君) 現在のところでは、そういった費用を役所から出すという道は全然ないように考えております。

○中村順造君 全然ないと言われるのですが、これはよその官庁といえばおかしいのですが、かつて、現在の国有鉄道なんかはたくさん業務上の事故があるわけですね。その場合に、業務上は一切、これは汽車の場合は、たとえば汽車の機関士なんというのは、お互いに共済制度というものを持っていますけれども、この村手管制官の場合は、職員組合があるけれども、その業務上の過失に際してどういうふうな救済をするというふうなことまでいってないかもしれませんが、いわゆる同僚間におけるお互いの救済措置というものをきめておる場合でもさらにそれにつけ加えて、業務上の場合は明らかに、今国鉄の例をとりましたけれども、国鉄としても、それに対して弁護士を二人つける場合は、一人は、業務上の過失である、これは国鉄当局としてめんどうを見ておこう、こういうことがなされるわけなんですが、航空局に限って、そういうことは初めてといえばまさに初めてかもしれませんけれども、初めてなるがゆえに、なおさらそういう点は考慮されてしかるべきじゃないかと思うのですが、その点は航空局長どうなんですか。

○説明員(今井栄文君) その点につきまして、また帰って関係の向きと御相談いたしたいと思いますが、今まで私どもの伺っておる範囲では、国鉄はどういうふうにやっておられるか、現状では組織も全然違いますし、私もよく存じませんが、われわれの場合、行政官庁としまして、従来そういったケースは聞いたことはなかったように思います。

○中村順造君 私の申し上げたのは、やはりいろいろ例を引いてみると、官庁だから必ずしもそういう措置をとられないときまったものではないと思うのです。一つこの点は航空局自体としても検討していただいて、何らかの便法があれば、これはいわゆる普通の犯罪と違いますからね……。
 それからもう一つ、これは検察庁だから、この委員会であまりあなたにとやかく言っても仕方がないと思いますが、ANCの訓令に対する違反というやつ、これは航空自衛隊の方でも適用しているんでしょう。この効力はあるんでしょう。その点はどうなんですか。

○説明員(今井栄文君) 自衛隊の方でも訓令として出しております。

○中村順造君 そうしますと、やはり平野操縦士ですか、パイロットの、ジェット機のパイロットにもこれは起訴猶予だという最終的な判断が出されておるようですが、これは私は今までの本委員会の議論からいきまして、まことに片手落ちな最終決定たと思うんですよ、これは。この点も一つ職員組合がたまたま十二月の十三日に告発をしておる、こういうことで、今私が申し上げておるような点は、それが進行すれば、その内容に基づいて多少は明らかになると思いますが、あなたの方もやはり、先ほどの説明を聞きますと、明らかに平野空佐にも責任がある。これは検察庁も出しておる。それからあなたの方の考え方もそう考えておる。それから最後は、お話のあった民事上の責任についても、やはり運輸省と防衛庁にある、こういう一つの判断を出されておるようですから、これらの面を含めて一つ、これは何も平野空佐の責任がここにはっきり出てくればどうだこうだということにはならないかもしれませんけれども、やはりお話の中にあった、いわゆる刑の確定だとか、あるいは裁判の最終的な確定に関連をして、言葉をかえて言うと、村手管制官のいわゆる処分について大きな私は関連があると思うのです。その点は一つ十分、職員組合が告発をしておるんだから、職員組合がやっておるんだからということでなしに、やはりこの場合は、根本は、航空事故がどうしたらなくなるかということにあるのですから、航空局自身としても、この告発したこの取り扱いについては、私としては、十分協力をして、連絡を密にして、その取り扱いに慎重を期していただきたい、こういうふうに考えておるわけですが、その点はどうなんですか。

○説明員(今井栄文君) これは、私ども役所の立場といたしましては、他の行政機関の決定に対しまして、その固有の権限につきまして干渉するということは適当でないと思います。従いまして、本件につきまして、組合側の告発措置と協力してわれわれがやるということは、これは不可能であるというふうに考えます。私どもはなお別に、できる限りこの村手君に対する求刑なり、あるいはまた裁判の最後の判決というものが軽からんように、あらゆる努力を私どもとしては傾けていきたい、かように考えております。

○大倉精一君 ちょっと参考のためにお伺いしたいのですが、自衛隊の管制官と、それからあなたの方の管制官の給与というものは、だいぶ違うのですか、同じなんですか、待遇給与は。

○説明員(今井栄文君) これはこの前の当委員会でも、あるいは前の辻局長から御説明があったかと思いますが、現在私どもの管制官の大体の経歴は、短期大学卒業というものを基準にいたしておりまして、短大卒でございます。初期に出ておりました管制官は、全部いわゆる新制大学、本来の大学卒業者を全部採用しております。しかし自衛隊の方は高等学校卒業ということで、それに一定の訓練期間というものをいたしまして、直ちに管制職員として使用している、使っているというのが現状でございまして、その給与につきましては、正確な数字もあると思いますが、やや自衛隊の職員の方が高い、しかも衣食住は官で支給されるという状況でございますから、実質的な面でいきますれば、自衛官の方が給与は高いというふうに言っていいと思います。同じ仕事をいたしておりましても。

○大倉精一君 非常に私は矛盾をしていると思うのですがね。あなたの今の御発言は、相当遠慮した発言なんですけれども、もっと強く、これはいけないのだということで私はいいと思いますよ。ですから、これではやはりさっき言われたように、募集をしても、こちらの方には来ないでしょう。これは向こうの方へ行きますよ。そうしてしかも同じタワーの中にいるでしょう。給与の違った人が同じタワーの中におって、しかも同じ仕事をやり、あるいは片方の方は、ともすれば優越感を持っているのですからね。
 そういうような関係ですよ。そうなってくると、どうしてもやはりこちらへ来るという方が少なくて、まあ三直四交代を四直五交代にするといってみても、人間が来なければしょうがないわけなんです。さらにまた待遇改善のこの答申の中にも、繁忙な職務に勤務する者には相当分の俸給調整額を支給すると言っておりますけれども、それだけではいけないと思う。金さえやればいいじゃないかということは言えないと思う。
 そうなってくると、私は非常にこの答弁を聞いておって不安に思うことは、だんだん空の交通がひんぱんになってくる。しかも飛行機の性能も上がってくる。そうするとコントロールする空の交通巡査は質が低下してくる。人間が足らぬようになってくる。どうなってくるのだろう。こういう不安があるのですよ。つい最近でも、ニューヨークとか、あるいはドイツあたりで旅客機が衝突するというような事故が起こっておりますが、そういうことを勘案すると、何かそこに不安があるのですね。飛行機だけがどんどん発達して、どんどん数がふえて、空の交通巡査は、まるまる集まってこない。確かに机上のプランとして三直四交代を四直五交代にするというプランはできたが、肝心の人間がいない、どうするか、こういうことになるのですがね。これは、どうなんでしょう、一体。

○説明員(今井栄文君) 先ほどから申し上げていることを繰り返すようで、はなはだ申しわけないのですが、私どもは管制の今後の改善向上のためには管制官の給与の実質の面を改善する、あるいはまたその勤務時間その他の勤務体制を改善するといういとのみならず、管制施設を近代化する、それからまた管制の執務環境を改善するというふうなこととあわせまして、できる限り管制官自体が十分安心して働けるような職場環境を作るということに最善の努力を払っていきたいと考えます。

○大倉精一君 これはまあ、あと大臣に十分お尋ねしなければならぬと思うのですけれども、要するに一番端的な現われは、管制官を募集しても来ないという、この現象ですね。これは重大な問題ですよ。
 ですから、そういうことのないように、どうしたらいいか。たとえば自衛隊との給与の格差、こんなものは直さなければいかぬのですよ。これは全部直さなければいかぬ。これは海上自衛隊とあるいは海上保安庁との関係も同じような問題があるでしょう。そういうものを、もっときぜんとして解決するようにしていかないというと、机上のプランだけでは、これはいけない面があると思う。ですからして、航空のまあ今非常なスピードのある発達ですね、これにあわせて、そういうふうに遺憾のないように一つやってもらいたいと思うのですね。ですから、村手君の今度のは、いわゆる犠牲ですよ。この犠牲を無にしないように、そういうことをしっかり確立していくということが、ほんとうに村手君の犠牲を無にしない唯一の方法じゃないかと思うのですよ。そういう点を強く一つ要望したいと思うのです。

○説明員(今井栄文君) 委員長、先ほどお答えしました中に、募集人員に対してわずか上回る程度と申し上げましたが、実は私が報告を受けましたのは、非常に古い資料でございまして、今手元に参りましたのによりますと、十二月十五日締め切りで四百名の応募者があった。これは六十名の採用に対しまして四百名の応募があったと、今、私この数字を初めて見まして、ちょっと安心いたしたのでございますが、昨年は同じケースにおきまして八百名ございましたので、去年よりは二分の一である。しかし要員を確保するには、ことしもこの程度ならば大丈夫じゃないかというふうな確信を持った次第でございます。


40-衆-内閣委員会-32号 昭和37年04月25日

○飛鳥田委員 まず最初に、先般小田原で起こりました自衛隊機の墜落の問題について、防衛庁長官に伺いたいと思います。
 自衛隊機の航行について、いろいろな航空法の条文の適用除外が出ておりますが、航空法七十五条は適用除外にはなっていない条文だと思うわけです。この七十五条を見ますと、「その航空機に急迫した危難が生じた場合には、旅客の救助及び地上又は水上の人又は物件に対する危難の防止に必要な手段を尽し、且つ、旅客其の他の航空機内にある者を去らせた後でなければ、自己の指揮する航空機を去ってはならない。」こういうふうに、他の安全を守るための条文です。こういうものが適用になっているはずなのですが、この点について、小田原の事故の場合に必ずしもそういう結果をもたらしていない。この点について伺いたいと思います。

○藤枝国務大臣 先般小田原付近で起こりました航空事故につきましては、四機編隊で帰還の途中でございました。その二番機と三番機が墜落をいたしたわけでございますが、エンジンがとまりまして、事故の起こることが予想されまして、両機とも常に地上に対する被害を避けるための航法をとり始め、しかも、事故のなかった一番機と四番機がこれを誘導しておったわけでございます。一つの飛行機は海上に出ることが不可能という判断のもとに、山中に落ちるようにいたしまして脱出した後に、その機体が山の中に落ちたわけであります。もう一機は海上に出るべく努力いたしまして、そうして自分の飛行機が完全に海岸線を出たことを確認いたしまして、そのときには、高度が、ベイル・アウトするためには相当危険な高度にあったわけでございますが、海上に出ましたことを確認して脱出をいたしたわけであります。
 しかし、不幸にいたしまして、機体が非常な損傷を受けておりまして、海上に向かわずに、反転をいたしまして地上に落ち、非常な損害を地上に与えましたことは、はなはだ遺憾でございますが、当時の状況を判断いたしますと、パイロットといたしましては、そのように海上に出ましたことを確認し、しかも、機首を海の方に向けて脱出したわけでございます。飛行機の損傷等のため反転いたしましたことは、はなはだ残念でございますが、それだけの注意を払いましたことは御了承をいただきたいと存ずる次第でございます。

○飛鳥田委員 朝日新聞の「声」というところに、航空幕僚監部がその事故の調査をいたしました結果を投書しておられるのですが、今、長官の言われたような状態で、「ただ遺憾ながら損傷を受けた機からは脚がとび出ており、折柄の南西風を受けて機体が傾き、海上から陸地の方向に逆転し、海岸より一五〇メートル付近に落ちて損害を生ずるに至りました。」こう書いてある。しかし、南西の風を受けて機体が傾いたために地上に落ちた、こう言っておられるのですが、不思議なことには、パラシュートで脱出した人は海に落ちているわけです。そういたしますと、重い機体の方が風にあおられて方向転換し、軽いふわふわ動いているパラシュートの方はちゃんと海に落ちた。まあ、石が流れて木が沈むという妙な現象を生じているわけです。こういう点から考えてみても、十分な措置が行なわれたとは私には思えないわけです。むしろ、海上の方に機が行ってしまわないうちに飛び出したんじゃないだろうか、こういう疑問が出てくるわけです。一つ、石が流れて木が沈む理由を説明していただきたいと思います。

○藤枝国務大臣 私も専門家でございませんので、十分な御説明ができないかとは存じますが、ただいま申しましたように、パイロットは完全に自分の飛行機が海上に出たことを確認いたしまして、それから飛び出したわけでございます。たまたま非常な悪気流のためと、機体が損傷をいたしておりまして、その後地上において被害を与えた状況等を判断いたしますと、完全に横になったと申しますか、翼で家屋を切ったような状況もございます。従いまして、脱出した後、機体が横になりまして、その結果反転をしたのではないかというふうに判断をされるわけでございます。

○飛鳥田委員 現地の人は、パラシュートは海に落ちて、機体だけが陸上に落ちたということについて、非常に割り切れないものを持っておるわけです。先ほどずいぶん皮肉っぽく、石が流れて木が沈むということを申しましたが、これは僕の言葉ではなくして、現地の人たちが言っているわけです。この点については、当然もっと詳細な発表をなすって、現地の人を納得させることが私は必要だろうと思うわけでございますが、そういうことについて善処していただきたいと思います。
 そこで、人家その他のものに対する安全ということは、事故を起こしたときだけではないはずで、この小田原前後は、いわゆる航空上の管制区になっておるはずです。この管制区を自衛隊機が飛行いたします場合には、当然フライト・プランの通報を事前に行なっていかなければならないのじゃないですか。

○小幡政府委員 お話のように、商業航空路を飛びますときには、基地の司令からフライト・プランを幕僚監部の万に簡単に電話をしまして、そこで航空局の中央管制本部に連絡いたしまして、許可を受けて飛んでおります。

○飛鳥田委員 それじゃ伺いますが、この事故を起こしました四機のフライト・プランは、すでに通報が行なわれておりましたか、私の調べた範囲では、事故前にはないのですが、いかがでしょう。

○小幡政府委員 その点あらかじめ調べておりませんので、なんでございますが、私は必ず受けておると思います。

○飛鳥田委員 もう一つ、ついでに、機が遭難をいたしたり事故を起こしますと、すぐ事故報告というものを航空局にするはずですが、これはすぐ行なわれましたか。結論から先に申し上げると、私の調べた範囲ではすぐ出ていない。一週間くらいたってから出ております。

○小幡政府委員 おそらく事故の詳細がやや的確に判明しましてから出しておりますので、御説のように、若干の時日を経過してから出しておると思います。

○飛鳥田委員 事故報告というのは、原因調査を済ましてから、全部わかってから報告するものですか、そうじゃないんでしょう。この事故報告というのは、事故が起きましたということをすぐ通報しなければならぬもの、事故が起きると同時に報告しなければならない責任があるはずなんですね。たとえば自衛隊法の百七条の第四項を見ますと、事故報告の義務というものは、防衛出動をしたときだけ免除されているので、防衛出動をしていないときには、事故報告の義務は航空法でも免除されていないわけです。それが一週間もたって事故報告が出たなんということでは、小田原の被害を受けた人たちが納得するはずないじゃないですか。

○小幡政府委員 自衛隊法の施行令の百二十八条によりまして、機長が報告する建前になっておりますが、機長が事故でなくなったような場合には、防衛庁からすぐ報告するようになっております。ただしかし、事故調査を徹底的にやってからではなしに、とりあえずの報告ができる内容のものが固まったら、できるだけ早く報告するというふうにしておりますので、一週間程度はあるいはかかるかと思っております。

○飛鳥田委員 航空局長がお見えになっていらっしゃるそうですから、自衛隊機が小田原で墜落をいたしまして事故を起こしました。四機編隊で飛んでおったんだそうですが、これのフライト・プランが届け出てあったか。同時にまた、事故を起こしました場合に、事故報告というものがすぐに行なわれたかどうか。私の知っている範囲では、一週間くらいたったあとで、事故報告がしぶしぶ出てきたということですが、そういう事実かどうか、一つ教えていただきたいと思います。

○今井(榮)政府委員 自衛隊機のフライト・プランにつきましては、計器飛行の場合には、当然に管制本部にフライト・プランが通報されますが、管制区外における有視界飛行の場合には、現在航空法によりまして、フライト・プランは自衛隊の基地の機関に提出するということに権限を委任いたしております。
 それから事故報告につきましても、事故調査そのものは、純然たる自衛隊機の事故につきましては、自衛隊がこれを調査することになっておりますから、法律上当然に航空局の方に事故報告が提出されるということにはなっておりません。

○飛鳥田委員 そこで、私は非常に疑問が出るのです。自衛隊機は始終管制区を横断いたしましたり、あるいは管制区域という意味ですか、圏といいますか、管制区域を飛ぶわけです。そういたしますと、他の民間機との関係が当然出て参ります。それが有視界飛行であるからといって除外されるべき理由はないのじゃないだろうか。もしフライト・プランが、管制区を横切ったり何かするのに、そのまま航空局の方に来ないということになりますと、民間機との調整は非常に困難になるのじゃないか。かりに高度差があったとしても困難じゃないかと思う。これは有視界飛行、計器飛行を問わず、そうあなたの方で要求をなさる責任があるのじゃないかと私は思うのですが、どうでしょうか。

○今井(榮)政府委員 現在計器飛行と有視界飛行につきましては、日本の航空法と同じような取り扱いを各国もやっておるような状況でございます。従いまして、各国とも同じような方法で有視界飛行並びに計器飛行に関する飛行の規定をいたしておるわけでございます。現在のところは、計器飛行につきましては軍用機も民間機もすべて管制本部の統一した指示に基づいて飛行を行なっておるわけでございまして、その限度におきまして、有視界飛行の場合に、操縦士の責任によりまして他機とのセパレーションなり、あるいはまた衝突防止というようなことで、運用をいたしておるわけでございます。現在のところ、そういった面で非常なトラブルが起こるというふうなケースはございません。

○飛鳥田委員 各国の情熱でそうなっているとおっしゃるのですが、ICA○の標準方式などを見ますと、やはりこれは届け出なければならないような形になっていると思うのですが、どうでしょうか。

○今井(榮)政府委員 ICAOの規定におきましても、有視界飛行の場合に、フライト・プランを提出するということが規定されておるわけではございません。計器飛行の場合のみフライト・プランを管制本部に提出する、こういうことになっております。

○飛鳥田委員 ICAOの場合には、有視界飛行と計器飛行を区別していないように思うのですが、どうでしょう。

○今井(榮)政府委員 、ICAOは国際航空についての一つの機関でありまして、国際航空につきましては、有視界飛行ということは現在ほとんど考えられないのでございます。たとえば日本におきましても、太平洋を横断する定期旅客機というようなものにつきましては、現在有視界飛行というものを全然認めておりません。すべてが計器飛行で飛行さしておる状況でございます。

○飛鳥田委員 しかし、現実にコントロール・ユニットが高度、時間、距離、こういう問題を正確に把握していなければ、民間航空とその他との衝突がないという保証はできるのでしょうか。今までのところ大丈夫であったというだけであって、今後そういうものがないという保証があなたはできましょうか。やはり私は、こういう将来起こり得る可能性を考えてみて、事故が一たび起これば非常に重要なことなんですよ。万全の措置をお講じになるということは当然じゃないだろうか。少し運輸省は、そういう点で自衛隊なり米軍なりに権限を大幅に委譲し過ぎているのじゃないか。もう少し厳格な態度をおとりになる必要があるのじゃないかという疑問を私は持つわけですが、どうでしょうか。

○今井(榮)政府委員 先生のおっしゃる骨子は、十分私どもとしても理解できますし、また、御趣旨に沿うように、今後私どもとしても研究いたさねばならないと思いますが、現在自衛隊機あるいは米軍機が飛行する区域であって、特に民間機との関係において安全上十分に配慮すべきであるというような区域につきましては、演習区域の設定であるとか、あるいはまたきわめて短時間ではございますが、時間時間によりましては、ある区域をブロックするとか、それからまたスクランブル・コリドーのごとく、ジェット機が常に演習その他のたびに傾斜的に飛行する区域であるとか、そういうようなものにつきましては、安全上の措置は十分とっております。しかしながら、今先生がおっしゃいましたように、一般の有視界飛行で飛ぶ自衛隊機と、それから航空路を飛ぶ民間機との衝突防止というふうな点につきましては、先ほど、現在のところそういうトラブルはあまりないというふうに申し上げましたが、今後航空機の高速化というふうな観点からしまして、十分先生の御注意を頭に置きまして研究いたしていきたいと思います。

○飛鳥田委員 もう一つ、基本的な疑問があるのですが、F86DなりFのようなマッハに近い、あるいは今後はロッキードF104Jなんというものが出てくる。これはマッハをこえている飛行機です。こういうものが飛んでおりますのに、有視界飛行という扱いをするのですか。私は、ちょっとその点、常識をはずれているのじゃないか、こう考えないわけにいかない。なるほど理屈からいえば、目で見て飛ぶことはできます。しかし、これは有視界飛行扱いにすること自身がどうでしょうか。僕は、やはりこういうジェット機のマッハ、あるいはマッハ以上で飛ぶ飛行機について、有視界飛行扱いにすることに問題があるように思うのですが、どうでしょうか。

○今井(榮)政府委員 全くおっしゃる通りでございまして、飛行機の高速化に伴いまして、管制の方式その他につきましても、十分私どもとしては新しい体制をとるべく、今検討いたしております。たとえばジェット機、特に今先生が御指摘のような、非常に高速な軍用機の飛ぶことも考えまして、この五月五日からいわゆる高々度管制を実施いたしまして、ある一定の高度以上の区域につきましては全面管制を行ないます。それからまたさらに、かりにそういった高度が、高々度管制以下の場合でございましても、ある区域につきましては、航空路あるいは管制圏というものとかかわりなく、一定の区域を管制圏の中に置くというふうなことも現在研究いたしております。

○飛鳥田委員 そこで、防衛庁に伺いたいのですが、F86FとかD、こういう飛行機を有視界飛行扱いにして、航空局にフライト・プランを出さないということについて、私はかねがね疑問を持っておったのですが、一体それはどういうわけですか。今度の小田原の事故の場合も出ていないわけです。

○海原政府委員 ただいま先生の御質問になりましたF86F、F86Dの飛ぶ場合でございますが、これは私どもの打ち合わせが十分にできておりませんで申しわけございませんが、私どもの知っておる限りでは、有視界飛行で飛行する場合におきましても、それが法律上許されておりましても――、当該航空機交通管制圏以外に自由に飛べるところがあるわけであります。その場合にも、あらかじめフライト・プランを出しまして飛んでおるというように私どもは了解いたしております。
この点は、先ほど航空局長から言われておりますものとちょっと内容が違っておりますが、この前の四機編隊の場合も、私どもはあらかじめフライト・プランを提出いたしまして、入間川からの許可をもらいまして飛んでいるはずでありますが、しかし、なお調査の上、回答を申し上げたい、このように考えますので、御了承を願いたいと思います。
今まで私の承知するところでは、必ず事前に、たとえば小牧から千歳に飛ぶ場合におきましては、小牧の管制塔を通じまして、これからどういう飛行機がどういう方法でどちらの方向に何時に飛ぶからというフライト・プランを出しまして、これが直ちにジョンソンに参りまして、そのジョンソンの指定を待って飛行機は離陸をいたしております。これが従来の例でありますが、この場合に、先生の御調査ではフライト・プランを提出していないということでございますので、なお調査いたしたい、このように思います。

○飛鳥田委員 そうおっしゃっても、先ほど航空局長もおっしゃっているように、フライト・プランは出ていないわけです。しかし、出ているか出ていないか、議論をしても仕方がありませんから、次の問題に移ります。
 事故報告、これは航空局長、じっくりと調べてみて、その上で原因結果がわかってから報告をすべきものなんですか、事故が起こったら、すぐ今ここで事故を起こしましたという通報をすべきものなんですか。

○今井(榮)政府委員 民間機の事故の場合に、事故を起こした直後、直ちに航空局に対して事故報告を出し、私の方から検査、航務の事故調査のための関係官を直ちに現地に派遣する、こういうことをやっております。

○飛鳥田委員 自衛隊法百七条によって、治安出動のときだけその事故報告が免除されている。すると、事故報告は、やはりこの場合でもすぐなさるべきものではなかったのでしょうか。こまかいことを申し上げるようですが、こういうふうに一つ一つをあげて参りますと、何か自衛隊は特権意識の上にあぐらをかいて、日本の法規を無視して勝手に飛んでいるという印象しかないので、こういう小さなことを一つ一つ私は申し上げているわけです。一体この事故報告を一週間後に出されるという理由は何か、事故報告は事故直後に報告すべきものだと私は思うが、一週間もおくらせてよろしいという法律上の根拠があったら教えていただきたいと思います。

○小幡政府委員 お話の通り、事故報告は直ちにいたすべきものと思っておりますが、しかし、おそらく書面にして格好をつけるのに若干の日時がかかったのではないかと思います。おそらく口頭とか電話とかでは自衛隊から報告しておることになっておるのではないかと思いますが、なお調査して、その点、そういう疑義が若干見えます際には、即刻報告するように気をつけたいと思っております。

○飛鳥田委員 書面にして出されるのに一週間かかるというような事務能率は、一つ一つ長官の方から監督をなさる必要があるだろうと思います。問題は、そういうところにあるのではなくて、やはり事故の調査、こういう問題について自衛隊が専断的な調査を行なっておられるというところにあるのではないだろうか。
 むしろ、これは航空局長に伺いたいのですが、自衛隊機であろうと、米軍機であろうと、民間機であろうと、事故調査には当然航空局の方が参加をせらるべきじゃないか。そうしてその事態を究明するということが、被害を受けた国民――被害を受ける場合が多うございますので、被害を受けた国民に対して納得をいかせるゆえんでもあるし、それからまた、将来航空管制、あるいは航空というものについて集中的なコントロールをなさるあなたのところで、たとい自衛隊機であろうとも、いかなる原因に基づいて事故が発生したのかということを自分たちが直接タッチして調べてみるということは、私は重要じゃないだろうかと思うわけです。ところが、今までの事例を見ますと、自衛隊の事故は、自衛隊の中だけで事故調査会を作って調べてしまう。米軍の場合にも米軍だけで調べてしまう。こういうことで、航空局というものはほとんど関与なすっていらっしゃらない。私は、これはあやまちじゃないだろうかと思うのですが、どうでしょうか。

○今井(榮)政府委員 先生の御意見も一つの考え方だと思いますが、現在日本の航空法の建前から申しますと、先生も御承和のように、航空法の百三十二条の事故調査権というものは、自衛隊機につきましては適用が除外されております。従いまして、私どもといたしましては、自衛隊機だけの純粋の事故につきましては、航空局に事故調査権がないというのが現在の法律の建前になっております。しかし、こういった立法がなされた趣旨について考えますと、現在一般民間機と軍用機との間には、機種あるいは飛行の態様等にも非常な相違がございます。また、機体の検査あるいは乗員の試験というふうなものにつきましも、自衛隊の検査あるいは試験というふうなものが、航空局と全く違った制度、あるいはまた実態にある程度なっておるのではないかというふうなことも考えられるわけでございます。従いまして、現在の航空局の機体検査あるいはまた乗員試験というふうなものの担当官が、直ちに軍用機の事故の調査が十分やり得るかどうかというふうな面について、多少の問題があるのではないかと思います。それからまた、現在航空機の事故につきましては、かりにそれが自衛隊機である場合でも、また米軍機である場合でも、日本の一般民間航空機との衝突あるいはそれとの関連における事故というふうなものにつきましては、現在共同調査を行なっておる。その事故の原因について、両者が緊密に連携を保ちながら共同に調査しておるというのが実情でございます。おっしゃいましたように、自衛隊機プロパーの事故については関与できないという建前になっております。

○飛鳥田委員 今の法律の状態は私も知っております。しかし、当然参加をなすってお調べてなることがむしろ理想的なんじゃないかということを私は申し上げているわけで、他に実例がないわけではないわけです。私はアメリカのトランスポーテーションと称する法律を調べてみますと、やはり軍用機の事故といえども、行政官がその事故調査に関与し得る規定があるわけです。そういう規定がアメリカでさえあるわけです。ところが、日本では、軍用機に関しては一切一般行政官はシャット・アウト、これではほんとうの航空局としての管制ができないのじゃないか、こう私は考えて、当然そういうことを要求なさる必要があるのじゃないか。そしてまた、かりに法律上自衛隊の専断になっておっても、自衛隊の方もまた、事故が起こったときには、任意にあなたの方の方に参加を求めて、事故調査をフェアにやられる必要があるのじゃないだろうか、こう私は思っているわけです。こういう点について、自衛隊の方で、事故が起こったときに、航空局の人の参加を求めてフェアに事故調査をなさる、こういうようなことを今後おやりになる気持があるかどうか、外国には法律的にももうすでにその例があるのですから、いかがでしょうか。

○藤枝国務大臣 飛鳥田さんのおっしゃる御意思はわかるのでございますが現在の法律の建前はそうなっておりませんし、また、航空局の機構、その他どういうことでございますか存じませんが、しかし、おっしゃる趣旨を生かす意味における今後の研究は十分いたしたいと存じます。

○飛鳥田委員 そういうことをなさらないから、事故が起きた、おれたちのところで調べればいいのだという考え方だから、フライト・プランの通告もしていない。そういうところから出てくる気のゆるみにこれがなるわけです。また、事故が起こっても、事故報告というものを、一週間もたって、もう気のきいたお化けなら引っ込んでしまうころになさる。こういう現行法上における懈怠すら出てくるわけです。そういう意味で、今度の小田原の事故はかなり重要ではないだろうか。何か自衛隊という特権の上にあぐらをかいている気配がここにはっきり見える。そういうものが、何となしに被害を受けた小田原の人々の納得を得られない原因になっているわけです。
 そのほか、いろいろなことをこの問題にからんで申し上げてみたいと思いますが、時間もありませんから、次の問題に移ります。
 同様なことは藤沢で起こりました。これは調達庁長官に伺うのでありますが、藤沢で一月二十七日午後二時十七分ごろ、ジェット機の音速突破時に生ずる衝撃波によって、非常に広範な被害が生じたわけです。この問題について、米軍の方にあなたの方から強硬な抗議を申し込まれたということについては、私たちも感謝をするのにやぶさかではありません。その点は感謝をいたしますが、これについて米軍は何と言ってきたのですか。

○林(一)政府委員 米側に対しては、三十一日に調達庁長官名をもって、この事故原因の究明、そして今後このような事故の再発を防止するために適切なる方法をとるように、厳重に申し入れを行なったのであります。その申し入れに対しまして、文書をもちまして、在日米軍司令官から、遺憾の意を表するとともに、今後このような事故を防止するための指令を各基地司令官に発出した、また、日本人及びその財産に損害をもたらすような行為を回避するためにあらゆる努力を払うという旨の回答をよこしております。このような事故が起こったのは、ただいま仰せの通り、音速でもって低空を飛行したということが原因でございます。そのために衝撃波が起こり、相当多数の民家の窓ガラスその他螢光灯を破壊したというような事態が起こったのであります。米軍に対しては、かねがね、このような低空飛行をするということについては、できるだけ市街地の上空におけるこのような飛行は避けるように申し入れをいたしておいたのでございます。さらにこの事故が起こるとともに、ただいま申し上げたような点につきまして申し入れをいたしたのでございます。その回答がただいま申し上げましたような点でございます。

○飛鳥田委員 航空局長に伺いたいのですが、一体これは、あなたが専門家であられるかどうか私わかりませんが、航空局長であられるので向うのですけれども、衝撃波が地上にこれほど大きな影響を及ぼす、こういうことは、水平飛行をやっているときに、音速以下から音速に移る、いわゆる音の壁を越すときに起こるものでしょうか。普通私たちは、この衝撃波というものが水平飛行をやりながら起こった場合に、地上に影響の及ぶという例をあまり知らないわけですが、いかがですか。

○海原政府委員 私も専門家でございませんけれども、一応書物で知ったところによりますと、水平飛行の場合にもダイビングをする場合にも両方ございます。水平飛行の場合といたしましては、先般、かれこれ二カ月前と思いましたが、アメリカでB47かB57が四時間の世界記録と申しますか、滞空をして、あのときに、通過後におきましていろいろと衝撃波による人家のガラスその他の破壊が起こりました。この例を見てもわかりますように、これはその飛行機が飛びます地表からの高度の関係、速度の関係、そのときの気象条件、たとえば晴れている場合あるいは曇っている場合、そのときによりまして衝撃波が起こる。いろいろな状況が違って参りますから、一がいには申せませんが、水平飛行の場合にも、ダイビングすると申しますか、突っ込みます場合にも両方ございます。

○飛鳥田委員 水平飛行で衝撃波が起こりました場合には、それが人家、いわゆる地上に影響を及ぼす場合というのは、かなり高度の低い場合だと私は思うのですが、いかがでしょうか。

○海原政府委員 その通りでございまして、この米軍の場合にも、私の記憶に誤りがなければ、一応高度五万フィート以下では飛んではいけないことになっておると思います。何分にもスピードが早かったために、かつ、先ほど申しましたように、気象条件がそういう衝撃波を起こしますのに容易な状況だったために、思わぬ衝撃波が起こりました。今後そういう水平飛行の場合には、さらにいろいろな条件を検討する、こういうことが新聞に伝えられております。

○飛鳥田委員 防衛局長と林さんのお話でよくわかりましたが、低空で飛んではならぬ、こういうふうに米軍に申し入れをなすっていらっしゃる、こういうことです。そこで、航空局長に伺いたいのですが、エアリアル・ブロックという通報がしばしば米軍からあなたの方へ来るはずです。一日〇・八件ぐらい平均して来るというお話ですが、ありますか。

○今井(榮)政府委員 先生のおっしゃったいわゆるブロック・アルチチュードと申しますか、アルチチュード・ブロックと申しますか、一定の空間を限りまして、その空間における一定の時間における飛行を禁止するというふうな措置は、きわめて短い時間でございますが、大体月に二十四、五回ございますから、おっしゃる通りだと思います。

○飛鳥田委員 結局エアリアル・ブロックという通報が参りますと、そのエアリアル・ブロックの中を米軍機が飛ぶということになるわけですね。

○今井(榮)政府委員 こちらが一応承認しました時間、空間の間を飛ぶ、こういうことになるわけであります。

○飛鳥田委員 その結果は、承認をいたしますと、他の飛行機をその中に入れないということになるわけですか。

○今井(榮)政府委員 おっしゃる通りでございます。

○飛鳥田委員 ところが、このエアリアル・ブロックの通報というのがしばしば参りますのに、普通の場合に一万フィート以上あるいは四千フィート以下というふうにあなたの方で指定をなさっていらっしゃる、こういうふうに伺うのですが、いかがですか。一万フィートから四千フィートの間は他の飛行機が飛ぶので、これから上に設定をしてやる、これから下に設定をしてやる、こういうことになっておると伺うのですが、いかがですか。

○今井(榮)政府委員 特に高度によって指定するということではなくて、航空交通の現状によりまして、非常に交通の少ないところを指定するというふうに設定をいたしております。従いまして、そういうふうな要求がありました場合にも、それを拒否する例があるわけでございます。

○飛鳥田委員 承認する例もあるのでしょう。

○今井(榮)政府委員 そういうことでございます。

○飛鳥田委員 そういたしますと、林さの方は低空で飛んじゃいかぬと言い、そしてまた、海原防衛局長の方は高々度だけだとおっしゃていながら、現実にはアメリカに対して四千フィート以下で飛べという指定をしているわけです。そんなばかな話がありますか。これじゃ米軍の方だって、どっちにしていいかわからぬじゃないでしょうか。困るのは米軍の方ですよ。林さんの調達庁の方からは、低空飛行をやっちゃ困ると言われ、航空局の方からは、一万フィート以上か四千フィート以下というふうにエアリアル・ブロックを指定してある。これじゃ米軍だって四千フィート以下を飛ばざるを得ないでしょう。僕はこういうところに問題があると思うのです。

○今井(榮)政府委員 補足して説明いたしますが、四千フィート以下をかりにアルチチュード・ブロックとして指定します場合に、先ほど先生が御指摘のような非常に高速なジェット機等につきまして、そういう高度のブロックを指定するということは全然考えておりません。たとえば無線機が故障して飛行する飛行機に対する他機の接近を避けるためというふうな場合には、そういった低高度を指定することもございますが、通常いわゆるハイ・スピードのジェット機に対して、そういうふうな低高度の区域を指定するということは全然やったことはございません。

○飛鳥田委員 普通飛行機が飛んでいる場合なら、無線機が故障した場合とかなんとかいうお話はわかりますが、エアリアル・ブロックというのは、空輸の訓練の場合とか、あるいは演習の場合に要求が出てくるのじゃないですか。これは、そういうふうにちゃんと合同委員会なり何なりで約束がついておるはずですよ。

○今井(榮)政府委員 おっしゃる通りでございますが、その場合に航空局がアルチチュードをブロックする場合には、常にその飛行機の性能なり機種というものによって適否を判断するわけでございます。従いまして、非常に高速なジェット機に対し低高度のブロックを割り当てるというふうなことは、全然やったケースはございません。

○飛鳥田委員 そういたしますと、この藤沢でジェット機の衝撃音が出ましたときには、米軍は明らかにあなたの方で持定なさったエアリアル・ブロックに違反して飛んでおったということになりますね。

○今井(榮)政府委員 その点につきましては、その当該機の飛行につきましてアルチチュード・ブロックの請求があったかどうか、現在私は資料がございませんが、あるいはそういったうよな御請求はなかったのじゃないかというふうな気もいたす次第でございます。

○飛鳥田委員 そうすると、エアリアル・ブロックの請求なしで、基地以外の、いわゆる民家の上空で米軍機が訓練をするということはどうなんでしょうか。

○今井(榮)政府委員 航空局の立場といたしましては、先ほども申し上げましたように、計器飛行の場合にはフライト・プランは常にセンターに提示されまして、それによって高度の指示、速力等についての指示は与えられるわけでございますが、有視界飛行のフライト・プランが提示されました場合には、その有視界飛行計画に従ってその飛行機が飛ぶということでございますので、この場合のケースについてもそれに該当するのではないかというふうに考えております。

○飛鳥田委員 はなはだ無礼な言い方ですが、アメリカの三角翼型のジェット戦闘機で、見た人はF108Aデルタ・ダートじゃないかと言っているのです。これは僕も、僕自身見たわけじゃありませんからわかりません。ある見た人はF4H-1ファントム2型じゃないかと言っておりますが、いずれにしてもけっこうです。いずれにしても非常に高速な飛行機です。これを有視界飛行だなんておっしゃる方が、少し航空局長としておかしくないでしょうか。私はそんな皮肉っぽいことを申し上げるつもりはないのですが、しかも衝撃波が現実に出ている。そうすると、音速を越したということが明らかになるわけです。F108Aデルタ・ダートだとか、その他の種類の飛行機が、音速を越して衝撃波を発するような飛び方をしているものが有視界飛行というのは、どうも僕らのようなしろうとでは納得できないのですが、どうでしょうか。

○今井(榮)政府委員 おっしゃる通りでございまして、先ほど私がお答え申し上げました通り、航空機の非常な高速化に対応いたしまして、たとえば高高度管制であるとか、あるいはまた低高度におきましても、一定のブロックについては全面管制を実施するというふうなことを現在検討いたしておる状況でございまして、ただいまの法制のもとにおきましては、一応計器飛行あるいは有視界飛行という区分によってその飛行の計画が出され、またその指示をしておるというのが現状でございます。

○飛鳥田委員 これは有視界飛行であるか、計器飛行であるかは、向こうの届け出をそのままめくらでのみ込んでしまうのじゃなくて、あなたの方である程度の判断をなさる権利があるのじゃないですか。かりにロッキードF104Jが有視界飛行をやりますと言ってきても、あなたの方では、それは有視界飛行じゃないではないですか、計器飛行じゃないですかとおっしゃる権利はないのですか、私は航空局にはその判断の権利があると思うのです。従って、そのフライト・プランの出し直しをあなたの方で要求なさる権利権限は、航空法に基づいて私はあると思うのですが、ただ、何でも向こうから持ってくれば、その持ってきたものをめくらのみ込みにのみ込んでしまわなくてはならないのですか。それはどうでしょうか。

○今井(榮)政府委員 実質的には先生のおっしゃる点は非常によくわかるのでありますが、現在の制度の建前としましては、有視界飛行というものは、要するに、航空機の操縦士自体の責任において飛ぶという制度でございます、それが非常に高速になるということによって、有視界で飛ばせることがはたして適当かどうかという問題になって参りますと、今度はその飛行機の飛行する区域そのものについて管制権を実施するというふうな方面でこの問題を考えていかなければならぬ、こういうことになるわけでございます。従いまして、今後の問題といたしましては、管制空域を拡大するというふうな方向で問題を考えていく必要があるのじゃないか、かように考える次第でございます。

○飛鳥田委員 御研究中だというのですから、私はあまりしつこくは申し上げませんが、どうも今申し上げたように、みんな違うのじゃないですか。もっと自衛隊も米軍も――米軍に関しては調達庁、それからあなた方がきちっと御相談になって、一つ日本の航空の大元締めとしてのあなたの方で、権威のある統制をしていただきたい。そうでありませんと、さっき申し上げように、米軍は米軍で勝手なことをやる、自衛隊は自衛隊で勝手なことを現にやっている。そして被害がたくさん出ているのです。私たちは事故調査に関与できませんから、どうしてその事故が起こったかは、藤枝さんのおっしゃるのを、はい、さようでございますかと信ずるほかに仕方がないのですから、それじゃ困るのです。はなはだ失礼ですが、あなたの方でもっと権威を持ってきちっと統制をしていただくように、一つ御研究の方向を進めていただきたい、こう思います。
 そこで、私は林さんに伺いたいのですが、との場合、エアリアル・ブロックの通達が出ていなかったのじゃないか、調べてみなければわからないけれどもと航空局長はおっしゃるのですが、エアリアル・ブロックの通達がないのに、今申し上げたように、高速度の飛行機がダイビングをやったり、急上昇をやったりを市街地の上でやる、そこでこういうことになった。これについて何か文句を申し込まれたですか。

○林(一)政府委員 、米軍機の飛行につきましては、航空管制につきましては航空法が適用になるわけであります。従いまして、航空法の手続によって、事前に運輸省に通報しなければならないということは聞いております。それに基づいてあすこで飛行した、こういうふうに私ども考えております。

○飛鳥田委員 また航空局長に伺って申しわけないのですが、航空法八十五条がなぜ米軍機に適用除外になっているのか、僕はどうしてもあれが納得できないのです。申し上げましょう。八十五条は、「航空機は、運航上の必要がないのに低空で飛行を行い、高調音を発し、又は急降下し、その他他人に迷惑を及ぼすような方法で操縦してはならない。」こう書いてあるのです。なぜそれが適用できないのか。

○今井(榮)政府委員 これは、私も、立法趣旨についてはもっと研究する必要があるのでございますが、私どもの通常の考え方で申し上げますと、こういうふうなことは、通常の民間航空については非常に危険な飛び方でございます。従いまして、八十五条によりまして、こういうふうな方法で操縦してはならないというふうな規定があるわけでございますが、自衛隊機そのものにつきましては、本来戦闘のための航空機であると私どもは考えております。そういったために、その訓練については、民間機の通常の飛行のやり方というふうなものは適用除外することが適当ではないか。ことに低空飛行であるとか、あるいはダイビングであるとかいうようなことについては、本来そういうことを訓練の一つの項目として加えておるので、そういう種類の飛行機であるように考えますので、そういう趣旨から八十五条の適用を除外しているのではないか、かように考える次第であります。

○飛鳥田委員 それは横道でしたが、林さんに伺いますが、海上の空中演習場とか、あるいは陸上にかかる場合でも、空中演習場を設定いたしますのには、閣議決定を経るのじゃないでしょうか。

○林(一)政府委員 この区域を設定する場合においては、閣議決定を経て合同委員会の合意を得ることになっております。

○草野委員長代理 防衛局長が、今調査ができたから報告しておきたいということです。

○海原政府委員 先ほどの四機の場合、フライト・プランを出したかどうか調査いたしましたところが、実はフライト・プランという言葉の意味でございますが、先ほど私が御説明いたしまして、F86F、F86Dでも、有視界飛行で飛ぶ場合にはあらかじめフライト・プランを提出して、それに従って許可を得たと申しますか、それに従って飛んでおります、こういうことを申し上げたのであります。有視界飛行の場合には、先ほどいろいろ御意見がございましたが、現状におきましては、そのプランを出しまして、それに従って飛べばよいことになっておる。従って、許可ということはございません。そうして問題の四機の場合も、区域の管制塔を通じまして、有視界飛行のフライト・プランは提出いたしてございます。入間のフライト・サービス・センターにそれが届けられております。それに従って飛んでおりましたもので、あらかじめ許可を得るとか得ないということは、これとは直接関係ございません。計器飛行の場合と有視界飛行の場合と、私混同して御説明して申しわけないと思います。フライト・プランといたしましては、一応有視界飛行の場合の手続を完了しております。この点御報告いたします。

○飛鳥田委員 エアリアル・ブロックというのも、現実には一定区間を限って日本の飛行機その他の飛行機の出入を禁じ、そうしてその中における空輸の訓練あるいは演習、こういうことをやるようになっているわけです。だとすれば、これは一種の基地――基地と言って悪ければ、区域の設定じゃないだろうか。ただ、それが時間的に短いというだけであって、海上演習場の設定その他と少しも変わらないのじゃないだろうか。法律的な性質から言えば、こう思うのですが、何かそこに法律上の性質で違う部分があります。

○林(一)政府委員 米軍機の戦闘訓練、演習等の地域としましては、先ほど申し上げましたように、合同委員会の合意を得まして指定をするということになっております。その指定区域内において、戦闘訓練、演習をやるという建前になっておるわけです。エアリアル・ブロックというのは、これは多分に一時的な使用区域だ、こういうふうに考えております。その点において、ただいま申し上げましたような合同委員会の決定による指定区域とは違うものと考えております。

○飛鳥田委員 時間的なものであろうと一時的なものであろうと、それが排他的な使用を設定するという点においては、少しも違わないのじゃないだろうか。しかも、そのエアリアル・ブロックという通報が、米軍から航空局に一日に〇・七件くらいくる。先ほどのお話によりますと、一カ月に二十四件くらいあるというのですね。そうすると、日本じゅの空は始終エアリアル・ブロックが設定されておるということになって、考えてみますと、日本の上空はほとんど米軍の演習場になっているということなんですよ。これを合同委員会、閣議決定という手続を除外して、米軍から無電あるいは電話で通報がくるそうです。それだけで設定しちゃうのです。そんなばかなことを調達庁はなぜ黙っていらっしゃるのですか。ずいぶんおかしいと思いませんか、あなたでも。あなたでもというのは無礼ですが、そういう関係に携わってなれていらっしゃるあなたでも、おかしいとお思いになりませんか僕もこのエアリアル・ブロックという話を聞いて、がく然としたわけです。何だ、それじゃ、日本の基地がだんだん少なくなっていっていると思いきや、実は全部基地なんだというので、びっくりしたり、げっそりしたりしたのですよ。なるほど、一つのエアリアル・ブロックは三時間か五時間、あるいは十時間であるかもしれない。しかし、そういうものが次々と一カ月に二十四件も設定されていくとすれば、事実上日本の上空は全部エアリアル・ブロックだと言わないわけにいかないじゃないですか。こういうことについて、一体今まで調達庁はどういう態度をおとりになっていらっしゃったのか。米軍の方から無電ないし電話で航空局にちょっと一本通知があれば、それでいいのか、こういうことにならざるを得ないわけです。

○林(一)政府委員 先ほども申しましたように、米軍の戦闘地域は、地位協定によりまして提供しているわけでございます。従いまして、当方の関知しておるところでは、米軍の戦闘訓練はすべてこの指定地域内において行なわれておる、こういうふうに承知いたしておるのであります。このエアリアル・ブロックのことにつきましては、実はまだ十分承知いたしていないのであります。一つ、この点につきましては、航空局とよく協議をしまして、今後この方面についての検討をいたしたい、こういうふうに考えております。

○飛鳥田委員 それじゃ困りますよ。だって、このエアリアル・ブロックをアメリカ軍がすっと電話で通報してくる。そうすると、航空局長のお話では、四千フィート以下というのはあまり指定しないそうですが、ともかく一定の区間を限って、そこへ他の飛行機も入れないで、そこで演習できるようにしてやるのでしょう。そうすると、それはすなわち米軍の基地ですよ。あるいは区域ですよ。そういうものが勝手気ままに米軍の通報一本でどんどん設定されていくとすれば、日本は完全なアメリカの支配下、従属下にあると言わざるを得ないじゃないですか。そして、その中で勝手気ままな訓練を連中がやるから、次々に事故を起こして落っこちるのですよ。あるいは衝撃波を発して民間に大きな被害を与える。その根源はエアリアル・ブロックにあるのじゃないかと私は最近気がついたんですが、ところが、私みたいなやつでさえ気がつくのに、調達庁の長官がお気づきにならず、まああまり研究もしておらぬ、これから何とかしょうと言う。だって、考えてみますと、昭和二十七年に安保条約ができてから十年、この間岸さんが強引にやられてからすでにもう二年たっているのでしょう。十年間そういうことが公然と行なわれて、そして幾つかの被害がたくさん積み重ねられているのに、今これからじゃ、ちょっとひどいじゃないでしょうか。ひどい、ひどいと僕が言ってみたところで、女のぐちじゃありませんから、どうにもなりませんけれども、しかし、これは明らかに僕は基地の設定だと思うのです。従って、合同委員会なり閣議決定を経ずしてそのことを決定するのは、国内法的な違反じゃないだろうか、私はこう思うわけです。この藤沢の上空の被害も、衝撃波の問題も、この問題と切り離して考えていくわけにはいかない、私こう考えます。航空局長、あなたをお相伴に使ってはなはだ申しわけないのですが、厚木の基地周辺に対するエアリアル・ブロックの指定要求というのは、どのくらいな頻度で出ておりますか。

○今井(榮)政府委員 現在調査資料を持っておりません。

○飛鳥田委員 厚木の周辺におけるエアリアル・ブロックの指定を何べんかなさったことはあるわけですね。

○今井(榮)政府委員 調査資料は持っておりませんが、何べんかはあると思います。

○飛鳥田委員 林さん、お聞きの通りですよ。航空局の方は、純粋に航空法の立場から、エアリアル・ブロックを厚木の周辺に何べんか指定なさっていらっしゃるわけです。あなたが幾ら民家の上を飛ぶな、飛ぶなとおっしゃったって、エアリアル・ブロックとして使用された以上、その中で空輸の訓練、演習をやるのは向こうの権利です。そうでしょう。これじゃ意味をなさないですよ。私はそういうととろに問題があると思うのです。ですから、航空局の方は技術的な問題だけをお取り扱いになっていらっしゃるのでしょうから、今後あなたの方から、なんじは厚木の周辺あるいは民家の上に、市街地の上にエアリアル・ブロックの指定を要求しては困る、こういうことを米軍に対して強くお申し出になっていただきたいと思うのですが、申し出ていただけるでしょうか。

○林(一)政府委員 先ほども申しましたように、まことに申しわけないことなんですが、このエアリアル・ブロックのことについては十分承知していなかったおけです。この点については実態をよく調査しまして、関係機関とよく協議しまして、申し入れるべきことは強く申し入れたい、こういうふうに考えております。

○飛鳥田委員 それじゃ一つそういうふうにお願いしたいと思います。
 それから日米合同委員会の合意書によりますと、「日本政府及び米軍の行なう航空交通管制はICAOの定める標準方式を使用する。」「米軍に提供している飛行場周辺の飛行場管制業務、進入管制業務を除き、すべて、日本側において運営する。」こういうことになっておるわけですが、藤沢の上空は航空管制区になっていると思うのです。この航空管制区を横切るアメリカの飛行機については、当然やはりフライト・プランがくるはずだと思うのですが、これもみんな有視界飛行ということで見のがしていらっしゃるのですか。

○今井(榮)政府委員 先生のおっしゃっております通り、計器飛行で米軍機が航行する場合に、かりに藤沢の上空から厚木に着陸する場合におきましても、全部わが方の管制本部の指示に従っておりておるわけでございます。

○飛鳥田委員 計器飛行としての届出というのはどのくらいきておりますか。一日に何件くらいきておりますか。

○今井(榮)政府委員 これは相当時間をかけて調べないと、実は計器飛行の承認は、月間に六万枚くらいのストリップを調べるということになりますので、米軍の分がその中に何件あるかというふうな点につきましては、御必要とあれば、時間をかけて調査することにいたします。

○飛鳥田委員 一つ念のためにお調べをいただきたいと思いますが、ほとんどないはずです。みんな有視界飛行という形で勝手に入ってきちゃっているわけです。その点お調べいただいて、そのお調べいただいたものを基準にして、今度は厳重な申し入れをしていただくようにお願いをします。とにかく藤沢上空で衝撃波が起こったということ、これはエアリアル・ブロックの設定ということにからんでいますし、それから基地外の訓練という問題をどこまで許すかという点にもからんでいますし、そして現実に目撃者がみんな異口同音に言っておりますように、ダイビングの練習をやっておったということ、こういう彼らの操縦方法にも関係いたしますし、この点について、林さんのところには厚木基地対策合同委員会だとか、あるいは藤沢市長だとか、こういう人たちの要望書がたくさんきているはずです。そういう要望書にこたえるためにも、きちっとなさっていただいて、できれば善後の措置をこういうふうにしたということをこれらの人々にきちっと通報してやっていただきたい。被害に対する弁償の態度について、非常に林さんの御尽力をいただいたということは、僕もわかっています。ですが、同時に、そういうことについてきちっとしていただきませんとみんな納得いたしません。エアリアル・ブロックの問題については、あらためてまたあなたの方で御研究をいただいたあとで申し上げます。
 そこで、第三の問題として八丈島の問題ですが、何かロランCという基地を設定するということでありますが、これについて二十二日までに調査を終わって、あとは米軍が使用するかどうかをきめるべき時期にきている、こういうふうに現地に対して調達庁で御説明になったそうですが、米軍が使用するかどうかをもうきめましたか。

○林(一)政府委員 現在立ち入り調査をやっておりますが、この調査の予定期間は今月一ぱいであります。二十二日というのは、いささか誤報ではないかと思います。米軍の考え方は、最初ロランCを日本に作るという場合、八丈島と北海道の十勝太とがあらゆる点において、技術上の点においてもその他の点においても、最も適当なところであるということで、八丈島に置くという前提のもとに、立ち入り調査の要求をしてきたわけでございます。そのような条件のもとに、現在立ち入り調査を行なっておるということでございます。

○飛鳥田委員 これについて、測量のくいを町道に打ってしまったり、あるいはそれを抜けという要求をした人に対しては、公務執行妨害だからお前名前を言えだとか、そういういやがらせを非常に現地の方々がやっていらっしゃるそうですが、そういうことはない、あるいはそういうことをやらせないというお話を一つ聞かしていただきたいと思います。

○林(一)政府委員 お説の通り、町道にくいを計十一本打ち込んだ。これは測量のために必要であったので、十分にそういうような点に心を配らず、うかつに打ち込んだわけであります。あとで悪い点に気がつきまして、さっそくそのくいは全部抜きまして、跡の穴は埋めまして原状回復はいたしておきました。ただ、地元の係官がどういうようなことを言ったかというようなことにつきましては、実は詳細には存じておりませんが、今後地元の方々の気持もよく察して、十分にそういう点について注意をするように厳重なる注意を与えておきました。

○飛鳥田委員 その測量は、米軍が一緒になって測量したそうですが、そんなことがありますか。

○林(一)政府委員 今度の測量は米軍が主体でございまして、測量は米軍が主としてやっておるということでございます。

○飛鳥田委員 やはりこれは調達庁がなさって、その結果を米軍に報告なさるという形が至当なのではないでしょうか。いきなり米軍が調査をするというのは、どういう権限に基づくのですか。

○林(一)政府委員 権限の法律的な根拠というようなことは、ちょっと私申し上げられませんが、もちろん、米軍と日本の調達庁の係官も立ち合って調査をいたしておるのであります。その調査事項と申しますのは、あそこの土質がどうであるとか、あるいは高低がどうなっておるかという点、すべてにわたりまして調査をするということでございます。調査の方法につきましては、できるだけ地元の気持をそこなわないようにやるということは、米軍の方にも強く言っておりますし、もちろん、調達庁の職員にも強く注意を与えております。

○飛鳥田委員 提供することをきめちゃったあとで、引き渡し後に米軍が測量するのは、これは現行法でもやむを得ないかもしれません。しかし、提供するかしないかきめてない、まだその土地所有者が納得をしていない、その土地に米軍が来て調査するなんというのは、これは屈辱ものじゃないでしょうか。僕は、その法律上の根拠はわからぬがとおっゃしる理由が、ちょっとわからないのですが……。

○林(一)政府委員 この立ち入り調査につきましては、米側から合同委員会を通じて要求がありました。合同委員会の合意によって立ち入りを認めたわけでございます。もちろん、立ち入り調査につきましては、先ほど申しましたように、米軍ばかりがやるということではなく、日米協力して調査をやるということでございます。
  〔草野委員長代理退席、委員長着席〕

○飛鳥田委員 合同委員会がきめれば何でもできるのですか。私はそんなことはないと思うのです。合同委員会がおきめになっても、それは日本の政府とアメリカ政府の話し合いだけで、日本の国民には関係ないですよ。ここで議論したって仕方がないですから、そういうことを今後なさらぬようにお願いしたいと思うのですが、どうでしょうか。やはり都合が悪ければ米軍に測量させますか。

○林(一)政府委員 ただいま申しましたように、合同委員会の決定によりまして立ち入り調査を認めたのでございまするが、立ち入り調査をするにつきましては日米共同でやる。しかも、立ち入る場合においては、地元の御協力を得て、御承諾を得た土地に限って入る、町道もなるべく避けて県道を通って入るというように、承諾を得ない方方の土地には一歩も入らないようにいたしております。そういう点は、十分土地所有権を尊重しまして、地元の人の御協力を得てやっておる次第でございます。

○飛鳥田委員 現に町道にくいを打ったじゃないですか。立ち入らないようにといって、入らないでくいが打てるのですか。僕はそういう幽霊みたいな話はいやですよ。私もここであなたをやっつける意味じゃなしに、そういうことを今後やらないようにと申し上げているので、今後やはり必要があればおやりになるおつもりですか。

○林(一)政府委員 ただいま申しましたように、町道にくいを打ったのはまことにうかつなことでございまして、その点はあやまちを改めて、さっそくくいを全部打ち抜きまして、あと原状回復をいたしておいたのでございまするが、(草野委員「くいをあとに残さぬようにやれ」と呼ぶ)その他の点についても、このような不注意な点のないように十分注意してやるように、厳重なる注意を与えております。

○飛鳥田委員 今草野さんの不規則発言によると、くいを残さぬようにやれとおっしゃるのですが、全くあとで問題が起きないように、ほんとうに悔いを残さないようにやっていく必要があるのじゃないでしょうか。そこで、八丈島でも反対の人もたくさんおるわけです。そういう人に対して、今後強権を振りかざしたりしてお進めになるおつもりですか、それともあくまでも話し合いでやるおつもりか、それを一つ伺っておきたいと思います。

○林(一)政府委員 このような地元の方々に相当関係のある仕事でございますので、十分地元の方々の御理解、御協力を得て話を進めていくつもりでございます。

○飛鳥田委員 八丈島の問題については、きのう大柴君も質問をされたそうですから、私は以上で終わりますけれども、最後に、実はこの前の予算委員会でちょっと私伺った、厚木にありましたJTAGと申しますか、米軍技術顧問団について、少し外務省の方に伺いたいと思いますが、この米軍顧問団は解散になり、その存在を消したわけです。しかし、その解散になります際に、そこに勤めておりました人々は、そのまま解雇になって、退職手当も出ず、何も出ず終わってしまいました。私たちは、この技術顧問団という団が米軍であるとはとうてい考えられなかった。やはり軍以外の機関であると考えないわけにいかなかったわけですが、この点についてどのような御調査が行なわれたか、聞かせていただきたいと思います。

○高橋説明員 ただいま飛鳥田先生の御指摘になりました点は、前にこの問題が国会で持ち出されましたときに、あれは米軍であるかどうかという御質問がございました。そのときに、直ちに米軍にこの点は確認をいたしました結果もございますが、それによりますと、JTAG、連合技術顧問団と申しますのは、当時お答えしておると思いますけれども、在日米軍の司令部に付属をしておるものであって、兵站補給任務に服しておる。それがただいま御指摘になりましたように、昨年の一月末日に解散をした、こういうふうに思っております。

○飛鳥田委員 この問題について、こまかいことを申し上げている時間がないのですが、軍でなかった証拠に、いろいろな労働者の使用について、労働協約みたいな就業規則のようなものを作って、厚木の監督署に届け出たり、その他のことをやっているわけです。もし軍ならば、そんなことをやっている必要はないわけです。そういう点で、私たちはこれが軍の一部であるとは考えられませんし、また、軍の一部だとすれば大へんなことです。諜報機関を軍の一部としてやっておられたということについて、われわれは納得できなくなってくる。そういう点で、民間のものだと私たちは考えて、ここに働いている人たちの退職金なり何なりの点をいろいろあなたの方で御配慮をいただいているわけですが、そのことについてどうなっているのでしょう。

○高橋説明員 お答えいたします。ただいま先生が御指摘になりました点で、お言葉を返すようでございますか、情報活動に従事をしておったものか軍の機関であるはずがないということでございますが、その点につきましては、毎々たびたび答弁してあると存しますけれども、その通りに、これは米軍に確かめた結果もそうでございますが、情報活動には従事をしておらない、それは行なっていないということがはっきりわかっております。米側の申しますには、あれは兵站補給任務で、物資の貯蔵とか荷作りとか輸送、そういうものに従事をしておったのだということでございます。それが第一点。
 第二点の、退職金を支払われなかったのだけれども、それに対してどういう措置がなされておるかということにつきましては、これは飛鳥田先生十分御案内の通りに、昭和三十二年に厚木の労働基準監督署に対しまして、当時雇用されておりました労務者約二百数十名でございますが、そういう人たちの大多数と申しますか、ほとんど九九%の賛成を得た就業規則が届け出られております。それは、日本の国内法に違反してないということはすでに確認済みでありますが、米軍であればそういう就業規則を出さないでいいではないかという御指摘がございましたけれども、これは御指摘の通りに、ただいま調達庁の方でやっておりますいわゆる間接雇用の労務者につきましては、確かに就業規制というものは届け出はしてないと思います。これは、先日来、そういう間接雇用労務者に対しては、就業規則を適用すべきではないかと申しますか、それを作るべきであるということの御指摘がございましたが、それに対しましては、あれは米軍の労務担当官と調達庁の長官との間で労務基本契約というものができておるので、それがすなわち就業規則と同じことである、労務者には周知徹底をされておるというふうな経緯から、間接雇用の労務者に対しては、従来就業規則というものが届け出られてなかったというふうに私は了解をしております。本件につきましては、就業規則というものが届け出られておって、その中には、御存じのように退職金の規定というものがない。アメリカ側に対しましては、例のJTAGの解散にあたりまして、就業規則には規定がないけれども、何とかしてくれないかという話を、公然ということではなしに、一つ考えてくれないかという気持で申してみたのでございますけれども、米軍といたしましては、ここの人がサインをしておる就業規則には退職金の規定がないのだということで、遺憾ながら支払うことができないという返答を得ております。従いまして、その後は、日本側でできるだけのこと、離職者の対策とか、それから就職あっせん、その他万般のことにわたりまして、たとえば労働省の方から出向きまして、現地で転業のあっせんをするというような、できる限りのことをやっておると承知しております。

○飛鳥田委員 米軍で現実に就業規則を労基法に基づいて労働基準監督署に提出をした例というのは、ここ以外にほかにありますか。

○高橋説明員 お答えいたします。
 間接雇用の例では、先ほど申し上げました通りに、やっていないということでございますが、直接雇用、これはちょっと例外的でございまして、直接雇用の例は、これ以外にはない。米軍に当時照会をいたしまして確かめました結果、これは例外的なものであるが、残っておったということでございます。従いまして、これ以外に直接雇用で就業規則を出しておるものがあるかというお問いに対しましては、ないというように思います。

○飛鳥田委員 やはりそのことが、そのグループの所属を明確に物語っておるのじゃないだろうか。これは軍の一部でないからこそ、こういう就業規則の届け出をきちっとしているわけです。私たちはそうとしか思えない。ですから、これは軍の一部ではない、こう考えていくのが当然であると私は考えますが、その点について、なぜ君の方ではこういう届け出をしたのだ、こういうふうにあなたの方が反論をなすって、向こうの意見を聞いてごらんになったことがあるのですか。

○高橋説明員 これは先ほどもちょっと触れましたけれども、労務者が二百四十数名おられたわけでございますが、その労務者と米側とが話をした結果、労務者がこれでよろしいということで、就業規則が制定され、それで届け出たというように承知をしております。従いまして、米軍とJTAGで働いておられた方々との間の話し合いで、納得ずくでできた、こういうふうに承知をしております。

○飛鳥田委員 軍の一部なら、そういうものは適用除外されておるのですから、何も届け出る必要はないのじゃないか。幾ら納得ずくだからといって、それじゃほかでも納得ずくならばみんな届け出ることになるのですか、ずいぶんおかしな話じゃないかという気がするのです。

○高橋説明員 これも飛鳥田先生十分御存じのこととは思いますけれども、地位協定の十二条の5には、日本の例に従うということが書いてございまして、従いまして、これは労働法の何条だか忘れましたけれども、そこで、すべて就業規則その他は届け出るべきだということが規定されておるわけでございます。

○飛鳥田委員 今まで米軍は、日本の労働法規を守らないので有名なんですよ。地労委なり中労委なりで米軍を呼び出したって、本来ならば出てこなければならない責任があるのですが、出てこない。そのために非常に困っておる。それからまた解雇された者が訴訟をやって、その解雇無効であるという判決を得ているにもかかわらず、米軍は戻さない。当然日本の判決を尊重して、解雇無効である以上、原職に復帰させることは、日本に駐留している以上当然なんです。ところが、それさえもやらない。まだあげていけば百も二百もあるのです。隣に林さんがいらっしゃるから、聞いてごらんなさい。日本の法規を無視し切っている人が、この部分だけについてちょこっと法規を守ったという話なんか、あなたそのまま聞いていらっしゃられるのか。もし聞いていらっしゃられるといえば、ちょっと常識を疑わざるを得ないと思うのです。外務省にはなはだ失礼ですが…。やはりこのことが、逆に彼らが、自分たちが軍でないといとことを自分で自白している非常に強い証拠じゃないだろうか、こう私は考えるわけです。いずれにせよ、その点について、きょうは時間がありませんから、いずれ他の事例をあげてゆっくり申し上げてみたいと思いますが、もし軍でないとして、しかもそういう諜報的なことをやっていらっしゃらないとおっしゃったのですが、これは幾らだって例があります。やるとすれば、これは安全保障条約に違反しているわけです。僕ら安保条約自身をもよくないものだと思っておりますが、それに対してすら違反していると言わざるを得ない。そういうところで働かされた労働者に対して、もっと真剣にその擁護も考えていただくようなことは当然じゃないだろうかと思うわけです。このことについて、なおもっとできるだけ交渉をしてみていただいて、もしだめなら、訴訟でも何でもこっちで起こしますから、一つあなたの方で御努力をいただけるものかどうか、その点を伺っておきたいと思います。

○高橋説明員 結論だけ簡単にお答えいたします。
 今飛鳥田先生に御指摘をいただきました点につきましては、従来も、当初問題が提起されましてから米側と交渉しておったわけでございますけれども、これは交渉すべき問題かすべからざるかということは別にいたしまして、とにかく米側と話を進めておったわけでございますが、米側の反応といたしましては、これは就業規則に、先ほども申し上げました通りに、退職金の規定がない、労務者の方は皆さんこれに同意をしておられるということで、それからまた、その新しい就業規則を昭和三十二年に作りました際に、その有資格者に対してはすでに退職金が支払われているという事例もあるということなどから、根本的には退職金というか、そういう規定が就業規則にないということで、アメリカ側はそれは払えない、それをしいて日本側から裁判にまで訴えてやるという性質のものであるかどうか、大へん残念でございますけれども、御本人たちが承知しておられるわけでございますから、できないことと考えます。

○飛鳥田委員 林さん、こういう問題についてあなたの方にもいろいろお話が行っておると思うのですが、どうなんでしょうか。もしかりに米軍の一部だというふうに外務省の方がおっしゃるのならば、それはそれとして、また保護の方法が当然考えられていいのじゃないだろうか。何もなしにいきなりほうり出されて、それでおしまいというものであっていいのだろうかという感じがするのですが、いかがでしょうか。

○林(一)政府委員 JTAGが米軍の一部であるということは、私どももそう考えております。従いまして、これはその前提のもとに立って、軍とこれを話し合いによって供給したのでございますが、もちろんこれは直接雇用でございます。直接雇用の場合におきましては、政府雇用でございませんので、この駐留軍関係離職者等臨時措置法による特別給付金の対象にもならないし、また退職金というようなことについても、支給はできないというようなことでございます。先ほどから、就業規則を届け出たというようなことでございますが、それにつきまして、何か駐留軍関係の政府雇用の労務者について、労働条件その他の労務管理について、法令に違反しておる点が非常にたくさんあるというようなことでございますが、これはいろいろな見方があると思いますが、私どもは法令に違反しておるというようなことはやっていないつもりでございます。御承知の通り、就業規則を労働基準局に届け出るということになっております。この場合も、就業規則を作りまして、合意の上で労働基準局に届け出たと聞いております。いずれにしましても、これは政府雇用でないというところに問題があるのであります。そのために、特別給付金なり退職金の支給ができないというようなことでございます。今後外務省ともよく連絡をとりまして研究はいたしたい、こういうふうに考えます。

○飛鳥田委員 もう十二時も相当過ぎましたので、他の皆様方に御迷惑ですから切り上げますが、ともかくこういうみなしごのようなものがあちらこちらに出てきているわけです。こういうものについても、政府として相当な配慮をして、最大限度の努力をしていただかないと、国民の保護という点に欠けるんじゃないだろうか。いずれあらためてJTAGの問題について全部資料をそろえて、次の国会ででもお知らせしたいと思います。ともかくその間ここに働いた人々に対する御尽力だけは強く要請しておきたいと思います。
 以上で終わります。

51-参-運輸委員会-3号 昭和41年02月10日

○吉田忠三郎君 私は、この機会に、あまり時間もございませんから、その時間の関係というのは大臣の関係でありますが、そこでせっかく大臣がお見えになっておりますから、その時間もにらみ合わせますと、重点的に、できるだけ簡潔に問題を端的に伺ってみたいと思います。ですから、答弁するほうも、問題は事故に関する問題ですから、まわりくどい答弁をしたり、官僚的な答弁をしたり、ぬるま湯につかっておったような感じのするような答弁をせずに、そのものずばり私は答弁をしていただきたい。このことを申し上げて、質問をいたしたいと思います。
 第一は、本会議でも私が質問いたしましたけれども、航空行政のあり方について一つでございます。それから第二には、最近とみにひんぱんになってまいりましたけれども、この業界の過当競争の問題についての考え方が第二です。第三は、もとよりいつの場合でもそうでございますが、特に定期航空については、何といたしましても安全が第一であらねばならぬ、安全というものが生命である、こういう関係から、安全の問題について第三番目に伺っておきたいと思います。それから、最近しばしば運輸大臣が世間に向けて談話などを発表しておりますが、昨年の暮れの航空審議会の答申について若干伺います。さらに最後には、犠牲者あるいは遺族に対する補償の問題、この五つの問題に大別をして質問をいたします。
 運輸大臣、第一の問題でありますけれども、今日この航空行政は不在であるという国民から批判を受けているわけであります。で、一体なぜこの不在であるというふうに批判されるようになったのかということを、この際謙虚に運輸大臣考えてみる必要があるのじゃないか、こう思うのです。
 で、私は一つの例をあげて申し上げますが、たとえば国内における東京を起点とした札幌、さらには南のほうは福岡でありますけれども、これが国内の主要枠線とまあいわれています。この幹線の航空輸送をどうするかという問題についても、運輸省は今日まで二転三転をいたしているわけです。そのつど業界には混乱が巻き起こってくるわけでありますが、私は非常に先ほど言ったように端的に言いますけれども、今日の運輸省のやり方というのは朝令暮改的である。だからこそ、いま申し上げたように、ネコの目の変わるように毎回その施策というものが変わってくる。言いかえますならば、一貫した行政がないということが言えると思うのです。これが今日国民全体から、航空行政というものは不在である、こう言われている私はゆえんだと思うのです。
 たとえば二十七年に、この緯線をどうしてやるかということについては、、当初は日本航空一社、ローカルを二社でやらす、そういう方向のやや当時としてはかなりのものが運輸省の施策としてとられました。もとよりそのころは中村さんは運輸大臣でなかったと思いますけれども、いずれにしてもそういう毛のが打ち立てられた。ところが、三十二年になってまいりましてから、一礼を合併して、、いま問題を起こしています全日空が発足をしてきた。三十三年には、今度はこれまた、この当時ローカルをやろうということで一つの方針を立ててやっておった全日空が、幹線に乗り入れをするようになってきた。三十五年には、今度はローカル線を縮小いたす意味からも、合併――ことばはたいへん基盤強化のために集約統合などということばを使っておりますけれども、そういう方策がとられてきた。翌三十六年には、今度はまたローカルを七ブロックにする逆な方向の政策が一年後にとられている。三十七年には、今度はこれまた、東京-大阪、東京-札幌、この幹線については、四十年から日航、全日空に対して半々のいわゆる路線を与えるというような措置がとられて、三十九年、今度はさらに、今日の国内航空、この会社を、たった一機でありますけれども、幹線乗り入れを認める、こういうまあ経過をたどっていますが、これをずっと経過的にながめてみますると、先ほど言ったように、全然一貫性がない。ですから、あとで触れますこういう事柄が今日の業界の危険な醜い過当競争の原因になっておると私は言っても過言でないと思う。これに対して一体政府はどう考えているのか。最近運輸大臣は私はこの新聞を見たわけですが、今度の事故を契機に、国内線二社の方向で航空業界の再編を促進したいと、こう言っております。これなどは、明らかに、何が何だかわからぬけれども、みずからの責任を他に転嫁せんとした、去年の航空審議会にその目標さえ指示しなかった答申を踏まえて私はこういうことを言っているのじゃないか、こう思うのですが、いずれにいたしましても、今後の航空行政というものをどう一体、今日の時点で、いま申し上げたようなことを踏まえつつ施策として施す気持ちがあるかどうか、この点を私は明らかにしていただきたいと思うのです。本会議では、それらしき -私はわずか十五分でありましたから、概略の質問をいたしておりますけれども、具体的には申し上げる機会がありませんでしたから、あえて申し上げておるわけですが、したがって、本会議答弁にはそういうものはないので、ぜひひとつ、大きな問題ですから、これについての率直な答えを求めたいと思います。

○国務大臣(中村寅太君) 航空行政が非常に貧弱であるというおしかりでございますが、私は、日本の航空事業の伸びが現在の航空企業の持っております施設等との間に差異を生じてきておるというようなことが、やはり航空行政の姿に不十分な点をあらわしておる大きな原因ではないかと考えておるのでございます。今後の航空行政のあり方といたしましては、国際的な線、国内の線とをにらみ合わせながら、日本が持っております航空企業の力を基本といたしまして、交通整理といいますか、一つの整理をされた形で、堅実な行政をやっていきたいと、かように考えておるものでございますが、先般航空審議会に諮問いたしまして、その得ました答申等を見ましても、いま吉田委員が仰せられるように、過当競争等の問題がやはり課題として提起されておりますので、私は、日本の航空企業のあり方等に検討を加えまして、審議会の答申を尊重しながら、吉田委員が仰せられるように、過当競争等を完全になくすような方向が航空行政、航空企業のあり方等を規定してまいりたいと、かように考えておるものでございます。私が今度の事故を契機に航空態勢を整えたいということを申し上げましたのは、やはり今度の事故の直接の原因等は調査の結果をまたなければわかりませんが、一般的に考えまして、やはり事故発生の原因はいろいろの要素がある。航空事業の全体を通じて安全確保という線に集中していかれるような一つの態勢を整えることが将来の事故をなくしていく道である、かように考えまして、当面の点検とかあるいはいろいろの整備とかいうことに万全を尽くすということはもちろんでございますが、いま申し上げますような、航空事業の全体にやはり安全確保という強い精神が流れていくような一つの方向を考えたい、かように考えているわけでございます。そういう態度で臨みたいと思っている次第でございます。なお、いままでの航空行政等の問題につきましては、局長から説明いたさせます。

○政府委員(佐藤光夫君) 従来の航空行政、特にいま吉田委員の御指摘の国内の幹線のあり方については、その事情、あるいは方向としては、現実にある航空事業をできるだけ経営基盤を強固にするという方向で従来の行政がなされておったというふうに御了承いただきたいと思います。ただ、その政策をきめる時点が非常にやはり接近しているというようなことは、わが国の国内航空の急速な発達というような事情をお考えあわせ願いたいというふうに思う次第でございます。

○吉田忠三郎君 大臣の答弁では、これからの問題も含まれているわけですから、これはある意味において多少理解されないわけではない。ですけれども、-大臣、去年の六月に行政管理庁からこの問題で勧告されていますね。大臣承知していますか。

○国務大臣(中村寅太君) 航空行政の基本的な態勢を整えるようにという勧告が出ていることは、承知いたしております。

○吉田忠三郎君 承知しているということですから、あえて申し上げますけれども、この六月の行管が運輸省に対して勧告したものが、航空基本の政策の樹立を勧告しているわけであります。ですから、そこで私が冒頭言ったように、航空基本の政策が一体政府にあるかないかというと、私は残念ながらないと言わざるを得ない。ですから、一般国民が、航空行政が不在である、こう言っているゆえんはここにある。しかも、この中で具体的に勧告しているのです。その一つは、操縦士の養成について一つ勧告しております。しかも、これがただ単に場当たり的に勧告しているのじゃない。この養成についても、長期計画をもってやりなさいということを勧告しているのであります。そこで、運輸省の航空局としては、この乗員の養成に対する長期計画というものを具体的にどう勧告に基づいて計画をされているか、この委員会でひとつ明らかにしていただきたい。
 それからもう一つは、管制要員を確保しなさい。今度の場合も、天候のこれは良不良があったであろうが、とにかくたいへん天候がよかったから有視界飛行に。パイロットから連絡があって、管制塔が認可したから、私はそのこと自体をどうこう言っているわけではないのですが、とにもかくにも、あのときは視界が、月の光か何かで、パイロットの視角で見ますと、地上における誘導灯などは十分見えたからということだと私は思いますけれども、夜間ですから、行管が指摘しておりまするような管制要員を十分確保して、管制体制さえ確立されておれば、万が一――これは結果論でありますけれども、万が一ああしたことにならないで、十全の計器飛行をやれたんじゃないかというような気さえするんですよ。私がするんですから、一般国民も大多数がそう思っているんじゃないかと思う。これがすでに問題がありますということで行政管理庁から指摘をされている。しかも、いま言った管制官が、給与は少ないし、非常にオーバー労働をしいられてくたくたになっている、こういう実態をも含めて勧告しているので、これに対して一体――これは大臣はこの勧告を受けたときには、きっとまだ大臣じゃないから -大臣になっておりましたか、この六月に。まだなってなかったですな。ですから、あなたは直接はわからぬが、局長でけっこうですが、どう一体考えているのか。これはたまたま、いま予算を提案されて、衆議院では予算審議をしている段階ですから、どうあなたはこれを解決するために努力をしたかということをひとつ聞かしていただきたい。
 それから保安対策の充実の必要性も強くこの勧告では指摘をしています。ところが、今日航空局の実態は、事故の原因を調査する専門職員は航空局に二人よりいない。それで、空港施設等と、事故を誘発をした間接的な原因まで調査することは非常にむずかしいのである、こう批判をこの行管の勧告はつけ加えている。これなどについて、どう航空局が改善したのか。これもひとつ去年の六月ということになりますれば、やがてもうそろそろ一年近くになりますから、しかも、これは予算編成前にこういう重大な勧告をしているわけですから、予算編成にあたって、どう航空局がそれぞれの予算要求をしたのか。大蔵省来ていますか。大蔵政務次官ですか。大蔵政務次官のほうとしては、今度の四十一年度予算編成にあたって、航空局のほうからどういう予算要求をされてきて、あなた方もこれは同じ佐藤内閣の一員なんだから、どう一体この勧告を踏まえて国民の負託にこたえようとした措置をとられたのか、明らかにしてもらいたいと思う。

○国務大臣(中村寅太君) まず最初の搭乗員の養成計画等についてお答えいたします。
 私も吉田委員の感じと同じように、運輸大臣になりまして、日本の航空搭乗員の養成体制というものが非常に弱いということを痛感いたしまして、現在の養成の体制は自衛隊に委託しでやっておるというのが一つと、それから航空企業がみずから養成をしておりますというのが第二でございまして、それから政府といたしましては、宮崎に航空大学を持ってやっておるような実情でございますが、航空企業の伸びに比べますと、搭乗員の養成体制というものは非常に弱いということを痛感いたします。まず、政府といたしましては、私は、宮崎の航空大学の完備がなされなければならない。搭乗員の養成には、、非常に大きな金を要しますので、一気に体制を整えるというと、いろいろ財政等の関係がありまして困難でございますが、私は、搭乗員の養成の大半はやはり政府の力でやるべきであるというような考え方を持ちまして、長期計画で政府の養成機関を整備してまいりたいというような観点から、四十一年度は、宮崎の航空大学にYS11を二機そろえまして、これは私は先般航空大学に参りまして、いろいろ大学の実態を見、学生等からいろいろ意見や要求等を聞きますと、いまの宮崎大学が持っております施設では、卒業生が民間企業に入りましても直ちに役に立ちかねる、それはなぜかと言えば、大学の練習等の飛行機が、いま民間企業が使っておるような線までいっておらぬというところにあるというようなことを言われましたので、さしあたり四十一年度はYS11を二機ととのえまして、これによって学生の技能を、直ちに民間企業に入ったときに間に合うようなところまで持っていきたい、そういうことで、一歩一歩でございますが、前進させておるような次第でございます。しかしながら、搭乗員の養成というのは、政府がもっと本腰を入れなければならぬということを強く私も感じまして、そういう計画を進めておるような次第でございます。
 それから、自衛隊、それから航空企業自体もやっておりますが、これではやはり間に合いかねますので、将来はやはり航空企業とか、あるいは自衛隊等のいわゆる搭乗員の養成に、日本の航空政策としてはもっと力を入れなければならぬということを痛感いたしておる次第でございます。
 その他のことにつきましては、局長からひとつお答えいたします。

○政府委員(佐藤光夫君) 乗員の養成のための長期計画はどうかということの勧告がございまして、われわれの内部で検討いたしました二つの大きな眼目は、一つは数の確保の問題、一つは質の問題でございまして、質につきましては、いま大臣から申し上げましたように、DC3程度の従来の教育を、ターボプロップを直接扱えるような程度に引き上げるということ、これにつきましては、ただいま御審議を願っておりますこの予算に、この考え方を盛り込んでおる次第でございます。
 なお、数の整備につきましては、第二航空大学の建設その他について、部内で検討を進めておる段階でございます。
 それから管制要員でございますが、管制要員は、従来非常に業務量増に対応する管制要員の増という、国会等でもしばしば御審議をいただきまして、大蔵省との折衝におきましても、特にこの点に重点を置いて折衝しました結果、三十七年度三十一名、三十八年度二十五名、三十九年度二十六名というような管制要員の増が認められまして、四十年度定員におきまして、航空管制における管制官が五百十一名という状態になっておるわけでございます。
 なお、ただいま御審議を願っております四十一年度予算におきましても、管制業務要員三十八名の増加をお願いしておる状態でございまして、われわれとしては、政府の定員事情その他もございますが、こういう点について、できるだけ、将来とも、管制業務量の増に応ずる要員の増、なお、管制官だけでございませんで、管制の通信、管制通信官というようなものも必要でございますので、これらの管制官、管制通信官、管制技術官、要するに、管制関係の要員の確保については、将来とも努力をしてまいりたいと存じておる次第でございます。
 なお、保安対策につきましては、従来、各般にわたって御答申その他をいただいておりますので、それらについて、それぞれ項目別に努力をしておるわけでございますが、御指摘の航空機事故調査につきましては、御指摘のとおり、事故専門調査の定員として張りつけておりますものは二名でございます。したがいまして、今回の場合等におきましては、部外の方等にも御無理をお願いしまして、急速にこの実態把握につとめておるというような状態でございますが、これらの要員の確保につきましても、今後とも、われわれも努力をしてまいりたいと考えておる次第でございます。

○政府委員(竹中恒夫君) 民間航空に対しまする助成の予算措置ということについてのお尋ねでございます。先ほど来御両者から御答弁伺っておりますように、戦後非常に民間航空は急速に発展してまいりました。特に私どもといたしまして本、国内空港の整備、あるいは空港保安施設の強化拡充等につきましては、格段の意を注いでまいったわけでございまして、本年、ただいま国会に提出いたしまして、これから先生方に御審議願いまする予算案におきまして、この関係予算は百二十二億七千五百万円ということでございまして、五年前の昭和三十七年のおよそ倍額に相当するものでございます。決してこれをもって足れりと考えておるわけじゃございませんが、一応百二十二億七千五百万円というものをもちまして四十一年度の民間航空助成の予算に充当いたしたいと、かように考ええておるわけでございます。
 なお、ただいま運輸大臣から御答弁ございましたように、その中で、特に乗務員の養成、教育でございまするが、これは航空大学における教育、並びに防衛庁に対する委託によってやっておるわけでございまするが、特にジェット機の発達等によりまして、従来の宮崎の航空大学におきましては、大型の航空機がございませんので、YS11型を今回二機購入する予算も計上いたしまして、大学で養成した者が直ちに民間で役立ちまするように、従来でございまするなるならば、民間入りましてから、またあらためてそういう大型操縦に対する訓練等をしたわけでございますが、そういうことのないようにいたしてまいったわけでございます。
 なお、管制要員の確保等につきましても、先生御指摘のとおり、きわめて、重大なものでございまするので、あとうる限りの予算措置をいたしてまいる所存でございます。
 なお、詳細につきまして必要でございますれば、説明員から答弁させたいと、かように考えております。

○委員長(江藤智君) ただいま遺体の捜索状況につきまして報告がございましたから、御報告いたします。
 その後、きわめて困難であるが作業を開始いたしまして、十時三十四分に男の方の遺体を一体収容したそうでございますから、御報告いたします。

○吉田忠三郎君 大臣と大蔵政務次官からいま答えがありましたが、何かその後、かなり施策を施しているように聞こえるんですね。しかし、私がこれから申し上げる過当競争の問題であるとか、あるいは安全問題をとらえての施設の問題等から見れば、これはもう問題になりません。
 それから、政務次官がいま百二十二億と言っておりますけれども、これは民間航空だけじゃない。しかも、ことしの予算編成された中身を見てみたって、私の記憶では、十九億くらいですよ、具体的に使われる金というものは。ですから、これは、その議論はあとでまた追ってしますから申し上げませんけれども、とにもかくにも、行管から勧告されたこの内容については、もっともっと運輸省としては、積極的に前向きに取り組んでいただかなければならないと私は思うのです。いまも答、えられたように、たとえば乗員の訓練にかかる費用などというものは、その辺で自動車の運転手を養成するようなわけにはまいりません。ものすごいこれは金のかかる仕事なんです。ですから、この委員会でも、前の松平委員長の時代にも、私ども、宮崎の航空大学を視察をしたりなんかして、それぞれ個人の考え方でなくて、委員会全体として指摘をしている問題があります。たとえば、宮崎の航空大学へ行ったって、図書館もない大学なんていうものは、ぼくは見たことはないですよ。しかも、寄宿舎がなかった。民宿なんだ。その結果、地元の花嫁さんなんかちょいちょいもらっておったようだけれども、その意味では、たいへんけっこうなんだけれどもね、いま大蔵政務次官笑っておりますかね、そういう実態の大学なんですよ。それで、いま申し上げたような、毎度私どものほうはこの委員会で指摘をして、その後、たしか去年だったと思いますが、寄宿舎の関係、あるいは図書館はどうなっていますか聞いていませんが、漸次整備されつつありますけれども、問題は、いま大蔵政務次官も言ったように、日本の航空業というものは急速に伸展、発展をしてきたんだ。これは日本だけじゃない、世界の傾向がそうなんだ。しかも、これから大型化していくわけですから、さらに発展、伸展すると思うのです。そのときに、運輸大臣も申されたように、ささやかな経費ではできないのです、パイロットの養成などというものは。そうすると、いまの説明では、自衛隊で、あるいは民間でも、こう言っていますけれども、自衛隊の養成しているのは、本質的に違うんですよ、これは目的が。それから民間は、これは政府に、先ほど言ったように、たよることはできない、政府の行政にまつことはできないということですから、自分たちの商売上やむを得ずやっていると思うんです。かなりの出血をしてやっている。こういうことについて、この委員会では、宮崎の航空大学の今日の養成定員三十名というのは、もう問題にならぬ。だから、具体的に、これでも満足じゃないけれども五十名くらいに定員をして、とにかく、いまのこの進みつつある航空業の動きに対応するような養成の一つの方向をとったらいいのじゃないか、こういうことを大臣に言ってあるんです。この問題は、いま何か第二航空大学の話で――こんなものは佐藤局長、いつのことかわからぬですよ。いままでのあなた方のやり方を見ておると、いつのことになるかわからぬ、こんなものは。ですから、既存の宮崎の大学の定員をふやせばいいじゃないですか。こういうことを、あなた方一体どう考えているのか。
 それから、いま民間も、過渡的過程ですからやむを得ぬですから、民間のそれぞれの航空会社は、自衛上要員の訓練をやっているとしても、これについては、できるだけ政府が財政的に援助しなさいと、こう言ってきているわけです、われわれは。ところが、いま政務次官が、何か百二十二億予算を組んでおりまして、昭和何年の何倍になっておりますと言ったって、こんなものは一銭だって、びた一文だって出ていない。ですから、いま私が言ったような話は、一昨々年からこういう話をどんどんこの委員会で出して、それぞれ、当時の速記録を見てごらんなさい、答弁しているんです。いるけれども、今日依然として、今度の予算の中だって、いま言った要員の関係についての補助金などというものは一つもないですよ。日本航空にはありますよ、これは日本航空というのは国策会社ですからね、別な会社なんですから。今度の事故を起こした全日空にしたって、国内航空にしたって、その他の中日本航空ですか、こういうものは一銭もないですよ、政務次官。こういうところに私どもは問題があると、こう言っているんです。
 いずれにいたしましてもも運輸大臣と、あるいは大蔵政務次官のお話を聞いてみてわかることは、何と言ってもやはり人手が不足だと、運輸省の航空局の人手が不足である。もう一つには、予算が全く満足に組まれていない、こういうところに私は帰着すると思うのです。だからこそ、しばしば世間の笑いものになっているんじゃないですか。飛行場はつくったけれども、途中で丘があって飛べません、これは三宅島の飛行場のことだ。飛行場はできたけれども、何か雷族のレースのコースになっておる、こんな状態じゃないですか。航空局のやることすべてが後手後手に回っておる。この原因は、いま言ったように、人手が不足だ、大蔵省がさっぱり金を見ない、大蔵省ということよりも、国が見ない。私は、やはりそういう点で、結局のところは、国の機関――政府、これはその政府のほうは、与党にも私は責任があると思いますが、委員長、その理解不足がこうなっているわけだと思うのです。幸か不幸か、今度こういう世界的な大事故を起こして、国民すべてがいまこの問題に集中しているわけですから、この際、私は一人で、第一、時間もありませんから、他の先生方もいろいろこれに関連して質問もあろうと思いますから、この問題については、あまりこれ以上申し上げませんけれども、ここで、これらの問題をじっくりかみしめて、これから運輸行政というものを基本に立ち返らせなければ、私はたいへんなことになると思う。逆に、そのことをきちんと運輸大臣が先頭に立って、しかも、の勧告があるわけですから、それを踏まえてやるならば、少なくとも、航空行政が不在だなどというそしりはだんだんされなくて済むんじゃないか、こういう気がするんですが、運輸大臣どうですか。

○国務大臣(中村寅太君) 搭乗員、乗務員の養成施設についての、きわめて建設的な御意見、実は私も同様に痛切に感じておるものでございまして、実は、搭乗員の養成の方向というものは、いま吉田議員が言われましたような方向でやらなきゃならぬということで、これには、先ほど申しますように、相当大きな新しい資金を要しますので、私は、長期計画で年々これに国家資金を投じまして、そうして日本の航空企業が要請する搭乗員に不足を来たすことのないように急いでやらなければならない。しかしなら、やはり二年や三年というような短期間では、これはとても実際問題としてできませんので、少なくとも十年ぐらいの長期計画で、これは大臣がかわってもこの路線は変わらないというような一つの計画を立てまして、それによって搭乗員養成の完全を期していきたい。いま航空局に命じまして、そういう点についての立案をして検討しておるわけでございますが、さしあたり四十一年度は、さっき申しますように、第一段階としてやらしておるというような実情でございます。もう、そういうことでございますので、今後はそういう方向で進んでまいりたいと、かように考えておる次第でございます。

○委員長(江藤智君) 航空行政の問題につきまして、関連質問がありましたら。

○木村美智男君 いま吉田委員のほうから航空行政の問題に関連をして質問のあった点で、特に触れられているこの訓練の関係をちょっと。これは安全確保という立場からは相当重要な問題だと思うので、これは大臣にぜひ考え方を聞いておきたいと思う。
 で、それはさっきも大臣おっしゃられたように、宮崎の航空大学で毎年三十人からの乗員養成をしているが、実際問題としては、これが直ちに民間航空に行っても使いものにならないということは、これはまあ天下周知の事実なんです。そこで問題は、その民間航空に入られてあと相当の訓練を必要とするわけですが、この訓練の方法について、監督官庁である運輸省がどの程度タッチをして、どういう訓練がなされておるのかということについて、把握しているのかどうかということが、ひとつ第一番にお伺いしたいことなんです。それで問題は、この今回起きた事故の中でいろいろと言われているものに、特に何か操縦士のミスというところに、どうも結論をそこへ初めから持っていくような傾向が一般的にあります。特にいま問題になっているのは、本更津付近で少なくとも計器飛行を有視界飛行に切りかえた、ここに問題があるように言われておるのですが、そういう立場から特に運輸省にお伺いしたいのは、一体、最近のように非常に大型化し、スピード化されてきているジェット機というようなものについても、計器飛行が最後まで、地上に着陸をしてとまるまでやれるのかどうかということになると、おそらく、実際、羽田なんかの場合には、これは天候にもよりますけれども、地上百メートルぐらいからは、どうあったって、これはもう人間の目によってやっていくという形をとらざるを得ないのが実情だと思う。そこで問題は、非常に計器にたより過ぎて、そして実際にこの目の教育ということがおろそかにされておるという欠陥がないのかどうか、この点を一つ伺いたいのであります。なぜかというと、私どもの経験によりまして、確かに五千なり八千なりという上空を飛んでまいりまして着陸をしようとする際には、これは昔は、軍用機のような操縦の荒いものであっても、なおかつ飛行場を一周して目ならしをして、高度勘が非常ににぶっておりますから、千メートルあっても三百メートルぐらいに見える場合もあるし、百メートルしかなくても五百メートルあるいは千メートルの商さに見える。これが非常に問題なんです。そのために、飛行場の周辺を一回り回って目ならしをして、それから逐次着陸姿勢に入っていく、こういうことをやってきたのです。しかし、実際問題は、今度はYSなんか二機入れて、そうして訓練をしていくわけですから、そういう実態訓練はできると思いますから、もっと日常における目視訓練というか、こういうことがどうやられておるのか、私ちょっと伺いましたところが、この日航の場合には、727の場合には、要するに、四億円ばかりのシミュレーターの購入をして、そうして多少これは日航はやっておるようなんです。ところが、全日空の場合は、やっぱり経済的にそれができぬということから、日航に実はこの訓練装置を時間ぎめで借りて、一時間七万円くらいの借用料を払って、そうしてこの訓練をしておる、こういう実情を私聞いておるわけなんです。もし、金の関係でこういうことができないということであるならば、これは国内航空あるいは全日空といったようなところに、ある税度の財政的な援助を与えても、安全ということを重視をして、ほんとうに人間尊重を、こういう機会を通して完成しようとするならば、そのくらいの政府がめんどうを見ることは当然しかるべきではないか。で、多少私、今度の事故を契機にして、そういったような問題点というようなものがあったんですが、国内でも、航空機や自動車のシミュレーターにおいて、実際に運転者に視覚的な操縦感覚というものを与えることによって、人間と機械の相関性というものを訓練をする、そういう意味での視覚表示装置といったようなものがだいぶ研究をされて、だんだんよくなってきておる。ところが、運輸省はこの話について、どこがどうと具体的なことを申し上げませんが、何か一、二係官を派遣した程度で、こんなものは問題にならないといったような態度であったと聞いておるんです。ところが、全日空さんでは一体どういうことなのかというと、あるいは国内航空の場合は私よく知りませんが、トタン板みたいなものに計器らしきものを図で書いて、そうして、ハンドルを動かしながら、その飛行状態がいまどうなっておる、こうなっておるという、そういうちゃちな訓練をしておるというのが現状なんです。これは日本の国内でも、三百万か三百五十万くらい出せば、これは相当計器が点滅をし、そうして、どういう状態になるかということがわかるような機械が逐次いま研究をされてきているわけなんです。そういったようなことくらいは、これはひとつ責任を持って航空行政を担当する運輸省が指導するというか、こういう訓練についてやっぱり積極的にめんどうを見る、あるいは助成をしてしかるべきではないかということで、この点について、ひとつ考え方をお伺いしたい。
 それから、もう一つは、今度の事故で、実は私もここまでいっているとは思わなかったのですが、新聞によりますと、フライト・レコーダーですね、遭難機が機械の装置によって自動的に飛行状態を記録する、高度がどのくらいあって、そうして、そのときの速度が幾ら、方向はどっちを向いておった、何時何分の時点はどういう状態にあったかということが自然に記録される。これはわりあいに驚いたんですが、三百万ぐらいの値段しかしてないようです。そうだとするなら、今回のような大事故を起こして、そうして一機これはいかれると、二十億ぐらいになるでしょう、あるいは遭難者の救済や援護というようなことを考えれば、三十億近いものが一回に吹っ飛んでいくんですから、そういうことから考えるなら、アメリカなんかではこれを一つの法律化して、そうしてフライト・レコーダーを飛行機につけることを法律的に、もう義務づけている。こういうことから考えてみるならば、ほんとうに事故をなくして安全を守るという立場があるならば、そういう法的な検討をするか、それが法律的にやるということでは、これはちょっとやはりいまの企業からいって無理だということになるならば、これこそ国がある程度補助をする、あるいはめんどうを見るという形で、それくらいの思い切ったことをやらなければ、百三十三人もの犠牲を出して、ああやっています、こうやっています、その点についてはいま調査していますということだけでは私は済まされないと思う。したがって、そういう意味で、この際、具体的な二つの問題を出したんですが、ひとつ大臣並びに航空局長から考え方をお答えいただきたい。

○国務大臣(中村寅太君) いま木村委員からいろいろお話がありましたんでありますが、私も、この事故を契機に、将来、日本の航空行政の中で事故を再び起こすことのないように、あらゆる方法を考えなければならぬ。それには、役所も、あるいは企業者も、いろいろ一緒になって総力をあげるべきだという考え方を持っておるのでありますが、実は明日、日本の航空企業の責任者を呼びまして、そうして将来事故のないように十二分の体制を整えるようにという強い要請をすると同時に、各企業が一体になって、いろいろいま木村委員が仰せられたように、自分の力が及ばないで整えられなければ、それは国の力で整える、そういうことも含めまして、総合的に航空事業の中から事故をなくしていくという体制を整えたい、そういうことをいま考えておるわけでございまして、いま木村委員等の仰せられましたような、そういう問題も当然そういうところでひとつ検討いたしまして、そうして企業自体が整えられるものは整えさせる、もし、どうしても企業の手に負えない、しかし、それを整えれば危険が完全に防げていくというものは、国の力でこれを援助する、そういう広範な、全体的な事故対策を進めてまいりたいと考えておる次第でございます。
 専門的な、具体的なことにつきましては、局長から答弁させます。

○政府委員(佐藤光夫君) 先ほど吉田委員からお話が出ました航空大学の機能の拡充につきましては、なお御指摘もございましたので、方法を検討さしていただきたいと思います。
 ただ、お話に出ました寄宿舎の整備につきましては、おかげさまで、四十年度予算二千六百六十七万円が認められまして、今年度末には全寮制をしくことができるようになるわけなんでございます。
 なお、航空大学の整備を四十一年度予算でお願いをしておるわけでございます。そう申しましても、われわれ非常に微力でございまして、なお政府部内で、できるだけさらに予算化に努力をする必要があるというふうに考えておる次第でございます。航空大半の全体について予算化に努力を進めてまいりたい。
 次に、木村委員御指摘の、操縦士の訓練に関連しまして、フライト・シミュレーターを整備するという点について、さしあたってどういう考えを持っておるかということを申し上げたいと思いますが、同一型式の航空機、たとえばボーイング27というようなものにつきましては、日本航空と全日本空輸とがこれを共用するという計画が従来ございますので、その計画を政府としても強力に推進をしてまいりたいというように考えております。
 次にフライト・レコーダーでございますが、フライト・レコーダーは、御指摘のようにわが国ではまだこの使用を強制しておらないわけでございますが、今回の事故にかんがみまして、この設置の義務化並びにその整備の方法につきまして、急いでこの措置について検討をいたしたいと考えておる次第でございます。

○岩間正男君 関連ですから簡単に申し上げたいと思いますが、要領のいい説明をお願いしたい。二つの問題から私は航空行政のことを問題にしたい。一つは経営上の問題、もう一つは空の管制の問題、ほかにたくさんありますけれども、関連ですから。
 その中で経営上の問題、これはもう今日では過去の事故の原因というのは、固まりつつあるのじゃないかというふうに思われるのですね。それは当然計器飛行でやっていけばいいのを有視界飛行に切りかえた。そうして木更津を通って進入すればよかったのを、途中で有視界で短いところを選んだ、ここにあるということは、もう出ていると思うのです。当日の運航状況なんかあとで出していただきたいと思いますが、これは五分おくれて向こうを出てきておる。そしてそれを取り返すために急ぐ、こういうようなことで、しかもこの高橋機長というのは、非常にその道のべテランだ。いままでも何回もこういうかっこうで最短距離を通って、そして一分、二分という時間をかせいでおる。しかし飛行機の場合の一分、二分というものは、もうものすごく経営上の問題とからんでいるというのが、この問題の焦点じゃないかと私は考えておる。たとえば一分滞空時間が短かければ、それだけ原価計算の面でも非常に有利になってくる。ガソリンの消費が、これは出していただきたいと思いますが、一分短くなればこれはばく大な量になる。それが一往復で、さらに一日にこの札幌間なんかは五往復もある、こういうことになりますと、月間では何時間ももうけになる。それからガソリンの場合は、もう何十億というもうけになる。ここがはっきり現在の経営上の問題とつながってきている。この点が少なくとも今度の大きな事故の原因になっているのじゃないかというように指摘されるわけだと思います。これは詳細は関連ですからあとでやりますけれども、まずそういうふうに概括的に言えると思う。そこでこのような事態に追い込んでいるものに、経営上の問題があると思うのです。昔は飛行機は非常に落ちるものだということで、安全性を第一にするということが、従来の慣習であった。ところが、最近は非常に過当競争に移ってきて、時間を正確にやること、それから短い時間で飛ぶ、そういうようなものが最大の課題になってきたんじゃないか。しかもそこに日航と全日空があって、そこで非常に過当競争を始めてきている。この日の様子を見ましても、そういうところが出てきているのじゃないか。結局六時五十九分に木更津を回ったんでは、沖縄から帰る日航機の後塵を拝する。それより前に有視界飛行に入っていこうというのが、この日の高橋機長の決意じゃなかったか。これはそういうふうに考えられるのは、先ほど申しましたような理由で非常に時間を急いだ。この二社の競争の激しさというのは、具体的にいろいろいわれると思います。そういうような競争の月間が設けられたり、それから中には大阪間の空路あたりでは、あとから追いかけていった全日空が途中で日航を追い越したら、アナウンサーが、「ただいま日航を追い越しました」こういうことをやったという歴然たる証拠さえあるのです。これでは話にはならないので、そこが非常に大きな原因だと思います。
 それからこれは資本の構成を見たのでありますが、資本の構成を見るというと、日航の百七十二億に対して全日空が四十六億、それにもかかわらず、国内線のほうは最近非常にふえてきておる。これはいまいただいた資料から見ますというと、日航の二十九機に対して全日空が四十一機になっている。ところが従業員はどうかというと、これはむろん国際線も含まれているわけでありますが、日航の場合は九千四十人、それに対して全日空が二千四百七人ということになっております。操縦士の数から見ましても日航の三百八十五人に対して全日空が二百八十四人、こういうことになりますから、当然全日空の場合は労働強化におちいらざるを得ない。また整備の問題もあります。非常にトンボ返りで運転をどんどんやっているんですから、そうすると休む時間というのは、私たち調べてみましたけれども四十分しかない。その四十分では機体をちょっと点検するくらいで、根本的な点検というようなものは全然できない。したがって夜間にこの整備は移さざるを得ない。そうすると、やはりこの点について問題が出てくる。それからある一定時間の飛行をやっているというような場合の整備、あるいは完全なオーバーホールの整備、こういうようなものがあるのでありますが、整備の点で非常に不十分にならざるを得ない、こういう点をあげることができます。
 もう一つは、結局こういうような労働強化が起こってきますから、労働組合に対する問題も出てくる。そういうような問題で最近日航と全日空の組合が団体交渉をやった、労働の安全性を維持することができないというような問題で交渉をやった。これらの問題についても、これはこの前、民航労連と運輸省の航空局長と団体交渉を持っているはずなんですね。そのときあなたはどういうような態度をとられたか。これも全体としてのやはり航空行政の中で、労働者の位置というものは一体どういうものなんだ。現在全日空が三つの組合に分断されている、日航が七つの組合に分断されているというような事情もあろうと思います。そこら非常にたくさんの課題が出てきておる。これらの問題について詳細はあとで聞きますけれども、この点でこの過当競争を根本からどのように解決するのかという点が、非常に重大な課題になってくるわけです。この点について運輸大臣は総合的に見て、いま申しましたような問題をどう考えているかという点をひとつお伺いしたい。
 もう一つの問題、それは空の管制の問題、それは第一に管制官が現在何人いるのか。それから何よりもここで明らかにしなくちゃならないのは、やはり米軍との関係であります。米軍との関係が、この委員会でまだ問題になっていないようでありますけれども、これは非常に重要なんじゃないか。日本に空の管理権は移された、現在東京の久留米に管制本部があるようであります。しかし、依然として極東空軍との関係で日本の民間航空機は通れない、立ち入りができない。そうして米軍優先のために、絶えずワク内に閉じこめられているところに、日本の隘路があるんじゃないか、この点を明らかにする必要があるんじゃないか。具体的にお聞きしますと立川、横田、厚木、入間川を結ぶここに幅十マイルかのブルーラインがあるのであります。このブルーホーティンという空の障壁は、現在一体どういうような役割りをしているか。なぜ一体われわれの国土でありながら、自分の空を越えて、富士の南のほうを越えて大阪に飛べないのか。わざわざ三原山まで、大島までも行って迂回して、そうしてさらに目的地に向かわなくちゃならないという姿に追い込まれておるのが、日本の姿である。それから羽田の進入路の場合を見ましても、全部がこれは千葉県の木更津のほう、南のほうからの進入をせざるを得ない。西の壁と言われておるそうでありますが、そういう壁でもってさえぎられておる。その許された範囲内での飛行、ネコの額のように狭くなっているから、このような事故というものが起こってくる。ここのところは、航空行政の立場として、一体日本政府は、そういうような安保体制下にある米軍の支配のもとに、いつまでも日本の空を置いておくのかどうか。私はお聞きしたいんですが、このような航空の米軍による管制というものは、単に東京周辺だけなのかどうか。これは同じように九州のほうにもあるだろうし、関西にもあるんじゃないだろうか。そこで、私は航空全図の提出を求めておるわけでありますけれども、それについては、いまだにお出しになっていられぬようでありますが、この点はぜひ出していただきたい。これは国策の最も根本の問題です。日本の航空行政をどうするか。民間の航空行政を、米軍との関連で明確にその安全性をどう守るか、自主的に守るかという非常に重大な課題と結びついているわけであります。そして今度の事故が起こった。一体この一つの大きな原因の中には、このような日本の置かれておる支配の中で起こっておる、こういう事態がはっきりしているんじゃないだろうか。私は、この点についての国策的な立場に立っての運輸省の見解というものが明らかにならなければ、ほんとうにこの航空行政というものを確立することはできないんじゃないか。まあたくさん聞きたいことがありますが関連ですから、大きく言っていまの経営上の問題、それからいまの空の管制上の問題、二点からお答えを願いたいと思います。運輸大臣と航空局長にお願いいたします。

○国務大臣(中村寅太君) 事故を防いでいきます観点から、岩間委員の仰せられた経営上の問題とか、あるいは労働管理の問題、こういうものも私は飛行機事故を防いでいく要素の中の一つである、かように考えますので、総合的に事故を防いでいくというかまえを早急に検討したいというのが、先ほど申し上げたようなわけでございまして、これはさっそく取りかかって実績をあげるように努力したいと考えております。

○政府委員(佐藤光夫君) 問題の航空機は、千歳十七時五十分発、定時でございまして、おくれて出たために急いだという事実はございません。
 管制につきましては、御指摘のブルー・フォーティーン、これはやはり航空路管制の管制路でございまして、わがほうが管制をしておるものでございます。米軍が管制をしておるものではございません。

○岩間正男君 ブルー・フォーティーンはあるんでしょう。それは日本の管制の中にあるんですか。ここのところは米軍が優先して使うんじゃないですか。何のために大島を迂回するか、その点。それからもう一つは、労働組合との団体交渉の件について、あなたは答弁なかったんですが、これはその後の結果について話してください。

○政府委員(佐藤光夫君) 航空路管制をいたします場合には、米軍にも、わが国の民間機にも、同一条件で同じように使うという状態でございます。
 それから団体交渉ということのお話ございましたが、私は民航連と団体交渉する立場にございませんので、安全について話をしたいから会いたいというお話ございましたので、民航連の幹部の方にお会いをして、いろいろ安全の問題について懇談をしたということでございます。

○岩間正男君 関連ですから、詳細はあとでやります。

○吉田忠三郎君 次は、過当競争について若干伺います。運輸大臣も、この過当競争がある事実は認めているわけですから、このことのよしあしは別として、新聞で八日の日ですが、過当競争をなくするためにも、昨年の暮れの航空審議会の答申の方向を踏まえて、国内線二社の方向で再編成を促進したいと、こういう談話を発表していますね、新聞で。だからこのように大臣も認めているわけですがね。よってきたる過当競争の原因があると思いますね。私は確かに業界も、たとえばサービス、サービスという面で、ぼくは外国の飛行機会社から見ると、こんなものは過剰サービスだと思っていますがね。サービスというものは一体何かということを踏まえないでやっているサービスだと思っていますが、いずれにしても、そういう面からも行なわれていることを事実私知っています。知っていますけれども、やはり根本は、まだまだ日本の飛行機というものは、一般国民大衆の輸送機関になっていないことだけは、運輸大臣もお認めになるかと思うのです。ですから問題は、つまり需要量です。それに対して供給が過剰になっているために、勢いそこからサービスであるとか何とかいうようなかっこうで、過当競争の現象が出ている、こう私は実はながめている。ですからそういう前提に立てば、結果的にやはり先ほどもちょっと触れたけれども、運輸省のやはり指導監督といいますかね、この力が残念なことには、ぼくはやっぱり弱いと思うのですね。だからこういう点からも、過当競争の要因が私はあると見ている。例をあげてみますれば、たとえば最近ジェット化された、こう言っていますけれども、諸外国を運輸大臣見て知っているとおり、そんなにたとえば飛行機が一番先に発達したアメリカといえども、国内全体がジェット化されているかというと、そうなっていませんよ。まだどんどんローカルではコンベアやっています。DC3ですね。ところが日本の場合は、ジェット化なんていいますが、これは実際どうかと思うのだけれども、これは機種の選定については、運輸省はどうこうということはないけれども、結果的には、指導監督の立場からいろいろ相談をされて、あとあとこの問題についても若干触れますけれども、かなりの側面的な強い指導をしていることは事実ですね。ですからそういう点をもっともっときちんとやっておりさえすれば、私はこの過当競争についても、いまのような状態が生まれなかったのじゃないかというふうな気がするのです。現に日本航空が、当初たとえば国内の幹線も三時間で飛んでおったやつを、今度は大型の四発をもってきて、私も札幌ですから、東京-札幌の間を二時間半で飛ぶ、こうなったらその次には全日空のほうはバイカウントを持ってきてこれに対抗する、先ほどちょっと岩間委員も言われたけれども、何かスピードの競争をやっているようなかっこうで、さてバイカウントで客がとられたからということで、日本航空が今度国際線を走っておった小型のジェットを飛ばしたところが、全日空のほうは客ががた落ちになった。ですから今度問題を起こしているこの727型を入れてやる。こういうことでいろいろ機種の問題でも競争している事実は、何といったっていなめないですよ。現に私もたびたび利用しますけれども、今度は東京-札幌間五十七分の記録がありましたが、今度は一分か記録を短縮しました。確かに機長が機内で放送しますよ。一分間早く着いたって、何の値打ちがありますか。そういうことをやっている要因はそういうところにあるのですね。これが一つありますよ。
 それからもう一つは、商売ですから、確かにペイになる路線を確保するということは、自動車事業のみならずこれは自動車の事業だってたくさんありますよね、そういうことはね。ありますけれども、問題はやはり幹線をきめてやるときに、適正な私は日本航空あるいは全日空、ほかも同じことですよ、特定の会社のみにものごとを考えないで――ぼくは善意に解釈するのですよ。口の悪い新聞記者はこういうことを私は言っていますよ、運輸省の古手幹部は、どんどこどんどこ全日空にいっているものだから、全日空にまことに気がねをしている、ある意味においては振り回されている。特に調査研究、検討の関係になってくると、人手がないから、逆に会社側のほうがどんどん新しい飛行機の開発に伴って勉強している、技術的にも学問的にもこれは問題にならぬ、こう言っていますよ。私はそういうことはないと思っていますけれどもね、善意に解釈しますから、航空局をそういう方向で見られるような路線の――認可権ですから、認可をするときにかりにそうだったとするならば、これは過当競争の原因になっていやせぬか。私は残念だけれども、今日までそういう実態があると指摘をしたい。この結果どうなるかというと、需要と供給のバランスが伴っていないということから過剰サービスになってくる、あるいは経済性などを考えないで新しい新型の飛行機をどんどん入れる。ある意味においては路線確保のために、赤字を百も承知でやっていく、こういうことになる。一体運輸大臣どうですか、東京-大阪間などいま727型であなた方も機種統一をしてやるようにやっていますけれども、諸外国を歩いて、東京-大阪間あたりのこんな近距離をジェット機で飛ばしているような国がありますか。しかも、日本の場合は、ガソリンにしても、飛行機にしても全部輸入しなければならぬ。外貨保有の関係等々を見たって、あるいはガソリンの消費量を見たって、プロペラ機と一体どういうことになるかというくらいの経済計算を、私は運輸省の諸君だってしていると思うのですよ。貧乏な、しかもこの狭い国で大阪-東京間にジェット機を飛ばす必要が一体ありますか、私は断じてないと思う。特に国民の膨大な借金で財政投資をして、新幹線はいま三時間くらいで行っているわけですね。そのときにこういう状況が野放しでやられるということは、はたしていいかどうか。かつて私はこの委員会で、今日の段階では、もう運輸交通政策の一環として輸送分野をこの際明らかにすべきではないか。いわゆる航空の輸送分野、鉄道の輸送分野、自動車の輸送分野、海の輸送分野、こういう分野を明確にして、その上に立ったやはり交通政策というものを立てて、監督機関たる運輸省が的確に指導監督すべきだということを言ったことがあるのです。東京-大阪間についても、片や日航が十二往復、片や全日空がボーイング727型を入れて五機あるようでございますが、ピストン輸送をやっているのですよ。日航と同じく十二往復。合計して東京-大阪間、いかに日本の産業経済の中心地といえども、一日に二十四往復も満席で飛ぶような需要量というものは私はないと思うのです。この結果が現に新幹線が三時間で行くようになってから、従前、私の調査では大体七〇%から平均して八〇%、大体満席に近い乗客があった。新幹線がかようにスピードアップされた段階では、大体三〇%ないし、いいときで四〇%じゃないですか。現にかつて東京-大阪間は、航空事業の中ではこれはもうほんとうにドル箱路線だといわれておったけれども、いまは赤字路線だといわれておる。これは最初にも言った需給のバランスがとれていないということになる。そのときにこれはもう野方図的に運輸省が、会社から申請されるままに路線の認可をしておる、こういう結果になりませんか。これはとんでもない話です。ぼくは国際競争の基盤をつくるというために、日航があるいはパンアメリカンとかBOAC等々といろいろな意味の競争をするということは、これはこの際やむを得ないと思うけれども、国内における同一条件に置かれながら片やサンドイッチ、片や何といいますかね、途中でいろいろその地方の民芸品の人形をくれたりみやげものをくれたり、こんなことをやっていわゆる客層を争奪するというようなことは、これは私は正しくない、諸外国にない。それからもう一つは、運輸大臣知っているかどうかしらぬが、現に日本に航空会社幾つあると思いますか。あなたよく知っているように、その後紐余曲折はあったけれども、大体三社にして集約統合しようというのが、政府の大体の方向で今日もあると思う。ところが、これにまつわるあっせん業者は幾つあると思いますか、札幌だけで二十八社あるのですよ、このネットワークを使って一体何をやっていますか。いま料金のダンピングやっているじゃないですか、実質的にホテルのチケットと合わせて。こういう現象が起きている。私はこの段階で過当競争の根本にメスを入れなければたいへんなことになる。ダンピングできるくらいであるならば、航空料金をもう少し下げて大衆化したらいいじゃないですか、こういう疑問さへ出てくるのですよ、現にやっているわけです。しかも、今日飛行機を利用しているというのは公用族か社用族ですね。身銭を切って飛行機に乗っている人は何人おりますか。具体的にこういう点では航空局がデーター持っていると思うから、この席で明らかにできるものならしてください。できなければあとで資料でけっこうです。現にわれわれが乗っておってみて、札幌-東京間往復二割を割り引きでやられてごらんなさい、明らかに営業法脱法行為をやっているセールスマンがたくさんありますよ、あっせん業者で。日本航空のカウンターに行ったらこれは完全にチェックされてだめですね。ところがそういう商社が行きましたら直ちに二割の、ホテルのチケットと連繋したやつ二割ですね、そうすると一万三千円に対する二割やってごらんなさい、結果的に向こうから公用族で出張した者は、飛行場からおりて銀座に行って、一ぱいちょっとやれるくらいのお金が出るのですよ。いまどんどこやっているじゃないですか、こういう点だって航空局がどういう監督をしておったのですか。話は若干そっちのほうにそれまして恐縮ですが、とにかく根本的に過当競争の問題について真剣にいま取り組まなければならない時期に来ているのじゃないか。その根本原因は、やはり私はいわゆる運輸省の認可権にあると思う。野方図に東京-大阪合わせて二十四往復どんどこ、日本の経済性あるいは外貨のこと等考えないで認可をしているなんということは、私は釈然としません。こういう点は、この点ひとつ運輸大臣どう考えておられるか。
 それからもう一つ立ったついでに、時間がありませんから、ジェット化ならジェット化でけっこうです。ですけれども、私は技術者ではありませんからよくわかりません。わかりませんが、とにかくプロペラ機とジェット機では、これはもう技術的にはるかに相違している面があると思うのです。ところが、日本のこの航空業界にだけ先ほど来再三指摘されているようにおまかせをしているような情勢の中では、その新しい技術に伴うような技術になっていない。ですから、その水準ははるかに低いものになっている。たとえば整備の問題、整備の施設の問題等々言えると思うのです。こういう点だってやはり引き上げていかなければ、アンバランスが生じてきて、必ずやその中から矛盾が出てくる。だから今度のような事故が断じてないなどということは、そういう面からだって、私は言い切れないと思うのです。この点についてはどう考えるか、あわせてお答え願いたいと思います。

○国務大臣(中村寅太君) 吉田議員が申し述べられました点は、大体私も全面的に同じような感じを抱くのであります。私もしろうとでございますから、専門的なことはよくわかりませんが、航空行政の力が現在の日本の航空企業の成長しております実態に対する指導を受け持ってやっておりますが、この航空行政の組織が弱体であるということは、私も率直に認めます。航空業界というものは非常にめまぐるしい発展を続けております。この段階でいまの航空行政の指導組織というものが弱いということは、私も率直に認めております。これはやはり早急に陣容を強化して、航空事業の実態に沿うようなやはり行政力というものを持たなければならないということは、これは私は逐次その方向で進めてまいりたい、かように考えております。
 それから過当競争の点でございますが、これも私はやはり日本の航空業界の実態を見れば、そういう弊害がないとは言えない。これもやはり認めざるを得ない実情であると思います。
 さらにスピード競争の点でございますが、これは航空企業自体にも責任がありますが、私は国民自体が、どうも最近は何だかスピードに酔うておるような傾向がある。飛行機だって速いほどいい。大阪と東京の間をジェットを飛ばしてみたり、あるいは若い連中がオートバイを走らせておる姿を見れば、これはやはり何だかスピードというものに酔うておるような気がする。私はこういう点は航空企業だけの責任ではない。国民全体のスピードに対する考え方というものを、静かに反省してみる必要がある、かように考えます。私はやはりそういうことを考えまして、この交通機関というものは事故が起こった場合には、すぐ国民の生命の危険を伴いますので、やはりスピードというものも、速いほどいいことはさまっておりますけれども、やはり安全が第一でなければならない。そういうことで航空の行政のあり方等につきましても、航空企業のあり方等につきましても、近くひとつ再編成をやる時期にきている。先ほど吉田議員もおっしゃるように、路線簿の問題につきましても、私は整然としたものがないということは、率直に認めます。そういう点等も含めまして安全第一主義のもとに、ひとつ日本の航空企業の交通整理と申しますか、再編成というものをやはりやらなければならない時期にきていると思うのでございまして、そういうすべての問題を含めまして、ひとつ新しい航空行政のあり方、航空企業のあり方等と取り組んでまいりたいとかように考えておる者でございます。

○吉田忠三郎君 運輸大臣から、この点に関する限りはかなり精力的な答えを得られましたから、私はまあ了としますが、大臣ひとつこれは私は認めているわけではないのですが、例の航空審議会の答申なるものを踏まえて、大臣はこの時期に、一つにはいま申し上げたような過当競争であるとか、あるいはいろいろな面の立ちおくれを直して基盤強化をしなければという意味で、「国内線二社の方向で」という談話ですね。これはある程度運輸行政の最高責任者として時宜に適したお考えである、こう思っていますけれども、しかし、根本的には問題があるのですよ。しかし、いま大臣も答えられたように、航空企業のあり方の問題については、これはいろいろなものの見方、考え方がありますから、ですから、本会議、でも佐藤総理大臣もこのことについて、具体的に私はあのとき質問したわけですが、一つには国営あるいは公社とか、――この場合には公団等々も含まれていいと思います、現に公団たくさんありますからね。そういう方向で将来検討する時期にきていはせぬかと言ったら、十分検討しましょうということで答えていますよ。だけれども、私はいますぐそういう方向になるとは思っていませんよ。いまの日本の経済機構の置かれている立場を考えると、そう簡単にはならないと思いますが、しかし、将来の問題として考えるべきではないかということを聞いたわけです。総理大臣もそういう答えをしていますよね。あなたもいまのところは考えられない、こう言っていますからね。しかもこれは新聞記事ですから、そこのところはどうもよう信憑性はわかりませんけれども、とにもかくにもそういう問題があるとしても、あなたはそういうことを言っている。政府も大体そういう方向を考えているというふうに、この段階では理解していいのじゃないかと思うのですね。ところが妙なことには、こういう重大な時期に、むしろ謹慎をしていなければならないはずの全日空の岡崎社長が、――これは日本の新聞でも有名な新聞だと思っているのですが、朝日新聞なんというのは日本では有名だと思うのですよ。これはアメリカのニューヨーク・タイムズみたいなものだと思うのだ。内外タイムスだとか何かそこらあたりの新聞と違うと思うのですよ。この新聞に、これはゴチックで大々的に奇妙な談話を出しているのです。私は非常に危険に感じますよ。これは商売をやっている社長だから、まさか運輸大臣の談話とか、国会における佐藤総理大臣の答えはけしからぬ、あるいは間違いだということは言っておりませんけれども、ずっと読んでみますれば、これはやはり政府のいまとっている措置に対する一つの批判だと私は理解するのですがね。しかも妙なことが書いてあるのですよ。「航空業界再編成=業界の再編成と事故防止問題は別だ。」あなたはそう言っていない。安全に万全を期するよう要請するつもりであって、そうして今回の事故がかくかくしかじかで、これに関連してこの答申に沿うて再編成をせねばならない、そうして安全を確保したいのだと、こう言っているのだな。ここが非常に違うのだね。そうして業界で経営基盤が最もかたい全日空に事故があって、経営基盤の弱い会社にいま事故が起きていないのだから、そういうときになぜ業界を再編成しなければならないか。そういう声が出たことについては妙だ。こう言っているのですね。まことにぼくは妙な談話だと思っていますがね。これは運輸大臣、あなたはこれをどう考えますか。この岡崎という人は、ぼくは、いま全国民に向けて、特になくなられた犠牲者――まだ遺体があがらないんですよ。遺族に対しては謹慎をしていなければならぬ、こういう気持ちがあったにせよ、政府運輸当局はもとより、国会でも、いま衆参あわせて議論をしているときです。これから事故をどうしたらなくせるかということで真剣にやっているときに、こんなでかい字に書かれるような――有名な新聞ですよ、この新聞は。この新聞に談話を発表するなどという感覚に、私は問題があるというような気がする。感覚に問題があるような気がする。この点は一体、運輸大臣、再編成の問題もさることながら、あなたも談話を発表していますが、これと結びつけてみてどうお考えになっていますか。しかも、「業界で経営基盤がもっとも堅い」ということを言っている。そういうところに事故が起きたと言っている。変な話ですよ。それがそうかどうか。全日空というのは、昭和二十七年以降確かに日本のおもなる事故を拾いあげてみると、六回やっています。一番多い。事故を起こしていることをほまれにしているようなあれですが、この談話は、考え方によってはまことに奇妙ですよ。そして、基盤強化がなされていると言ってみたって、先ほど岩間さんもちょっと触れましたけれども、わずか四十六億ですよ。航空機事業で四十六億――四十六億なんて私は金がないから見たこともないけれども、このごろは吹けば飛ぶような、歌の文句と一緒です、そんなものは。そうじゃないですか。ないからこそ、一企業で救難の問題、あるいは遺体の引き揚げの問題ができないから、海上保安庁を中心に日夜徹宵して、そうして船長が倒れるくらい政府が力を入れてやっているじゃないですか。いまの時期に、こういうような談話を発表させているような運輸行政の弱さがここに出てきているのじゃないですか。どうお考えですか。

○国務大臣(中村寅太君) 私は、全日空の社長がどう言うたか、その新聞記事を直接自分では読んではおりませんが……。

○吉田忠三郎君 見てください。

○国務大臣(中村寅太君) 大体新聞記事が、必ずしもその人が言うたとおりを伝えているかどうかというようなことも、ときどきやはりいろいろありますので、全日空の社長の発言に対して批判は避けたいと思いますが、ただ私は、航空機業の一つの企業の責任者がどういうふうに考えておられようと、日本の航空機業のあり方というものにつきましては、政府において考えている方向で善処してまいりたい、かように考えておる次第でございます。

○吉田忠三郎君 大臣ね、その新聞の内容については、つまり新聞社の、どういう内容かあなたまだ見ていない、けさの新聞ですが。たいへん多忙だから見ていないかもしれないが、大体朝起きると新聞見ますよ。しかも、ぼくのような近眼でさえ見えるのだから、こういう大きい字が見えないはずがないじゃないですか。しかも、あなた全力をあげて努力するという、あなたが運輸大臣として遺族を目の前に置いて、写真が大きく出ているのです。あなたが見ないはずはないですよ。しかし、見ないと言っているのだから、これはぼくは追及する気はありませんが、社長の談話について批判する気持ちはありません、などということを言っている。私は、この時期における感覚を疑いたい。
 この間も言っていますように、英国では七カ月にわたって事故の究明を徹底的にやったのですね。今度の東京湾のように二十二メートルとか二十四メートルじゃない。あの飛行機がおっこったのは、水の深さが百メートル以上でしょう。そういう難事業を国があげてやって、そうして原因を追及して、いま新しいコメット機というのが再製されているんですね。しかも、そのときに直ちにこの飛行機の使用をやめさしてやったのですよ。私は、政府としてはこういう事柄を学ぶべきだと思うんですよ。まあこれは再三、この国会あるいは新聞談話で毛、原因がわからない間にやめる気はない。世界でも二百機だとか売れてたいへん優秀な飛行機だ。こうほめたたえていますけれどもね、売る売らないは、さっきの過当競争の話じゃないけれども、売るほうには、商売ですからいろいろありますよ。ものがたくさん売れたといって、質がいいというわけじゃない。そうでしょう。安全だとは言えないのです、四回も落ちているんですからね。安全だとは言えないでしょう。私はこの専門家じゃないけれども、もっともっと優秀な飛行機がありますよ。フランスだってあるし、西ドイツだってあるし、だから私は、きょうのところはそういう点には触れませんけれども、少なくともあなたは、この際五日でも二週間でもけっこうだが、この飛行機を飛ばすのをやめさして、そうして全日空なり、この花型を持っている日本航空に、十分整備点検を運輸省の責任においてやらして、運輸大臣がかくかくしかじかの措置をとったから、今度は絶対にだいじょうぶですから飛ばせます、こう言ったら、私は国民が安心すると思うんです。あなた方は専門的に見て、あるいは、われわれが議論をしておっても、それはいろいろなデータを見て、アメリカのボーイング社の宣伝パンフレットを見て、安全性が高いとか、性能が高いとかなんとか言っているだけの話なんですよ。かりにそうであったとしても、いまの時点における国民の全体の感情というのは、そうなっていないのですよ。もうあの飛行機はあぶないものだ、これは大多数でしょう。この大多数の人々に安心をさせるというのは、あなた以外にないのです。ですから私は、この間から本会議でも言っているように、英国でとった措置、アメリカとソビエトの人工衛星に対する国の威信をかけたあの力の入れ方、これを見習ったらどうかということを、あなたに私は善意に進言をしているつもりなんです。これはあなた、あとで見てください、見ていないとすれば。信頼するしないは別です。しかし、あなた、日本の朝口新聞というのを信頼できませんか。あなた信頼できないとしても、国民大多数は、おそらく朝日新聞というのは信頼していると思うんです。これは日本の三大新聞じゃないのですか。読売であるとか、毎日であるとか、朝日なんというのは、日本の代表的な新聞じゃないのですか。その新聞には、あなたの全力をあげて努力、「遺族に誓う」、一人残らず遺体を揚げてみせますと、あなたここで演説して、遺族もちゃんと前にしんみり聞いているのです。その下に「当面、運航は続ける」「727型機欠陥考えられぬ」「岡崎全日空社長語る」というこの奇妙な談話が載っているんですよ。だから私はいま聞いているんです。どうなんですか、これは。

○国務大臣(中村寅太君) 私は、いま言いますように、全日空の社長がどういうふうに考えているのか、その考え方とは別に、政府としては政府の考えている方向で行政をやっていくということを申し上げているわけでございます。

○木村美智男君 いまですね、実は吉田委員が紹介をした新聞記事の問題ですけれども、この間、この前の委員会のときに、その岡崎社長が来て、非常に謙虚な態度でおわびのことばを言われたので、私どもは、ああいう際であるし、当面この救援作業に全力あげなければいかぬ、それでまあ草の根を分けても一人残らず遺体を収容するところに全力をあげるという涙ぐましいあいさつだったから、私ども、岡崎社長に何らの質問なりあるいは意見を差しはさむことを控えたわけです。ところがいま聞いてみますと、実はこれは非常にニュアンスやあるいはことばのあやという問題じゃなくて、本質的にきわめて重要なことを社長が言っておる。それは、航空審議会の答申の線をこれはまるっきり横車を押す発言であるし、それから運輸大臣以下運輸省が進めている航空再編成の考え方についても、これは全く逆の方向にある。そうだとすれば、これは運輸大臣が、本来ならばここで少しあなたがおこれば私はこういうことを言うつもりはなかったのだけれども、あなたそれは批判は差し控えるというようなことを言っておるから、あなたがあまりたよりにならぬから言うのだけれども、これはぜひ私は国民の名において、岡崎社長をもう一回この委員会に呼んでもらいたい。それができないなら、運輸大臣は責任をもっていま私どもが申し上げておるこの線に沿って措置をして、その報告を次の委員会にするか、どっちかにしてもらいたい。それでなければ、大体百三十三名の死んだ人は浮ばれませんよ。そういうことでは。こういう状態のときに、いやしくも社長である、当面の責任者である岡崎社長が、権威のある、少なくとも何百万という購読者を持った朝日新聞にそういう記事が載っかっておるということ自体を、運輸大臣が知らなければ、そういうことが報告された以上は、私はこの問題について、一つは運輸大臣に、もう少しそれこそ運輸省の指導性を発揮してもらいたい。土性骨を入れて、あなたも、この問題を通してほんとうにこれは安全ということを守るとするならば、もう少しやはり腹を持って言ってもらわないと、それでないと、運輸大臣があの727は今後運航を継続するのだということばと何か裏につながりがあるみたいで、あなた自身がさっきから誠意を持って答えていることが、全くこれはわれわれに対してごまかしの答弁だというふうに受け取らざるを得ない。そういう気持ちを私はいま持ったから言うのであって、運輸大臣、もう少しその点しっかりしてもらわぬといかぬ。
 委員長、そういうことですから、私は、これは気持ちを多分に申し上げておるので、ひとつ理事相互間で善後策について相談をしていただいて、できれば呼んでもらいたい。呼べないとするならば、もう少し運輸審議会の答申、運輸委員会の今日までの方向、運輸大臣のいままで述べてきた方向というものを、これをやはり民間航空にきちんと筋を通して進めてもらわなければ、運輸行政は、いつまでたっても次から次に事故が起こってきますよ。そういう意味で、この際運輸省にしっかりしてもらう意味においても、私は以上のことを申し上げて。おきます。

○委員長(江藤智君) 委員長として運輸大臣に御要望いたしますが、この記事は、非常に国民にもいろいろと誤解を招くようでございますから、行政官庁としての、監督官庁としての運輸大臣のほうで一応よくお調べくださいまして、そうしてこの次の委員会でもまた運輸省のほうから御報告を願ったらいかがかと思います。御要望いたします。

○国務大臣(中村寅太君) 私は、全日空の岡崎社長が、この間ここで皆さま方におわびした、あるいはその他のところでいままで会いましたことを考えますと、不謹慎なことを言う人でないと信じますので、きょうは、先ほどのような発言をいたしたのであります。いま委員長のほうからお話がございましたので、全日空の社長を呼びまして、真意を確かめまして、この次の委員会に御報告することにいたします。

○岩間正男君 関連。

○委員長(江藤智君) いまの問題は処置いたしましたから……。
 いまの問題とは別ですか。

○岩間正男君 別です。ぜひ私は、なぜ全日空の事故が多いのかという点。これはやっぱり追及しなければならない問題です。先ほどの談話の中でも、基礎のかたい全日空に事故が多く、基礎の弱いほかのほうが事故が少ないなどというのは、これは聞き捨てのならないことばじゃないかと思う。これは、要求しますけれども、いままで全日空は何回事故を起こしたのか。その事故の原因はどういうものであるか。事故によって発生した損害はどういうものであったか。それがどのように現在まで処置されているのか。そうして、そういうものと関連して、いろいろ整備の問題とか、あるいはパイロットの労働条件の問題とか、あるいは過当競争で時間を安全第一主義よりも経営第一主義に移動している。その最近の状況とか、これが背景に大きく横たわっているのではないでしょうか。こういう点をもっと明確にはっきり追及するのでなければ、当委員会の任務は達成できないし、運輸行政に役立たないと思うが、これはあなたたちは追及しているのですか。この点、いますぐできなければ、資料でもいいのですが、少なくとも、そういう点は具体的な事実でしょう。非常に多いでしょう。どういうふうにいままでつかんだのですか、つかんでいないのですか。つかんでいないとすれば怠慢だね。

○政府委員(佐藤光夫君) 過去の事故の例、その処置等の資料の御要求でございますが、調製して提出さしていただきます。

○岩間正男君 いまわかる点はないのですか。

○政府委員(佐藤光夫君) 事故の例、それからその処置については、前回の委員会でも申し上げましたけれども、ごく大づかみに申し上げますと、事故の場合の損害賠償その他については、会社において十分措置ができておる。ただ賠償金額の推移等がございますが、済んでおるという御説明を前回申し上げたわけでございます。会社別にこまかい点その他は御必要があるかと思いますので、それは資料によって提出さしていただきたいと思います。

○岩間正男君 資料を出すとき、あなたたちは、いま言った点をもっと追及してください。次に当然質問をしますから、その点が明らかにされなければ、具体的なこのたびの事故の原因というものを追及するということにならないわけです。したがって、病根をえぐり出すということはできない。その点は岡崎社長の発言と関連して重大な問題だ。その点等閑にされては話になりませんから、いいですか、その点。

○政府委員(佐藤光夫君) はい。

○瀬谷英行君 二点ほど質問をしますけれども、プロペラ機とジェット機の安全性と経済性の比較、これを直ちに答えられなかったならば、資料でもいいから出していただきたい。その際に、いま岩間委員からお話がありました事故のトータルというものがある、そうした過去における、全日窒だけでなくて、航空事故のトータルから見て、プロペラ機とジェット機を比較した場合に、どっちがよけい事故を起こしているかということも、私はおのずから出てくると思うのです。こういう点を明らかにしてもらいたいと思うのです。
 それから経済性の比較をした場合には、一体どの程度の違いがあるのかということも、私しろうとでよくわかりません。電気機関車と蒸気機関車の経済比較というようなものもあるが、飛行機の場合はわからない。こういう比較をひとっここへ出してもらいたいと思う。
 それから第二点としては、経営の問題と関連してきますけれども、運賃の問題ですね。いま収支決算を見ますと、日航も全日空も、これは三十九千度でありますけれども、いずれも収支決算は黒字になっているわけです。黒字になっておりますけれども、国鉄の運賃の値上げというようなことは、いま当面の問題になっておりますが、国鉄運賃の値上げに関連をして、飛行機の運賃が上がるというようなこともこれは想像されるわけなんです。便乗した値上げが行なわれるかどうかということは、これはわかりません。それでこれが先ほど質問した経済性、安全性の比較と関係を持ってくるわけなんですけれども、もしも飛行機の運賃の値上げの申請が行なわれた場合に、運輸大臣として、これを認可をするというような気があるのかどうか。あるいはそういったような動向が今日あるのかどうか、話としてあるのかどうか。この点をひとつ第二点としてお伺いしたいと思います。
 それから、これは質問というよりも、大臣に対する要望なんでありますけれども、727については、これは安全だと思うから、この運航を取りやめる気はないといったような、たとえばこの飛行機についての安全性を保障するかのごときことばが、運輸大臣から何か聞き取れるような気がするのでありますけれども、もしもこの事故を起こした飛行機が安全であると、心配ないのだということを言明をしようとするならば、私はやはりもう一度、たとえば727――同じ型の飛行機に大臣をはじめ、できればその関係の運輸委員皆さんが乗って、その時刻も同じ午後七時というような時間を選んで、ちょうど同じコースをとって羽田に着陸をすると、こういうテストを、大臣をはじめ皆さんお乗りになってやってみる。それをやってみて、その乗りごこちも心配ないと、それから操縦士の話を聞いてみても安全だと、こういうことであれば、そういったような実験を一回くらいやってみて、乗ってみたけれども心配ないと、こういうふうにおっしゃるならば、それで一応聞くほうは納得するかもしれないけれども、まだ機体も揚げられないで、事故原因もはっきりわからないうちに、安全だろうと思うというふうに言明をされたのでは、これはちょっと釈然としないものがありやしないか、こういう気がするのです。だから、もし実態調査――よく委員会でも調査をやるのでありますけれども、この際やる気がもしあって、できることであったならば、これは運輸委員会でやってみたらどうですか。これもひとつ、ついでながら要望しておきます。

○国務大豊(中村寅太君) いま飛行機運賃の値上げの要請はございません。

○瀬谷英行君 何だかよくわからない。

○政府委員(佐藤光夫君) 第一点の、プロペラ機とジェット機との比較でございますが、これはいろいろ比較のしかたがむずかしいかと思いますが、航空界におきましては、就航率に対する事故率というものは、計算上はジェット機のほうが低いというような計算をいたしておるわけでございますが、一般にこの安全性につきましては、従来常に完全であるという確信のもとに設計をするという前提でつくってきておりますので、どういうふうな資料をつくりましたらよろしゅうございますか、早急にわれわれのほうでも検討しまして、一応資料の案をつくりまして、そういうものでお読みいただけるかどうかをごらんいただくようにいたしたいと思います。
 それから経済性につきましては、原価その他から比較しまして、一応最近におけるプロペラ機とジェット機を比較すれば、むしろジェット機のほうが経済的だ、つまりスピードが高いし、容量が大きいというようなファクターから一応そういうような数字はございますが、そういうようなものをやはり資料として調製をしてごらんいただくようにいたしたいと思います。
 それから727の耐空性の問題についての御提案がございましたが、727の耐空性につきましては、大臣から太鼓判を押すというよりは、われわれ事務当局、特に技術当局が、この耐空性について十分従来も検討を続けておるわけでございますし、それから米国の事例等についても、前回十分調査をしろということでございましたので、昨日実は午後一時半から六時ごろまで、事故調査委員会を開催いたしまして、米側が持っておる事実についての資料の提供を要求しまして、検討を専門家に進めていただいたわけでございますが、その過程におきましても、特にこの727型の耐空性について問題がある点は、いままでの事故例から発見されないという話があったわけでございます。しかし、前回申し上げましたように、そういっても現実に事故があったわけでございますから、どういうふうにその今回の事故原因を探求し、これについての安全性を確かめていくかというようないまの御提案につきましても、われわれとしても、委員会から御要望があれば十分それについて措置をするように考えていきたいと考えております。

○国務大臣(中村寅太君) 運賃の問題は、先ほども申し上げましたように、いまのところ、申請は全然ございません。

○瀬谷英行君 さきの安全性と経済性の問題について、どういうふうに比較をしたらということですし、いまのところ的確にお答えになれるような資料がないとすれば、いまでなくてもよろしいのですが、さっきいろいろと質問があったでしょう、吉田委員のほうから。たとえばジェット機でもって少しくらい時間を短縮したところであまり意味がないのじゃないかという意見があったわけです。私も、たとえば東京-大阪間をプロペラ機で飛んでいって一時間かかったのが、ジェット機で飛んで四十分で済むと、二十分くらい時間を短縮するということは、あまり意味がないような気がするのですよ。しかし、それがジェット機を飛ばすことによってより経済的で、より安全であると、こういう比較ができるならば、それならば私もそのジェット機を飛ばすということについては納得します。だからこの経済性、安全性の比較は、単に長距離飛行――国外へ飛ぶところの長距離飛行の比較じゃなくて、卑近な例をあげるなら、東京-大阪間をジェット機で飛んだほうがいいのか、プロペラ機のほうが経済的なのか、そういうようなことを比較をして、比較の結果を見ないと、私らこれを取り上げていいとか悪いとか言えないわけなんです。だから、そういう主として国内線を対象にした、われわれが委員会で取り上げる問題としてふさわしいような国内線を対象にした経済比較、あるいは安全という問題ということについてのひとつ判断のもとになる資料を提示をしてもらいたいということなんであります。その点は間違いのないようにお願いしたいと思います。

○吉田忠三郎君 約束どおり次に、今度は安全の問題を大臣にお聞きします。午後は何か衆議院のほうの委員会だそうですから時間も限られていますから、この点についてお伺いいたします。前の委員会でもかなりの方々がこの点触れておりますから、ごく簡潔に伺います。
 総理大臣も本会議で私の質問に明確に答えて、安全確保を第一にやはり考えなければいけないと、具体的に安全の問題については、総理大臣はこう答えられています。航空事業のみならず、交通運輸行政全般にわたって、安全、敏速、正確が基本的条件だと、今後は機種の選定、それから経営の規摸の指導、空港の対策、委員の訓練の諸点についての指導にあたっては、この三条件を十分配慮したいと、こう明確に答えています。そしてあわせて、いまのこの集約化の問題もあるようでございますけれども、私の質問に答えて、航空企業を公社、公団もしくは国営とすべきかどうかは、適切な経営規模の観点から慎重に検討を加えてまいります、こう答えております。で、後段のほうはいつかの機会に、これは大きな政策の問題ですからやるとして、約束どおり、安全の問題に私触れますけれども、非常にこの問題をとらえる場合に、運輸大臣、いま起きた事故だけじゃなくて、日本の航空事業が戦後再開されてから今日までの経過をやはり振り返ってみて、かなりの事故がありますから、かみしめて慎重に検討をしてみる必要があるのじゃないだろうかと思います。そこのところにやはりメスを入れてみる必要があるのじゃないか、こういう気がするのであります。時間がありませんから、昭和何年に何々の事故、どこの会社、昭和何年にどこどこの会社、こういうことを私は言いません。とにもかくにも、昭和三十二年以来、毎年飛行機事故が、多いときには三件、これはおもなものですよ。これは自衛隊の航空事故とか何かは除いておりますよ。あるいは小さい、ヘリコプターがおっこちたとか、セスナ機がおっこちたというのは除いて、航空事業をそれぞれの会社もまだかなり行なっておりますけれども、この関係のおもな事故だけ申し上げてみても、私のざっと頭の中に記憶しているのは十四件ある。この中で約半数に近いのは全日空が事故を起こした、それから日東航空が二回くらい、富士航空が二回くらい、日本航空は「もく星」号一回、大別するとこういうふうなことになります。日付は申し上げません。
 で、この事故に関して、前の委員会で同僚の木村委員が指摘したように、大小ずっと含めますと百九十件くらいの事故になる。だから、年々歳々世界の航空事故の事故率というものは減っていっておりますけれども、日本の場合は必ずしもその傾向にないということだけはいえると思う。そのたびごとに痛ましい犠牲者が出たわけでございますけれども、これまた本村同僚委員が申されましたように、二百数十名のとうとい犠牲者がいるのですよ。これは岡崎さんの秘書をやっている人も、当時の犠牲者のパイロットの奥さんなんですよ、ぼくはよく知っておりますけれどもね。そのように非常に今度の場合は大量、百三十三人も犠牲になられたけれども、二百数十名いるのですよ。ですからこの事故の問題というのは非常に大きな問題で、ぼくは本会議でも言ったけれども、安全性について万全を尽くしてきた、尽くします、こう言ってきたけれども、はたしてこの大きな問題が、これは毎年です、これは記録を見ればわかりますけれども、二件、多いときは三件という事故が起きたことにかんがみまして、はたしてこの施策が万全であったかどうかということについて、非常に私は疑問を感ずるわけなんです。疑問を感ずる。もとよりこの事故は運輸省の調査の統計を見てまいりますと、それぞれあるようであります。
 一つは飛行場の問題がございます。それから、もう一つは飛行機の整備の問題がやはり事故に関連をしている。それから、まあもとより人が操縦していますから、操縦士の未熟といいますか、こういう問題も関連している。それぞれ統計を見ますとパーセンテージで出ていますけれども、あえて申し上げませんが、いずれにしても、そういうことが航空局の調査で明らかになっているとすれば、先ほど来訓練の問題は、宮崎の航空大学の問題をとらえていろいろ答弁がありましたから申し上げませんけれども、飛行場の問題ですね、飛行場の問題、これは大蔵政務次官に私きょうおいで願ったのは、ほんとうは大蔵大臣に来てもらいたかったが、予算委員会があるのであなたに来ていただいたわけですが、その意味はここにある。いまは全国的に日本の国内にも飛行場がたくさんできております。しかし、これは大蔵省の予算の査定の段階で、まことに奇妙な現象が起きてきている。大蔵官僚の査定のしかたに非常に理解しない面があって、いずれも飛行場が、この間も本会議で指摘したように、代表的な羽田においてもまだまだ問題がある。大阪しかり、福岡はもとより。ところが、それ以下の飛行場というのは、全く飛行場と言いがたいような不完全な毛のになっているのですよ。ですから私は、こういう事故にかんがみまして、これから十分これを整備をしていかなければならぬ、整備をしなさいということも指摘しているわけですよ。これに対して、大蔵省は一体どういう考えを持っているか。あなた、さっき百二十二億なんて言ったって、そんなことになっていないのですよ。具体的に、いままでの空港整備に対する予算を大蔵省が査定した経緯を私は明らかにしてもらいたい、こう思うのです。
 それからもう一つ運輸大臣に申し上げますけれども、大型化がされてきている、それからジェット化がなされつつある、こういう段階だけれども、私は、この狭い日本のような立地条件に置かれて、いま申し上げたような飛行場の整備も不完全であるとするならば、私は、背伸びをした航空施策を立てるべきではないと考える。なぜかというと、幸い日本の新しいやはり航空機の開発ということで、これは国際的にも、これこそ非常に性能がいいとパンフレットを読みますと書いていますから私も信頼していますが、YS11というのがございます。これなどは、いまの日本の飛行場の状態に非常に私は合致する飛行機じゃないかと思うのです。ですから、国産品であるからというだけではなくて、この際は変な、727がどうであるとか、バイカウントがどうであるからなどということではなくして、日本の国情、日本の既存の飛行場に適合するような、これは総理大臣は機種の選定について毛答弁しているから、総理大臣の答弁を踏まえてなされれば、私はそういう飛行機の活用方を運輸省が積極的に取り上げる段階に来ているのじゃないか。そのことが、過去の事故のいろいろな調査結果から見ても合致する施策ではないか、こう思うのです。幸い、木村博士が書いた論文があります。このYS11について、これは運輸大臣、読みましたでしょう。非常にすばらしい性能を持っているのですね、これは。これについては、いろいろあの書いたものをずって見ていきますと、何かYS11のエンジンをきめる場合に、これは航空局と通産局といろいろな、一種の圧力団体のような動きをしたというような意味のことも書かれていますが、そういうことにつまり負けないで、学者は学者なりに、技術屋は技術屋なりに押し通したことが、今日の日本の優秀なYS11が生まれたというような意味のことを書かれていますね。ですからぼくは、やっぱりこういう、つまり日本の国情、日本の既存の飛行場に見合う、合致するやはり機種の――あえて私はYS11だけを言っているのではない。バイカウントもあるしいろいろあるわけですよ。そういう機種を選定して、やはり事故というものを誘発しないように考える行政施策というものが必要ではないか。残念ながらいまのやっているのを見ますと、ちょうど国鉄のローカル線に新幹線の超特急を走らせたというようなかっこうに残念なことにはなっているんじゃないでしょうか。これどうなんでしょうか運輸大臣。まずこの点を一つ。
 それから金の関係です。大蔵省に先ほど質問のとおりですから、それは政務次官がこまかな数字でうまく答えられないとすれば、だれか関係者が来ていると思いますから、ひとつこの際明らかにしてください。

○国務大臣(中村寅太君) 私もいま吉田委員から言われましたような気持ちを抱いておりますので、今後の航空企業のあり方についていろいろ業界の連中を集めて検討する際の考慮の要素にしたいと考えているところでございます。

○政府委員(竹中恒夫君) 御指摘の点につきましては、主務官庁のほうの立案その他につきまして無理解であったという御指摘を受けたわけでございますが、十二分に主計当局といたしましても理解なり認識を深めさすように指導をいたしたいと思っております。
 また、先ほどの御指摘の中で、空港の整備の問題が出ましたが、御承知と思いますが、新設につきましては、ほぼ終了したということでございます。ただ従来の空港の機能の充実、強化をはかることに人7後は重点を置きたいということで、四十一年度は七十三億空港整備予算を計上しておるということでございます。なお、それ以上に詳細なことが御必要でございましたならば、政府委員から説明いたさせます。

○吉田忠三郎君 政務次官、全体のばく然とした今年度の予算のその七十数億ということですましているけれども、それは羽田の整備、それからいま問題になっている新東京国際空港の関係の金、それから大阪、こういうところなんですよ。ローカルの既存の千二百メーターの滑走路よりない飛行場については、これは何もないと言っていいぐらいで、ぼくがいま言っている意味はそこですから。しかもこれは大蔵省の役人にあなたも言ってください。あなたはいま実際それを指導しているわけだから、政務次官。たとえば飛行場を建設していく場合に滑走路が問題になりますが、南は宮崎、北は釧路の果てまでも飛行場の滑走路の基準が一緒なんですよ。何ら気象条件、立地条件が考慮されていない。ところが実際問題として冬期間になりますれば、東北、北海道の飛行場というのは雪が積もりますから、この積雪のために滑走路は従来の幅員を保つことができないのですよ。それからあるいはそれに伴う諸施設にしても全然趣を異にしてきていますよ。そういう事柄が大蔵省の役人に理解できないので、予算をみんな切られている。少なくともやっぱり安全性を第一義的に考えるとすれば、これは最も具体的な問題だけれども、つまりこの積雪寒冷地帯における飛行場のこれからの整備の問題については、そういう特殊な条件を考慮をして、つまりこの降雪時における除雪をした場合でも、正規の飛行機が発着陸できるような滑走路の幅員を確保するというようなこと等だって考えなくちゃならぬのですよ。運輸省ではわかっている、そんなことは。ガンは大蔵省なんだ、あなたのところです。いいですか、こういう点をひとつあなた十分役人に言うてもらいたい。どうですか。

○政府委員(竹中恒夫君) よく御趣旨の点は徹底させたいと思います。

○政府委員(佐藤光夫君) 大蔵省から御説明ございましたが、四十一年度お願いしております国内空港の整備は三十四億でございまして、その中にはいま吉田委員御指摘のYSを飛ばすための滑走路のかさ上げというものももちろん入っているわけでございます。ただ御指摘のように、まだ全国の規格その他の問題もございますし、われわれとしても大蔵省にそういうような事情をよく説明する必要もありまして、政府部内の検討の問題でございますので、御指摘の点はよくわれわれのほうも含んで、大蔵省と将来連絡を十分とるようにいたしたいと思います。

○吉田忠三郎君 この問題は、これからも委員会がありますし、将来の問題も含まれておりますから、恒久的な対策等については質問をいたしたいと思いますから、順番に、第四の問題の例の答申について、答申がこの際いいか悪いかというのではなくて伺ってみたいと思うのですが、政府があの当時諮問したものをもうちょっと内容を読んで知っていますが、確かに飛行機というものは空を飛んで雲の上を飛ぶものですから、答申そのものもこんなことになっているのかもわかりませんが、何か見てわからない。つまり航空企業のあり方というようなばく然とした答申のしかたをしております。出されたのを見てみますと、ここにちょうだいした答申がありますが、これを見ますと、いやしくも日本の将来の航空のあり方については、わずか一カ月やそこらでそういう答申をちょうだいするようなことには私はならないと思うのです。ですから、出てきたこの答申というのがどういう意図で――諮問機関に運輸大臣がはかったのかもわかりませんが、答えというのは、わずか二ぺ-ジ半足らず、意見を出しているものじゃなくて、スローガンを掲げておるようなものですよ。しかも、出てきている意見は、何かある会社の問題をしぼって書かれているような気がする。やっぱり私は絶対に必要ですから、ここでは悪いとは言いませんけれども、その後に起きている現象をどうとらえているか、運輸大臣は。確かにこの答申を出す前には、去年から弱小企業の集約、統合を行ない、国内における航空事業の基盤強化をはからねばならぬという一つの意見、それからもう一つには国際競争力、自由化のためにやらねばならぬから基盤を強化しなければならぬという意見、そういうものがございますが、順次出されてきたわけですけれども、そのときと今度あの答申が出された状態の中では、私どもながめている面では、ふかしぎな状態が出ているのではないかと思う。ここに書かれているのも、具体的にいえば各社でそれぞれ都合のいいようなことをとらまえて、日本航空の社長松尾さんは松尾さんのものの言い方をし、先ほどちょっと新聞記事に触れた岡崎さんも、また都合のいいことを言っている。それから国内航空の菅野さんも、わが社に都合のいいようなことを言っております。ですからいま起きている現象というのは、答申が出される前から見ると、えらい混乱をしているような気がするのですね。ですからこれを一体運輸大臣はどう考えているのか。それから航空局長は、こういう事柄について一体どうこれから指導、監督しようとしているのか。
 それからもう一つはこの機種の問題であるが、何やら日本航空と全日空が相談をして、それぞれ調査団を出して、そうして調査の結果、期せずして意見が一致したから、運輸省がそれに立ち会って、727を今度は国内幹線の主要機にするんだとそう言った。これはぼくも新聞で見たし、それからまたいままでの委員会でも言われておったので承知をしましたが、その場合にも、これは需要と供給のバランスの関係によりますが、二十機が必要である、こういうようなことを言って、すでにもう日本航空なり全日空なり、たった一機であるけれども国内航空は、それぞれその方向に向かって準備をして、近くアメリカから受領する段階になってきているんではないかと思うんですよ。ところが、佐藤内閣が今度の予算提案にあたっての施政方針演説の中で明らかなように、たいへんな経済不況だと言う。この一年間は総理大臣は、この不況建て直しのために、あげてそこに集中的にやらねばならぬと、この間演説したのは私も聞いておりました。ですから、そういう事柄がいま反映をして、一体そんなに二十機も新しい飛行機を買って国内を飛ばさねばならぬような需要量があるのかどうか。どう一体そういうものについての見積もり、算定をやっているかということなんですね。ところが、各航空企業者のほうから言わせれば、非常に不況がたたったと、こう言っておりますよ。各社とも大なり小なり。特に東京、大阪間においては新幹線が三時間幾らかで走るようなことになってからたいへんなことになったと、こう言っている。だからいまの需要量に対して供給をせねばならぬというものが、大体十五ないし十六機くらいでよろしいとこう言っておりますね。おとといの新聞でも、安全第一の申し入れについて、日航の松尾さんが総理大臣と会見しておりますね。あの中でも二機だか三機余ると、こう言っているわけだ。だから向こうは事業家ですから、経営を直接やっておりますから、航空局と違いましてスタッフも持っておりますから、ネットワークを持っておるわけですから、相当それぞれの営業者として、私は需要量については的確なデータを持っているのではないかという気がするわけだ。そういうところで十五ないし十六機でいい、あなた方は二十機だと言う。あの飛行機は一億や二億で買えるわけじゃないですね。そうでしょう、二十何億ですか、二十六億とか言いましたかな。

○政府委員(佐藤光夫君) 十七億。

○吉田忠三郎君 十七億ですか、十七億でもたいしたもんじゃないですか。そうすると、ここで五機ないし六機狂いがあったとするならば、これは航空局で金を出すわけでもないし、大蔵省は全然金を出す気がないわけだ。そうでしょう。そうすると、いま言ったようにこれは全日空の岡崎さんが経営がかたくなって基盤が何とか言ったって、これは煙のごとき吹けば飛ぶようなもんですよ。その上にこのように一機十七億もかかるような飛行機を余分にわが国が買い取ったり、それを経済活動に向けられるようないまの日本の経済情勢であるのかどうか。この点をひとつ運輸大臣聞かしてください。

○国務大臣(中村寅太君) 局長から答えさせます。

○政府委員(佐藤光夫君) 吉田委員御指摘のように、過去においては非常に機材競争があった。機材競争を直すために機種の統一という勧告をして本機材が選定されたということでございます。その選定後、所要の機数の算定というようなものをいたしまして、昭和四十二年度までの大体機数の算定はいたしたわけでございますが、その後御指摘のように経済状態あるいは輸送事情等が変わっおりますので、航空審議会に御諮問をした機会に、われわれとしてもさらに需給状態の検討をいんしたわけでございます。その結果、この答申の内容に盛られておりますように、幹線の機数、便数の調整というような問題が出てきておるわけでございまして、御指摘の点もございますので、われわれとしても早急になお改定した需要量の算定というようなことを、各エアラインにもお願いをして、それが逐次出てきている段階でございますので、早急にこの改定された需要量に基づく機数の規制、割り当てというようなことをわれわれとして考えてまいりたい、こう思っておる段階でございます。

○吉田忠三郎君 時間が迫っているそうですから大臣はいいです。
 航空局長、いまあなたも何だかもやもやと、いつもの調子で答弁しておりますが、冒頭に言っているように、この段階としてはそのものずばり言いなさい。あなたの性格か、これは官僚の答弁集というものにはそういうふうに書いてあるから言っておられるのかどうか、ようわからん。ようわからんけれども、ここに来たら、そのものずばり答えなければいかぬ。しかし、時間がありませんから、他の委員の関係もありますので、項目的にぼくはあなたにここで読み上げて聞いていきますから、答えてください。
 いまぼくが言ったように、あなたも若干触れたように、需要と供給のバランスがいまくずれているから過当競争の原因になったりなんかしているのですが、だからいま飛行機の台数を何台にするかなどという問題が提起されてくるのです。いまの日本航空も含めて、国内における三社が幹線と称される線を担当して営業をしている。しかし、この段階で需要調整というものをどこかでやらなければ、いまの流行かどうかわかりませんが、倒産しているようにこれは共倒れになって、日本航空は別として、全日空にしてもこれは経営がかたくなって基盤がどうこう言っておりますが、これは問題がある。特に国内航空などというものは、これは直ちにどこかに吹っ飛んでいきますよ。しかし、航空局長あなたも知っているように、この国内航空というものは、ただ単に普通の民間の株式会社形態ではない。生い立ちが当時北海道の道策会社として発足した。今日さようなものがありますね、鹿児島県やどこかに県会社というものが。そういう関係の株式形態になっていますから、そう簡単にいかないのです。だからこそあなた方は煙のようなものであったが、諮問を審議会にして、一応こういう答えを求めるためにやったのだと思うのだ。そうでないとすると、明らかにこの航空審議会に対して諮問したことは、あなた方官僚の隠れみのにするためにやったと批判されてもしかたのないことですよ、これは。ですから、この時期にやはり需要調整をどこかでやり、だれかがやる。この指導監督の責任ある航空局長、あなたがやらなければならぬ。一体こういう点についてどう調整するつもりでいますか。これをひとつ端的に私は聞かしていただきたいと思うのです。基盤強化をやれと言って見ても、前にも指摘したように、どこかに片寄ったようないままで認可権を行使していた。例をあげれば、国内航空はローカルを受け持っておって、しかも関東を中心にして北と南の経済のバックグラウンドを見てごらんなさいよ、明らかだ。ところが幹線乗り入れさえやれば赤字が解消できるのです。かつて日本航空がそうだった。国際線の赤字を国内線で補った。全日空だって同じことですよ。だからローカルの赤字は幹線で補えるのだということでやったけれども、私のようなしろうとでさえ考えるが、飛行機のいま経済的な単位というのは少なくとも幹線三機なければならぬと、こう言われていますね、学者などでは。これは自動車の場合、東京では最低三十台なければ営業にならないと、こう言われている意味のものじゃないかとこう思うのですがね。ところが、たった一機で運航している。ですから東京-札幌、東京-福岡ということでピストン輸送をやっているじゃないですか。私はかつて全日空が727型機をチャーターしておったときに、やはりピストン輸送をやったので、整備上の欠陥はないかということをこの委員会で指摘をして、参考人にも来ていただいたこともあります。事故は絶対ありませんと言っていた。今日その事故の原因はわからぬけれども、期せずして、くしくもこの727型機が事故を起こしたわけです。ところが、いま国内が一機よりないからピストン輸送をやっているわけです。どういう時期に運輸省の法律、諸規定に照らした整備をやっているのか。あなた方はわかっておったにしても、国民全体はわかっていません。ですから、こういう点はどんなしろうとが見たって、これがつまり適正な日本の国内幹線の航空事業を指導して認可を与えているということには私はならないと思う。これからでもおそくないですよ、この答申が出たのですから。この答申の内容のいい悪いは別として、こういう答申をあなた方が求めたのですから、答申の中に、ここに書かれていますので、これからでもおそくないが、一体航空局長はどうこれに対処しようとしているのか、これをひとつ聞かせてもらいたい。
 それからこの答申には何か日本航空と国内航空の一本化について出されています。したがって、全体が二ページか三ページのものですから、読んでいけばこの答申の思想が出てくる。私のこれは考え方が間違いなら指摘してもらえばいいですけれども、この答申に流れている思想というのは、国内航空を再建させるというこの一語に尽きるんじゃないかと思うのです。どうですか局長、もしそうだとするならば、一体日本航空と国内航空とのこれからの協調の度合いをどうあなた方が指導するつもりでいるのですか。これはただ答申が出たからといってばく然とあなた方は傍観しているわけですか。大臣か何か今度のこの談話を見ますると、近く各関係の重役陣を、首脳陣を呼んで何か話をするというようなことが談話に出ていますけれども、話をするということになれば、手ぶらで話はできないと思うのです。何かあるはずなんです。航空局長、あなたは大臣を補佐する当面の担当官でございますならば、ただこれはぼう然としているわけじゃないはずだから、この委員会でひとつ明らかに私はしてもらいたい。
 それからもう一つは、各社の路線のアンバランスがあります。ですから、この答申を踏まえて、いま私が申し上げたようなことをやるとすれば、当然路線についても再編成しなければならぬということが必然的に私は起きてくると思う。その場合に日本航空といえども、全日空といえども、国内航空といえども、公共事業には間違いない。特に運輸交通の機関の中でも、今度のような事故にかんがみましても、国民の側から見ますれば、非常に公共性の強い事業です。そういう事業なんだから、だからこそ航空局からそれぞれ路線あるいは機種についても認可を受けたり相談をしたり、指導を賜わらなければならぬ、監督を受けなければならぬということに規制されているわけでしょう。ですから、そういう立場に立ったならば、私はそうした路線の再配分等々についても、国民の立場に立って私は公平な措置をしなければならぬ、いやしくも不平等な扱いは絶対今回はすべきじゃない、こういう考えを持っているので、この点に対して当の責任者である航空局長はどう考えているか。
 もう一つ、立ったついでに五番目の補償問題問題が数多くあるわけじゃありませんから言っておきますが、先ほど申し上げたように、事故のあるたびに補償の問題が問題になってきまして、それぞれのそのときの経済の状態あるいは物価の状態等々が勘案をされて補償というものが、もとより相手のあることですから、相手と事故を起こした会社側でいろいろ折衝を保ちつつ解決していっているわけです。いっているわけですけれども、最初の百万単位が二百五十万になり、それからまた私の記憶では一番新しいので三百五十万くらいの補償が最高だと思っているのですけれども、とうとい人間の命と私は金と比較するということはどうかと思うけれども、この段階にくれば、残された遺族の方々、あるいはもうおとうさん、おかあさんをなくした子供さんのことを思えば、やはりそのときの客観的なつまり経済事情というものを十分考慮をして補償の問題を検討しなければならぬのじゃないか、こう思うのです。このことについても、従前やはり補償の額が高過ぎて会社経営がたいへん変なことになるというような意味もあったでありましょうが、やはり運輸省が仲立ちして指導してきましたよ。そうして五年ほど前にこれはそういう協定がなされていると思うが、そのときの協定の金額ではたしていいのかどうか。冒頭に言ったように、金で人の命はかえられぬけれども、アメリカでは大体二千五百万くらいですよ。一挙に私はアメリカのようにやれなどと言ってはいませんけれども、この辺にやはり検討を加えるべき時期にきているのじゃないか。なぜかとなると、全然もう経済構造が変わっているし、国民の生活も漸次いい方向にいっているし、あげくのはてに物価はどんどん上がっているのですから、こういう事柄を加味してみると、この問題についても検討を加える必要があるのじゃないか。特に本会議でもこれは総理大臣が答弁しているわけですから、犠牲者等遺族の援護救済等々の問題については十分政府のできる限りのことをいたします、という答弁をしていますので、これは局長、あなたの直ちに担当の事項であるかどうかは別として、考え方をひとつ聞かしてもらいたい。その答弁いかんによっては質問するけれども、答えがぼくのほうにすとんと落ちるようなら質問はこれで終わります。

○政府委員(佐藤光夫君) 今回の事故にかんがみて、国内航空企業のあり方についてどうするかという大きな問題でございますが、それに関連して吉田委員御指摘の航空審議会の答申を事務当局としてどう措置するかという点につきましては、御指摘のように、航空審議会の答申を体して、われわれは事務当局としてこの実現に努力をする。その実施をする場合には、この答申の趣旨にもありますように、企業の経営基盤の強化という観点を一つの大きな柱としてものを考えるということであろうかと存じます。
 具体的に路線の問題等ございましたが、路線の配分その他の問題がある場合には、これは御指摘のように、不平等の取り扱いがないように公正に考えるということであろうと思います。
 需給の点については、先ほども申し上げましたように、われわれとしては前に考えた需給にかかわらず、ひとつ現在の状態に合ったもので将来の機材の導入その他を考えていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
 補償につきましては、吉田委員御指摘のように、現在まだ遺族の方々と会社との問では、まず遺体の引き揚げというような状態でございますので、われわれもあまり具体的な問題を承っておらないわけでございますが、総理がお答えしておりますように、できるだけ手厚い政府としての措置をするという方針のもとに、対策本部会議等におきましても、金銭補償のほかに遺児等の取り扱い、あるいは保険金の支払いを簡易、迅速にするようにというような措置を講じていただいておるようなわけでございますが、将来の補償の標準のあり方として、御指摘のように経済、物価を勘案して公正な補償をすべきであるという点については、全く吉田委員のお話のとおりであると思いますので、これらの点を十分われわれも含みながら事務処理をいたしたいと考えておる次第でございます。

○吉田忠三郎君 恒久的な問題がございますけれども、追ってこういう問題は次回の委員会でお尋ねいたすことにいたしまして、きょうは私の質問を終わります。

○岩間正男君 簡単に二、三分お聞きしますが、この前要求した航空管制全図ですね、これは出してもらえますね。

○政府委員(佐藤光夫君) 航空管制図の御要求は提出いたします。

○岩間正男君 それで、ブルーラインの問題を先ほど出したのですが、何のためにブルーラインというものは必要なんです。

○政府委員(佐藤光夫君) 航空交通管制のために、航空路管制をいたしておるわけでございます。航空路をどこに置くかということは、これは専門的にいろいろ検討してもらったわけでございますが、わが国の関東地区の航空路としては、ああいう管制上航空路があの位置が適当であるということでブルー14、いろいろ線によって名前がついておりますが、それぞれそういう名前をつけて管制路をきめたというふうに私承知しております。

○岩間正男君 全日本の場合、そういうラインですね、これは幾つくらいあるのですか。

○政府委員(佐藤光夫君) 管制図を提出いたしましたので、それによって御参照いただきたいと思
 いますが、、わが国の細長いところでございますので、大きな筋としては北から南に一本大きな筋が通っている。それを補助するように相当数の航空路を設けまして航空路管制をしておる。その地図をごらんいただきたいと思います。

○岩間正男君 そうすると、ブルー14というのは一番大きな管制になるわけですね。それからその線というのは日本の空の制度といっているけれども、その西のほうは、これは横田一立川、厚木というものを持っている。そうすると、それとの関係がああいうふうなブルー14をつくっているのですね。そこははっきりしているでしょう。

○政府委員(佐藤光夫君) 飛行機が飛びます場合には管制をする。航空路管制をするわけでございますが航空路管制を経た飛行機が飛行場に入るわけでございます。したがって、その飛行場に入る飛行経路を考えながら管制航空路をつくっているということでございます。したがいまして、このブルー14は……

○岩間正男君 厚木がなければ要らぬでしょう。

○委員長(江藤智君) 答弁が終わってから御発言を……。

○政府委員(佐藤光夫君) 一般の航空交通管制をするために設けておるものだというふうに御承知いただきたいと思います。




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参-日米防衛協力のための指…-日笠勝之君平成11年05月24日

参-日米防衛協力のための指…-日笠勝之君平成11年05月24日

○日笠勝之君 公明党の日笠勝之でございます。
 いよいよ当委員会も最終局面に近づいておりますが、まず最初に何点か、当委員会で議論もされましたけれども、確認をさせていただきたい事項がございます。
 その最初は後方地域捜索救助活動でございますが、ある識者の方が、これは日米安保条約の枠内ということであれば、捜索救助をされる対象の方は米軍の戦闘行為者に限るのではないか、それ以外の戦闘行為者はどうなるのか、こういうふうにおっしゃっておられましたけれども、いかがなんでしょうか。

○国務大臣(野呂田芳成君) お尋ねの後方地域捜索救助活動を実施する場合、人道的な観点から平和及び安全の回復のための活動に従事する米軍以外の戦闘参加者も救助の対象としているところであります。
 また、後方地域捜索救助活動を実施する場合において戦闘参加者以外の遭難者があるときは、これも人道的な観点から後方活動を実施するという趣旨にかんがみましてこれを救助するものとしているところであり、御指摘の民間人も救助することができると私どもは考えております。

○日笠勝之君 次に、三会派の御尽力で、国会関与ということで原則事前承認、事後承認も緊急の場合あり得るというふうに修正されました。
 そこで、お伺いしたいのは、国会での承認が例えば同意が得られないという場合でも、いわゆる九条によります関係行政機関の長は自治体とか国以外の者、まあ民間でしょう、に対しても必要な協力を依頼することはできるのかできないのか、この点についてお伺いしたいと思います。

○国務大臣(野呂田芳成君) 仮定の議論としまして、自衛隊が後方地域支援及び後方地域捜索救助活動等の二つの活動を実施することについて国会が不承認の議決をした場合に、後方地域支援及び後方地域捜索救助活動が行えなくなることは当然のことでございます。
 他方、御指摘の地方公共団体や民間への協力要請については、あくまでも法律論としてその位置づけを申し上げますれば、国会による自衛隊の二つの活動の不承認の議決により、そのような要請を行う法的根拠までも失われるものではないと私どもは考えております。
 いずれにしましても、政府としては、国会に御報告した基本計画に係る御議論や、あるいは自衛隊による二つの活動の実施の可否についての国会の御議論や判断を勘案しながら、地方公共団体や民間への協力要請について個別具体的に適切に判断してまいることとなるものと考えております。

○日笠勝之君 運輸大臣にお伺いいたします。
 国や地方自治体が管理する空港とか港湾の中で、その設置における途中のいろんな地権者、住民などなどとの話し合いの中で、この空港とか港湾は軍事利用させない、供与してはいけない、こういうふうな協定というか覚書があるものはございますか。

○国務大臣(川崎二郎君) 過去の経緯の中で、国会答弁がなされたり、地元との話し合いが文書として残されたものもございます。

○日笠勝之君 その中で、新東京国際空港でございますが、この空港の軍事利用は一切許さず、当空港周辺の空路及び管制空域の設定においても軍事を優先させないという住民側の要求があり、新東京国際空港公団の回答として、新空港は純然たる民間空港のためのものであり、軍事利用させることはない、軍事施設と思われるものの設置も一切認めない方針である、こういうふうなやりとりがありまして、一九七二年九月二十日に新東京国際空港公団と「三里塚空港から郷土とくらしを守る会」との間に航空公害に関する交渉覚書が交わされておりますね。
 ですから、周辺事態になって、この成田の新東京国際空港は、こういうようなことを勘案すると、米軍に軍事利用はさせることができないというふうになるんでしょうか、ならないんでしょうか。

○国務大臣(川崎二郎君) まず、日米地位協定によって米軍機は民間空港を一時的に使用ができる、こういう法律になっております。一方で、これは優先使用権ではございませんので、混雑空港ということになると民間機を押しのけてという話にはならぬだろう、こういうふうに第一に思っております。
   〔理事竹山裕君退席、委員長着席〕
 第二に、今御指摘ございました建設のときの経緯、いろんなことがあることは承知いたしております。また、先ほど申し上げましたように、運輸大臣等の過去の国会答弁がございます。当然そういうものは勘案をされていかなければならない。
 そのときに、実は過去の例で申し上げますと、緊急避難として二回ほど使われておる実績はございます。そうした中で、周辺事態の際に基本計画を組む、そういうものを十分勘案しながら検討していくということなるだろうと思っております。

○日笠勝之君 次は、地方自治体とか民間の方々に対するマニュアルでございます。
 考えてみますと、昨年の四月二十八日にこの法案が衆議院に提出されました。もう一年以上たっているわけです。一年以上たって、本年二月の予算委員会、また衆議院では内閣委員会などなどでこういう話はもう当然続出しておったわけです。余りにも日がたっているんじゃないか。
 例えば、手前みそでございますが、地域振興券は十月八日の閣僚懇で商品券支給構想の具体化を早急に検討する方針で一致をされて、十二月十一日に補正予算で成立したわけでございます。そして、第一号の交付が一月二十九日の浜田市でございましたので、この間百十四日ぐらいの間に、自治省、自治大臣は地域振興券推進本部をつくり、毎晩二時、三時、情報を集めては検討する、そして三千二百五十五の全市町村に同時ファクスを送るという大変な事前準備をされて、そして予算が成立する前に全国の都道府県の担当者を集めて地域振興券交付事業の概要というものを発表したり、相当事前の準備をして、地域経済活性化は即応性が要るということで成立と同時にぱっとやられたわけです。
 こういうようなことを考えますと、これは安危室が今も取りまとめておる。先ほど同僚の齋藤委員からも質問がございましたけれども、もちろん安全というものが第一でございますが、国以外の民間や自治体の方々にこういう手はずでやるんですよ、こういうことを早く情報提供しなければならないというふうに思うわけであります。
 よって、お聞きしたいのは、このマニュアルというのはいつごろをめどに地方自治体の皆様や民間の方々にお示しできるのか、その準備状況を明確にお答えいただきたいと思います。

○政府委員(伊藤康成君) 九条に関しますマニュアルにつきましては、これまでもたびたび御質問をいただいております。私ども、現在作業をしておるということもまた御答弁申し上げたところでございます。
 このマニュアルの中身につきましては、私どもはこの国会での御審議の状況、あるいはまた、これまでもやってまいりましたが、これからもさらに地方公共団体等とのいろいろな打ち合わせ、そういったものを実は全部成果として盛り込みたいというのが一つでございます。それからもう一つは、この法律は公布の日から三カ月以内に施行するということになっております。その辺もあわせ考えまして、私どもといたしましては、少なくとも法律の施行には何とか間に合わせたいというような気持ちで、現在いろいろな角度から作業を行っているところでございます。

○日笠勝之君 法律の施行と同時というふうに理解をしておきたいと思います。
 続きまして、当委員会で沖縄で地方公聴会をしていただきました。沖縄の皆さんの生の声を聞き、本当に過ぐる大戦で沖縄の方々のとうとい犠牲の上に今日の日本の繁栄もあるのだということを決して私たちは忘れてはならないという自覚を新たにしたわけでございます。
 私ども公明党は、政府として、SACO合意以上の沖縄における米軍基地の整理、統合、縮小をぜひ図っていただきたい、これは強く強く要望をしておくわけでございます。と同時に、この沖縄の振興策ということでも、ぜひひとつ総理のリーダーシップを期待しておるわけでございます。
 そこで、最近、世界遺産ということで、一つは沖縄の首里城址など九件の琉球王国のグスク、お城ですね、及び関連遺産群を文化遺産にということで、相当今煮詰まっているように聞いております。現状をぜひお聞かせ願いたい。
 それからもう一つは、自然遺産として沖縄本島北部の山原の森を自然遺産にと、こういうふうな声もほうふつと沸き起こっておるわけでございます。
 以上二点の、世界遺産登録に関しての現状と目安などを文部大臣、環境庁長官にお聞かせ願えればと思います。




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参-日米防衛協力のための指…-伊藤基隆君平成11年05月20日

参-日米防衛協力のための指…-伊藤基隆君平成11年05月20日

○伊藤基隆君 民主党・新緑風会の伊藤基隆でございます。
 寺崎委員の……(「ちょっと、自民党の席は少な過ぎるんじゃないですか。四名で本当に審議する気があるのかどうか。委員長、ちょっととめてください」と呼ぶ者あり)

○理事(竹山裕君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕

○理事(竹山裕君) 速記を起こして。

○伊藤基隆君 寺崎委員の関連で質問するわけでございますが、前回、十二日に私は、新ガイドラインとこの法案の関係を主にしてシリーズ的に聞くというふうに申し上げておきました。
 新ガイドラインに至る中間取りまとめから新指針に大きな変化があることが非常に問題であろうかという認識に基づいてお聞きしてきたわけでございます。引き続きその視点に立ってお伺いします。
 まず、新指針の三項三、「日米共同の取組み」の項で、中間取りまとめでは「日米両国の関係機関の関与を得て、両国間の調整メカニズムを平素から構築しておく。」となっていたものが、新指針においては「日米両国政府は、緊急事態において関係機関の関与を得て運用される日米間の調整メカニズムを平素から構築しておく。」と調整メカニズムの役割が変わりました。
   〔理事竹山裕君退席、委員長着席〕
 さらに、中間報告において「日米両国政府は、日本に対する武力攻撃及び周辺事態に際して効果的な協力が行われるよう、計画についての検討を含む共同作業を進め、日米協力の基礎を構築する。」、この共同作業を検証して「自衛隊及び米軍をはじめとする日米両国の関係機関による円滑かつ効果的な対応を可能とするため、共同演習・訓練を強化する。」とされていたものが、新指針において以下のとおり大幅に書きかえられました。すなわち、新指針は「日米両国政府は、日本に対する武力攻撃に際しての共同作戦計画についての検討及び周辺事態に際しての相互協力計画についての検討を含む共同作業を行う。このような努力は、双方の関係機関の関与を得た包括的なメカニズムにおいて行われ、日米協力の基礎を構築する。」、さらに「日米両国政府は、このような共同作業を検証するとともに、自衛隊及び米軍を始めとする日米両国の公的機関及び民間の機関による円滑かつ効果的な対応を可能とするため、共同演習・訓練を強化する。」ということに変化をしております。
 そこで、防衛庁長官に一つ一つ聞きたいわけでありますが、まず一つは共同作戦計画、これは旧指針にもありましたけれども、この共同作戦計画及び相互協力計画が正面から掲げられた理由はなぜか。このことについてお尋ねします。

○国務大臣(野呂田芳成君) 旧指針の作成後、冷戦が終結したということで国際情勢は大変大きく変化したわけでございますが、アジア太平洋地域においては不安定、不確定な要因が依然として存在しておる。この地域における平和と安定の維持は日本の安全のために一層重要になっているわけであります。
 ガイドラインは、日本に対する武力攻撃及び周辺事態における日米おのおのの役割並びに相互の協力、調整のあり方について一般的な大枠ないし方向性を示すものでございますが、緊急事態に際し日米が整合性のとれた行動を円滑かつ効果的に実施するためには、平素から日米間で計画についての検討を実施し、その検討成果を蓄積し、日米おのおのの計画に反映することが有益であると考えられたところであります。
 このような観点から、御指摘の日本に対する武力攻撃についての共同作戦計画の検討や、あるいは周辺事態についての相互協力計画の検討を日米が共同で取り組むべき作業として示しているものでございます。

○伊藤基隆君 それでは、中間取りまとめ以来、平素から構築しておくものとされる調整メカニズムの構築、すなわち機関はどうなっているのか。関与する関係機関に民間の機関も入るのか、あるいは地方自治体も入るのか、この点についてお聞かせいただきたい。

○国務大臣(野呂田芳成君) ガイドラインにおきましては、緊急事態に際して日米がおのおの行う活動の間の整合性を図るとともに、適切な日米協力を確保するため、このような事態に際して日米が行う活動の間の調整を行うためのメカニズムとして調整メカニズムを平素から構築しておくこととされているところであります。
 日米両国政府は、現在具体的な調整の方法やメンバー等を含め調整メカニズムの構築等につき検討中であります。確定的なことは現段階ではまだ申し上げられないわけでございますが、調整メカニズムは日米両国政府間のメカニズムであり、御指摘のように民間の機関や地方公共団体を関係機関に含めることは念頭に置いていないところでございます。
 いずれにしましても、この法案の審議の状況を踏まえつつ、できるだけ早く調整メカニズムを構築できるよう努めてまいりたいと考えております。

○伊藤基隆君 今、長官の答弁でまだ検討中ということでありますけれども、この関係機関で、私としては恐らくアメリカ側の関係機関とは国防省、国務省というふうに考えますが、日本側は各省庁初め多数の機関が関与することになるのではないかと考えますが、いかがですか。

○政府委員(柳澤協二君) 調整メカニズムそのものの構築は今鋭意検討中でございますが、米側については、先生言われました国防省、国務省、それに恐らく太平洋軍、在日米軍といったメンバーがかかわってくるだろうと思っております。日本側については、当然、防衛庁、外務省を中心といたしまして、その他、現在包括的メカニズムの方では関係省庁の会議をおつくりいただいておりますので、恐らくそういった形で関係の省庁にかかわっていただくようなことになるだろうと思っております。

○伊藤基隆君 質問を一項目通告しているのを今若干答えられたので、それは飛ばします。
 そこで、包括的メカニズムに対する新聞報道がありまして、大分前でありますが、九七年十一月六日、読売新聞夕刊において、この件は読売新聞一紙だけの報道でございましたが、次のような記事が出されました。
 日米両国政府は六日まで、というのは九七年十一月六日でしょうが、
 新しい日米防衛協力のための指針(ガイドライン)に関連する作戦計画の策定や法整備などを進める実行組織となる「包括的メカニズム」の骨格について、①両政府の外務、防衛閣僚による「日米安全保障協議委員会(SCC、2プラス2)」②防衛庁統合幕僚会議と在日米軍など制服組で作る「共同検討委員会」③日本政府の十七省庁で作る「関係省庁局長等会議」──の三本柱で構成するとする概要を固めた。
  これによって両国政府は新ガイドラインを踏まえた日本周辺有事のための「相互協力計画」と、日本有事のための「共同作戦計画」の策定に本格的に着手することになる。
 この報道を見ますと、この委員会で、例えば月原先生が質問された件についての政府側の答弁がございましたが、聞いている限りにおいては余り組織的といいましょうかシステム的な答弁になっておりませんでしたが、この報道を読み返してみると包括的メカニズムのイメージが明らかになってきます。これは「日本有事のための「共同作戦計画」」という記事も載っておりますけれども、これが実態としてのイメージを描くのに非常にわかりやすいわけでありますが、新聞報道でございます。この実態はこの内容と比べてどうなのか。この辺について防衛庁長官のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

○政府委員(柳澤協二君) ただいま先生の包括的メカニズムについての御質問でありますが、これは昨年の一月二十日の2プラス2におきまして、結果的には報道されたところとほぼ近い形ででき上がっております。つまり、2プラス2をヘッドにいたしまして、局長級の防衛協力小委員会、さらに制服といいましょうか自衛隊と在日米軍の間の基礎的な作業を行います共同計画検討委員会、さらに関係省庁の会議体としての局長級の会議といったものが基本的な構成要素というふうにしてでき上がっております。

○伊藤基隆君 イメージがよくわかりました。
 さて、外務大臣にお伺いします。新ガイドラインの四項の一、「日本に対する武力攻撃が差し迫っている場合」の項に中間取りまとめにはなかった項目が入りました。一つは、「日本は、米軍の来援基盤を構築し、維持する。」、二つは、「日米両国政府は、事態の拡大を抑制するため、外交上のものを含むあらゆる努力を払う。」、この文言が加えられておりますが、この外交上の努力の必要の確認というのは当然のことというふうに理解すればいいのかもしれませんが、「来援基盤を構築し、維持する。」はかなり重要な意味を持つのではないか。すなわち構築される米軍の来援基盤とは何か。あるいは、これはベルギーなどでの実例がある米軍の武器弾薬の集約基地、いわゆるポンカスを提案しているものか。少なくとも米軍に対する新たな施設・区域の提供、すなわち基地の拡大は必要となるのではないか。そうすれば、関連する法整備はどうなっていくのか。この点について外務大臣の御答弁をお願いします。

○国務大臣(高村正彦君) 新たな日米防衛協力のための指針における「日本に対する武力攻撃が差し迫っている場合」の項で言及のある米軍の適時の来援を促進するための基盤の構築、維持とは、我が国に対する武力攻撃が発生した場合に、来援する米軍の活動が円滑に実施されることを確保するということを意味するわけでありますが、新たな施設・区域の提供を含め、このために我が国が実施する行為の具体的内容は、事態の推移、来援する米軍の兵力の規模、内容等によって異なるために一概に申し上げることはできないわけでございます。
 なお、我が国に対する武力攻撃が発生した場合の米軍の行動にかかわる法制、自衛隊及び米軍の行動に直接にはかかわらないが国民の生命、財産の保護等のための法制については安全保障上の課題であると認識しておりまして、その取り扱いについて今後検討していきたいというのが政府の立場でございます。

○伊藤基隆君 今の答弁をお伺いしますと、すなわち来援基盤を構築することについては、私の触れた内容についての可能性があるというふうに理解されます。
 法整備は外務大臣の答弁のとおりで進められるのかと思いますが、内容の問題は別でございますけれども、そのように理解いたします。
 防衛庁長官にお伺いします。
 新ガイドライン四項の二の「日本に対する武力攻撃がなされた場合」の項で、私らが持っている中間取りまとめの資料によりますと、二十二行あったのが八十七行へと内容が大幅に膨らんで、書き加えられております。
 中間取りまとめでは概論と項目だけが示されていました。すなわち、「(イ)指揮及び調整 (ロ)調整メカニズム (ハ)通信電子活動 (ニ)情報活動 (ホ)後方支援活動(補給、輸送、整備、施設及び医療を含む。)」。新指針は、「(一)整合のとれた共同対処行動のための基本的な考え方 (二)作戦構想 (三)作戦に係る諸活動及びそれに必要な事項」から構成され、それぞれテーマについて詳細を明らかにしております。これは中間取りまとめの段階からの検討の発展となるというふうに考えますが、新たな疑問点が数多く示されています。
 すなわち、先ほど申し上げました新指針の「日本に対する武力攻撃がなされた場合」において、「自衛隊及び米軍が作戦を共同して実施する場合には、双方は、整合性を確保しつつ、適時かつ適切な形で、各々の防衛力を運用する。その際、双方は、各々の陸・海・空部隊の効果的な統合運用を行う。」というふうになっています。中間取りまとめでは、「自衛隊及び米軍の各々の統合運用の重要性に留意する。」となっていたものが、「統合運用を行う。」と断定し、しかも陸海空の統合運用とされました。
 統合という用語は三軍のときに使うようでございます。合同の用語は陸海といった三軍でないときに用いられる。なお、国が異なると共同ということになるそうでございますが、陸海空の統合運用とされた、その意味することは何か。この点についてお伺いいたします。

○国務大臣(野呂田芳成君) かなり長い御質問でございましたので、正確に委員の質問を把握しているかどうかわかりませんがお答え申し上げます。
 まず、従来の指針の作戦構想は陸上作戦、海上作戦それから航空作戦に区分され、それぞれについて日米の関係する部隊が共同して実施されることとなっていたわけであります。
 他方、これまでの米軍との共同作戦計画についての研究、共同演習等を通じて、統合軍である米軍との共同という観点から、自衛隊の統合運用の重要性が認識され、防衛大綱においても各自衛隊の統合的かつ有機的な運用に特に配慮する旨の考え方を示しております。新たな指針の作戦構想も、作戦等の項目を機能別に整理した上で、各作戦の主体も自衛隊、米軍とし、日米おのおのの統合運用を踏まえ、記述することとしたわけであります。
 また、指針の前提にも記述されておりますように、指針及びそのもとで行われる取り組みは、いずれの政府にも立法上、予算上または行政上の措置をとることを義務づけるものではなく、旧指針と比較し統合運用が義務化されているわけでもないわけでございます。
 中間取りまとめとの違いが起こっているわけでありますが、中間取りまとめは平成九年六月の時点までの防衛協力小委員会における作業の概要を示したものであります。その後のさらなる作業の結果、修正や追加があり得るとの前提で公表されたものであります。新たに指針の作戦構想は、中間取りまとめの公表以降、新たな作戦の考え方、装備、技術の進展、弾道ミサイルによる攻撃等の新たな要素の脅威等の要素を勘案しつつ、さらに検討を行った成果を踏まえて記述されたものでございます。

○伊藤基隆君 今淡々と、統合運用ということが事態の推移から両国の三軍体制が共同して行うことになったのだという答弁がございましたが、私は統合運用というふうにされたこと自体を重要視しているわけでありまして、統合運用とした意味、中間取りまとめ段階では「統合運用の重要性に留意する。」と研究課題のような形で取り扱われたのが「統合運用を行う。」というふうに義務化されたということの持つ軍事的な意味についてお伺いしているわけです。そういうふうになったじゃなくて、これはどういう意味を持っているのかということについて。

○政府委員(柳澤協二君) その統合という文言は、旧指針では余りイメージされずに実は新指針の作業の過程で出てきておりますが、それは旧指針以来の日米の共同研究ですとかあるいは共同訓練などを通じまして、実際の日本防衛の場面に当たりましては、それぞれの軍種ごとに日米で動くというよりは、自衛隊は自衛隊でやはり陸海空の力をうまく組み合わせて運用していくということが趨勢としても一般的になってまいりました。実際の運用を考えますと、やはり統合ということ抜きには現実の問題として考えられない状態になってきております。
 また、大臣からも申し上げましたように、米軍そのものが統合軍という形で動いておりますので、自衛隊の方もそれに合わせて統合というコンセプトを正面から打ち出そうという考え方をとったわけでありまして、先生言われる中間取りまとめ段階といわゆる最終版のガイドラインの表現の差はございますけれども、その認識は、今申し上げたような旧ガイドライン策定以来の日米のいろいろな共同研究等の積み重ねの上に立って、そこの統合の重要性という共通の認識に立って書かれたものでございまして、その意味で基本的に中間取りまとめとその最終的な指針で大きく意味合いが違うということはないだろうというふうに思っております。

○伊藤基隆君 中間取りまとめが新ガイドラインになったその変化という認識はあって、それが整理されたというふうに今答弁の中で伺ったわけでございますけれども、少し中身について触れると余計鮮明になるというふうに思うんです。
 先ほど防衛庁長官が、旧ガイドラインでは作戦構想が陸上作戦、海上作戦、航空作戦と別建てになっていたと。新指針も作戦構想では「日本に対する航空侵攻に対処するための作戦」、「自衛隊及び米軍は、日本に対する航空侵攻に対処するための作戦を共同して実施する。」、(ロ)として「日本周辺海域の防衛及び海上交通の保護のための作戦」として「自衛隊及び米軍は、日本周辺海域の防衛のための作戦及び海上交通の保護のための作戦を共同して実施する。」、(ハ)として「日本に対する着上陸侵攻に対処するための作戦」として「自衛隊及び米軍は、日本に対する着上陸侵攻に対処するための作戦を共同して実施する。」、これらが陸海空の作戦構想でありますから、米軍と三軍体制の統合ということになろうかと思うんです。
 そこで、お伺いしますが、現在、陸上、海上、航空各自衛隊の統合運用の実態が日本であるのかどうか、この点についてお聞かせください。

○政府委員(柳澤協二君) 先ほども申し上げましたように、アメリカと共同訓練をしたり、いろいろアメリカの戦術思想等を吸収する過程で、近代戦におきますところの統合運用の重要性というのは自衛隊においても当然認識されております。自衛隊は、もともと防衛庁長官をヘッドといたします単一の組織でございます。基本的にはそういう形で、大きな意味では統合的な運用ができるその制度的な基盤はあると思っております。
 さらにそこのところに加えまして、現実の場面で、先生今触れられましたように、陸上作戦というような切り口ではなくて、対着上陸侵攻のときには、これは陸上自衛隊だけではございませんで、やはり海上自衛隊の艦艇ですとか航空自衛隊の支援戦闘機といったようなものがそれぞれ協力をして対応することになるわけでありますので、現に私どもの毎年の訓練、演習の中でもそういった項目を取り入れてその統合の実が上がるような工夫をしているところであります。

○伊藤基隆君 統合の実が上がるような工夫をしていて戦術的な重要段階での米軍との三軍共同ということになるというと、これはガイドラインにおいては日本に対する武力攻撃がなされた場合、日本有事の米軍と日本の三軍統合なんですね。三軍統合共同作戦、このことは非常に重要だと思うんです。
 そこに航空がいて海上がいて陸上がいるわけです。陸上がいるというのは着上陸侵攻という水際のような感じもありますが、陸上自衛隊、アメリカ陸軍がかかわるということは大変な問題じゃないか。それから、航空が共同作戦をやるとなると、これは先制攻撃の可能性もそこに秘められているんじゃないか。防衛だけの航空作戦ということもあり得るかもしれないけれども、先制攻撃からさらに発展する段階で陸上部隊の派遣ということにもなるんじゃないかということで、新ガイドラインを文字どおり見て今質問してお答えいただいたことからすると、大変日本有事に際してそれが拡大展開になるおそれがあるんじゃないかという感じがいたしますが、その点をこれは防衛庁長官にお答えいただきたいと思います。

○政府委員(柳澤協二君) まず事実関係を御説明させていただきますけれども、もちろん先生言われておりますように、今の御議論は日本有事の際の日米共同対処のときの問題でありまして、そしてここで申し上げている統合というのは自衛隊、米軍がおのおのの指揮系統で行動する中で、自衛隊として着上陸侵攻を阻止するためには陸海空がそれぞれ力を合わせるということをこの統合で言いあらわしているわけであります。
 そして、米軍との共同ということになりますと、これはガイドラインにも表現がございますように、例えば旧ガイドラインでは、いわゆる日本は防勢作戦を行って米軍は攻勢作戦を行うというような役割分担でございますが、これは基本的に新ガイドラインでも踏襲をしておりまして、例えば新ガイドラインでは、「自衛隊は、主として日本の領域及びその周辺海空域において防勢作戦を行い、米軍は、自衛隊の行う作戦を支援する。米軍は、また、自衛隊の能力を補完するための作戦を実施する。」、こういう表現になっておりまして、先生のおっしゃるような意味でアメリカとの協力というのは非常に大切でございますけれども、機能的に米軍の行っているものと全く一緒になるというようなことまでを考えているということではないということであります。

○伊藤基隆君 それではお尋ねしますが、先ほど私は、統合の用語は三軍のときに使うんだ、合同の用語は陸海といった三軍でないときに使われる、国が異なると共同になるということについては、これは正しい理解でございましょうか。

○政府委員(柳澤協二君) おおむねおっしゃるような意味で私どもも使いならしております。
 ただ、統合というのは、要するに軍種という言葉で言わせていただきますが、異なった軍種間が協力をしていくという非常に幅広い概念でありまして、必ず陸海空三つ全部そろわなければ統合ではないということはないと思っております。
 そして、国が違いますと、日米の間ですと共同という言い方をしておりますのは先生の御指摘のとおりであります。

○伊藤基隆君 私は、この項の質問はもっと簡単に行ってしまうのかなと思ったら、少し複雑になってきました。
 何で私があえて新ガイドラインの四項の二、「(二)作戦構想」について書かれていることを読み上げたかということであります。すなわち、(イ)(ロ)(ハ)とありまして、先ほど答弁は、日本有事に際して日本の自衛隊の統合的な作戦構想について述べたんだと言いましたが、ガイドラインにおいては、例えば「日本に対する航空侵攻に対処するための作戦」として「自衛隊及び米軍は、日本に対する航空侵攻に対処するための作戦を共同して実施する。」となっている。これは海域の防衛についてもそうだし、着上陸侵攻についても「共同して実施する。」となっています。
 ということは、日本有事に対して日米両軍が三軍統合で共同して作戦を実行するということですね。先ほどの答弁とちょっと違うんじゃないですか。自衛隊だけの単独の統合作戦だと言いましたけれども、違うんじゃないですか。

○政府委員(柳澤協二君) 先生言われるように、非常に表現が複雑になっておる部分で恐縮でありますが、先生が今挙げられました「日本に対する武力攻撃がなされた場合」の「基本的な考え方」の(ロ)のところで、「その際、双方は、各々の陸・海・空部隊の効果的な統合運用を行う。」ということで、統合という概念から出てまいりますのは、米軍なら米軍、自衛隊なら自衛隊の陸海空の部隊の間での、それぞれの三軍種の間の統合ということであります。
 そしてまた、今、先生が言われました作戦構想の中で書かれております航空侵攻その他の作戦を共同して実施するというのは、これはまさに日米が日本有事の際、共同して対処するということで、さらにその際の大まかな役割分担としては、先ほど私が申し上げましたように、自衛隊は主として日本の周辺海空域における防勢作戦を行い、米軍はその自衛隊の能力の及ばないところを補完する、こういう役割分担である、こういう構造になっているわけであります。

○伊藤基隆君 しつこいようですが、防衛庁長官にお聞きします。
 すなわち、周辺事態関連法案で想定している部分と違う内容のものが新ガイドラインにある。すなわち、日本有事に対して日米の共同作戦がとられることがあるということを確認していいわけですね。

○政府委員(柳澤協二君) これは、新ガイドラインで改めてと申しますよりは、旧ガイドラインのときからそういうコンセプトで、もともと日米安保条約に基づいて日米が日本有事に共同対処するという考え方が出てきているものであります。

○伊藤基隆君 旧ガイドラインにあるのも承知しておりますけれども、今この周辺事態関連法を審議している段階で着目すべき事案として私は取り上げているわけでありまして、この問題は大変な疑問点としてというか、新たな問題提起になってくるんじゃないかと思います。また後ほど何らかの機会に、外交・防衛委員会とかへ行ってお聞きする場面があるかと思います。
 次に、新指針の四項「日本に対する武力攻撃に際しての対処行動等」の二項「(2)作戦構想」、そこの(ニ)に「その他の脅威への対応」があります。これは全く新たに書き加えられたものであります。「その他の脅威への対応」として、「自衛隊は、ゲリラ・コマンドウ攻撃等日本領域に軍事力を潜入させて行う不正規型の攻撃を極力早期に阻止し排除するための作戦を主体的に実施する。その際、関係機関と密接に協力し調整するとともに、事態に応じて米軍の適切な支援を得る。」となっています。
 そこで、防衛庁長官にお伺いします。
 「ゲリラ・コマンドウ攻撃等」は、その規模、態様など、具体的にどのような事態を想定しているのか。あるいは密接に協力し調整する関係機関を列挙して、その協力、調整の手続を明らかにしていただきたいと思います。

○国務大臣(野呂田芳成君) このガイドラインで示されております「ゲリラ・コマンドウ攻撃等」は、我が国に対する武力攻撃であって我が国の領域に軍事力を潜入させて行う不正規型の攻撃のうち、不正規軍の要員等により破壊や襲撃等の活動を行うもの、あるいは特殊部隊により破壊工作、要人暗殺等の活動を行うものを念頭に置いているわけでございます。これらの攻撃は一般にその規模が比較的大きくはないものと考えられますが、指針において規模を具体的に想定して記述しているわけではございません。
 このガイドラインにおいては、ゲリラコマンド攻撃等への対応に際し関係行政機関と密接に協力し調整するとされておりますが、この関係機関は一般的な意味で記述されているものでございまして、例えば警察機関が、これは警察とか海上保安庁でございますが、該当し得るものと考えております。

○伊藤基隆君 この「その他の脅威への対応」の二項で、「自衛隊及び米軍は、弾道ミサイル攻撃に対応するために密接に協力し調整する。米軍は、日本に対し必要な情報を提供するとともに、必要に応じ、打撃力を有する部隊の使用を考慮する。」。この弾道ミサイル攻撃については、中間取りまとめをさらに一歩進め具体的な記述をしたものでありますが、北朝鮮のノドンを想定しているのでしょうか、あるいはその攻撃能力をどの程度評価しているか、防衛庁長官のお考えをお聞きしたいと思います。

○国務大臣(野呂田芳成君) ガイドラインにも明記されているとおり、指針は、我が国有事を含む緊急事態等における日米両国の役割並びに協力及び調整のあり方についての一般的な大枠及び方向性を示すことを目的としたものでありまして、特定の国や地域における事態を念頭に置いて作成されたものではございません。したがって、指針の四の「日本に対する武力攻撃に際しての対処行動等」における弾道ミサイル攻撃への対応に係る記述も、特定の国による攻撃を想定したものではないということをまず御理解いただきたいと思います。
 ノドンの攻撃能力をどの程度に評価しているかという御質問でございますが、北朝鮮は八〇年代半ば以降、スカッドBやスカッドCを生産、配備するとともに、引き続きノドンやテポドン一号、二号などの開発を行っており、ミサイルの長射程化を着実に進めているところであります。
 御指摘のノドンミサイルにつきましては、種々の情報を総合しますと、北朝鮮がその開発を既に完了しており、その配備を行っている可能性が高いと判断しております。この点は一月に韓国の国防長官と会ったときも認識が同じでございましたし、先般、米国のコーエン国防長官と会談したときも同じ認識である旨の発言があったところであります。
 ノドンの射程は、昨年八月の北朝鮮によるミサイル発射など各般の情報を総合した結果、射程距離千三百キロに達すると見られ、我が国のほぼ全域がその射程の中に入る可能性があるものと評価しております。

○伊藤基隆君 大変な脅威でございます。
 さて、そこで引き続き防衛庁長官にお聞かせいただきたいんですが、「米軍は、日本に対し必要な情報を提供するとともに、必要に応じ、打撃力を有する部隊の使用を考慮する。」、「打撃力を有する部隊」とあえて書いてあります。部隊というのはほとんど打撃力を保持するんだと思いますけれども、この「打撃力を有する部隊」とは何でしょうか。

○国務大臣(野呂田芳成君) まず、この弾道ミサイル攻撃に関し米軍と密接に協力し調整するくだりは、ガイドラインにおいては、弾道ミサイル攻撃がされる場合には、「自衛隊及び米軍は、弾道ミサイル攻撃に対応するために密接に協力し調整する。」こととされておりますが、ここでは平素から行われる日米間の関連の情報交換等の協力が想定されます。特に弾道ミサイルの発射に関する情報につきましては、先般の北朝鮮によるミサイル発射の際においても米側より速やかな情報提供が行われたところであります。
 お尋ねの打撃力と申しますのは目標を破壊する能力を指すものでありまして、米軍が使用を考慮する「打撃力を有する部隊」とは、あえて具体的に申し上げれば、例えば米軍機による敵の本拠地への攻撃を実施し得る部隊等の意味などが考えられると思います。

○伊藤基隆君 爆撃機による先制攻撃、敵の基地に対する攻撃という答弁がございましたが、まさか核攻撃を想定されているわけじゃないでしょうね。その点についてお聞かせいただきたいと思います。

○国務大臣(野呂田芳成君) ガイドラインにおいて、弾道ミサイル攻撃に対応するために密接に協力、調整する旨、先ほど述べたところでありますが、これは大量破壊兵器を運搬し得る弾道ミサイルの世界的な拡散という状況を踏まえまして日米が共同して対応する必要性を一般的な意味で述べたものでございまして、核とかTMDの導入のようなものを全く予断するものじゃございません。

○伊藤基隆君 次の質問で防衛庁長官にお聞きしたいと思いましたそのTMD計画を念頭に置いてこの項が成り立っているんじゃないかということについて、改めてここでお聞かせいただきたいと思います。

○国務大臣(野呂田芳成君) 失礼いたしました。
 先ほども申したとおりでございますが、弾道ミサイル攻撃に対応するために密接に協力、調整する旨書かれておりますが、これは大量破壊兵器を運搬し得る弾道ミサイルの世界的な拡散といった状況を踏まえまして、日米が共同して対応する必要性を一般的な意味で述べたものでありまして、TMDの導入を予断するものではございません。
 なお、弾道ミサイル防衛につきましては、弾道ミサイルの拡散等の状況を踏まえ、我が国防衛政策上の重要な課題としてさまざまな観点から検討を行っているところであり、今後とも指針とは別個の問題として引き続き検討を進めてまいる所存でございます。

○伊藤基隆君 少し質問を飛ばします。
 そこで、防衛庁長官に引き続きお尋ねします。
 新指針の「日本に対する武力攻撃に際しての対処行動等」に「後方支援活動」がありまして、「日米両国政府は、後方支援の効率性を向上させ、かつ、各々の能力不足を軽減するよう、中央政府及び地方公共団体が有する権限及び能力並びに民間が有する能力を適切に活用しつつ、相互支援活動を実施する。」、このように新指針には中央政府、地方公共団体、民間の相互支援活動について明記されております。
 今、周辺事態をめぐって民間役務強制措置などが議論されておりますけれども、この新指針二項の「日本に対する武力攻撃がなされた場合」における後方支援活動でございます。すなわち、日本有事における後方支援活動でありまして、後方支援は周辺事態の課題であるだけでなく、日本有事の際の課題であるというふうに理解されます。このイメージを明らかにしていただきたいと思います。

○政府委員(柳澤協二君) 先生言われましたとおり、ガイドラインにおきまして、日本に対する、いわゆる日本有事の場合の後方支援活動に関しましても自衛隊と米軍が効率かつ適切に後方支援活動を実施するということ、あるいは日米両国政府が中央政府及び地方公共団体の権限、能力、民間の能力を適切に活用するといった基本的な考え方が述べられておるわけであります。また、この指針全体といたしましては、さらに特に配慮すべき事柄として補給、輸送、整備、施設、衛生といった各項目について、日米おのおのの役割分担をこの指針の記述を通じて明らかにさせていただいたところであります。
 具体的にどういった協力になるか。これは日本有事でございますから、現在御審議いただいております周辺事態法の後方地域支援とは異なる場面の問題でございますけれども、その具体的な内容については、緊急時における、まさに日本有事における日米それぞれの対応ぶりにかかわってまいりますので詳しい御答弁は差し控えさせていただきたいと思いますけれども、いずれにしましてもこういう問題についても今後地方公共団体等の御理解を得られるような努力を私どもとして十分していくつもりでございます。

○伊藤基隆君 最後の質問になると思います、質問自体が長いものですから。防衛庁長官にお尋ねいたします。ぜひとも防衛庁長官にお答えいただきたい。
 一九九九年三月三日の朝日新聞によりますと、一九九四年に朝鮮半島の緊張が高まったときに在日米軍が日本側に求めた支援内容が明らかにされております。これらは千五十九項目に及び、ガイドライン関連法案では明らかにされていない省庁や自治体、民間に求める協力の下敷きとなるものと見られます。
 新聞報道でございますけれども、例えば空港では、成田、福岡、長崎、那覇の使用。二十四時間通関態勢。厚木基地への出入国管理官の派遣。新千歳、関西、福岡、宮崎、鹿児島、那覇における施設、通信、労務、宿泊給食、非戦闘員避難に関する支援。
 港湾では、松山、大阪、名古屋、水島、福岡、神戸港の使用。苫小牧、八戸、天願、金武湾、那覇港など公共岸壁の使用。水先案内人、タグボート、船舶修理、荷役人などの港湾支援。各港湾での荷役作業や資器材を保管する地域の確保。
 その他の施設としては、米海軍横須賀基地、佐世保基地へのミサイル垂直発射装置搭載施設、艦船停泊・修理施設の提供。北海道に重火器の実弾射撃が可能な両用戦訓練場の提供。海上自衛隊の八戸、厚木、岩国、鹿屋、那覇基地を米海軍の哨戒機P3C部隊が使用すること。
 輸送としては、川上弾薬庫からの弾薬輸送、十トントラック百四十八台。沖縄の海兵隊キャンプと岩国基地で、トラックとトレーラー計千三百七十台、クレーンとフォークリフト計百十四台。沖縄で八百六十五個、佐世保で二百四十個、岩国で二百二十八個のコンテナと、その輸送。沖縄地区の港湾で十一トントラック九十六台。
 補給としては、NEO支援用の簡易寝台や毛布など約三万セット。うち二・五万セットは嘉手納用。
 警備としては、警察、海上保安庁、自衛隊、日本人基地従業員による米軍基地・施設などの警備というのが出ております。
 これらはそれぞれ意味合いがその記事の中で載せられておるわけでありますけれども、その点については質問の時間がありませんので省きますが、審議している法案の基本計画は第五条において国会の承認を得なければならないことになっています。しかし、問題は実施要項でありまして、実行は実施要項によると。当然にして、平素から新ガイドラインの日米相互協力に基づく幾つかのケースに即した実施要項メモがあらかじめ準備され、これらの組み立てによって実施要項が成立することになります。しかも公開されません。
 これらの状況から考えると、周辺事態における後方支援、それにかかわる関係省庁、自治体、民間の協力体制は、それは実態としてはまさに防衛庁主導による有事体制、有事法下の体制と言えるのではないかというふうに思います。
 防衛庁長官の認識をお聞かせいただきまして、質問を終わります。

○国務大臣(野呂田芳成君) 申すまでもありませんが、日米間においては安保条約体制のもと、平素からいろいろなレベルで安全保障上の情報交換や意見交換を行ってきているところであります。このような意見交換等の中で、緊急事態に際しての米軍に対する我が国の支援についてもいろいろな形で議論が行われてきたことは事実であります。
 しかしながら、御指摘の報道にあるように、米側からの支援要求として固まったものを防衛庁として受領したとか、また防衛庁としてこのような日米間の議論を踏まえて米軍に対する具体的な支援内容の検討作業を取りまとめたという事実は全くございません。
 衆議院の方でもこの問題についていろいろ議論がありまして、今、委員が一々御指摘あったように、港湾や空港の具体的な名前を挙げて運輸大臣にも質問がありましたが、運輸大臣はそのようなことは一切聞いていない、全く無関係であるという答弁がございました。
 それはそのとおりでありまして、今御指摘になったような飛行場や空港を決めるとすれば、私どもとしては政府の見解を統一しなきゃいかぬのですから、運輸省に相談するのは当然でありまして、運輸大臣も知っておるわけでありますが、そのような事実がないわけですから、一切相談していないということであります。
 新たな指針は、平成八年四月に発出された日米安保共同宣言において、旧ガイドラインの見直しの改正についても同意されたことを受けまして、常日ごろから行っている議論も踏まえつつ、新たな枠組みのもとで行われた見直し作業の成果として取りまとめたものであります。御指摘のように、平成五年から六年にかけての議論が直接の基礎になっているというものではございません。
 また、御指摘の関係行政機関の措置や地方公共団体その他の国以外の者に対する協力につきましては、我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態に対して、内閣の判断と責任のもとにおいて閣議決定される基本計画に従って行われることでありまして、防衛庁主導で行われるということは当たらないことでありますし、また戦時下の有事体制であるとの御指摘も当たらないものと私どもは考えております。

○伊藤基隆君 終わります。ちょっとオーバーして済みませんでした。(拍手)




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参-日米防衛協力のための指…-福島瑞穂君 平成11年05月17日

参-日米防衛協力のための指…-福島瑞穂君 平成11年05月17日

○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。
 一番初めに、今回、修正案で周辺事態法一条が修正をされました。「そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等」の定義が加わったわけです。
 そこで、お尋ねいたします。
 ACSA改定案の方は、周辺事態の定義は従前どおりでございます。二条の1b、「「周辺事態」とは、日本国の周辺の地域における日本国の平和及び安全に重要な影響を与える事態をいう。」と。ACSA改定案と周辺事態法案のこの周辺事態をめぐる定義の整合性はどうなっているのでしょうか。

○福島瑞穂君 この委員会でもほかの先生も質問していますが、前方と後方の区別が果たしてできるのかと。私は、周辺事態法で今まで使っていた後方支援とは別個の後方地域支援という新しい造語を設けたのは、やはりそこで戦闘行為が行われている地域とは一線を画するというふうに言いくるめて、この造語をつくったのではないか。
 この間も質問しましたけれども、後方支援こそ危ないと。先ほど非核の問題の質問もありましたけれども、長崎だって広島だって、むしろ軍港であったりそうしたことで、広島はそうですが、原爆が落とされたと。なぜここでこういうふうに言葉を分ける必要があったのかというと、私は、一つのごまかしであるというふうに思います。
 次に、日米新ガイドラインと周辺事態法のずれについてお聞きいたします。
 それぞれ別表がついておりますけれども、日米新ガイドラインは四十項目に及びます。周辺事態法はそれよりも狭めてあります。なぜ違うのか。日米両政府が勝手につくった事務レベルのよりも国会の議論を経てつくられる周辺事態法の方が少ないわけです、別表が。日米新ガイドラインにたくさん載っていて、落ちてしまったことがたくさんあります。なぜこれが周辺事態法に盛り込まれていないのでしょうか。例えば、運用面における日米協力、警戒監視、機雷除去、海・空域調整、これは載っておりません。それから、その他のところの、例えば米軍施設・区域従業員の一時増員、こういうのも全部落ちております。なぜ日米新ガイドラインに載っていて周辺事態法に入っていないのでしょうか。
   〔理事竹山裕君退席、委員長着席〕

○政府委員(佐藤謙君) 先生、今言及されました運用面における日米協力のところをおっしゃったんだと思いますけれども、そこに「自衛隊は、生命・財産の保護及び航行の安全確保を目的として、情報収集、警戒監視、機雷の除去等の活動を行う。」、こうございます。これらの活動は現行法で行動する根拠がございます。したがいまして、新たな法的措置をとっていないわけでございます。
 それからもう一つ、先生おっしゃいましたのは、施設の使用のところ、ちょっと後ろの方を聞き漏らしたんですけれども、施設の使用で何とおっしゃいましたですか。

○福島瑞穂君 例えば米軍施設・区域従業員の一時増員、細かいことが日米新ガイドラインにたくさん入っておりますので。

○政府委員(佐藤謙君) これは、ガイドラインの後方地域支援の最後のその他という項目で米軍施設・区域従業員の一時増員ということでございますけれども、そういう所要が生じましたときに、これは現行の地位協定にもございますように、例えば防衛施設庁がそういった雇用に当たってその間に立ってそういった需要を満足する、こういう規定がございますけれども、そういうふうに既に現行法令上根拠のあるものでございます。したがいまして、新たに法的措置を講じていない、こういうことでございます。

○福島瑞穂君 周辺事態法案十二条は、この法律に特別の定めがあるもののほか、法律の実施のための手続などについて政令で定めると。政令の委任の条文があります。
 そうすると、お尋ねいたします。平時からの協力について新たな立法をつくるつもりではないんですか。これはもう将来つくらないということなんでしょうか。つまり、日米新ガイドラインと周辺事態法のずれについては、将来このずれについて立法するおつもりはないのですね。答えてください。

○政府委員(佐藤謙君) まず、政令への委任でございますが、これはここにございますような「この法律の実施のための手続その他この法律の施行に関し必要な事項」という範囲内での授権になっているわけでございます。
 それから、ガイドラインの実効性確保ということから私ども今回法案等をまとめてお願いしたわけでございますけれども、現在その中で例えば船舶検査の条項等は削除されている、こういうような状況にございます。

○福島瑞穂君 日米新ガイドラインの方が非常に詳しい、また別表もたくさんいろんなことにわたっております。ですから、この日米新ガイドラインと周辺事態法の別表の差、それから書いてあることのずれを見ますと、周辺事態法に書いていない潜りの協力が国民にされてしまうんではないかというふうに思ったんです。つまり、国民はどうしても周辺事態法案の方ばかり見ていますから、実は日米新ガイドラインにいろんなことが書いてあるということがなかなかわからない。将来、その委任あるいは新たな立法。
 そうしたら確認をいたします。船舶検査等というのは、法律で等というといろんなものが入ってしまいますけれども、船舶検査以外に新たな立法というものは今後ないんですね。それをお聞かせください。大臣お願いします。

○政府委員(佐藤謙君) 今回の法律は、新しいガイドラインの実効性を確保するということで整備させていただいているわけでございます。先生も御言及になりましたように、このガイドラインの中にいろいろな項目が挙がってございます。この項目につきまして、私ども、現時点でこういう協力項目を実効あらしめるとすれば現時点としてはこういった新たな法律が必要であろう、こういうふうに考えているところでございます。

○福島瑞穂君 新たな立法が必要であるというのは、この周辺事態法の別表のみに限るということですか。

○政府委員(佐藤謙君) 今回考えておりますのは、あくまでも新しいガイドラインの実効性を確保するために現時点でどういうことが必要かということで、現時点の判断として新たな立法措置を必要とするものについて取りまとめ、お願いをしているところでございます。

○福島瑞穂君 現時点でということの確認はさせていただきますが、将来は変わる可能性もあるかも、おそれがあるという感じがいたします。ですから、潜りの協力あるいは将来こういうことも協力があるのだということで、出てこないということで言質をとりたいと思います。
 次に、日米新ガイドラインの中に包括的メカニズム、そして調整メカニズムということがあります。これが実は非常にわかりにくいものです。ですから、これのそれぞれコンパクトな定義、それから参加する関係主省庁は一体どこか。責任者はだれか。事務局はどこか。事務局長はだれになるのか。制服と役人の割合は一体どうなるのかについて教えてください。

○国務大臣(野呂田芳成君) 包括的メカニズムと申しますのは、このガイドラインのもとにおいて、共同作戦計画についての検討及び相互協力計画についての検討、並びに準備のための共通の基準及び共通の実施要領等の確立に関する日米共同作業を実施するために、自衛隊及び米軍のみならず、日米両国政府もその他の関係機関の関与を得て、日米両国政府により構築されたものであります。
 具体的には、日米安全保障協議委員会、これはちょっと時間がかかりますが、中身を説明する必要がありますか。

○福島瑞穂君 いいえ、結構です。

○国務大臣(野呂田芳成君) そうですか。
 それでは、まず、これは外務大臣や防衛庁長官がアメリカの国防長官や外務大臣と構成するものであります。それから、防衛協力小委員会、それから自衛隊と米軍間の共同作業組織である共同計画検討委員会、それから関係政府機関が関与する連絡調整の場で構成されて、必要に応じおのおのの政府部内で調整過程が含められることになります。
 また、指針においては、今、先生から御指摘がありましたとおり、緊急事態に際して日米がおのおの行う活動の間の整合性を図るとともに、適切な日米協力を確保するため、このような事態に際して、日米が行う活動の機関の調整を行うためのメカニズムとして調整メカニズムを平素から構築しておくこととされているところであります。
 日米両国政府は、現在、具体的な調整の方法やあるいはメンバー等を含め、調整メカニズムの構築等につき今検討中であります。確定的なことは申し上げられませんが、今後、周辺事態安全確保法案の審議の状況を踏まえつつ、できるだけ早く調整メカニズムを構築できるように努めてまいりたいと考えております。

○福島瑞穂君 調整メカニズムは、日米連合司令部というものができる、そういうことだと思います。その中身についてまだ決まっていないというのは非常に問題だと思います。例えば、司法制度改革審議会設置法案でも、どういうものをつくるかということをできるだけ国民の前に明らかにすることが必要で、そのことだけで法律があるわけです。今の話ですと、調整メカニズムがどうなるのか。
 もう一度お聞きします。
 参加する関係主省庁はどこか。責任者はだれか。事務局はどこか。事務局長はだれになるのか。制服と役人の割合、こういうものは一体どうなるのか。日本とアメリカが合同で司令部を置くのか。そういうことについてはっきりお答えください。

○政府委員(柳澤協二君) 調整メカニズムについてのお尋ねでありますが、調整メカニズムと申しますのは、何か特定の権限を持って、先生が今例に挙げられたように、事務局がどこにあって、あらかじめ参加する省庁が固定的に決まっていて、そしてその任務、役割、あるいはその権限といったようなものが決められているというようなそういう組織ではございませんで、これは包括的メカニズムの方も同じでありますけれども、要は、従来、従来と申しますのは、旧ガイドラインのもとでの作業のように自衛隊と米軍あるいは防衛庁と外務省だけが関与するのではなくて、実効性を高めるために関係する省庁も適宜参加していただくという趣旨で「包括的」あるいは「調整メカニズム」という言葉を使用しております。
 ですから、どういう構造になるのかというのは、決してこれはでき上がっても固定的なものではございませんが、全体としては、今、大臣が申し上げたように、包括的メカニズムが外務、防衛の日米のそれぞれの閣僚のスーパーバイズのもとに置かれて、そしてその一番下のレベルでは、現在その計画段階では共同計画検討委員会というのが統合幕僚会議と在日米軍の間で作業をし、その作業でいろいろ検討したものの中から必要に応じて各省にお諮りしていく。それは、局長級の2プラス2の下にありますSDCといったような会議を通じ、また安保室の方で取りまとめていただきながら進めていくということでありまして、要すれば、固定的な権限や組織というものを使って、何かこれで新しい権限ができるというものじゃないということです。
 それから、先生が言われた日米共同司令部というのは、これは私ども、日本有事のケースにおきましてもそれぞれ自衛隊と米軍は別々の指揮系統で動いていくことになるわけでありまして、それだからこそ、日本有事においてもそういう実効的な調整ができるような、ある意味で機動的に運用できるようなメカニズムが必要であるということで認識しております。

○福島瑞穂君 包括的メカニズムについては、どういう機構になるといった表なども出ておりますけれども、全体としてどれぐらいの規模になるのでしょうか。これは日米両国の制服組でつくられるとも言われておりますが、いかがですか。

○政府委員(柳澤協二君) 包括的メカニズムは、今、先生が言われましたように、昨年の一月二十日の2プラス2を経まして設置を了承し、作業を開始しております。
 現在、その一番下部のといいましょうか、これは、実際に日本有事あるいは周辺事態等で日米が協力する際にそのコアとなります自衛隊と米軍の間でまずどんな形で協力をしていくかということを切り出すために共同計画検討委員会をつくって、そのメンバーは統幕会議のメンバーと在日米軍の主要な幕僚ということで、これも固定的な人数はございませんが、我が方でいえば統合幕僚会議の各室長というのが、五室までございまして、室長と主要な幕僚といったようなメンバーで、在日米軍についても各担当の部長あるいはその主要メンバーということで今作業をしております。

○福島瑞穂君 包括的メカニズムの大体の人数、調整メカニズムの大体の人数を教えてください。

○政府委員(柳澤協二君) 包括的なメカニズム全体として申し上げますと、日米それぞれに、日本ですと外務大臣、防衛庁長官、米側は国務、国防両長官というレベルの、いわゆる2プラス2と言っております閣僚レベルの会合が一番トップにございます。その下に、これは日米それぞれ、外務・防衛関係の局長級のSDC、防衛協力小委員会というのがその補佐機関として来ております。

○福島瑞穂君 時間がないので人数だけ言ってください。

○政府委員(柳澤協二君) ちょっとその人数が、申しわけございません、こういうメンバーが決まっております会議については人数を出せると思いますので、ちょっと今カウントしたものがございませんので、後ほど御報告させていただければと思います。

○福島瑞穂君 この調整メカニズムについては先ほど余り決められていないということでしたけれども、むしろ周辺事態法よりもこの日米新ガイドラインの大枠の方がずっと大きい、知らされていないという面があると思います。
 それで、最後に事前協議についてお聞きいたします。
 旧日米ガイドラインの方は、「前提条件」として「事前協議に関する諸問題、日本の憲法上の制約に関する諸問題及び非核三原則は、研究・協議の対象としない。」、事前協議に関することは「前提条件」で動かさないということになっております。
 しかし、日米新ガイドラインではこの事前協議が落ちております。「基本的な前提及び考え方」のところでは、「専守防衛、非核三原則等の」ということで例示からはっきり落ちております。ということは、事前協議の格が下がったというか、交換公文があるのに日本はだんだんこれを無視し始めているのではないかというふうに思います。
 一九九八年一月二十三日、空母インディペンデンスが横須賀から直接中東へ出兵する際に、日本と事前協議はありませんでした。先日の代表質問でも、日本はアメリカの軍事介入にノーと言ったことは一度もない、そして事前協議のことについては、事前協議が行われたことは一度もないという答弁がありました。
 しかし、インディペンデンス号が横須賀港から直接中東へ渡ったときは我が国から行われる戦闘作戦行動のための基地としての日本国内の施設・区域の使用に明白に当たりますから、事前協議がなかったことは、少なくとも岸・ハーター交換公文、藤山・マッカーサー口頭了解を踏みにじるものである、アメリカは踏みにじっていると思いますが、お答えください、外務大臣。

○委員長(井上吉夫君) 時間が参っておりますので、簡単にお願いします。

○国務大臣(高村正彦君) 委員長の指示でございますから簡潔にお答えいたしますが、まさにインディペンデンスの行動は、これは中東に行く移動でございまして、戦闘作戦行動には明確に当たりませんから、これは以前からの枠組みの中において事前協議の主題とならないものであります。

○福島瑞穂君 反論したいですけれども、時間が来ていますので、終わります。(拍手)




  1. 2008/03/30(日) 21:23:04|
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参-外交・防衛委員会齋藤勁君 平成10年04月16日

参-外交・防衛委員会齋藤勁君 平成10年04月16日

○齋藤勁君 民主党・新緑風会の齋藤勁でございます。

○齋藤勁君 この制度につきましては、先ほど私自身も位置づけをしていますので、ぜひまたより積極的な取り組みをお願いしたいというふうに思います。
 次に、日米地位協定に関しまして、何点かお尋ねさせていただきたいと思います。
 外務省お見えですね。新年度から日米安全保障条約課に、今度の予算の説明の中にも入っていたのですが、日米地位協定室というのを設けると、設けたのでしょうか、正確には。この日米地位協定室というのをつくったわけでしょうけれども、日米地位協定室と書いてあれば、その言葉どおり文字どおりなんでしょうけれども、ねらいとそれからスタッフというんでしょうか、一人や二人じゃないと思いますけれども、このスタッフについてお伺いしたいと思います。

○政府委員(高野紀元君) 昨四月十五日でございますが、国会の予算のお許しもありまして、外務省の北米局日米安全保障条約課の中に日米地位協定室を設置させていただきました。
 この考え方は、我が国に米軍が駐留し、それに必要な施設・区域を提供しているわけでございますが、その関連で種々の周辺住民の方々の御負担あるいは米軍の訓練等から生じる問題が生じているわけでございます。特に、最近年におきましては、沖縄における諸般の問題が起きて、これに伴って日米安保条約の運用あるいは我が国における米軍の駐留そのものについて、国民の皆様方からのいろんな声をいただいている。そういう背景のもとに、やはり日米安保条約をきちっとかつ円滑に運用するためには、この駐留に伴う問題、それに法律的な枠組みを提供しているのは日米地位協定でございますが、その問題について、より専門的あるいは集中的な対応をする体制を整備しなきゃならない、こういう考え方でございます。
 予算の定員上八名をいただいておりまして、日米地位協定室長も昨日着任いたしました。

○齋藤勁君 そこで、今国会の中でも、衆議院の論議を伺った中で、幾つか日米地位協定に絡む見直しあるいは運用の改善等についてやりとりがされております。私も本会議の中で、全国の渉外関係主要都道府県知事連絡協議会から政府に対する要望の中で、運用等適切な見直しを行ってほしいということで本会議でも述べさせていただきましたが、率直に申し上げまして、総理からの答弁は従来と変化がない答弁であったというふうに理解せざるを得ません。
 今回の新しいそういうポジションができたことによって、私はむしろ、今沖縄の例を御例示になりましたけれども、現実にその地域で起きているさまざまな問題について、より積極的に情報収集をして、運用面そして地位協定問題について積極的に日本政府の立場を明確にしていくということが日本の政府にとって大きな責務ではないかなというふうに思います。
 まず、具体的にお伺いしたいんですが、いわゆる低空訓練飛行というのがございまして、これを今どのルートのことを承知をしているとか、あるいはどういう事件があったとかいうことではないんですが、相当前に私もこのことでの国会でのやりとりの中で、いわゆる地位協定上の問題、米国と日本とのやりとりの中で幾つか政府から見解が出されていますので、この見解については現在もそういう見解なのかどうかということについてお尋ねさせていただきたいと思います。
 一つは、いわゆる飛行訓練の参加機数あるいは飛行ルート、これを政府は事前に連絡するよう米軍に求めていくべきではないか、こういう質問をしておりますが、政府の方の答弁というのは、「個々の飛行訓練の具体的内容について我が国へ
の連絡を行う必要はなく、政府として、かかる連絡を行うよう米側に求める考えはない。」と、これが一つ。
 もう一つは、低空飛行訓練については、最低高度規定など航空法の規制が適用除外になっている、騒音、安全面から大きな問題だ、事故多発の折から政府は米軍に対し高度、スピード制限等、規制を強化するよう申し入れるべきだというのが二つ目の質問であります。それに対して政府の方は、「米軍は、飛行訓練を行うに際しては、民間航空路を避け、最低安全高度を尊重する等航空交通の安全と秩序の維持に配慮しつつ実施しているものと承知をしている。政府は、御指摘の米軍機墜落事故にかんがみ、安全確保の徹底等につき改めて米側に申入れを行い、米側も同申入れを了解をしたところであり、政府として飛行規制の強化等を米側に求める考えはない。」ということで、これは岩手県内におきます米空軍機の墜落事故のときのその後のやりとりでございます。
 いわゆる飛行ルート、訓練空域について連絡を日本政府の方に行うように米側に求める考えはないということ、もう一つは、航空法、国内法ですけれども、事故のあったことについて安全と秩序に特に配慮してほしいということを申し入れしたけれども、飛行規制の強化等については米側に求める意思はないんだと、こういうのが二つの柱になっているんですが、このことについて現在の考え方についてお伺いしたいと思います。

○政府委員(高野紀元君) まず、先ほど申し上げました地位協定室の点で訂正させていただきたいと思いますが、定員上八名と申し上げましたが、九名でございます。
 それから、今の御質問でございますが、いわゆる低空飛行訓練に関連しての御質疑というふうに理解いたしますが、まずいわゆる低空飛行を我が国で行っている際の飛行ルートでございます。
 これは従来から申し上げているところでございますが、米軍が飛行訓練の目的達成、飛行の安全確保、住民への影響抑制等の必要性を安定的に満たすとの観点から、一定の飛行経路を念頭に置いて飛行することがあることは承知しております。かつ、これは随時安全性の問題あるいは周辺住民の方々への影響等も考慮に入れながら見直しをしているというふうに承知しております。
 そういう中で、具体的なルートの詳細、そういう意味での詳細は、米軍の運用にかかわる問題であって我が方として承知しておりません。
 それから、飛行訓練のあり方と申しますか具体的な飛行訓練の実績と申しますか、そういうものについての詳細でございますが、これも今のお答えと同様になるわけでございますが、米軍としてこのような飛行訓練というものは各軍のパイロット等の練度の維持ということから軍として規則上やらざるを得ないという立場で、我が国として駐留を認めている以上これを認めるということが我が方の立場でございますけれども、訓練の詳細については軍の運用上の問題でございまして、我が方として米側から一々その詳細の一つ一つについて通報を受けているわけではございません。
 それから、最低飛行高度あるいは最低安全高度の関連でございます。
 これは今御指摘のように、在日米軍の航空法との関係におきましては特例法がございまして、一定の範囲で航空法の適用免除を行っております。
 この基本的な考え方は、必ずしも我が国だけではなくて、外国軍隊が外国に条約上駐留を認められている際に、その軍隊というものは国内法は一般的には適用されないという考え方があるわけでございます。軍としての一つの特別の地位ということで、これはNATOにおきましてもあるいは韓国におきましても外国軍隊が駐留する際には基本的にはその考え方になっているわけです。
 しかしながら、それでは受け入れ国の国内法を無視して自由に行動していいか、そういうことではございませんで、日米の地位協定におきましてもほかの国における地位協定と同様に、駐留する受け入れ国の国内法を十分尊重しなければならないという義務は課されているわけでございます。
 その関連で申し上げますと、この最低安全高度に関しましては、我が国航空法の第八十一条及びそれに基づく運輸省令第百七十四条がございますが、人ないしまたは家屋の密集している地域の上空では三百メートル、その他の地域では百五十メートル以上の距離を保って飛行することというふうになっております。この部分は法律的には適用になっておりませんが、この点は米軍として十分尊重して飛行訓練を行っていることは再々米側も明らかにしておりますし、最近について申し上げますと、米側は四月一日付のプレスリリースということでこの点も改めて明確にしております。
 その当該部分を申し上げますと、在日米軍は、国際基準を遵守し日本の国内法令を尊重している、在日米軍は、最低飛行高度に関する規則、人口密集地三百メートル、その他の地域百五十メートル等、日本の航空法令を自発的に遵守しているということを述べているわけでございます。

○齋藤勁君 そこが大事だと思うんです。私は、地位協定はさまざまな国内法除外というような規定がありますが、原則としては国内法遵守だと思うんです。
 それで、しかしということでさまざまな除外規定があるんでしょうけれども、いずれにしましても、駐留の外国の軍隊というのは少なくとも国内法を尊重するということが、法律専門家に例をとるまでもなく国際慣習法のルールであるということについて、私はここではっきり申し上げさせていただきます。
 次に、飛行ルートとかさまざまな問題について、アメリカ国内においては、アメリカ国民に向けては米空軍というのは、インターネットのホームページの中に低空飛行訓練という広報をしているわけです。その最後の方には、規則に違反をしている飛行機がいたら最寄りの空軍基地に連絡をしてくださいと、こうまで記述をしているわけであります。
 今、後段局長から触れられましたけれども、尊重しているとか自発的にとかというふうに言いますが、これは少なくとも国内法の原則ということや、これだけの地方自治体から、例えば地位協定の運用とかなんかで、具体的に今申した点でいいますと五条関係ですけれども、米軍機の飛行については、航空法の今八十一条を読み上げられましたけれども、現在最低安全高度の規定が特例法により適用除外されているのでこれを見直し、航空法第八十一条を適用されたいということを明確にされているんです。これはやはりきちんと何か明記をさせていく、そして国民に明らかにさせていくという努力が私は必要ではないかというふうに思います。
 いわんや、米軍のダブルスタンダードというふうによく言われるんですけれども、国内にあっては国内法を米軍は尊重する、しかし他国に行ったら他国ではどうもそうではないということになりますと、大変問題があろうかというふうに思います。
 外務省としては、今私が申しましたアメリカ本土において低空飛行訓練の広報、ホームページを今一例出させていただいたんですが、国防総省と地域別の航路図、航空従事者等の情報マニュアル、それからいかなる航空機も人や船舶、構造物から五百フィート以内を飛行してはならないというような規則をきちんと記して、何かあれば国民の皆さん通報してくださいと、こういうふうになっている。
 こういった事実というようなことをやっぱりきちんとアメリカ側の方に申し入れをする。たまたま今、低空飛行訓練のことを言っていますが、そのほかにもたくさんあるんですけれども、こういったことをやはり日米地位協定の見直しの組上にのせて、その役割を果たすのが日米地位協定室だというふうに私は受けとめさせていただきたいんですけれども、いかがですか。

○政府委員(高野紀元君) 低空飛行問題に関しましては、先般イタリアで極めて重大な事故が生じたわけでございます。私どももこれを非常に重要視し、重大視して直ちに米側に対してこの訓練の
あり方、特に安全面から見て米側に対して再度何ができるかという観点から申し入れをいたしました。現在、この話し合いをしているところでございます。
 今の御指摘の関係で、アメリカの国内では飛行ルートがあり公表されているではないかという御指摘であろうかと思いますが、これはアメリカの国家映像地図庁、NIMAというのがございまして、そこで市販されている「米国の低高度における計器飛行方式ルート」という航空図に連邦航空局が承認した軍の飛行ルートが記載されていることは事実でございます。
 他方、私ども確認しているところでございますが、こういうルートをつくっていることはそれぞれの航空環境というものが置かれている違いからも出てきているわけでございます。米国では小型の民間航空機が極めて大量に飛び交うということも含めて、こういう制度を連邦航空局が軍との調整において行っているということで、これが発表されているわけでございます。
 米軍の実際の訓練は、このルートももちろん使っておりますが、我が国で行われているような意味での有視界飛行によりまして、もちろん安全性を見ながら一定のルートを使っているというのも、これまた事実であることが確認されております。したがいまして、その部分に関しましては我が国と米国との間で差がある、つまり有視界飛行の部分については同じような訓練をしているということはまた事実でございます。
 それから、ヨーロッパにおきましても、これは各国それぞれ国情で違いますが、例えば英国の場合は我が国とほぼ同じような制度をとっております。あるいはドイツ、イタリアの場合は空域を設けたりしているところでまたちょっと差があることはそのとおりでございます。
 したがいまして、米国と我が国との関係で申し上げますと、米国内における飛行訓練のあり方というものは少なくとも同じようなシステムをとっている部分もあるということでございます。
 一般的に申し上げますと、米側としては、我が国における低空飛行のあり方とそれから米国内において行っている低空飛行のあり方を照らし合わせた場合に、米側の説明によりますと、日本における国内法令を遵守、尊重しているわけでございますが、このあり方の方が米国内で米軍が行っている方式より厳しい、つまり米国内で行っている飛行訓練というのはより低いところを飛んでいる例もあるということを含めてだというふうに理解しておりますけれども、そのような説明を受けているわけでございます。
 繰り返してございますが、いずれにしても、この問題は非常に重要な問題だという認識を私どもしておりまして、現在、安全対策でどのように改善ができたのか、米側と話し合いをしているということでございます。

○齋藤勁君 時間も来ましたので終わりますが、いずれにしましても、六〇年代に結ばれた地位協定で、その後いろいろ状況も違っておりますし、それからいわゆる空の部分でも非常に技術が向上していろいろ訓練の形態も変わっている。私は、運用も大切ですけれども、地位協定そのものについて、やっぱり現状に合った、我が国の納税者にきちんと説明できるような、主権国日本としてきちんと役割を果たせるような、そんな説明のできるような地位協定にしなきゃならないし、アメリカとの話し合いをしていかなきゃならないということを申し添えさせていただきまして、終わりたいと思います。




  1. 2008/03/30(日) 21:22:02|
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参-外交・防衛委員会小泉親司君 平成11年03月15日

参-外交・防衛委員会小泉親司君平成11年03月15日

○小泉親司君 米軍機による低空飛行訓練についてお尋ねいたします。
 まず初めにお伺いしたいのは、青森県や秋田県にまたがる白神山地での米軍機による低空訓練の問題でございます。
 環境庁の出先の事務所ですとか青森県と秋田県でつくります白神山地世界遺産地域連絡会議が、三月八日に、この地域で米軍機か何かの航空機による低空訓練が行われておって、イヌワシの生息などに大変大きな影響を与えているという点を危惧されて、国に対してこの訓練について見直しの申し入れがされております。
 高村外務大臣は、この問題については参議院予算委員会でも取り上げられて、米軍機の可能性が高い、現在事実関係を照会中だというふうに答弁をされておられますが、どのようなことを米軍に言われて、事実関係はどうだったのか、まず初めにお伺いしたいと思います。

○国務大臣(高村正彦君) 御指摘の件につきましては、米軍機の可能性があるという報道を踏まえまして、世界遺産にも登録された同地域の環境保全に対する地元住民の高い関心にも触れつつ、米側に対して事実関係を照会していたところでございます。
 これに対して、在日米軍からは当該地域上空では飛行訓練は行っておらず、通過地点として上空を飛行する場合があるのみであると。また、当該地域上空を通過する際も、航空法に規定される最低安全高度、人口密集地三百メートル、その他の地域百五十メートルをはるかに上回る五千フィート、千五百メートル以上の高度で飛行をしている旨の回答がありました。

○小泉親司君 ということは、通過であるだけならば、世界遺産の地域であるとか、イヌワシの生息が大変危惧される地域でも米軍機が通過をしてもよろしいということが外務省の御見解なんですか。

○国務大臣(高村正彦君) 今事実関係を報告しろと言うから事実関係を報告したところでございますが、さらにそれがいいかどうかという話をお尋ねになりました。
 まず一般論として申し上げれば、米軍が飛行訓練を通じてパイロットの技能の維持、向上を図ることは、即応体制を維持するという軍隊の機能を維持する上で不可欠の要素であり、日米安保条約の目的達成のために極めて重要であります。日米安保条約が米軍の我が国への駐留を認めていることは、同条約がこの目的の達成のため軍隊としての機能に属する諸活動を一般的に行うことを当然の前提としており、米側に対し低空飛行訓練の一般的中止を要求することは考えていないわけでありますが、この白神山地は平成五年十二月に世界遺産条約に基づき世界遺産一覧表に登録されており、同地域の自然を守るため、関係法令、自然環境保護法等に基づき工作物の設置や植物の採取等に関する種々の規制がとられていると承知しております。
 ただ他方、この地域が世界遺産であるけれども、この地域上空の飛行につき特段の規制は設けられていないことから、米軍機であるか否かを問わず、航空機が同地域上空を飛行することがあり得ることについては御理解をいただきたいと思うわけでございます。
 そしてさらに、本件について、航空機による飛行とイヌワシの繁殖や生息への影響との因果関係がいかなるものか必ずしも明らかでありませんし、現時点においてコメントすることは適切でないと考えておりますが、環境庁、林野庁、青森県、秋田県から成る白神山地世界遺産地域連絡会議における取り組みも見守りつつ、必要があれば米側にも情報提供したり、あるいはそこで懸念があるのであれば懸念を伝えるということも考えていかなければいけない、こういうふうに考えております。

○小泉親司君 環境庁がまとめられた報告書は、もうお手元にはあるんだろうと思いますが、例えばその報告書でどういうことが書かれているかというと、通常、イヌワシの飛行高度よりも低く飛ぶときが見えたとか、例えば二ツ森の方から海岸に抜けるのを二、三回見て、かなり低空でヘルメットが見える感じだと、真瀬川沿いに低空で進入し真瀬岳の手前で急に高度を上げて青森側に抜けていくとか、環境庁の事務所が、つまり白神山地は御承知のとおり巡視員の方々しか入れないから、その巡視員の方々が大変危惧されてそういう報告を出しておられるわけです。ですから、それは一般的に上を飛ぶとかそういう問題ではなくて、これ自体はかなり低空に近い、訓練かどうかというのはいろいろ異論があると思いますが、そういう飛行が行われているというのは明らかだというふうに私は思います。
 そもそも、やはり世界遺産に指定されて絶滅危惧種の生存を初め生態系が重要な問題になっている地域なんですから、少なくともこの地域を除外すべきだと、日本の外務大臣だったら私はそう言うべきだと思うんです。
 例えばアメリカ本国では、こういう生態系、野生生物が侵される環境問題なんといったら非常に重大な問題になるわけで、日本の外務大臣として、たとえ今言われたようなさまざまな問題があるにしても、この生態系へ影響を与えるような飛行が現実に指摘されているんですから、しっかりと米軍に対して、少なくともこの地域での低空の飛行及び低空の飛行訓練、こういうものは中止すべきだという点を外務大臣は強く要求すべきじゃないんですか。その点を外務大臣にお伺いします。

○国務大臣(高村正彦君) 重ねて申し上げますが、低空飛行訓練はこの地域では行っていないという回答が来ているわけであります。
 そういう回答が来たのは私の方から、私の方からというか外務省から、まさにそういう懸念を伝えたことに対して回答が来ているわけでありますので、さらに今後とも、今後ともというか低空飛行訓練はしないようにということは申し入れ、そういう趣旨で懸念を伝えていきたい、こういうふうに思っています。

○小泉親司君 私は、低空訓練かどうかは別にして、低空の飛行というのは少なくともこの地域で事実関係として環境庁の、私どもが言っているんじゃないですよ、私どもはもっと厳しいことを言っておりますが、少なくとも環境庁の事務所の巡視員の方々が言っておられるわけですから、それは国のお役所の事務所の方が言っておられるんですから、その点はしっかりと事実関係を再度把握して厳重に、米軍に外務大臣が申し入れるとおっしゃいましたので、その点をぜひきちんとやっていただきたいというふうに思います。
 同時に、外務省はことしの一月十四日に初めて「在日米軍による低空飛行訓練について」と題する日米合意を行いました。
 私たちはこの間、米軍による低空飛行訓練は、大変ひどい騒音ばかりじゃなくて国民に大変危険な状態を与えているということから、特にアメリカ本国では低空飛行訓練の訓練ルートを公表しているというような事実からして、日本も当然この飛行訓練については、少なくともまず訓練ルートを公表すべきだということを要求してまいりましたが、この日米合意で飛行ルートの公表問題についてなぜ触れられていないのか、この点をまず初めにお聞きします。

○国務大臣(高村正彦君) 米軍の飛行ルートにつきましては、米軍が飛行訓練の目的達成、飛行の安全確保、住民への影響抑制等の必要性を安定的に満たすとの観点から、一定の飛行経路を念頭に置いて飛行することがあることは承知しているわけであります。
 他方、実施区域を継続的に見直しており、具体的ルート等、詳細は米軍の運用にかかわる問題でありまして、承知していないわけであります。
 今、委員がおっしゃった、米国では確かに市販の航空図に軍の飛行ルートが記載されているわけでありますけれども、米軍機が五百フィート、百五十メートル以上の高度で有視界飛行する場合には、これらの記載されたルートに限定されることなく飛行訓練が可能であるというふうに承知しております。
 日本では、日本の航空法が適用になりまして、百五十メーター以下では一切低空飛行訓練してはいけないことになっているわけで、それより低いところでやるときには飛行ルートを公開しているというのが今のアメリカのところで、百五十メートルより高いところ、日本で許されているようなところについての飛行ルートというのは別に公開されていない、どこでもいいんだというふうになっているというふうに承知しております。

○小泉親司君 今度の合意では、「在日米軍は、低空飛行訓練を実施する区域を継続的に見直す。」ということが述べられております。私、飛行ルートの問題じゃなくて、今度の合意では「飛行訓練を実施する区域」、つまりエリアなんだということが今度の合意の中で新しい点だと思います。一体このエリアというのは、在日米軍が現にやっている、つまり現にやっているエリアがあるんだということをこの合意は示しているわけです。それを継続的に見直すというんですから、それではこの合意に示される低空飛行訓練を実施している区域、現にやっている区域というのはどことどこの区域なんですか。

○政府委員(竹内行夫君) ここで申します空域と申しますのは、まさしく低空飛行訓練を行うその空間でございまして、これは言うまでもございませんけれども、ただ、その辺につきましては先ほど来大臣が御答弁申し上げていますとおり、米軍がルートにつきまして一定の飛行経路を念頭に置いて飛行することがあるということはございますけれども、継続的にそれを見直しておりますし、具体的ルート等の詳細については、米軍の運用にかかわることでございまして承知いたしていないということを従来から申し上げているところでございます。

○小泉親司君 ということは、現に行われている区域についても外務省は知らないんですね。

○政府委員(竹内行夫君) 具体的なルートの詳細については承知いたしておりません。

○小泉親司君 ということは、今、外務大臣が一定の区域で云々かんぬんということを言われたけれども、実際に外務省としては、見直す前、つまり現にやっている低空飛行訓練を実施する区域というのは外務省自身も全然知らないんでしょう。となったら、これを継続的に見直すなんということを書いても、どういうふうに継続的に見直しているかというのは、外務省はどういうふうに御判断されるんですか。

○政府委員(竹内行夫君) 先生御指摘のことしの一月に日米間で公表いたしました文書におきますその箇所でございますけれども、「最大限の安全性を確保するため、在日米軍は、低空飛行訓練を実施する区域を継続的に見直す。」というふうにされてございます。
 そこで、具体的には、低空飛行の間に在日米軍の航空機が、例えば原子力エネルギー施設とか民間空港の場所、そういうところを安全かつ実際的に回避するということとか、それから人口密集地域や公共の安全にかかわる学校であるとか病院でございますとかいった建造物には妥当な考慮を払うということで、これは継続的にまさに安全確保の観点から在日米軍において見直すということでございます。

○小泉親司君 つまり、除外するものだけは決めたけれども、あとは日本全国どこでも、低空飛行訓練はこの合意では在日米軍が、言葉は悪いですが自由勝手にやってよろしいと、こういうことでございますね。

○政府委員(竹内行夫君) 先ほど大臣から申しましたけれども、在日米軍の駐留が我が国の同意によって認められている以上、訓練等を、軍隊として当然行うべきことということが可能であるというのは一般論として該当するわけでございますが、もちろん在日米軍も我が国の公共の安全に対して妥当な十分な考慮を払わなきゃならないという一定の枠というものがあるわけでございます。
 その枠の中で特に注意すべき点として、改めてと申しますか、特定いたしまして、先ほど私が申しましたような原子力エネルギー施設であるとか学校であるとか病院であるとか、そういうところについて十分な注意を払うということを日米間で文書として、改めてと申しますか、最初でございますけれども、文書において明確にいたしたということにそれなりの十分な意義があるだろうというふうに考えております。

○小泉親司君 しかし、この文書を読む限りでは、日本政府がどういうことをやるかということは何ら書いていないんです。主語が全部「在日米軍は、」ということが書いてあるだけで、一体日本の外務省がこの低空飛行訓練についてどういうことが言えるのかというのは、ただ最後の六項で苦情処理を行いますというだけの話なんですよ、この合意というのは。
 ですから、例えば日米合意では、週末及び日本の祭日における低空飛行訓練については制限を加えておるかのように言っていますけれども、その後で、「米軍の運用即応態勢上の必要性から不可欠と認められるものに限定する。」というふうに書いてあります。米軍三沢基地での低空飛行訓練について、三沢基地自体は一般的に即応態勢を強化する訓練なんだと位置づけていますから、私はこれでは何ら制限がないんじゃないかというふうに思うんです。
 その点でもう一つ、ちょっと時間も差し迫ってきたのでお聞きしたいのは、いわゆる今度の初めての日米合意書で、低空飛行訓練と定義づけられましたが、この低空飛行訓練というのはどういう訓練を指すんですか。

○政府委員(竹内行夫君) これは、私、軍事の専門家ではございませんのでちょっと正確なお答えになるかどうかわかりませんが、文字どおり、米軍の航空機が通常の上空での飛行訓練というよりは、まさに低空において地形に沿った飛行を行うとか、低空においての戦技、技術を磨く、それからそれを維持する、そういうための訓練であるというふうに考えております。

○小泉親司君 それから、この合意書は、在日米軍のどこの部隊の航空機に適用されるんですか。

○政府委員(竹内行夫君) これは、在日米軍、日本で活動する米軍ということでございます。

○小泉親司君 ということは、すべての戦闘機、在日米軍に置かれているすべての戦闘機に適用する、戦闘機部隊に適用するということなんですか。

○政府委員(竹内行夫君) これは、日本におきまして米軍が、空軍、海軍、陸軍はないと思いますが、海兵隊等、日本で活動する米軍というものが日本で不可欠な訓練を行いますときに、その際に、我が国におきます安全の確保であるとか地元住民との関係ということを考慮したものであります。

○小泉親司君 もう一つお聞きしますが、米軍自身は低空飛行訓練ということを当然やっていますから義務づけているわけですが、具体的に在日米軍の米軍機に対してどういう義務づけを低空訓練で行っているんですか。その点は外務省は承知しているんですか。

○政府委員(竹内行夫君) ちょっと御質問の趣旨を私、正しくとらえているかどうかわかりませんが、米軍の所要と申しますか、運用上の所要という内部のこととして、訓練の回数であるとか頻度であるとかということでございますれば米軍の運用上の問題でございますので、私ども承知いたしておりません。

○小泉親司君 例えば、先ほど高村大臣は百五十メートル以下じゃないから大丈夫なんだ、こういう合意なんだと言っておられたけれども、実際にこの日米合意自身が余り有効な米軍に対する制限は私は全然ないということを前提にお話しします。
 例えば、三沢のF16の乗員マニュアルというのがインターネットでとれますので、皆さん方も引かれたらよろしいかと思います。米軍乗員の訓練マニュアルというのがインターネットでとれますので一度きちんとやられたらよろしいかと思いますが、F16の乗員に対して三つのことを義務づけているんです。一つは、今度の低空飛行訓練というのはどういう訓練かと。米軍機の訓練は一千マイル、つまり三百メートル以下の訓練を米軍としては低空訓練と言うんだということを前提にして、このF16の低空飛行訓練をやるためには資格が必要なんだ、その資格をとるために三段階あるんだと。その一段階、二段階、三段階の三段階というのはどういう飛行かというと、三百フィート以下、つまり百メートル以下の飛行もF16の乗員になるためには、つまり低空飛行訓練の乗員になるためにはそういう訓練も義務づけられているわけです。
 だから、先ほど、それは合意でなっているんだと一般的におっしゃっても、この間のいろんな全国の低空飛行訓練を見ても大変超低空の訓練もやられているわけで、私たちは、そういうF16の乗員マニュアルなども米軍に照会してきちんと調査して、実際こういう訓練がこの日本で現実に行われているのかどうなのか。先ほど、外務省は承知していないとおっしゃっているんで、そういう点もやはりきちんと厳正に調査して、米軍に問い合わせをすべきだというふうに思います。その点、最後にお聞きして質問を終わります。

○国務大臣(高村正彦君) 百五十メーター以下で飛ぶことは我が国の航空法に違反しておりますので、そんなことはないと思いますが、そういう疑問が呈された以上、問い合わせあるいは何らかのことをして私たちなりに調べてみたいと思います。

○政府委員(竹内行夫君) 一言。米軍からと申しますか米側とは、この文書で取り交わしましたように、日本の航空法の高度は尊重するといういわゆる法令尊重義務で米側としてはやっているわけでございます。それに対しまして、それが異なったことをやっているのではないかというのは、それはまさしく日米間の信頼関係にかかわる問題でございますので、そこのところはひとつ我々としては注意した物事の取り進め方をしなきゃいかぬと思います。
 それから、低空飛行をやります場合に、日本の領土の上でやるとは限りませんで、公海上の海上でやるということもございますので、これを含めた低空飛行の高度といったものが全体としては考えられるのではなかろうかという点もあろうかと思います。

○国務大臣(高村正彦君) 先ほど私、我が国の航空法に違反という言葉はちょっと不正確でありまして、航空法そのものが適用をされるわけではないわけでありますが、航空法の尊重義務がある、その尊重義務に違反している、こういうことを申し上げたわけであります。

○小泉親司君 私が指摘したのは、エアフォースインストラクション11の2Fの16、一九九八年五月一日、フライングオペレーションズ、F16のエアクルートレーニングという乗員マニュアルです。これはインターネットでもとれて、だれだって見られるものですから、実際にきちんとやるべきだというふうに思います。
 その点で、今度の合意というのは、私は現実の米軍の超低空飛行訓練を追認しただけで何の実効性もないという点を強く指摘して、私の質問を終わります。
    ─────────────




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参-外交・防衛委員会齋藤勁君 平成10年04月16日

参-外交・防衛委員会齋藤勁君平成10年04月16日

○齋藤勁君 民主党・新緑風会の齋藤勁でございます。

○齋藤勁君 この制度につきましては、先ほど私自身も位置づけをしていますので、ぜひまたより積極的な取り組みをお願いしたいというふうに思います。
 次に、日米地位協定に関しまして、何点かお尋ねさせていただきたいと思います。
 外務省お見えですね。新年度から日米安全保障条約課に、今度の予算の説明の中にも入っていたのですが、日米地位協定室というのを設けると、設けたのでしょうか、正確には。この日米地位協定室というのをつくったわけでしょうけれども、日米地位協定室と書いてあれば、その言葉どおり文字どおりなんでしょうけれども、ねらいとそれからスタッフというんでしょうか、一人や二人じゃないと思いますけれども、このスタッフについてお伺いしたいと思います。

○政府委員(高野紀元君) 昨四月十五日でございますが、国会の予算のお許しもありまして、外務省の北米局日米安全保障条約課の中に日米地位協定室を設置させていただきました。
 この考え方は、我が国に米軍が駐留し、それに必要な施設・区域を提供しているわけでございますが、その関連で種々の周辺住民の方々の御負担あるいは米軍の訓練等から生じる問題が生じているわけでございます。特に、最近年におきましては、沖縄における諸般の問題が起きて、これに伴って日米安保条約の運用あるいは我が国における米軍の駐留そのものについて、国民の皆様方からのいろんな声をいただいている。そういう背景のもとに、やはり日米安保条約をきちっとかつ円滑に運用するためには、この駐留に伴う問題、それに法律的な枠組みを提供しているのは日米地位協定でございますが、その問題について、より専門的あるいは集中的な対応をする体制を整備しなきゃならない、こういう考え方でございます。
 予算の定員上八名をいただいておりまして、日米地位協定室長も昨日着任いたしました。

○齋藤勁君 そこで、今国会の中でも、衆議院の論議を伺った中で、幾つか日米地位協定に絡む見直しあるいは運用の改善等についてやりとりがされております。私も本会議の中で、全国の渉外関係主要都道府県知事連絡協議会から政府に対する要望の中で、運用等適切な見直しを行ってほしいということで本会議でも述べさせていただきましたが、率直に申し上げまして、総理からの答弁は従来と変化がない答弁であったというふうに理解せざるを得ません。
 今回の新しいそういうポジションができたことによって、私はむしろ、今沖縄の例を御例示になりましたけれども、現実にその地域で起きているさまざまな問題について、より積極的に情報収集をして、運用面そして地位協定問題について積極的に日本政府の立場を明確にしていくということが日本の政府にとって大きな責務ではないかなというふうに思います。
 まず、具体的にお伺いしたいんですが、いわゆる低空訓練飛行というのがございまして、これを今どのルートのことを承知をしているとか、あるいはどういう事件があったとかいうことではないんですが、相当前に私もこのことでの国会でのやりとりの中で、いわゆる地位協定上の問題、米国と日本とのやりとりの中で幾つか政府から見解が出されていますので、この見解については現在もそういう見解なのかどうかということについてお尋ねさせていただきたいと思います。
 一つは、いわゆる飛行訓練の参加機数あるいは飛行ルート、これを政府は事前に連絡するよう米軍に求めていくべきではないか、こういう質問をしておりますが、政府の方の答弁というのは、「個々の飛行訓練の具体的内容について我が国へ
の連絡を行う必要はなく、政府として、かかる連絡を行うよう米側に求める考えはない。」と、これが一つ。
 もう一つは、低空飛行訓練については、最低高度規定など航空法の規制が適用除外になっている、騒音、安全面から大きな問題だ、事故多発の折から政府は米軍に対し高度、スピード制限等、規制を強化するよう申し入れるべきだというのが二つ目の質問であります。それに対して政府の方は、「米軍は、飛行訓練を行うに際しては、民間航空路を避け、最低安全高度を尊重する等航空交通の安全と秩序の維持に配慮しつつ実施しているものと承知をしている。政府は、御指摘の米軍機墜落事故にかんがみ、安全確保の徹底等につき改めて米側に申入れを行い、米側も同申入れを了解をしたところであり、政府として飛行規制の強化等を米側に求める考えはない。」ということで、これは岩手県内におきます米空軍機の墜落事故のときのその後のやりとりでございます。
 いわゆる飛行ルート、訓練空域について連絡を日本政府の方に行うように米側に求める考えはないということ、もう一つは、航空法、国内法ですけれども、事故のあったことについて安全と秩序に特に配慮してほしいということを申し入れしたけれども、飛行規制の強化等については米側に求める意思はないんだと、こういうのが二つの柱になっているんですが、このことについて現在の考え方についてお伺いしたいと思います。

○政府委員(高野紀元君) まず、先ほど申し上げました地位協定室の点で訂正させていただきたいと思いますが、定員上八名と申し上げましたが、九名でございます。
 それから、今の御質問でございますが、いわゆる低空飛行訓練に関連しての御質疑というふうに理解いたしますが、まずいわゆる低空飛行を我が国で行っている際の飛行ルートでございます。
 これは従来から申し上げているところでございますが、米軍が飛行訓練の目的達成、飛行の安全確保、住民への影響抑制等の必要性を安定的に満たすとの観点から、一定の飛行経路を念頭に置いて飛行することがあることは承知しております。かつ、これは随時安全性の問題あるいは周辺住民の方々への影響等も考慮に入れながら見直しをしているというふうに承知しております。
 そういう中で、具体的なルートの詳細、そういう意味での詳細は、米軍の運用にかかわる問題であって我が方として承知しておりません。
 それから、飛行訓練のあり方と申しますか具体的な飛行訓練の実績と申しますか、そういうものについての詳細でございますが、これも今のお答えと同様になるわけでございますが、米軍としてこのような飛行訓練というものは各軍のパイロット等の練度の維持ということから軍として規則上やらざるを得ないという立場で、我が国として駐留を認めている以上これを認めるということが我が方の立場でございますけれども、訓練の詳細については軍の運用上の問題でございまして、我が方として米側から一々その詳細の一つ一つについて通報を受けているわけではございません。
 それから、最低飛行高度あるいは最低安全高度の関連でございます。
 これは今御指摘のように、在日米軍の航空法との関係におきましては特例法がございまして、一定の範囲で航空法の適用免除を行っております。
 この基本的な考え方は、必ずしも我が国だけではなくて、外国軍隊が外国に条約上駐留を認められている際に、その軍隊というものは国内法は一般的には適用されないという考え方があるわけでございます。軍としての一つの特別の地位ということで、これはNATOにおきましてもあるいは韓国におきましても外国軍隊が駐留する際には基本的にはその考え方になっているわけです。
 しかしながら、それでは受け入れ国の国内法を無視して自由に行動していいか、そういうことではございませんで、日米の地位協定におきましてもほかの国における地位協定と同様に、駐留する受け入れ国の国内法を十分尊重しなければならないという義務は課されているわけでございます。
 その関連で申し上げますと、この最低安全高度に関しましては、我が国航空法の第八十一条及びそれに基づく運輸省令第百七十四条がございますが、人ないしまたは家屋の密集している地域の上空では三百メートル、その他の地域では百五十メートル以上の距離を保って飛行することというふうになっております。この部分は法律的には適用になっておりませんが、この点は米軍として十分尊重して飛行訓練を行っていることは再々米側も明らかにしておりますし、最近について申し上げますと、米側は四月一日付のプレスリリースということでこの点も改めて明確にしております。
 その当該部分を申し上げますと、在日米軍は、国際基準を遵守し日本の国内法令を尊重している、在日米軍は、最低飛行高度に関する規則、人口密集地三百メートル、その他の地域百五十メートル等、日本の航空法令を自発的に遵守しているということを述べているわけでございます。

○齋藤勁君 そこが大事だと思うんです。私は、地位協定はさまざまな国内法除外というような規定がありますが、原則としては国内法遵守だと思うんです。
 それで、しかしということでさまざまな除外規定があるんでしょうけれども、いずれにしましても、駐留の外国の軍隊というのは少なくとも国内法を尊重するということが、法律専門家に例をとるまでもなく国際慣習法のルールであるということについて、私はここではっきり申し上げさせていただきます。
 次に、飛行ルートとかさまざまな問題について、アメリカ国内においては、アメリカ国民に向けては米空軍というのは、インターネットのホームページの中に低空飛行訓練という広報をしているわけです。その最後の方には、規則に違反をしている飛行機がいたら最寄りの空軍基地に連絡をしてくださいと、こうまで記述をしているわけであります。
 今、後段局長から触れられましたけれども、尊重しているとか自発的にとかというふうに言いますが、これは少なくとも国内法の原則ということや、これだけの地方自治体から、例えば地位協定の運用とかなんかで、具体的に今申した点でいいますと五条関係ですけれども、米軍機の飛行については、航空法の今八十一条を読み上げられましたけれども、現在最低安全高度の規定が特例法により適用除外されているのでこれを見直し、航空法第八十一条を適用されたいということを明確にされているんです。これはやはりきちんと何か明記をさせていく、そして国民に明らかにさせていくという努力が私は必要ではないかというふうに思います。
 いわんや、米軍のダブルスタンダードというふうによく言われるんですけれども、国内にあっては国内法を米軍は尊重する、しかし他国に行ったら他国ではどうもそうではないということになりますと、大変問題があろうかというふうに思います。
 外務省としては、今私が申しましたアメリカ本土において低空飛行訓練の広報、ホームページを今一例出させていただいたんですが、国防総省と地域別の航路図、航空従事者等の情報マニュアル、それからいかなる航空機も人や船舶、構造物から五百フィート以内を飛行してはならないというような規則をきちんと記して、何かあれば国民の皆さん通報してくださいと、こういうふうになっている。
 こういった事実というようなことをやっぱりきちんとアメリカ側の方に申し入れをする。たまたま今、低空飛行訓練のことを言っていますが、そのほかにもたくさんあるんですけれども、こういったことをやはり日米地位協定の見直しの組上にのせて、その役割を果たすのが日米地位協定室だというふうに私は受けとめさせていただきたいんですけれども、いかがですか。

○政府委員(高野紀元君) 低空飛行問題に関しましては、先般イタリアで極めて重大な事故が生じたわけでございます。私どももこれを非常に重要視し、重大視して直ちに米側に対してこの訓練の
あり方、特に安全面から見て米側に対して再度何ができるかという観点から申し入れをいたしました。現在、この話し合いをしているところでございます。
 今の御指摘の関係で、アメリカの国内では飛行ルートがあり公表されているではないかという御指摘であろうかと思いますが、これはアメリカの国家映像地図庁、NIMAというのがございまして、そこで市販されている「米国の低高度における計器飛行方式ルート」という航空図に連邦航空局が承認した軍の飛行ルートが記載されていることは事実でございます。
 他方、私ども確認しているところでございますが、こういうルートをつくっていることはそれぞれの航空環境というものが置かれている違いからも出てきているわけでございます。米国では小型の民間航空機が極めて大量に飛び交うということも含めて、こういう制度を連邦航空局が軍との調整において行っているということで、これが発表されているわけでございます。
 米軍の実際の訓練は、このルートももちろん使っておりますが、我が国で行われているような意味での有視界飛行によりまして、もちろん安全性を見ながら一定のルートを使っているというのも、これまた事実であることが確認されております。したがいまして、その部分に関しましては我が国と米国との間で差がある、つまり有視界飛行の部分については同じような訓練をしているということはまた事実でございます。
 それから、ヨーロッパにおきましても、これは各国それぞれ国情で違いますが、例えば英国の場合は我が国とほぼ同じような制度をとっております。あるいはドイツ、イタリアの場合は空域を設けたりしているところでまたちょっと差があることはそのとおりでございます。
 したがいまして、米国と我が国との関係で申し上げますと、米国内における飛行訓練のあり方というものは少なくとも同じようなシステムをとっている部分もあるということでございます。
 一般的に申し上げますと、米側としては、我が国における低空飛行のあり方とそれから米国内において行っている低空飛行のあり方を照らし合わせた場合に、米側の説明によりますと、日本における国内法令を遵守、尊重しているわけでございますが、このあり方の方が米国内で米軍が行っている方式より厳しい、つまり米国内で行っている飛行訓練というのはより低いところを飛んでいる例もあるということを含めてだというふうに理解しておりますけれども、そのような説明を受けているわけでございます。
 繰り返してございますが、いずれにしても、この問題は非常に重要な問題だという認識を私どもしておりまして、現在、安全対策でどのように改善ができたのか、米側と話し合いをしているということでございます。

○齋藤勁君 時間も来ましたので終わりますが、いずれにしましても、六〇年代に結ばれた地位協定で、その後いろいろ状況も違っておりますし、それからいわゆる空の部分でも非常に技術が向上していろいろ訓練の形態も変わっている。私は、運用も大切ですけれども、地位協定そのものについて、やっぱり現状に合った、我が国の納税者にきちんと説明できるような、主権国日本としてきちんと役割を果たせるような、そんな説明のできるような地位協定にしなきゃならないし、アメリカとの話し合いをしていかなきゃならないということを申し添えさせていただきまして、終わりたいと思います。




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参-交通・情報通信委員会-筆坂秀世君  平成10年04月07日

参-交通・情報通信委員会-筆坂秀世君  平成10年04月07日

○筆坂秀世君 私は、民間航空機の安全運航問題、特に民間機と軍用機の異常接近問題について伺いたいと思います。
 三月二十五日に日本エアシステムの航空機が函館洋上空で米軍三沢基地のF16戦闘機に異常接近され、そのときに航空機衝突防止装置ACASが作動し緊急回避操作を行う、こういう事例が発生しております。
 まず、そのACASの役割について簡単に説明をしていただきたいと思います。

○政府委員(楠木行雄君) 私たちはACASと言ったりあるいはTCASと言ったりしておりますけれども、いわゆるトラフィック・コリジョン・アボイダンス・システムということで、航空機の衝突を防止する装置という意味でございます。トラフィックアドバイザリーというものが最初点灯いたしますと、そこで注意という感じになりまして、そしてRAと申しますリゾリューションアドバイザリー、こういうものになりますと回避動作に入る、こういった意味で、民間航空機の衝突を防止する装置として装置されておるものでございます。
 これはつい三年ほど前にこういったものを導入するということを決めまして、あと二年か三年、二〇〇一年だったと思いますが、そのころには一定の航空機に義務づけをする、こういうものになっております。

○筆坂秀世君 要するに、衝突予防装置ですよね。今言われたように、衝突が予測される事態になると四十秒前に警告がされる、二十秒前になると回避指示、RAということがやられる。
 つまり、極めて危険な事態になったときにこれが作動する。一つは衝突の危険性がある、そしてRAが出ると緊急回避操作、これが義務づけられている。これによって急降下あるいは急上昇する。これは急降下、急上昇どちらかするわけですから、乗組員であるとか乗客が危険にさらされる。例えば、ベルト着用ランプがついていないときに急降下するというふうなことになれば、あるいはキャビンサービスをやっているときにそういう事態になれば機内で大変な事故が発生することになるわけです。
 そこで伺いますけれども、このACASあるいはTCASというんですか、これが作動し、回避指示、RAが出て回避操作を行った件数、この装置が導入されて、九六年一月からですけれども、九六年、九七年それぞれ何件ありますか。

○政府委員(楠木行雄君) 私たちの方でたまたまこのTCASのいわば精度といいますかそういったものをモニターするために、機長さんに対して報告してほしいということの制度を今持っておりまして、それによりますと、平成八年におきましては三百三十件程度、平成九年におきましては三百五十件程度ということでございます。

○筆坂秀世君 今、報告制度をたまたまつくっていると、だから三百三十件程度あるいは三百五十件程度というふうに報告された。だって衝突予防装置が働くんですよ、私、その報告が三百三十件程度、三百五十件程度と、そんなあいまいなつかみ方で一体どうするんだ、実に心もとない話だ。
 そこで伺いますが、三百三十、三百五十、これ一年間三百六十五日ですから、簡単に言えば毎日一日一件衝突予防装置がどこかで働いているということですよ。このうち相手が軍用機のものはどういう件数になっていますか、何件ありますか。

○政府委員(楠木行雄君) 昨年の三百五十件というものに対しましては、相手が軍用機というものは五十件程度でございます。それから、平成八年のデータにつきましては、三百三十件程度と申し上げましたが、そのうち相手が軍用機だったものは六十件程度でございます。

○筆坂秀世君 これもまた程度なんだけれども、二年間で百十件、軍用機が接近してきたためにACASが働いて、そして回避操作指示が出る。今五十件程度あるいは六十件程度というふうに言われたんだけれども、これは相手が軍用機だということが報告されたものでしょう。九六年では三百三十件あった、このうち六十件は一応軍用機だろうと。つまり、残りの二百七十件、九七年で言えば三百五十のうち五十が軍用機だと残りの三百件、この中に軍用機が一切含まれていないということは言えないですよね。

○政府委員(楠木行雄君) 実は、ジャンルの中に不明というようなジャンルがございまして、そこがどうなのかというのははっきりしておりません。

○筆坂秀世君 つまり、二年間で百十件、これは確認できたものだけだということ。これは二百件か三百件がわからないですよ、二年間で合わせて六百八十件あるんですから。日本の空は大変な事態になっている。
 ところで、今言われた九六年六十件、九七年五十件、それぞれが大体どの地域、どの上空でこういう事態に陥っているか、こういうことが発生したかというのはわかりますか。

○政府委員(楠木行雄君) なかなか日本全体の空を細かく分けるということは難しゅうございますが、実は私どもはFIRという飛行情報の管制区というものを持っておりますけれども、航空交通管制部が所管しているのが北から札幌、東京、福岡、那覇と四つございます。
 これについて、航空機衝突防止装置が軍用機であったものについて作動したものについて御報告をいたしますと、平成八年、九年と、先ほどの同しベースでございますが、札幌につきまして三十八件、東京につきまして三十件、福岡につきましては十五件、那覇につきましては二十二件、以上でございます。

○筆坂秀世君 つまり、北から南まで日本の空、どこでも民間航空機が軍用機に接近されて衝突予防装置が働く、緊急回避操作を行う、こういう事態が起こっていると、こういうことですね。
 今、二年間で百十件、軍用機と言いましたけれども、これはほとんどが米軍機というふうに考えていいんですか。

○政府委員(楠木行雄君) もともとこの調査につきましては、たまたま私どもがこのTCASを導入するためにいわば試行的に行っておるものでございまして、そのジャンルもかなり概括的になっております。したがいまして、今の点については不明でございます。

○筆坂秀世君 常識的に考えたって、自衛隊機の場合は訓練空域から基地に戻る途中はコリドーと呼ばれる回廊、いわば空の廊下ですね、ここを通っているわけでしょう。だから、ここを通っていれば接近なんかないんだから、ということは、百十件のうち、自衛隊機が相当コリドーから外れて飛んでいたか。そうでなかったら米軍機しかないじゃない、米軍機がほとんどだと、これは容易に推測できるんじゃないですか。

○政府委員(楠木行雄君) 自衛隊機も米軍機も、IFRで飛んだりVFRで飛んだり、いわゆるそういった航法はいろいろございますので、私どもの方はそういった点については承知しておりません。

○筆坂秀世君 そんなことも承知していないようだから、大体、件数だって程度でしょう。どうやってそれで空を守るのよ、日本の空の安全を。
 四月四日の各紙に、アメリカ国防総省の発表、「日本北部上空で米軍機が民間機の衝突防止警報を作動させたケースが過去二年間で三十回以上に上っていることを確認した。」と、こういう発表をしていますよ。これは確認しましたか。

○政府委員(楠木行雄君) 運輸省が把握しておりますRAのレポートの件数は、先ほど申し上げましたが、平成九年で三百五十件程度、そのうち軍用機、米軍機等が関連していると考えられるものが五十件程度でございまして、先生御指摘の米国防総省が発表した日本北部上空での発生件数三十以上というのは、我が国からの報告を受けて米軍独自の調査により得たものと考えております。

○筆坂秀世君 我が国からの情報を得てというんですか、今おっしゃったのは。運輸省の情報を国防総省がつかんで、その上で国防総省として三十件以上あると、こういうふうに確認したということですね。
 それはそうだと思うんですよ。だって、国防総省がわかるわけないんですよ。F16戦闘機が飛んでいて、今あのJALの飛行機は警報装置が働いている、衝突防止装置が働いているとわかるわけないんだから。わかるわけない。つまり、運輸省の情報でしょう。運輸省の情報があるから、米軍機が日本北部上空で三十回以上と。北部だけですよ、つまり三沢の方ですよ。
 中部はどうなのか、南部はどうなのか、合わせれば三十回以上じゃない、さっき軍用機との接近が百十回程度はあると。このほとんどすべてが米軍機だということは明らかじゃないですか、自衛隊はコリドーを通っているんだから。そうでしょう。論理的に考えたってそうなるじゃないですか。

○政府委員(楠木行雄君) 先ほども申し上げましたとおり、このコリドーを通っているのは、自衛隊ははっきりしているわけでありますけれども、米軍機の飛行についてはVFRで通っておるということもございまして私どもの方はその点は承知していないわけでございます。

○筆坂秀世君 僕は、承知していないというのが大問題だと思う。
 今、報告をとっているんでしょう、たまたまにしろ何にしろ。じゃ、その軍用機が一体どこの軍用機だったのか。大体、どこの軍用機かもわからないでどうやって対策をとるんですか。もしそれが自衛隊機なら自衛隊に注意を促さなきゃいかぬでしょう。米軍機なら米軍に対して注意を促さなきゃいかぬでしょう。その他の国の軍用機ならちゃんとこれも注意を促さなきゃいかぬでしょう。
 つまり、あなた方はせっかく、TCASかACASか知らないけれども、つけて、報告を求めているけれども、何もやっていないということなんです。そんな気楽なことでどうするんだ。
 そこで、具体的に聞きますけれども、RAが出て回避操作を行う、この事態というのをあなた方は非常に安易に考えているんじゃないか。衝突予防装置が働くんですよ。つまり、四十秒後には衝突するかもしれないから警告が出て、二十秒前にはもう待ったなしで急上昇か急下降をしなさいと、こういう仕掛けになっているわけでしょう。三月二十五日に、さっきも言いましたけれども、米軍機、F16戦闘機がJAS機に接近したケース、この場合、衝突回避のために一体何フィートを飛んでいたのが何フィートまで急降下しましたか。

○政府委員(楠木行雄君) この点につきましては、日本エアシステムの機長からの報告を受けまして現在調査中でございますが、概略を申し上げますと、日本エアシステムの四〇四便の機長の報告によりますと、TCASのRAが解消されるまで約二万二千フィート、約六千七百メーターでございますが、これから四千五百フィート、約千四百メーターまで降下をしたと報告を受けております。

○筆坂秀世君 二万二千から四千五百下がったのか、四千五百まで下がったんですか。

○政府委員(楠木行雄君) 二万二千フィートから四千五百フィートだけ下がったという意味でございます。

○筆坂秀世君 つまり、あっという間に千五百メートルです、大変な急降下をしたんですよ。これは戦闘機じゃないんですよ、お客さんを乗せている旅客機ですよ、これは。
 相手機と最大接近したときは、水平距離、高度差はそれぞれどうなっていますか。

○政府委員(楠木行雄君) 実は、機長が相手機を視認しておりませんので、TCASの表示器上でございますが、最接近時の距離は約三ノーチカルマイル、約四・五キロメーター、高度は約五百フィート、約百五十メーターと報告されております。

○筆坂秀世君 大体、音速で戦闘機は飛んでいるんですよ、ほぼ音速、あるいはそれに近い速度で。四・五キロなんてあっという間です。百五十メートルの高度差なんてないのと一緒ですよ、こんなものは。つまり、大変な危険な事態が起こっている。
 操縦士はこのときのことについてどう報告していますか。

○政府委員(楠木行雄君) その点も含めて調査中ではございますが、機長は、視認できなかったので緊迫をしたというふうに報告を出しております。

○筆坂秀世君 緊迫をした程度のものじゃないんですよ。
 私はいろいろ調べました。非常に危険な状態だったと。回避操作に当たり急激かつ大きな操作で急降下を行ったため、千五百も一気に下がるんですから、かなり強めのGを感じるとともに、一時的にオーバースピードになったと。
 つまり、これは大変な事態ですよ。衝突は避け得たけれども、旅客機が安全に飛ぶという点では、あるいは乗客の安全を確保をするという点では、乗客だって大変だったんじゃないんですか。

○政府委員(楠木行雄君) このとき、乗員が六名、乗客が五十八名、合計六十四名乗っておりました。機種はMD90でございます。
 これらの乗員乗客につきまして、軽微なけが等も含めてそういった点は報告されておりません。

○筆坂秀世君 これはたまたま幸運だったんですよ。非常に気流が悪いためにベルト着用ランプがついていた。だから、みんなベルト着用していたんです。これがもしベルト着用してなかったら、千五百メートルですよ、天井に頭を打ちつける人がいっぱいいますよ。そういう事故だった。三月二十五日です。まだつい最近です。
 米軍に対してこれは抗議しましたか。

○政府委員(楠木行雄君) 私どもは、米軍に対して、こういった事態が再度起こらないよう周知徹底を図るよう、日本とアメリカとの日米合同委員会の民間航空分科会を通じて申し入れをしております。

○筆坂秀世君 九六年六十件、九七年五十件、合わせて百十件でしょう。
 運輸省がこういうACASが作動して、そして衝突予防装置が動いて急降下、急上昇をやったというケース、報告があったうち、調査をしたのは何件ですか。

○政府委員(楠木行雄君) まず、私どもは、基本的にはこれはニアミスの報告、航空法の七十六条の二によりまして機長から報告が出る場合、それから運航者の方から、エアラインの方からこれを調べてほしいということで報告が出る場合、こういったケースについて調査をしておるわけでございますが、平成八年は七十六条の二が三件、それから運航者の報告が三件、合計六件でございます。それから、平成九年は七十六条の二に基づきますものが四件、運航者の報告が一件、合計五件でございます。

○筆坂秀世君 百十件起こっていたって、それだけしか調査してないんですよ。
 だから私、冒頭にも、ACASって何だと。衝突予防装置でしょう。衝突予防装置が作動しているんですよ。作動しただけじゃない。それに基づいて民間機は急上昇あるいは急降下をやって回避操作をやっているんですよ。なのに、あなた方の定義で、七十六条に基づく異常接近、いわゆるニアミスじゃないからと。それがニアミスかニアミスじゃないかということじゃなくて、現にそれが作動している。それをあなた方が重視すれば、調査するのが五件です、四件です、六件ですと、こんな件数で済ませてどうやって日本の空の安全を守れるんだと私は言いたいと思いますよ。
 時間が余りありませんから、例えばアメリカではどうやっているかといいますと、九七年二月にニュージャージー州で、州の空軍機と民間機ボーイング727が接近したためにACASが作動する、民間機側が回避操作をやる、こういう事例があった。そのときにアメリカの国家運輸安全委員会、NTSBは直ちにインシデント調査、事件調査を行っている。その際、空軍は同空域周辺での訓練を中止し、空軍パイロットも民間機パイロット同様に国家運輸安全委員会担当調査官チームの聞き取り調査を受けている。さらに、戦闘機の飛行訓練再開に当たって、国防総省と連邦航空局、FAAで再発防止の取り決めを結ぶということをやっているんですよ。
 あなた方は何もやってない。たまたま報告聞くだけ。件数もだから何件程度としか報告ができない。しかも、調査をやったのも、運航者からの申し出があったとか、そのうち一年間に数件しかやってない、一割か一割に満たない程度。アメリカで安全のためにやっている対策と日本でやっている対策と余りにも違うじゃないですか。
 大臣、どうですか、これだけの件数が起こっているんです。私は、たまたま報告を受けるとか何件程度というふうなことじゃなくって、やっぱり抜本的に見直すべきだ、そして米軍に対してもきちっと要請すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(藤井孝男君) 先ほど航空局長からお答えいたしましたように、米軍機が民間機に異常に接近をするいわゆるニアミス、この場合には、当該機長は航空法第七十六条の二に基づき、異常接近報告書を提出するということとなっております。このほかの件につきましても、運航者からの調査依頼があったものにつきましてはやはり調査
を実施しておりますし、また必要に応じて米軍に要請を行っているところでございます。
 いずれにいたしましても、先ほど来からも申し上げておりますように、航空に関しましても鉄道に関しましてもまた航路に関しましても、やはり安全というものを第一と考えるのが我々運輸行政の基本でございますので、そういった緊迫したと申しましょうか、そういう機長の話もございますし、また乗客に万一のことがあってはならないということを十分踏まえながら、今後とも、米軍側ともまたそれぞれの機関を通じまして、安全が確保されるように努力していかなきゃならないと考えているところでございます。

○政府委員(楠木行雄君) 委員長、ちょっと訂正させてください。
 さっき私の答弁で少し間違ったところがございます。三月二十五日に発生した日本エアシステムの四〇四便に関してはまだ調査中でございまして、米軍の方にそういった申し出はまだしておりませんでした。ちょっと勘違いしまして、実は、昨年の九月十二日に発生した全日空の三八三便の接近事例に関して、いつもやっていることでありますけれども、民間航空定期便に接近することのないよう周知徹底を図るように申し入れをした、こういうことでございます。

○筆坂秀世君 ところが、申し入れをやってもだめなんだよ。米軍は何と言っているかというと、戦闘機のパイロットは相手機、つまりJASならJAS、ANAならANA、相手機を視認している、安全性に問題なかったと、いつもこの回答。そうでしょう、いつもこの回答ですよ。米軍機は見ているんですよ。しかし民間機は警報が鳴るまでわからないんですよ、接近していることが。こんなばかな話ないでしょう。それで幾ら申し入れをやったって、毎回この回答ですよ。だから安全ですと。そして、わかりましたと言って引き下がっているのが今の運輸省でしょう。
 だから、この前、例えば乗員組合の皆さんの日本乗員組合連絡会議が運輸大臣に申し入れをされています。その中に、せめて米軍機が訓練をやって基地に帰るときには、例えば自衛隊が使っているコリドー、回廊を使用するようにしたらどうだと。あなた方の回答は、込んでいるから。違う、込んじゃいない。十分使えるんですよ。
 そういうことをちゃんと具体的に申し入れなきゃ、安全対策に万全を期してください、安全対策に万全を期しますと言いますよ、米軍は必ず。そんな中途半端な申し入れじゃだめ。もっと具体的に言わなきゃ。どうですか。

○政府委員(楠木行雄君) 先生の具体的な提案でございますので考えてみるわけでございますが、先生御指摘のコリドー、回廊と申しますのは、航空交通安全緊急対策要網に基づきまして航空路及び航空交通管制区を横切る自衛隊機専用の空域として設定したものであります。したがいまして、これを使うということになりますと、回廊を米軍機が使用する場合には自衛隊と米軍との間で使用調整が必要となると考えられますけれども、運輸省といたしましては、安全で円滑な民間航空交通を確保する観点から、有効と考えられる場合はこれは前向きに対応してまいりたいと思います。

○筆坂秀世君 これは雫石事故の教訓から出てきたことですから、ぜひ前向きに一つ一つ安全を阻害することをクリアしていくという努力をしていただきたいと思います。
 時間がもうちょっとありますので、最後に精神障害者への運賃割引問題について伺います。
 この問題、前の亀井運輸大臣、平沼運輸大臣、後の亀井運輸大臣、古賀運輸大臣、これまで四代の大臣に対して精神障害者の運賃割引を実施してほしいと。四人とも前向きに答弁されているんだけれども、いまだに残念ながら実現していないんです。この問題を我が党が取り上げ始めて藤井運輸大臣で五代目の大臣になりますけれども、ぜひここらあたりで結論を出していただきたい。
 そして、調べてみましたら、きょう前に溝手さんがいらっしゃいますけれども、広島は随分精神障害者への割引をやっているんです。ほとんどやっているんですよ。溝手さんが市長をやっておられた三原市もやっておるんです。ちゃんと、呉市、三原市、尾道市、全部言いましょうかこれ言っていたら時間がかかるから、広島は大変やられているんです。
 地下鉄を見ますと、仙台、名古屋、神戸、福岡、横浜、大阪と大半のところでやられている。やられてないのは東京の営団地下鉄。あと、やっぱりJRですよ。JR、これが何といったって一番交通手段として大きいわけですからね。
 私は、自治体でもこうやって努力されている。そして現に実現しているわけですから、ですから、やはり国としても、JRに対して、あるいは営団地下鉄に対して、株主でもあるんですから、これはもう期限を切って、いいかげんに導入しなさいということをぜひ御指導いただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

○国務大臣(藤井孝男君) 御承知のとおり、この割引につきましては、これはいろんな割引がございますけれども、まずもって事業者の自主的な判断というのが基本にあることはもう委員御承知のことだと思います。
 そういった中で、こうした身体に障害を持っている方々、あるいは精神薄弱者に対する割引につきましては、今委員の御質問にありましたように、広島市におきましても積極的にこの割引を導入しておりますし、またその他地下鉄あるいは民鉄、さらにはバス等々においても、またタクシーでもごく一部でありますけれどもこうした精神障害者割引を導入しているところが出てまいりました。したがいまして、私どもといたしましては、事業者の自主的な判断ということが基本でありますけれども、やはりJR各社を初めといたしまして、こうした方々に対しまする割引につきましては、今後とも協力を求めていきたいと思っております。
 やはり弱者に優しい交通網の整備という中で、こうした割引制度というものも、十分その辺のことを配慮していただきたい、そういう気持ちを我々は持っておりますけれども、ただ、高齢化あるいは少子社会の中で、一方では社会的に弱い立場の方々に対する配慮も必要でありますし、一方では経営環境が非常に厳しくなっていくことも事実であります。そういったバランスが大変難しい面もありますけれども、歴代の運輸大臣も非常に前向きに答弁されたということでありますが、私もその姿勢を変えるつもりはありませんけれども、今申し上げましたように、まだまだ一部でありますけれどもそれぞれの事業者が、こうした方々に対する配慮が具体的に出始めだということを一つのきっかけといたしまして、JR各社を初めとして、他のそうした交通事業者に対しまして積極的に働きかけを続けてまいりたい、このように思っておるところでございます。

○筆坂秀世君 終わります。




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参-交通・情報通信委員会-中尾則幸君平成10年05月19日

参-交通・情報通信委員会-中尾則幸君平成10年05月19日

○中尾則幸君 民主党・新緑風会の中尾でございます。
 先ほどから景山委員そしてただいまの山本委員からもお話がございましたけれども、緊迫するインドネシア情勢、民間航空機初め海上保安庁の艦船が現地に向かった、用意をしているということを聞きました。言わずもがなのことでございますけれども、私の方からも、情勢が情勢でございますので、邦人の救出といいますか避難といいますか 一万余の方の安全をぜひとも遺漏なきを期していただきたいと御要望申し上げたいと思います。
 航空法の一部改正案に質問を移らせていただきたいんですが、山本委員から先ほどお話ありましたように、関連質問が多いので、私も数問このシカゴ条約八十二条の二の二国間協定に基づく今回の法改正について用意しておりましたが、今のやりとりでほとんど出尽くしてございます。例えば改正議定書が全会一致で採択された一九八〇年からなぜ十六年もかかったのかとか、あるいは安全性の問題等々何点かをお伺いしたいと思ったんですが、重複を避けたいと思います。
 せっかく大臣に質問通告をしておりますので、これらの改正議定書が採択された背景と、日本にとってこれを批准する意義は何か根本的なことでございますけれども、この一点だけ運輸大臣か
らお答え願いたいと思います。

○国務大臣(藤井孝男君) 先ほどから航空局長からお答えをさせていただいておりますけれども、国際民間航空条約におきましては、航空機の耐空証明を行う等の責務は航空機の登録国が負うものとされているわけでございます。
 しかし、近年、航空機の国際間のリースにより登録国以外の国で航空機が運航されるケースが出てきているということにかんがみまして、今般、航空法の一部を改正するということに相なったわけであります。
 このため、航空機の登録国と運航国との間の二国間協定によりまして耐空証明等に関する登録国の責務を運航国に移転することができることとする議定書が一九八〇年採択され、今なぜ十六年、十七年近くもかかったかということでありますが、一九九七年六月に発効したということであります。
 今後、運航国の耐空証明等を受けた航空機が国際運航をすることになりますけれども、我が国が同議定書を批准し、運航国の耐空証明等を受けた航空機の我が国への乗り入れを認めることは、国際民間航空が安全に発達することに資するものであると考えております。
 また、我が国が二国間協定を締結するための交渉を同議定書批准国と開始するためにも必要であることから、同議定書の批准は我が国にとりましても有意義というふうに判断をした結果、今回の航空法改正を提出した次第でございます。

○中尾則幸君 続いて、関連質問でございますが、民間航空の国際的な安全管理体制の問題について何点か伺いたいと思います。
 御存じのように、世界の航空輸送量の増大に伴って航空機事故がふえている、大変問題となっております。特にこの二、三年、アジア各地で事故が相次いでございます。重立ったところを拾ってみますと、昨年の八月、大韓航空機がグアムで着陸に失敗、二百二十七人死亡。翌九月、ガルーダ・インドネシア航空がインドネシア・メダン空港近くで墜落、二百三十四人死亡。そしてことし二月、中華航空機の台北での事故、二百二人が亡くなっております。
 民間航空機による死亡事故、ICAOの発表の資料を手にしましたけれども、一九九六年、非定期便を含む死亡事故、これが年間千六百十四人と過去最悪であるというようなデータも出されております。
 こうした民間航空機の安全についてでありますけれども、ICAOが国際的な安全基準をつくって、加盟国がそれを遵守するということになっているそうでございますが、しかし実態は各国任せであるというふうに言われております。
 ICAOの調査によれば、ICAO基準に沿って航空法を整備している国は四割にも満たないというふうに新聞報道等では指摘してございます。ICAOの安全基準を全締約国に遵守させるというのは、これは我が国にも関係することでありまして、必要ではないかと思ってございます。
 そこで質問申し上げますけれども、ICAOの安全基準を満たしていない国に対して、日本としても何らかの対策をとるべきじゃないかというふうに思っておりますけれども、この点についてはいかがでしょうか。

○政府委員(楠木行雄君) 先生御指摘のように、事故による死亡者等がなかなか簡単には減らないといいますか、むしろフライトの数に応じて二足の比率のような感じで絶対数は少し増加している、そういう状況にあるのは事実でございます。
 それで、現在、国際民間航空条約の締約国につきましては、条約の附属書に定められる規定に従うことが求められているわけでございますが、この条約のもとでは、航空機の登録国が運航の安全確保に関する責任を負うこととされておりまして、また、各締約国は自国の航空会社に対する安全監督責任を有することとされているわけでございます。
 しかしながら、今御指摘のような国際運航に供される航空機の一部につきまして、その安全性に懸念が指摘されている状況にかんがみまして、国際民間航空機関、ICAOみずからが主体となって、締約国における国際標準への適合状況を評価する安全監視プログラム、セーフティー・オーバーサイト・プログラムと言っておりますが、これが開始されているところでございます。
 このプログラムにおきましては、締約国の要請に基づきまして、航空従事者、運航あるいは航空機の耐空性に関する国際標準への適合を確保するために必要な体制や制度を有しているか否かについて、ICAOの監視チームにより評価をされ、そのような体制や制度を有していない場合には必要な助言または支援等が行われている。我々はこの安全監視プログラムをICAOと一緒になって推進しようという立場にあるわけでございます。
 このプログラムにつきましては、実は昨年十一月に開催されました国際会議におきまして、現行の任意評価、すなわちすべての国を対象に評価をするのではなく、任意に申し出た国に対して評価をする、こういう制度に今なっているわけでございますが、これを全部の締約国を対象とした義務評価、すなわち必ず評価を受ける、こういった形に強化するなどの提案がなされたところでございまして、我が国といたしましてもこの安全監視プログラムの強化策に賛同したところであります。今後ともICAOと一緒になって当該プログラムに積極的に協力を行うことにしております。

○中尾則幸君 大変わかりやすい説明をいただきました。つまり、これまでは例えば安全監視プログラムについては任意評価、希望のあった国の評価をする、今後は、昨年十一月のICAOの会議で全締約国に義務づけると、こういうふうに理解させていただきました。
 それでは、日本国内の空港の駐機場で各国の不特定多数の外国機に対して日本の検査官が、立入検査というのはちょっと言葉が強過ぎるんですが、安全基準を満たしているかどうか点検、検査するような仕組みづくりが当然これから必要になってくると思うんですが、その点に関しては運輸省としてはどのような取り組みをなさろうとしているんでしょうか。

○政府委員(楠木行雄君) 今先生が駐機場とおっしゃいましたのは、私どもは外国航空機に対するランプインスペクションと言っておりますが、駐機しておりますランプで私どもの検査官が立ち入って検査を行う、こういう意味でございます。
 今申し上げましたような航空機の安全性につきましては、国際民間航空条約やこの条約の附属書に定められました国際標準に従って締約国が自国の航空会社に対する安全監督責任を有することとされているわけでございますが、これを補完する制度として、この条約におきましては、外国航空機が乗り入れている空港に駐機されている間、登録国が発行した証明書等を検閲できることになっております。
 こういう問題につきまして、先ほど先生から御指摘がございましたICAOの安全監視活動というのが現在あるわけでございますので、我々の方はまずそちらの方のグローバルな制度、こういったものを充実させたいという方向で取り組んでおるわけでございます。
 こういったランプインスペクションの実施をどんな形でやるかというのは、現在検討中でございますけれども、そういった我が国の空港に乗り入れました外国航空機の証明書類、例えば登録証明書とか耐空証明書あるいは技能証明書、航空日誌等ございますが、こういうもの、あるいは航空機の外観を検査し、そして不備があればその結果を登録国に通知し、必要があれば是正措置を講じることを登録国に要請する、すなわち直接その場でやるということではなくて、登録国に要請するというようなことで今検討している、こういう状況でございます。

○中尾則幸君 船の場合はポートステートコントロールというのもありますので、これから空の安全を確保するためにもぜひともそういった方向で取り組んでいただきたいと思っています。
 時間もありませんので、ちょっとはしょります
けれども、航空機の検査官の人員体制、仙台、成田、羽田等々で五、六十人の人員体制だと伺っているんですが、将来そういった安全検査等の体制を強化する場合に、果たしてこれで大丈夫なのかなと私は懸念するんですが、この点についていかがでしょうか。

○政府委員(楠木行雄君) 大変ありがたい御質問でございまして、私どもの方も、これから航空関係のいろいろ規制緩和をいたしまして実際に規制の合理化等を図っていきます場合に、どうしても欠かせないのは随時に立入検査をするということでございまして、そういった点につきまして私どもいろいろ現在の制度を活用しながら行ってまいりたいと考えておる次第でございます。
 ちなみに、航空機検査官それから整備審査官の定員の推移でございますが、平成五年度に合計五十五名でございましたものが平成九年度は五十九名ということで、各空港にこういった者が散らばっておるわけでございます。先生御指摘の点も踏まえ、我々も予算、定員等いろいろ制約がございますが、いろいろ充実する方向で検討してまいりたいと思っております。

○中尾則幸君 言わずもがなでございますけれども、規制緩和、不必要な規制は緩和していく、廃止するというのはいいんですが、安全に対する規制緩和はあり得ないということで頑張っていただきたいと思います。
 続いて、質問は移りますけれども、当委員会でも筆坂委員が再三質問をなさっております米軍機と民間航空機との異常接近、これをニアミスと言うかどうかというのはいろいろ解釈が分かれるんですが、異常接近について付点か御質問をいたします。
 御存じのように、三月二十五日に、函館市の北東七十キロの太平洋上空で新千歳発名古屋行きのJAS機に米軍ジェット戦闘機が急接近した、これは報道でも大きくされているところでございます。JAS機の航空機衝突防止装置、TCASが作動し、同機は約千五百メートル急降下し回避をしたというような報道がなされておりました。
 調べてみますと、昨年の九月から十二月の三カ月間だけでも、同様な定期航空便のいわゆるTCASが作動をして回避をしたという事例が報告されてございます。さらに、今指摘したことしの三月のニアミスというか異常接近、極めて私は異常な事態ではないかと思ってございます。
 運輸省は、その都度米軍に対して、外務省を通じてでしょうか申し入れているということは私も承知してございますが、こうした事態を大臣はどう認識しているのか。私はこれは事故が起こってからではもう遅過ぎるというふうに思ってございます。大臣の認識と、それから実効ある安全対策をどう立てようとしているのか、まず運輸大臣の見解を伺いたいと思います。

○国務大臣(藤井孝男君) 航空機の衝突防止装置、いわゆるTCASの件ですが、先般も筆坂委員の方から御指摘がございました。
 委員も御承知かと思いますが、これは一定の条件から機械的に回避指示が出されるというものでございます。ですから、これが何というのですか、私は専門家ではございませんので、その点の回避作動といいますかそういう指示が安易になされてもこれはどうかなと思いますし、また安全から見ると、少しでもそういうおそれがある場合にはそういう指示が作動するというのも必要かということで、この辺が非常に、私もたびたび御質問を受けて感じているところでございますが、TCASの指示がなされたからといって必ずしも異常接近ということにはならないケースがございます。
 しかし、有視界飛行方式で飛行している米軍機が民間航空機に接近したため民間航空機のTCASが作動する事例が生じていることは今御指摘のとおりでございまして、こういうことが起きないように、その都度、在日米軍に対しまして航空機がTCASにより回避操作を行うこととならないような飛行を心がけてもらいたいということを機会をとらえて要請いたしているところであります。
 今後とも、民間航空機の安全を確保するためにも、この点につきましてはしっかりと対策を講じなきゃいけないと思っておりますが、ただ、先ほど申し上げましたように、作動したからといって必ずしも異常接近とならないことがございますので、その点についての、何と申しましょうか、この装置自体のあり方と申しましょうか、位置づけと申しましょうかそういう点についても十分踏まえて今後とも対応を考えていかなきゃならない、このように考えているところでございます。

○中尾則幸君 これは航空法だけで解決できないということは、もう大臣の答弁も何度か伺っておりまして、つまり日米安保条約第六条に基づく地位協定に関する航空法の特例に関する法律がございまして、米軍機には航空法第六章第九十六条から九十八条を除く部分が適用されない。つまり、第八十一条の最低安全高度、あるいは第八十三条の衝突予防等の項目などが含まれてそれが適用されないという根本的な問題点があるんです。
 ただ、これは一九七一年でしたか、例えば全日空の雫石事故、ああいった一たん起こると日米安保の信頼関係にも本当に重大な影響を及ぼす、それよりも何よりも人命にかかわる問題でありまして、私は大変懸念しておるわけです。
 それで、日本乗員組合連絡会議、パイロットの方々等で組織している組合から運輸省にあてていろいろ要望書が出されていると思います。その中でこういった要望をしてございます。
 当面の対策として、米軍機戦闘機に対して基地-訓練空域間の部分、大臣が今お答えになったように有視界飛行をやっている。片一方の民間航空機は計器飛行ですから、例えば米軍機からすれば我々はちゃんと日で確認していますよと言うけれども、これは民間機のパイロットからすれば目で確認するわけじゃないわけですから、大変危険性を感じているということでございます。この有視界飛行を計器飛行に改めてはどうかという要望が出されております。
 それからもう一点、これは雫石の事故を教訓としてだろうと思いますが、今自衛隊が基地と訓練空域の行き来に使っているいわゆる専用路、コリドー、空中回廊といいますかね、そういうものを米軍機にも使用してもらってはどうかというような要望が出されてございますが、この点について運輸省から強く働きかける必要があるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

○政府委員(楠木行雄君) 先生今御指摘がございました二点でございますが、そのうちの一点のゴリドーにつきましては、先般、別の委員の方からも御提案がございまして、私どもの方も有効と考えられる場合には前向きに対応したいというお答えをしたわけでございます。
 改めて考えてみますと、先生今御指摘のように、日乗連の方が要請しておられます項目の中に、「当面の過渡的対策として、「米軍機戦闘機による基地-訓練空域間の飛行は計器飛行方式、または自衛隊コリドーを使用する」等の措置を緊急にとること。」という全体的な対策が盛り込まれておるわけでございます。
 私どもは、こういった米軍機の基地と訓練空域間の飛行に関しまして、民間機との接近事例を回避するため、計器飛行方式によることやあるいは米軍機がコリドーを使用すること等につきまして現在調査検討を行っているところでございますが、前に別の委員の方の質問がございました後、米軍にもこれらの点について問い合わせを行っております。なぜある一定の割と短期間の段階で最初はIFRであったものがIFRを解除してすぐVFRにするのかとか、あるいはコリドーを使えるんですかどうですかと、こういった点の問い合わせを現在行っているところでございます。したがいまして、そういった点についての何らかの効果がどういう形で出てくるのか現在見守っておる、こういう段階でございます。
 運輸省といたしましては、安全で円滑な民間航空交通を確保する観点から有効と考えられる場合は、現在、先生御指摘の点、こういった点について前向きに対応してまいりたいと考えており
ます。

○中尾則幸君 もう一点お聞きしたいんですが、先ほど申し上げました運輸大臣に要望を出された日本乗員組合連絡会議の議長が、ある新聞の論壇に米軍機急接近の防止策ということを書いてございます。
 ちょっとそれを読んでいる暇はありませんけれども、この中で、民間パイロットは大変脅威を感じているんだということを訴えていらっしゃいます。米軍は何でもないよと、有視界で確認しているんだからというお答えがこれまで何度かあったということでございますけれども、やはりしっかりした情報公開、しっかりした協議を運輸省のリーダーシップのもとにやっていただきたい、そういうことを私も御要望申し上げたいと思います。
 次に、航空ビッグバンと呼ばれている航空事業の需給調整規制の廃止と規制緩和に係る問題について何点か伺いたいと思います。
 まず第一点、国際標準から見て非常に高いのが空港使用料でございます。航空会社の国際競争力の強化あるいは経営基盤の強化、また何よりも利用者への還元、運賃値下げにつながるのではないかというような観点から、今、国際標準から見て三倍ぐらい高いと言われている空港使用料を引き下げる方策に運輸省が着手したというふうに伺っていますが、これについてどう考えているのか。
 特に、私は地元が北海道なものですから、ドル箱と言われている千歳-羽田間、北海道は今非常に景気が悪い、拓銀の経営破綻、それで要望も出しました。何とか景気対策の一環として、航空運賃の値下げにつながる空港使用料の値下げを行ってくれないか等々出されました。
 これは一地域の問題ではございませんので、まず、空港使用料の値下げについて運輸大臣はどう取り組んでいくか、大臣から御答弁願いたいと思います。

○国務大臣(藤井孝男君) 今の空港使用料の引き下げ等についての御質問の前に、先ほど中尾委員また山本委員、さらにはその前に景山委員から、インドネシア情勢等について、邦人の出国について万全を期すようにという御要請がございました。
 ただいまニュースが入ってまいりまして、インドネシアのスハルト大統領は十九日、国民向けテレビの演説で、現在の危機をこのままにして辞任することはできないと、辞任しない旨の意向を明らかにしたということでございます。これがインドネシア国民、情勢にどう影響を与えるか。あすは国民覚せいの日ということもございますので、非常に予断を許さないという感じを持っております。
 いずれにいたしましても、邦人の出国、安全確保には、運輸省といたしましても万全を期していきたいということをここで申し上げておきたいと存じます。
 空港使用料の引き下げ等につきましては、これは本当に難しい問題で、当委員会でも、また衆議院の方におきましても質問をたびたび受けております。私、言語明瞭意味不明のような答弁をいたしまして、積極的に慎重に検討するというふうに答えたわけでございます。
 つまり、これは一方では、今おっしゃられた航空ビッグバンという、日米航空協定も改定されまして大競争時代に入ってまいりましたので、これに負けてはならないということでございます。そういう意味では、リストラ等々合理化、近代化を我が国の航空会社が努力しなければいけませんけれども、やはり空港建設コストが高いことによってそれが使用料につながっているということ、これは私としましては少しでも安くしたい、引き下げたいという気持ちには変わりありません。しかし一方では、全国各地から拠点空港の整備というものがございまして、非常に一般財源が厳しい状況の中でこうした使用料が空港整備の主な財源の一つになっている。ここのところをどう調整するかということが大きな課題になっていると思います。
 いずれにしましても、先ほどの北海道の景気対策の件で我が党の議員からも大変強い要請がございました。自民党の方におきましても、使用料等々につきましてのプロジェクトチームもできたようでございます。今後とも、一方では引き下げ、そしてその一方では整備をしなきゃいけない、そしてそのときの財源をどうするか等々については、これからも、これは慎重になりますけれども、私としましては前向きに検討していきたい、このように考えておるところでございます。

○中尾則幸君 慎重で前向きという、ブレーキとアクセルを同時に踏むような、私も財源の問題は無視はできないと思いますけれども、ぜひともこの際、若干アクセルを踏んでいただきたいなと思ってございます。
 特に空港使用料ばかりじゃなくて、大臣御存じのように航空機燃料税、これは調べますと日本が一キロリットル当たり二万六千円、アメリカが一キロ当たり千五百円、約十七倍。空港整備財源等々の視点もありますでしょうけれども、これはやっぱり是正をしていく必要があるのではないかなと思っております。
 それで、ちらっと耳にしましたけれども、どこまで財源の補てんになるかどうかは別として、財源の補てん策の一つとして、外国の航空会社に対して上空通過料、これは我が国は取っていないということもございまして、これを導入してはどうかという意見もあります。ただで空を通過させていいのか、航空管制はこちらでやっているじゃないかと。航空管制の費用は国内を離発着する日本の航空機あるいは外国の航空機が払っていてというような、受益と負担の点からも公平を欠くというような指摘もございますけれども、この上空通過料という考え方については運輸省はどういうふうに取り組んでおられますか。

○政府委員(楠木行雄君) 管制などのサービスと申しますと、これは各国によりまして領空とかあるいは国際的に定められましたFIRと言っております飛行情報区、これにおきまして提供されておるわけでございます。これは当該国に離着陸する航空機のみならず、各FIR等の上空を通過する航空機もそのサービスを享受しておるのが現状でございます。
 御指摘の上空通過料につきましては、FIR等の通過機からサービスの対価を徴収するものでありまして、欧州諸国を初めといたしまして世界的にはかなり広く取り入れられている現状でございます。
 ただ、米国でもそうだというお話がよく出るんですけれども、米国は実は平成九年五月に上空通過料徴収制度を一たん導入いたしましたものの、積算根拠等に関し問題があるとされまして、ICAOと裁判で争った結果負けるということになりまして、現在では徴収をしておりません。既に徴収した分については払い戻しを行っておるところと聞いております。
 我が国におきまして、現在は我が国に離着陸する航空機からは航行援助施設利用料として管制等のサービスの対価を徴収しているところでございますけれども、上空通過機からはサービスの対価は徴収していない、これは事実でございます。
 そういった上空通過料の導入の可否につきましては、既に航行援助施設利用料を負担しております我が国に離発着する航空機との公平の観点、あるいは諸外国における動向、それから提供するサービスと必要なコストとの関係などの観点から従来勉強を行っているところでございます。このような検討の結果も踏まえながら判断していく必要があると考えております。

○中尾則幸君 時間が参りましたので、終わります。




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参-予算委員会筆坂秀世君平成10年03月24日

参-予算委員会筆坂秀世君平成10年03月24日

○筆坂秀世君 次に、米軍機による低空飛行問題について伺います。
 去る二月三日、イタリアで低空飛行訓練中の米軍機がスキー場のロープウエーのケーブルを切断し、ゴンドラに乗っていた二十人が死亡するという大惨事が発生しました。この事故はやはり米軍が超低空の飛行訓練をやっている我が国にも大きな衝撃を与えました。総理はこの事故を知られたときにどういう思いをされたか、まずお伺いしたいと思います。

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は事故の知らせはたしか新聞の活字で見たのが最初だったと思います。まず、どこでというのが気になりました。かつて我が国においても同様の問題が、事故まではまいりませんでしたが、論議をされた記憶があったからであります。そして、まさに不幸な事件であるという思いで次の記事に目を移したと思います。

○筆坂秀世君 総理も今言われたように、我が国でも、一九八七年、九一年、奈良県十津川で米軍機による山林伐採運搬用のケーブル切断事故というのがあった。九四年には高知県早明浦ダムの上流で墜落事故がありました。十津川の事故機EA6Bプラウラーというのはイタリアと同型機であります。いずれも原因は低空を高速で飛行し過ぎたためのケーブル切断事故であります。幸い日本ではロープウエーではなかったために人の被害はありませんでした。
 ところで、この事故直後に、イタリア政府は、アルプス地域での最低飛行高度が百五十メートルから二百五十メートルだったものを六百メートルに引き上げる、こういう措置がとられました。アメリカのコーエン国防長官もこれを受け入れました。
 日本では三度ケーブル切断事故あるいは墜落事故がありましたけれども、最低高度を引き上げる、こういう措置はとったことがあるでしょうか。外務大臣、いかがでしょうか。

○政府委員(高野紀元君) お答え申し上げます。
 イタリアの重大な事故が起きた後、事故調査等が行われたわけでございます。その結果として、三月十日に一応の終了を見まして、事故原因等についての一応の報告がございました。これに関連いたしまして、イタリア政府は委員今御指摘のような措置をとったということを私どもは承知しております。
 他方、米軍との関係におきまして、これは現在一応の適用になっておりますが、米軍の飛行との関係で最終的にどういう措置になるかということは現在なお話し合いが行われているというふうに聞いておりまして、現段階ではまだ最終的な措置がとられていないというふうに承知しております。
 日本における低空飛行に関連したいろんな事故、これに関連してこれまで最低飛行制限に変更を加えたということはございません。

○筆坂秀世君 日本政府とイタリア政府の対応の違いは明確でしょう。
 この種の事故で大事なことは事故原因を徹底的に究明する、これは当然のことであります。イタリアの事故では、イタリアとアメリカの共同調査委員会が発足して合同調査も行われています。高度や経路を記録したミッションレコーダーはイタリア側にも渡されている。もちろんアメリカも解析するけれども、イタリア側でも解析をされている。
 日本で三度事故があったわけですけれども、日本側は調査に加わったことはありますか、あるいはミッションレコーダーを日本側で解析したことはありますか。

○政府委員(高野紀元君) 詳細に関しましては改めて御報告申し上げたいと思いますが、二回にわたる十津川の事故、それから四国の早明浦ダムにおける事故、これは関係いたします県ないし地元の警察等が一定の範囲で捜査に協力しているというふうに理解しております。
 ただ、今のレコーダー等についての処理については改めて御報告したいと思います。

○筆坂秀世君 では、調査報告書はあるんですか、日本側に。日本独自のですよ。

○政府委員(高野紀元君) 日本独自の調査報告書ということに関しましては、今この時点では承知しておりませんが、いずれの事件におきましても米軍はこのそれぞれの事故について事故調査をいたしまして、その内容に関しましては口頭ないし文書で我が方に連絡をしてきております。
 最も最近の早明浦ダムに関しましては、米側から文書によりきちっと説明を受けておりまして、その結果は関係の県あるいは地元の当局に私どもの方から手交してございます。

○筆坂秀世君 県と警察が低空飛行訓練の捜査をできるわけがないでしょう。だから、事故調査報告なんか日本側にはないんですよ。
 今、口頭と文書とおっしゃった。文書で出ているのは早明浦だけですよ。十津川じゃアメリカ側は文書の報告すら日本政府に渡していない。口頭報告で済ませている。イタリアじゃ捜査に加わっているんですよ。ミッションレコーダーの解析だってやっているんです。だから、早明浦ダムの周辺の住民は高知新聞九六年十月十九日付でこう言っていますよ。「勝手に飛んで、勝手に落ちて、勝手に道路も封鎖する。ここは日本じゃない」のかと。当たり前じゃないですか。事故調査もできない。総理、これで主権国家と言えるんですか。

○政府委員(高野紀元君) 米軍の航空機事故の調査報告書に関しましては、沖縄に関する特別行動委員会、SACOの作業の過程で、日米両政府間において、米国政府がこのような事故調査報告書についていかに日本政府に提供するかということで協議いたしまして、その結果、平成八年の十二月二日でございますが、日米合同委員会において米軍航空機の事故調査報告書の提供及び公表に関する手続が承認されたわけでございます。
 委員御指摘の高知県早明浦貯水湖における米軍機事故に関しましては、翌三月三十一日にその報告書を公表するという段取りがまさに今申し上げました手続において行われたということでございます。

○筆坂秀世君 九六年でしょう。事故が起こってもう何年もたってから、沖縄の皆さんとの引きかえにこういうものを初めて渡してもらえるようになった。とてもこれは主権国家のありようじゃないですよ。
 イタリアの事故というのは決して日本も人ごとではないんです。イタリアでは、ロープウエーが記載されていない地図が米軍によって使われていた、こういうことが一時大問題になったんです。ところが、イタリア政府はロープウエーを記載した地図を持っていた。そして、イタリア政府は低空飛行のルートを知っていたから、それを米軍に提供したんです。だから、米軍機はロープウエーが記載されている地図も持って飛んでいた。それでもこの事故を起こしたんです。
 私、きょうそれを持ってきました。タクティカル・パイロテージ・チャート、戦術操縦地図というのを米軍は全世界でつくっています、国防総省が。これがそうです。(資料を示す)これはイタリアの分です。落ちた地点を見ましたけれども、米軍、国防総省がつくったこの地図にはロープウエーは記載されていないんです。しかし、イタリア政府が提供したから、たまたまイタリアで飛んでいた米軍機はそれを記載した地図を持っていた。それでも落っこちた。引っかけた。
 日本はどうか。日本でだってこのTPCと呼ばれている戦術操縦地図、これによって米軍機は飛んでいるんでしょう。十津川の第二回目の報告書に何と書いていますか。

○政府委員(高野紀元君) 恐縮でございますけれども、十津川の報告そのものは口頭で当時外務省に米側から伝えられた経緯がございます。
 その関連で、先ほど申し上げましたが、早明浦ダムの米軍機事故に関連してでございますけれども、特定の名前を付した飛行ルートが言及されていることは事実でございます。しかし、飛行ルートそのものの具体的な位置の詳細については言及していないということでございます。
 この点に関しましては、従来から申し上げておりますように、在日米軍の飛行ルートについては、飛行訓練の目的達成、飛行の安全確保、住民への影響の抑制等の点を考えた上で、一定の飛行航路を念頭に置いて飛行ルートを考えることはあるけれども、これは常に見直しをされておって固定されているものはない、そういう意味で具体的ルートの詳細は米軍の運用にかかわる問題であり、我が方として承知していないということでございます。

○筆坂秀世君 全然とんちんかんなお答えですよ。
 要するに、米軍が、アメリカがつくった十津川の第二回目の事故報告書も持っていない。ひどい話じゃないですか。私は持っていますよ。外務省は持っていないから私は外務省からはもらえなかった。アメリカで情報公開法を使ってこれをとったんです。
 何と書いてあるか。九二年一月十七日付で出ている。パイロットが持っていたTPC、タクティカル・パイロテージ・チャート、戦術操縦地図のG11D、これはある地域のことですが、これには事故現場のケーブルは一切記載されていないと明記されています。十津川のケーブルは一切記載されていない。そして、その地図もちゃんとコピーがこの報告書には添付されている。
 私は実際にそれも手に入れてみました。奈良県、和歌山県、あるいは四国、近畿、これが入った、アメリカの国防総省がつくった戦術操縦地図です。(資料を示す)このあたりが十津川です。見たけれども、確かに山林伐採運搬用のケーブルなど一切記載されていない。しかし、日本全部この地図で飛んでいるんですよ。総理、御存じでしたか。そういうものが一切記載されていないんですよ。それで日本の空を低空で飛んでいるんです。これで国民の安全が守れるでしょうか。いかがですか。

○政府委員(高野紀元君) 先ほど申し上げましたとおり、我が国における米軍の低空飛行ルートに関しましては、安全に影響のある障害物あるいは騒音被害を与えてはならない場所等を種々考慮しまして、継続的に飛行する経路の見直しを米軍が行っております。したがって、このような経路が固定した経路として存在するというものではないというふうに聞いております。
 今いろいろ委員の御指摘になった米側の公開されている地図でございます。私どももこの点については各国における低空飛行のあり方について調査をしておりますが、何分技術的な点もございまして最終的なことを申し上げる段階ではございませんが、現段階で申し上げられることは、各国の置かれた事情により制度がかなり異なっているということは言えると思います。我が国のような方式、つまり駐留する米軍については具体的なルートを持たない、そういう国もあることはございます。
 米国に関して申し上げますと、国家映像地図庁、NIMAにより市販されている「米国の低高度における計器飛行方式ルート」という航空図に連邦航空局が承認した軍の飛行ルートが記載されているということは事実でございます。米軍に関して言えば、この記載されたルートに従って飛ぶことはもちろん可能でございますが、同時にこの記載されたルート以外の空域において飛行訓練ができるということになっておりまして、現実に米国本土におきましても公表された飛行ルートとは別に独自の訓練を行っているということが実態と私どもは承知しています。
 したがいまして、私どもは今種々調査しておりますけれども、駐留外国軍に対して我が国と同様の低空飛行に関しての方式をとっている国もあることは事実でございます。

○筆坂秀世君 これはもう全く答弁になっていない。日本でこの地図を使って飛んでいると十津川の第二回目の報告書に書いてあるんです。私は総理に答えてもらいたいです。
 この説明欄には何と書いてあるかというと、「地図の尺度および目標物の密度のため、地表から二百フィート(六十メートル)以上のすべての障害物が記載されるわけではない」と。送電線については記載されている。確かに私も見ました。ところが、「すべてが記載されているかどうか、それらの位置と高さが正確かどうか保証しない」と書かれているんです。それで皆さん日本の空を飛んでいるんですよ。
 総理、これをこのままずっと続けるつもりでしょうか。アメリカに対してちゃんと交渉すべきじゃないですか、余りに危険じゃないかと。
 北米局長なんかいいですよ。総理が答えてください。だめだ、何言っている。今だってまともに答えていないじゃないですか、あなた。全然まともに答えていないでしょう。

○政府委員(高野紀元君) 現在のアメリカとの交渉でございますので、私の方からまずお答えさせていただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、政府としては米軍が行う飛行訓練、低空飛行も含めまして最も重要なことは安全対策であるというふうに認識しております。そういう中で、イタリアにおける先般の事故を踏まえまして、我が方としても直ちにこの問題に関して安全確保のためにいかなることができるかということを問題提起いたしました。
 例えば、三月十三日に東京で開催されました日米安保高級事務レベル協議の審議官級会合においても、日本国内での安全確保につき申し入れを行いまして、米側も全面的に協力するということを言っております。そういう中で既に事務的な話し合いを開始しておりまして、現在どういう形でこれが可能となるかということについて話し合いを継続しているところでございます。
 現在のアメリカ側との話し合いは以上のとおりでございますので、政府としてもこの問題については真剣にアメリカと話し合うということは現にやっておりますし、今後もやっていくつもりであります。

○国務大臣(橋本龍太郎君) 現に今、実務レベルにおいて交渉しておりますということを担当局長としての北米局長がお答えを申し上げました。そして、なお継続いたしますということも申し上げております。

○筆坂秀世君 では何で、先ほどたびたびルートが変わると。衆議院で志位書記局長が取り上げましたでしょう。アメリカではたびたびルートが変わったって全部公示される。日本は変わらなくたって政府はわからないんじゃないですか。何でかといえば、航空特例法で超低空飛行訓練を全部適用除外にしているから、だから日本政府は全くアメリカがどういうルートをやっているかわからないからつかみようがないわけでしょう。だったら、航空特例法を廃止する、ちゃんと航空法を適用する、こういう対米交渉を、総理、政府としてやるのが筋じゃないですか。

○国務大臣(藤井孝男君) 先ほど来、政府委員からもお答えいたしておりますように、米軍が我が国の公共の安全に妥当な考慮を払って活動すべきことにつきましては、累次の機会に外務省から米側に申し入れております。今答弁もありましたように、今般のイタリアの事故に関連しまして協議をし、またこれからも続けるということであります。米軍も安全確保には最大限留意するということでありますし、地域住民に与える影響を最小限にとどめるということも聞いております。
 したがって、航空法改正というお話が今ありましたので私出てまいりましたが、運輸省といたしましては航空法の特例法の見直しを行うということは現在考えておりません。

○筆坂秀世君 全く情けない政府ですよ。アメリカが、何の目標物、障害物も記載されていない、これで日本上空を全部飛んでいるんですよ、国民の上を。なのに、アメリカ側は航空法を尊重しているはずだということで何もやらないんです。
 さっき外務省が言いましたけれども、アメリカ本国ではどうやっているか。FAA、アメリカ連邦航空局、私きょう持ってきましたけれども、「特別軍事活動」と題する連邦航空局がつくったハンドブックです。こういうものがあります。この中でどういうことを書いているか。
 これによると、米軍はアメリカ本国では低空飛行訓練ルートを新しく設定したり既存のルートを修正する際には許可申請を連邦航空局に提出する、これが義務づけられている。その書式もこの中に入っております。これによると、いつからそのルートを飛ぶのか、何曜日から何曜日までか、午前何時から午後何時までか、高度は等々、すべてが記載されることになっている。
 さっき運輸大臣が出てこられたから聞きますけれども、米軍は超低空飛行訓練ルート、これを運輸省航空局に対して申請して承認を得る、こういう仕組みになっていますか。

○国務大臣(藤井孝男君) お答えいたします。
 米軍機の飛行計画につきましては、航空法第百三十七条第三項及び同法施行令第七条第一項の規定により、防衛庁長官に委任された場合を除き、運輸大臣への通報がなされることとなっております。

○筆坂秀世君 だから、低空飛行訓練ルートは申請されるんですか。

○国務大臣(藤井孝男君) お答えいたします。
 米軍機の飛行計画の内容につきましては、米軍の運用にかかわる事項でありますので、明らかにすることは差し控えさせていただきたいと思います。

○筆坂秀世君 要するに、申請なんかないんです。何もないんですよ。
 それだけじゃないですよ、アメリカじゃ。FAA、連邦航空局が低空飛行ルートを承認する際には、低空飛行ルートから三海里、五・五キロ以内に小型機用の空港やヘリポートがないかどうか、また民間機の安全を確保するための空域であるTCAというのがありますね、ターミナル・コントロール・エリア、ここを低空飛行ルートが通っていないかどうか、地上の人間、財産への障害はどうか、こういうものをすべて調査して、そしてそれを全部チェックした上で承認することになっているんです。日本ではどうか。ルートの承認どころか、どこを通っておるかもわからないんですよ。
 総理、同じ低空飛行訓練で、そのルートをつくるのに、アメリカ本国でやられていることと日本でやられていることと余りにも違うと思いませんか。これを改める交渉をアメリカとやるのが当然じゃないですか。

○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど来、事務当局も、また運輸大臣も繰り返し御説明を申し上げておりますけれども、航空法の特例法の見直しを行うことを今考えてはおりませんと。なぜなら、米国も我が国の公共の安全に妥当な考慮を払って活動すべきことを政府として累次の機会に申し入れており、米軍もその安全の確保には最大限留意するとともに地域住民に与える影響を最小限にとどめるように努めている、そうした報告を受けております。そして今、そのとおりの御答弁を申し上げた次第であります。

○筆坂秀世君 私、総理に改めて聞きたいんですけれども、イタリアの事故では米軍機がゴンドラを見つけて衝突するまでに一秒もかからなかったというふうに言われています。高知県の早明浦の事故調査報告書、これもやはりアメリカがつくったものですけれども、これに何と書いてあるかといいますと、日本の運輸省航空局はこれらのルート、つまり低空飛行訓練のルートを知らないし、公示もしていない、明らかにしていない。これらのルートを飛行する上で民間航空機に通告したり、障害物の存在を交信したりする手段はない。民間機にも知らせないというんです。目で見て避けろがこのルートを飛ぶために最も重要なことである。目で見て避けろというんです。時速八百キロぐらいで飛んでいるんですよ。だから、イタリアじゃ目で見たけれども避けられなかった。これが早明浦の事故報告です。
 低空飛行訓練、我々はもちろんそれ自体に反対ですけれども、しかしそれを肯定する立場に立ったって、やはり日本国民の安全を守ろうというのなら、せめて最低限、低空飛行訓練ルートが一体どこを通っているのか、たびたび変わるなら、変わるたびにそれをきちっと公表させる、そして日本政府としてもそこに危険なものはないのかどうかきちっとチェックする、私はこれは国民の安全、財産を守ろうという政府なら当たり前のことじゃないかと思うんです。いかがでしょうか。

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私はその安全対策という意味からの御議論ならばこれは理解をいたします。そして、安全対策のために万全の注意を払うためにも累次の交渉を今までもしてきておりますけれども、この話し合いは事務方に継続をさせてまいります。

○筆坂秀世君 イタリアではイタリア政府が米側に対して安全基準を守れと。米側もこれに対して安全基準は守るという約束をしているんです。
 私は、イタリアでできることが日本でできないわけはない、だからまさに主権国家として恥じない、アメリカに対して日本国民の安全を守るために総理が勇気を持って米側と交渉される、このことを強く求めて、時間が参りましたので、私の質問を終わりたいと思います。




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衆-外務委員会-松本(善)委員平成11年07月02日

衆-外務委員会-松本(善)委員平成11年07月02日

○松本(善)委員 きょうは、F16の墜落事故問題の低空飛行の問題をお聞きします。
 ことしの一月二十一日に岩手県の山中で起きました在日米軍F16墜落事故についてでありますが、この事故については、五月二十七日にアメリカの国防総省の事故調査委員会が報告書を出しました。結構膨大なものであります。外務大臣もお読みいただいているかどうかわかりませんけれども。この報告書の中で、事故原因は、急旋回する場合の重力の影響を少なくするためのGスーツというものがありますが、飛行中にそのファスナーのぐあいを見ているうちに戦闘機が墜落したという、パイロットによる不注意であったという結論にしているのです。
 これを見ておりますと、断片的ではありますが、事故機が当日行っていた作戦任務についても若干の記述があります。これは日本の領土の中で起きた事故で、空の安全とか住民生活の安全にかかわる問題だ。この事故報告書が発表されたということも、やはり主権者であります国民が事故の実情についてよくわかるようにしようという趣旨で私も、その報告書の中身について質問するのはそういう趣旨であります。
 外務大臣が直接御答弁されなくてもいいのですが、最初に、この問題は、やはり国会を通じて国民がわかるようにする必要があるんだ、そのために聞いているので、答弁者もそういう趣旨でちゃんと丁寧に答えるべきだと思うのですが、答弁の姿勢について外務大臣に一言伺いたいと思います。

○高村国務大臣 この問題だけでなくて、国会で委員から質問されたことについては常に誠実に対応すべきである、これは閣僚であろうと政府委員であろうと同様であろう、こういうふうに思っております。

○松本(善)委員 それでは聞きますが、今回の調査報告書では、対地攻撃だとか敵にぶつかる会敵点での空中戦というような内容が見られます。それで、これはいわゆる低空をすうっと飛んでいくというだけの訓練でない、いわば戦闘訓練ですね。これは、今までやっている低空飛行とは違っている点があるのじゃないだろうか。この点を伺いたいと思います。
 国会は大体日本語でやるということになっていますが、こういう性質上、ある程度英語でやらざるを得ない点がありますが、やはりそれはどういう意味かということを言って、議事録を読んだ人がよくわかるようにしたいと思う。私もその心がけでやりますので、ひとつそういう答弁でお願いします。

○竹内政府委員 この報告書に盛られておりますところから判断いたしましても、今先生がおっしゃいましたような訓練内容についての説明がございます。すなわち、この事故機は事故当時、一つは実弾射撃を伴わない態様の模擬対地攻撃訓練を実施いたしまして、これに引き続いて同僚の航空機とともに洋上における訓練空域において空対空戦闘訓練を実施する予定であった、こういうふうに承知をいたしております。
 これらの模擬対地攻撃訓練や空対空の戦闘訓練と申しますのは、米軍においてパイロットの技術や運用能力を維持するために必要不可欠なものとして通常行われている飛行訓練であって、これが特別な訓練であったというふうには認識いたしておりません。
 ただ、先生が先ほど言われました、ただ飛行しているだけという訓練とは異なる、模擬対地攻撃訓練というのと空対空戦闘訓練というのを予定していたことは事実でございます。

○松本(善)委員 そうすると、あなたの今の答弁で聞きますが、こういう戦闘訓練は、通常、日本国の上空でやられている当たり前のことなんだという考えですか。

○竹内政府委員 当たり前だという表現がいいかどうか、ちょっと私あれでございますが、いずれにいたしましても、パイロットにとりましては、このような対地攻撃訓練を模擬的なものとして行うということであるとか空対空の戦闘訓練を行うということは、空軍にとりましては通常の訓練に当たる、先方の方ではルーチントレーニングと申しておりますけれども、通常の訓練に当たるというふうに理解いたしております。

○松本(善)委員 それでは、対地攻撃訓練についてお聞きしますが、どういう内容なのか。海岸線に沿ってターゲットポイントを設定する、コースタルターゲットというようなことを言っていますね。それから、ダイブトスアタック、急降下攻撃があるということも書いています。それから、別のところでは十五度の角度で攻撃するということもあります。
 対地攻撃訓練というのが通常の訓練だというのは、対地攻撃訓練というのはどういうことなのでしょうか。ミサイルを撃つのもあれば、機銃を撃つのもあれば、それから爆弾を落とすのもありますが、対地攻撃訓練というのはどういうことでしょうか。

○竹内政府委員 対地攻撃訓練につきましては、米国側の報告書ではサーフィスアタックという言葉が使われておりますけれども、説明といたしましては、航空機から地上の目標に対しまして攻撃することを想定した訓練ということでございます。その場合に、まさに先生も御指摘されましたけれども、機銃であるとか爆弾であるとかミサイルであるとかいうような各種の兵器を使うことを想定するということでございます。
 ただし、その場合に、実弾を使用して訓練を行う場合と実弾を使用しない模擬訓練というのが当然ございまして、今回の場合には実弾を積んでもおりませんでしたし、現に実弾を使用しない訓練を行うことを予定しておりまして、したがいまして、模擬対地攻撃訓練ということで定義づけられているところでございます。

○松本(善)委員 この対地攻撃訓練が行われている場所、この報告書で、これはどこなのでしょうか。どういうふうに見ていらっしゃいますか。

○竹内政府委員 模擬対地攻撃訓練でございますけれども、こういう場合の訓練の通常の例といたしまして、訓練のための仮想の攻撃目標というのを設定するということでございます。これをターゲットポイントと言ったりしておるようでございますけれども、地上の目標を想定いたしまして、それに対して模擬的な攻撃訓練を行うということによってパイロットの技術や運用能力を維持するための必要な訓練とするというふうに承知しております。

○松本(善)委員 私は、この事故の具体的な場所について聞いているわけなのです。
 作戦機が対地攻撃訓練を終えると、連続した形で空対空のインターセプトポイント、迎撃点といいますか会敵点といいますかで敵機役の戦闘機と遭遇するという内容になっていると思うのですね。事故機はレッドエアと言われる敵機役で、事故は作戦がこのポイントに向かう途中で敵機役の戦闘機が起こすわけで、この報告書にありますインターセプトとかインターセプトポイントということから、F16が空中での空対空の戦闘訓練を実施している。その場所がどこなのだろうか、どこと考えていますかということを聞いています。

○竹内政府委員 まず、模擬的な対地攻撃の仮想の目標でございますけれども、これはこの事故報告書にも書いてございますけれども、目標として設定されていたのは三沢基地の南方約九十マイル、釜石市近くの海岸線上の一地点であるというふうに記載がされております。当該の航空機は、その目標に対しまして模擬的爆撃訓練を行った後、これも先生が先ほど言われましたとおり、方向を転換いたしまして、次の訓練に移るために移動をいたしたわけでございます。
 そこでインターセプトポイントということになるわけでございますが、インターセプトポイントという概念につきましては、これは私ども米側にも照会をいたしましたけれども、これはパイロットが特定の訓練を開始する際に空域内に設定されるポイント、点のことであって、通常は訓練前のブリーフィングの際に、あるいは訓練中のある別の時点に設定されるものであるということでございます。
 さらに、先生お尋ねの、具体的にそれではどこで次の空対空の訓練をやることになっていたかということでございますけれども、これは私ども米側にも照会をいたしましたし、報告書も精査をいたしましたところ、この事故発生時に設定されていたインターセプトポイントがどこであるかということについては、米軍の運用上の問題でございますけれども、我々が米側から説明を受けたところによりますと、それは、この訓練は洋上における訓練空域において行われる予定であったということでございます。ところが、その前に事故が起こりましたので、当然、洋上における訓練は中止されたということでございます。

○松本(善)委員 ちょっとそれを改めて聞くかもしれませんが、事故機のパイロットの証言の中にアーティラリーレンジというのが書かれております。文脈から見ますと、作戦上空中に設定されたものだというふうに見られると思います。これはどういう性格の空域なのか、アーティラリーレンジというのはどういうものなのか、御説明をいただきたい。

○竹内政府委員 先生お尋ねのアーティラリーレンジというのは、私ども報告書を見ましたところでは、パイロットでございましたフェントン少佐の証言の中に出てくるところでございます。これが果たして具体的に何を指すかということにつきましては、私どもも調査をいたしました。
 その上で申し上げますと、御指摘のアーティラリーレンジというのは、軍事上の用語でございまして、通常は陸軍等の砲兵部隊の実弾訓練射場のことを指すわけでございます。具体的に今回の事例におきましては、岩手県の岩手山中演習場というのがございまして、ちょうどそのことを指しているというふうに我々としては理解をしているところでございます。

○松本(善)委員 岩手山との関係で今お話がありましたが、報告書のAA―三ページの地図で丸印のついているところを見ますと、どうも岩手県の岩洞湖付近のようだ。
 対地攻撃訓練の地点やインターセプトポイントがこの付近にあるのではないか。今岩手山頂上空ということを言われましたけれども、この辺の対地攻撃訓練は何か洋上ということを言われましたですね。インターセプトポイントとそれからアーティラリーレンジとの関係はどういうふうになっていたのか、わかっていれば話してください。

○竹内政府委員 アーティラリーレンジというものが岩手山中演習場を指すということについては米側にも確認をいたしておるところでございますが、それとインターセプトポイントということについて特別の確認ということはいたしておりません。
 と申しますのは、米側から回答がございましたインターセプトポイントというのは、パイロットが訓練を開始する際に、そこでまさに相手の航空機と会うわけでございますが、それで訓練を行うわけでございますが、その訓練が洋上の訓練空域で行われるということを予定していたということでございます。

○松本(善)委員 それじゃ、洋上のインターセプトポイントというのはどの辺なんですか。

○竹内政府委員 我々の理解といたしましては、次の訓練、後からやってきます航空機との訓練を洋上で行う、訓練空域で行うということでございますので、当然、そのインターセプトといいますか、そこで相手の飛行機と会うという場所もその洋上の訓練空域だというふうに理解をいたしております。

○松本(善)委員 そのインターセプトポイントは洋上のどこかということはわからないのですか。

○竹内政府委員 洋上の訓練空域と申しますのは、三陸沖に航空機の訓練空域というのが定められているわけでございます。そこで、定められた、指定された訓練空域で行うということであったというふうに承知をいたしております。

○松本(善)委員 それでは、この訓練でコースタルターゲットポイントを設定しているということが書かれております。これは、戦車攻撃とかレーダー基地攻撃といった目標設定を意味しているのではないかと思うのです。これはどうでしょう、コースタルターゲットポイント。

○竹内政府委員 コースタルターゲットと申しますけれども、これは、端的に申しますと海岸にある目標ということでございます。訓練の実施のために海岸線上に仮想の目標というのが設定をされまして、それは空中から容易に識別できるような海岸線上の目標物、目標地点であるということでございます。それに対しまして模擬的な攻撃を行うということが訓練でございます。
 それを称してコースタルターゲットという表現が使われておりますけれども、特別の軍事上の用語というよりは、コーストにある、すなわち海岸にあるターゲット、仮想の目標である、そういう理解でございます。

○松本(善)委員 ここにありますV2ページですか、ミッション、任務についてのところでは、三沢基地の南およそ九十マイルのコースタルターゲット上で計画されている模擬の対地攻撃を伴う二機による連続訓練作戦任務として予定されている。その同じコースタルターゲットに進入してきた上昇訓練の作戦任務をしている別のレッドエア、要するに敵役の飛行機ですね。両方ともコースタルターゲットに入ってくるのですよ。
 ただ、地図上のどこか目標というのじゃなくて、この文章からしますと、やはりコースタルターゲットというのは、一つの軍事上の地域を設定して、そこへいわゆる訓練機とそれから敵機役の飛行機が遭遇するようになっているのじゃないかなというような感じがするのですが、違いますか。

○竹内政府委員 御質問のような非常に具体的な点になりますと、私どもも、これは米軍のやっている訓練でございますし、そこのところまで定かに承知しているわけではございません。
 ただ、私が調査をし、米側からも照会したところを総合して私なりに考えますと、ターゲットというものは攻撃の仮想の目標でございます。この報告書を見ましても、最初の事故が起こった二機編隊というのが最初に対地攻撃の模擬訓練をやりまして、その後、空対空の訓練をやるということになっていたわけでございまして、その後から来る編隊もそのコースタルターゲットを目指していたということは十分あり得ることでございます。
 私が申しておりますのは、コースタルターゲットと申しますのは、まさにそういう仮想の訓練用の目標ということに尽きるという点でございます。

○松本(善)委員 釜石市付近にある造船所地帯のターゲットの写真を持っていたということも書かれているのですが、ここが目標になっていたということはないでしょうか。

○竹内政府委員 フェントン少佐、この当該のパイロットでございますけれども、彼の証言の中にたしか、釜石市の近くのドックでございますか、というものの写真を資料として見たという記述がございます。
 他方、報告書そのものの記述といたしましては、三沢基地の南方約九十マイル、釜石市近くの海岸線上の一地点ということで記載されているところでございます。
 いずれにいたしましても、こういう訓練を行います場合に、パイロットにしろ、航空機から目につきやすいところを仮想の攻撃目標として、まさに仮定して設定をするわけでございます。別に爆弾を積んでいるわけでもございませんし、まさに模擬的に訓練を行うということで、その目標物ということがコースタルターゲットということであろうというふうに理解しております。

○松本(善)委員 これについての外務大臣の考えを聞きたいのですが、時間もあれしたので、まとめて後でお聞きします。
 外務大臣にお聞きをしたいのは、今のことについてのことと、もう一つは、前に答弁をされたこととの関係で、低空飛行訓練の問題です。
 我が党は、アメリカ国防総省の地図局が作成したアメリカ国内の地図に、計器飛行、有視界飛行、低速低空飛行の各ルートが記載されているので、せめて日本でも低空飛行訓練ルートを公開するよう求めてまいりました。この地図はこういうものであります。外務大臣、ごらんになっているかどうかわかりませんが。
 ところが、外務大臣は、三月十五日の参議院の外交・防衛委員会で、アメリカ本国では低空飛行訓練ルートを公表しているとの指摘に対して、百五十メートルより低いところでやるときに飛行ルートを公開しているというのが今のアメリカのところで、百五十メートルより高いところ、日本で許されているようなところについての飛行ルートというのは別に公開されていない、百五十メートルより低いところを公開しているのであって、高いところは公開していないんだ、日本ではそれは許されているんだから、こういうものをつくる必要はないんだ、こういうお話をされたわけです。
 ところが、これは明白にそうではないのですよ、事実。三十メートルも書いてありますし、四百五十メートルも書いてありますし、六百メートルも書いてある。やはり外務大臣の御答弁が違っているのではないかと思います。
 これは、外務省の職員には、この地図と、なぜそうなるのかということも詳細に説明して、恐らく外務大臣お聞きになっていらっしゃると思いますが、やはり正確に国民が問題を理解するというためには、私は、この答弁は間違っていたのじゃないか、やはりそこのところはきちっと正すべきではないかと思いますが、外務大臣、どのようにお考えでいらっしゃいますか。

○高村国務大臣 御指摘の私の答弁でありますが、飛行ルートの公表問題をとらえて、米本国に比して我が国における米軍機の飛行訓練の実態が我が国により不利な形になっているのではないかとの観点からと思われる御質問に対してお答えしたものでございます。
 米国では、国家映像地図庁により市販されている航空図に軍の飛行ルートが記載されているというふうに承知をしております。この航空図では、各ルートごとに軍用機が航行をする際の下限となる最低高度及び上限となる最高高度が記載されていますが、最低高度では、我が国における米軍機の飛行訓練の実態とは相当程度異なり、多くのルートで五百フィート、百五十メートルを下回る高度が記載されており、極端な場合は、最低高度が地表、サーフィスと記載されているルートもあるわけであります。最高高度については、ルートによりさまざまでありますが、千五百フィート、四百五十メートルでありますが、二千フィート、六百メートルといった高度が記載されている場合がありますが、これは最低高度とともに記載されているものであります。
 米軍機が百五十メートル以上の高度で有視界飛行をする場合には、これら航空図に記載されたルートに限定されるわけではなくて、それ以外の区域においても飛行訓練が可能であるというふうに承知をしております。
 先般の国会で、私が、「百五十メートルより高いところ、日本で許されているようなところについての飛行ルートというのは別に公開されていない、どこでもいいんだというふうになっているというふうに承知しております。」こう言いましたが、必ずしも正確ではなかった面があると思います。百五十メートルより高いところですべてが公開され、そこしか飛んではいけないというふうにはなっていないという趣旨を私は述べたつもりでございます。まさに五百フィート以上の高度での米軍機の飛行実態を申し述べたものでございます。私の本意が伝わっていないとすれば遺憾でありますが、私の述べた本意は今述べたとおりでございます。

○松本(善)委員 そのルート以外は一切飛んではいけない、そんなことは言っているわけじゃないし、そういう趣旨を述べられたことは承知しています。
 だけれども、議事録を見たところは、この箇所は代表的なので引用しましたが、ほかのところでも百五十メートル以下のところを公開しているので、高いところについては別に何もしていないんだという趣旨が明白に出ていると思います。だからこそ、全部公開をアメリカのようにやる必要はない。私は、アメリカのように全部公開したらいいじゃないかと。百五十メートル以下は飛ばないんだから、こういうことをやる必要がないというのが私は外務省の論拠だったと思います。
 だけれども、ちゃんと明白に事実上、私は今、事実上というか、内容的には百五十メートル以上のところも書かれた地図だということはお認めになったと思うんですけれども、アメリカのようにやったらいいじゃないか。今後、訓練空域を公開すべきではないかということが一点。
 それから、先ほど保留をしておきました事故報告書との関係で、やはりこういう訓練、単なる低空を飛ぶだけではなくて、実弾こそ持っていないと言うんだけれども、こういう激しい戦闘訓練を国内でやられたのでは、これは危険きわまりないと思うんです。やはりこういうことはやめさせるべきではないか。こういうような限定なしに、百五十メートル以上ならどこでもいいんだということで、こういう攻撃訓練やその他がやられたのでは、国民の安全は本当に保たれないと思うんです。
 私は、この低空飛行の問題では、超党派で、これは中国地方の例ですけれども、自民党の県会議員さんや公明党の県会議員さんなども、これはちゃんとやるべきだということを言っておられることを知っております。この低空飛行訓練による被害というのは党派を超えているんですね。日本国民の安全という観点で、これは何とかしてほしいというのがみんなの要求です。
 こういう戦闘訓練をやめさせる気がないのか。これにあるように、アメリカと同じようにこういうものを公表するようにする考えはないのか。二点を伺います。

○高村国務大臣 百五十メーター以上ならどこでもいいというわけじゃなくて、市街地は三百メートル以上というふうにしております。
 一般的に、米軍が訓練を通じてパイロットの技能の維持向上を図ることは、即応態勢という軍隊の機能を維持する上で不可欠の要素であり、日米安保条約の目的達成のために極めて重要であります。日米安保条約が、我が国の安全及び極東の平和及び安全の維持に寄与するため、米軍の我が国への駐留を認めていることは、米軍がこの目的の達成のため、飛行訓練を含め、軍隊としての機能に属する諸活動を一般的に行うことを当然の前提としております。
 御指摘の模擬対地攻撃訓練及び空対空戦闘訓練は、一般的に軍隊にとっての即応態勢の機能を維持する上で通常行われている訓練である、こう承知をしております。他方、米軍は全く自由に飛行訓練等を行ってよいわけではなくて、我が国の公共の安全に妥当な配慮を払って活動すべきものであることは言うまでもありません。政府としても、従来より、日米合同委員会等の場を通じて、米軍に対し、安全確保に万全を期すよう申し入れを行ってきており、米側も、この点について、あらゆる機会に、留意している旨、表明しているところでございます。
 飛行ルート公開の問題については、これは米軍の運用上の問題でありますから、日本政府としてそうしろと言うことはなかなか難しい話でありますし、それと先ほども申し上げましたように、アメリカでは、飛行ルートというものはあるにしても、そのほかのところでも百五十メートル以上であれば自由にやっているという実態があるということを申し添えさせていただいて、そのこととの関係で、日本の方が一般的に住民に対して酷なことになっているというわけではない、こういうことは言えるんだろうと思います。

○松本(善)委員 時間ですから終わりますが、しかし明白にアメリカはこれを公表しているんですよ。日本は公表していないんです。
 それから、申しましたように、安保条約を認める立場の方であっても低空飛行を何とかしてほしい、これはもう本当に超党派的な現地の要求になっているんですよ。私は、そういう点について、その要望を外務省は当然アメリカと交渉してこの被害をなくすようにすべきなんだ、そういう国民の心配をなくすようにすべきなんだということを強く要求して、質問を終わります。




  1. 2008/03/30(日) 21:17:28|
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衆-外務委員会-松本(善)委員平成10年10月02日

衆-外務委員会-松本(善)委員平成10年10月02日

○松本(善)委員 外務大臣、きょうは米軍の低空飛行訓練の問題をお聞きしたいと思います。
 主に早明浦ダムの墜落事故についての報告の問題を聞きたいのですが、その前に、三月十一日の当委員会で、伊豆沼での米軍機F16の低空飛行の問題をちょっと決着をつけておきたい。質問通告もしておきましたので、当日の議事録もお読みいただいているのではないかと思いますが、これは、野鳥の生息地で、米軍のF16が飛んできて、そして野鳥がしばらく来なかったという、野鳥の研究家だとか地元が大騒ぎになった事件です。
 そのときは、防衛施設庁も外務省も、米軍の三沢基地から米軍機は飛行していないという回答があったと言い、防衛庁は、米軍の他の部隊の航空機の飛行の連絡もなかったし、自衛隊機も飛行していなかったという答弁をいたしました。当時の小渕外務大臣は、F16とおぼしき機種ということを写真を見て答弁されました。
 その質問の後で、小渕外務大臣と御相談していろいろ話をしていたのですが、外務省の専門家が私の国会の部屋に来られて、写真を見て、これはF16だということを認められました。
 問題は、このF16がどこの国のどこの基地の所属のF16かということが問題になるのですが、これが決着がついていないのです。
 この写真は河北新報にも報道されたもので、今年の一月十三日正午ごろ撮影のものです。米軍機もフライトプランは防衛庁に出さねばならないことになっておりますので、防衛庁は当然フライトプランを見て答弁をしたのだと思いますけれども、このF16は写真でも撮られているし、目撃者もたくさんおります。在日米軍がこれを認めないということになりますと、このF16は国籍不明機ということに形の上ではなります。
 私は、日本政府はこういう問題をそのままにしておくわけにいかないのじゃないかと。外務大臣、いかがでございましょうか。

○高村国務大臣 申しわけないのですが、議事録は読んでなかったのですが。
 宮城県伊豆沼での未確認飛行機による低空飛行事実の確認については、防衛施設庁仙台防衛施設局より在日米軍三沢基地に対し米軍機の飛行事実の有無の照会を行って、同基地から仙台防衛施設局に対し米軍機は伊豆沼上空は飛行していない旨の回答がなされた、こういうふうに承知しているわけであります。

○松本(善)委員 外務大臣、私のお聞きしたのは、そういう答弁を前提にして、だけれども、それでは、そのF16はどこの国のものだということを我が国は放置していていいのか。
 日本には主権があるわけで、政府が許可をしないで航空機が日本の領土を飛ぶことは許されない。これは米軍機にしても民間航空機にしても同じです。全部フライトプランを出さなければいかぬ。それが、政府はどこの国の飛行機が飛んだのかもわからないということをそのまま放置しておくことは絶対できないと思います。
 改めて聞きますし、それから同時に、この問題についてはきちっと調査をして、そして報告してほしいと思うのです。二つの点をお聞きしたいと思います。

○高村国務大臣 調査といいましても、事実上、米軍機以外の、F16ですか、F16が飛んできたとも思えませんし、仮に飛んできたとしたら、これから調査するなどということはとてもできないことだと思っております。
 本件については、既に、政府の機関である防衛施設庁仙台防衛施設局より在日米軍三沢基地に照会の上、回答を得ているわけでありますが、これ以上調査するということは考えておりません。

○松本(善)委員 外務大臣は日本の安全保障についても責任のある閣僚の一人です。米軍は違うと言っている、どこの国の飛行機かわからない、それをそのまま放置するのは重大問題だと私は思いますよ。それは調査しないなんということはあり得ない。
 こういうことが起こりますのは、米軍が空域も高度も何の規制もなく日本の上空を飛んでいることに起因しているのですよ。だから、平気な顔をして、外務大臣、どこの国の飛行機かわからないことを形の上では答弁されているのだけれども、これは、我が党議員が予算委員会で質問をしたときにこの事実を明らかにした。自民党など他党の議員からも、まるで植民地じゃないか、明治の不平等条約と同じじゃないか、不規則発言が出ました。お聞きになった方もあろうかと思いますけれども。
 米軍機が飛んだことを、私は恐らくこれは米軍機であることは間違いないと思いますけれども、米軍機が飛んだことも確認できない。これはもう絶対放置できないことです。これは調査をして報告することを求めます。
 一九九四年の十月十四日に、アメリカ空母のインディペンデンスの艦載機A6Eイントルーダーが高知県の早明浦ダムに墜落した事件の報告書について質問したいと思います。
 この報告書は昨年十二月、事故から三年目にようやく外務省が提出したものでありますけれども、報告書は、事故調査委員会が事故機は川の表面から四百フィートから五百フィートを飛行していて墜落したというふうに認定した。つまり、百二十メートルから百五十メートルの間を飛行していたということを認めたわけであります。
 外務省はこういう問題については、米軍は、人口稠密地の上空では三百メートル以上、人のいない地域では百五十メートル以上という日本の航空法を尊重しているのだということを一貫して述べてきました。最近では、四月十六日の参議院外交・防衛委員会で当時の高野北米局長がそういう答弁をしております。報告書が出てからも高野北米局長はそういう答弁をしているわけです。しかし、この報告書でははっきり、百五十メートル以下を飛んでいる、日本の航空法を遵守しているということではないということがはっきり報告書で出ているわけです。これについて外務省はどう考えているか。
 米軍はこの問題について、これは間違っていたとか違反して申しわけないとか、そういうことを言ったのかどうか、あるいは外務省は抗議をしたのかどうか、この点について聞きたいと思います。

○竹内政府委員 先生御指摘のA6イントルーダー墜落事故に関します報告書、確かに今先生から御指摘になりましたとおり、事故の起こりましたときの状況についての記述がございまして、そこでは、事故機の最終旋回直前の対地高度は約四百から五百フィートであったという記述がございます。すなわち百二十メートルから百五十メートルということでございます。これはまさに事故が起こりました航空機につきましての事実関係についての記述でございます。
 他方、政府委員といいますか、政府の方から、従来何度も繰り返し述べておりますところは、この事故が起こりましたケースというのはまさに事故のケースでございますけれども、米軍というものが我が国におきまして飛行訓練を行います際には、我が国の関係法令等にあります安全基準というものを尊重し、また公共の安全に最大限配慮を払うことは当然であって、政府としても、あらゆる機会に、安全確保の徹底とか地域住民への影響の最小化について申し入れてきたところでございまして、在日米軍としては、我が国のそのような公共の安全に最大限の考慮を払い、国際基準を遵守し、また我が国の航空法に言う最低安全高度を尊重し、規定された高度以上を飛行しているということを種々の機会に明確にしているところでございます。
 すなわち、私が申し上げたいと思いましたのは、確かに、このA6の事故の起こりましたときは、その安全高度以下の四百から五百フィートの飛行であったということは事実でございますが、従来から述べておりますのは、米軍といたしましては、そういうことがないように、常々最低飛行高度に関する規則というものにつきましても、日本の国内法令を自発的に遵守しているということを述べているという事実を指摘してきたところでございます。

○松本(善)委員 外務大臣、こういう答弁はやはりよくないのですよ。聞いたことにかみ合っていないのですね。わかっていることをそのまま述べているだけなのですよ。
 私は、今まで米軍は百五十メートル以下は飛ばないと言っていて、外務省もそういうふうに言っていた。それが、それに違反をしていることについて、報告書は、遺憾であったとか、うまくなかったとかいうことを一言も述べていないのです。
 事故は、グレーアウト、ブラックアウト、Gロック、これは要するに、旋回の際に、失明に近い状態になったとか、失明状態になったとか、遠心力がかかって金縛り状態になったとか、そういうことで事故が起こったということを言っているだけでありまして、それで百五十メートル以下を飛んだということは一言も言っていない。今までの外務省の見解とまた違うわけですよ。それから、米軍の言っていることとも違うわけです。
 少なくもやはり、今まではそういうふうにやるということになっていて、今度は違ったと。正式の報告書ですよ。これは、日本政府に対して謝ってもしかるべきです、あるいは、日本政府は抗議をしてもしかるべきです。この点について、外務
 大臣はどう思いますか。そういうようなことを、今のような繰り返しのような答弁をされても、これはしようがないのですよ。外務大臣はどう思いますかということなのです。

○高村国務大臣 私は、事実関係が全くわかりませんので、抗議をしたのかどうかとか、それについてどうしたのかとか、そういう事実関係はわかりませんので、答弁は差し控えたいと思います。

○竹内政府委員 政府といたしましては、まず、事故発生後、外務省の北米局長より、東京の米大使館の公使に対しまして遺憾の意を表明いたしました。さらに、政府の方から、事故原因の調査とか再発防止について申し入れを行った次第でございます。
 これに対しまして、在京の米国大使館の方からは、公使より遺憾の意の表明がございまして、さらに、事故発生後の日米合同委員会におきましても遺憾の意の表明、それから、事故原因の調査及び再発防止について我が方から申し入れたところでございます。さらには、当時の河野外務大臣より、ペリー国防長官に対し、遺憾の意の表明、事故原因の調査、再発防止等につき申し入れを行ったところでございます。
 いろいろなことがございましたが、米側としては、この事故原因の調査を行いました後、この報告書にも出ておりますが、低高度飛行についての危険性、手続、技術、機体能力及び搭乗員の状態に
ついて見直しを定期的に行うというようなことを明らかにいたしまして、種々の安全対策がこの報告書でも書かれているところでございます。

○松本(善)委員 初めからそういうふうに答えれば時間の節約ができたのです。
 外務大臣、こういう状況ですが、イタリアと比べますとやはり日本は、先ほど自民党の議員の不規則発言を紹介しましたけれども、イタリアは六百メートル以下の飛行は禁止をしているのですよ。それ以下で飛んだ場合には、それは事故原因の判定基準になっているのですね。これはもう日本とは本当にけた違いですよ。
 この問題が起こってから、予算委員会での我が党の議員の質問に対しても、また、今紹介いたしました三月の私の質問に対しても、この問題についてアメリカと協議をしている。これは、こういうアメリカの軍用機の飛行について何の規制もありません。その規制について協議をしている。もう随分になりますけれども、これはどうなっていますか。

○竹内政府委員 政府といたしましては、米軍が飛行訓練を行う場合におきまして最も重要なことは安全対策ということと認識しておりまして、先般来、継続して米側とこの点について協議を行っているというところでございます。
 一体、いつになったらそれがまとまるかというお尋ねだろうと思いますが、我々といたしましては、できるだけ早くまとめるよう作業を加速化したいというふうに考えております。

○松本(善)委員 大臣、今の答弁のとおりですよ。他党の議員が、与党の議員でさえも、植民地的な状態じゃないかと言うような大問題について、半年以上たっても何にも進んでいない。これは外務大臣、私は大変残念に思うのだけれども、この質問通告をしたら、その問題について、大臣がやはり自分で、どういう問題なのだろうかということを考えていただきたい。日本の主権の問題ですよ。イタリアと比べた場合は、本当に格段の違いなのですね。
 これは、大臣が決意を持ってやはり解決するというふうに答弁をしてもらいたいと思いますが、そういう考えはありますか。

○高村国務大臣 大変申しわけありませんが、そういう質問通告があったということすら私は知らなかったもので、大変申しわけないのですが、もう一問は質問通告がありましたので、前の問題ですね、それについてはそれなりに答えさせていただいたわけであります。よく事情を調べまして、そして、委員が御指摘のように、本当に植民地のような状態であるのであれば、それは改めなければいけない、当然の話でありますから、そういうこともよく私なりに調べた上で、どういう措置を、どういう指示をするかということを決めさせていただくということであります。

○松本(善)委員 これで終わりますけれども、私の述べたことはすべて根拠を持って述べておりますので詳しく調べていただきたいし、それから外務省の、大臣が初めてお聞きになったということですけれども、やはりそういう仕事の態度、国会に対する態度を改めるように厳しくやっていただきたいということを要求して、質問を終わります。




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衆-外務委員会-古堅委員平成10年03月18日

衆-外務委員会-古堅委員平成10年03月18日

○古堅委員 国際民間航空に使用される空港における不法な暴力行為の防止に関する議定書について、最初に伺います。
 条約の対象は、国際民間航空に使用される空港ということになっておりますが、日本ではどの空港が該当するか、それが一つ。その中には軍民共用の空港があるか、それが二番目。また、これら軍民共用空港には本条約が適用されるか。以上の三点について、まずお答えください。

○大島(正)政府委員 いわゆるモントリオール条約を補足する今回の議定書についての御質問、お答え申し上げます。
 この議定書上、国際民間航空に使用される空港とは、定期、不定期を問わず、国際間の民間航空運送に従事する航空機が離着陸する、またはその予定がある空港と解されております。
 現在、我が国において、定期国際航空路線が開設されている空港は、新東京国際空港、東京国際空港等、二十空港がございます。不定期の国際便が運行される空港については、使用する航空機等を含め、具体的な申請が行われた後、それぞれの不定期便の乗り入れの認可がその都度決定されることになっております。
 定期国際路線が開設されている空港のうち、いわゆる軍民共用の空港は、新千歳、新潟、名古屋、小松、福岡、長崎及び那覇の七つの空港でございます。これらの空港も国際民間航空に使用される空港でございますので、この議定書第二条に規定されておりますような空港の安全を損ない、または損なうおそれのある行為が行われた場合には、この議定書の適用対象となります。

○古堅委員 次に、プラットフォームの安全に対する不法な行為の防止に関する議定書について伺います。
 日本の企業が海外で所有するプラットホームは十四基ございますが、これらに対する不法行為を防止するための措置に、自衛隊の行動が含まれることはないと思いますけれども、念のために伺っておきたい。

○上田政府委員 この条約で対象としております大陸棚におけるプラットホーム、人工島でございますが、国際法上、こういった人工島や経済的目的のための施設及び構築物に対しましては、所有者の国籍国ではなくして、沿岸国が排他的な管轄権を有しております。
 この今の大陸棚プラットフォーム不法行為防止議定書は、このような国際法の規則に何ら影響を及ぼすものではございません。したがいまして、この議定書の適用を受けますプラットホームが、我が国の企業が所有するものでございましても、この議定書上、沿岸国以外の国の公権力の行使を行うことは想定されておりません。

○古堅委員 次は、関連質問ですけれども、新ガイドラインで言う周辺事態の判断基準と要件について伺いたいと思います。
 新ガイドラインに書かれている「周辺事態」は、「日本の平和と安全に重要な影響を与える事態」ということになっておりますが、そのことを判断する基準については明らかにされておりません。我が国の自衛権行使については、政府はその三要件を明確にしています。新ガイドラインには、「周辺事態は、日本の平和と安全に重要な影響を与える事態」と書かれておるが、そのように判断する要件をきちっと示していただきたいつ

○高野政府委員 自衛権の発動としての武力の行使が認められるのは、我が国に対する急迫不正の侵害があること、あるいはほかに適当な手段がない場合、さらに言えば必要最小限度のものであるということが、いわゆる三要件が満たされる場合であるというふうに考えておりますが、これに対し、周辺事態でございますけれども、軍事的な観点から見て、我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態であり、ある事態が周辺事態に該当するか否かは、その事態の態様、規模等を総合的に勘案して、日米両国がおのおの主体的に判断することになると考えております。そういう意味で、事前に客観的な基準を定めておくということは困難でございます。
 他方、いずれにしろ、その場合に周辺事態にお
いてとられる我が国の措置でございますが、これは、我が国の憲法の範囲内のものであり、日米安保条約の目的に合致し、あるいは国際法の基本原則にも合致したものとなることは当然のことでございます。

○古堅委員 例えばの話で申し上げますが、具体的に想定してみますけれども、米軍が第三国との間で武力紛争に突入したとする、米国の相手国が日本に対して、米軍の出撃基地だという理由で攻撃してくる態勢をとるとか、ミサイルを日本に向けるとか、部隊が日本を目指して侵攻してくるとか、そういう何らかの動きがあることは、周辺事態と判断する要件になりますか。

○高野政府委員 お答え申し上げます。
 今の御質問の、日本が米軍の出撃基地という理由で相手国、第三国が攻撃してくる態勢をとるとか、あるいはそれ以外の例を言われたわけでございますが、いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、周辺事態ということを日本が主体的に判断する場合は、そういう周辺事態が発生したと判断する場合は、軍事的な観点から見て、我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態かどうかということに基準を設けて判断する問題と考えております。
 その事態の態様、規模等を総合的に勘案して判断されるということでございますので、この段階で、今言われましたいろいろな状況について、それではそれが周辺事態になるかどうかということを申し上げることは困難でございます。

○古堅委員 さらに続けて、例えばでの話を申し上げてみたいのですが、日本に対して敵対行動もとらず、その意図もない。ただ、米軍と武力紛争しているというだけの事態が周辺事態と判断する要件になるか、伺いたい。

○高野政府委員 繰り返しになって恐縮でございますけれども、いずれにいたしましても、周辺事態は、我が国に対して武力攻撃が行われた場合ではございません。我が国の周辺において、我が国の平和と安全に重要な影響があると判断される事態でございます。
 今委員が御指摘のような状況が、そういう基準に照らして、どういうふうに判断されるかということは、そのとき具体的に起きた状況を見て、その事態の態様、規模等を判断して考えるべき問題だと考えます。

○古堅委員 さらに例えて申し上げます。
 アジアで米軍が第三国と戦うとなれば、日本の航空機が定期的に飛行している空域を飛行できなくなり、迂回飛行を余儀なくされる、そういうことがあり得ることも想定できます。しかし、そういう事態は周辺事態とは思えないのですけれども、どうなのか、伺います。

○高野政府委員 これも恐縮でございますけれども、今委員が言われた事態が日本の平和と安全に重要な影響を与えるかどうかということでございます。単に、日本の航空機が定期的に飛行している空域を飛べなくて迂回するという事実のみをもって、それではそれがこの周辺事態に当たるかどうかという判断をすることは困難かと思います。

○古堅委員 周辺事態については、昨年来、国会においても数多くの質疑もされてまいり、論議も重ねられてまいりましたが、政府の答弁については、正直言ってよくわかりません。
 大臣、どういう場合、どういう要件だということについては、大臣はきちっとおわかりの上、しかしそれは言えませんということになるんですか。

○小渕国務大臣 大変恐縮ですが、ガイドラインのことについての問題でありましょうか。そうでありますれば、ただいまそれぞれ担当の局長から御答弁申し上げたとおりでございます。

○古堅委員 論議をずっと国会で重ねられてもわかりにくいというのは、今の御答弁にもありますように、周辺事態の判断基準、要件がはっきりしない、はっきりさせないというところにあります。
 周辺事態は新ガイドラインにとって最も重要なところであり、問題です。それを国会論議を通じて明確にするということは、国会にとっても内閣にとっても、国民に対する重大な責務だというふうに思いますよ。
 この際、文書をもって周辺事態の判断基準と要件を明確にしてもらいたいと思いますが、大臣、いかがです。

○小渕国務大臣 これまたしばしばもう累次にわたって、本委員会もそうでありますが、予算委員会等、政府としては御答弁申し上げておることがすべてでございます。

○古堅委員 委員長、理事会において、今要望いたしました文書の問題について取り扱っていただくよう要望いたします。

○中馬委員長 今のお申し出は、理事会においてお諮りをいたします。

○古堅委員 以上で終わります。




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衆-決算行政監視委員会-中林委員平成11年07月28日

衆-決算行政監視委員会-中林委員平成11年07月28日

○中林委員 私は、前回、五月二十七日に続いて、米軍機の無法、不当な訓練、特に岩国米軍基地がやっているエリア567での危険な訓練の問題について質問をいたします。
 私の質問のときに、運輸大臣が、米軍が当該訓練・試験空域で安全上問題がある訓練を行っていないものと理解している、こういう答弁をされました。私はそのとき、米軍パイロットの証言も紹介して、この空域で米軍機が空対空戦闘訓練、追撃訓練、対地攻撃訓練などをしている、こういうことも示したわけですが、安全上問題がある訓練はない、こういう答弁は、これらの訓練実態を無視したものであるというふうに私は思います。
 エリア567だけではなくして、一月二十一日に三沢基地から飛んだ戦闘機が釜石で事故を起こしております、墜落事故ですが、この事故の報告書も出ております。それを読んでも、対地攻撃訓練だとか空対空戦闘訓練、これをちょうど行っていたときに墜落事故を起こしたものだ、こういう事故報告書も出ております。
 そこで、運輸大臣に改めてお聞きしますけれども、島根県の石見空港開港に伴って、自衛隊の訓練空域が高度一万四千フィートまでで、空港から九海里、約十六キロにわたって民間機の安全のために削除された空域に、米軍機が繰り返し飛来して、急上昇、急降下、あるいは追尾訓練などの危険な訓練を行っていることが目撃されているわけですけれども、大臣として、この事態をどのように把握をし、どう対処しようとされているのでしょうか。

○岩村政府委員 お答え申し上げます。
 民間航空機の安全確保を図るため、昭和四十六年八月に策定されました航空交通安全緊急対策要綱に基づきまして、民間航空機が飛行する空域と訓練の空域を分離しているところであります。したがいまして、運輸省として、訓練空域における米軍の個別の訓練についてまでは関知していないという状況にあるわけでございます。

○中林委員 それならば防衛庁にお伺いしますけれども、この周辺空域について、米軍の使用調整をしているということになっているわけですけれども、エリアQ、7を米軍が使用する際に、自衛隊がやってはならない訓練はやらないという条件を米側に対してつけているのかどうか、お答えください。

○柳澤政府委員 先般の御質疑のときにも申し上げたところでございますけれども、この空域の使用に係る調整を行っておりますのは、私どもの訓練と他のトラフィックが基本的に混在しないようにということを考えておりまして、どのような飛び方をするかといったようなところは、私ども、調整の権限もございませんし、その内容については承知しておりません。

○中林委員 運輸省は、米軍機が飛ぶことについては自分たちの及ぶ範囲ではないと言い、自衛隊の訓練空域になっているところでいわば調整して米軍機が飛んでいる、その責任を負っている防衛庁も、防衛庁自身はこの訓練空域のところでは初歩的な訓練しかやっていない。今、米軍機の目撃されている空中戦の訓練だとか、そういうような危険な訓練はやっていないということであるにもかかわらず、又貸しをした相手の米軍機がどんな飛び方をやってもいいなどということが本当に許されるんだろうかというふうに思います。
 ぜひ、日本の空の安全に責任を持つ責任大臣として、米側は日本の航空法を守っているはずだというようなことをずっと言ってこられましたけれども、アメリカ側の言い分、これを守っているはずだということで信じていくのか、そうではなくて、これまでも実際に目撃している、その空の下で住んでいる広島県や島根県の住民の声を尊重するのかどうか、これが私は問われているというふうに思うわけですね。ですから、これだけ目撃証言があって、国に対しても、わざわざ石見空港が開港されてから安全のために除外されているその地域を米側が危険な飛行をしている、こういうことを調査する、少なくとも調査をする必要があるんじゃないか、こういうふうに思うわけですけれども、責任大臣としていかがでしょうか。
    〔鴨下委員長代理退席、委員長着席〕

○岩村政府委員 委員御承知のように、米軍機につきましては、航空法の特例法、実際の法律の名前はもう少し長い法律でございますが、航空法の特例法によりまして、航空法の第六章の規定、これは航空交通の指示、飛行計画の承認等、それから到着の通知の規定、この規定を除きまして適用が除外をされております。
 したがいまして、他の六章の中にあります訓練飛行についての許可、届け出義務、こういったものは適用がされません。したがいまして、訓練の具体的な内容については運輸省として承知をしていないわけでございます。
 なお、日米地位協定第十六条によって米軍には国内法令を尊重する義務があるということで、この訓練に当たっての米軍機の運航に当たって、航空法の規定も尊重するという確認を得ているというふうに我々も聞いておるところでございます。

○中林委員 そうなると、わざわざ石見空港が開港したときに、それまでは自衛隊の訓練空域だったところから、石見空港の下の部分、先ほど言った空港周辺、距離は十六キロ、そして高さは一万四千フィートの間は除外をしているわけですよね。それにもかかわらず、自衛隊は飛ばないにもかかわらず、米軍の戦闘機が戦闘訓練などを行っている、こういう目撃はもう後を絶たないわけですよ。
 では、それについて、運輸省も責任は持たない、いわばちゃんと国内法を守っているはずだと。はずでないから言っているわけですから。一体そこのところはだれが責任を持つのですか、そういう危険なことをやっていることに対して。大臣、これは内閣の問題として、その除外されたところを危険な飛び方をしているということは、一体だれが責任を持ってくれるのですか。運輸省なのか、外務省なのか、防衛庁なのか、どこですか。

○柳澤政府委員 私どもも、同様でありますけれども、訓練等で飛行します際の安全性というのは特に日ごろから十分に配慮しているつもりであります。そして、飛行の安全というものに対する責任という観点で申し上げれば、第一義的には当該機のパイロットとそれを運航している組織にあって、それぞれが十分に配慮をしているものであるというふうに認識をしております。

○中林委員 今の答弁、よくわかりません。
 そうなると、そこを勝手に飛んでいる、米軍ですからアメリカに責任があると。日本の安全について、日本の政府は責任をだれも持たないのですか。

○柳澤政府委員 申し上げましたように、それぞれの飛行に関する安全というのは当然それぞれの主体の責任において確保されるべき、まず第一義的にそういうことであると思いますし、それから、米軍の訓練内容について私どもは承知していないわけでありますけれども、私どもは、事前の飛行計画あるいは日々の個々のパイロットの訓練を通じまして安全性を十分確保しているつもりでありますし、当然、米軍においてもそのような配慮がなされているというふうに理解しておるわけであります。

○中林委員 そもそもこの自衛隊の訓練空域を米側が使いたいと言ったときに、調整して又貸ししているというときに、アメリカが、米軍機がそういう危険な飛び方をするということを運輸省は想定して又貸しをしているんですか。

○柳澤政府委員 又貸しという非常にわかりやすいお言葉で御指摘でありますけれども、私どもは、排他的にそこを占用する権限を持っているわけではございませんで、基本的にほかの航空機が入っていただかないことが望ましいわけであります。
 ただ、私どもが訓練に使っていないような状況でありますれば、事前に通報をいただいてそこを使っていただいているということでありまして、何の目的でどういう飛行をするかというのは、私どもに対して情報があるわけではございません。そこで、その飛行の安全については、先ほど来申し上げているように、当然それぞれの運航者において確保されるべきものであるというふうに思います。

○中林委員 そうなると、これは重大な問題をあなた方はおっしゃっている。私は大臣がなぜ答弁に立たれないのか不思議でならないわけですが、少なくとも運輸省は、石見空港が開港した時点で、その空港のいわば安全を担保するために自衛隊の訓練空域から除外しているわけですよ。そこを、又貸しした米軍機はどんな飛び方でも勝手し放題、責任はだれもとらない。こんなばかな話があっていいものでしょうか。
 今まで事故が起きないからここでは問題になっていないように思えるかもしれませんけれども、もしも釜石のような墜落事故があればとんでもない事態になると思います。エリア567で米軍が無法な訓練をやっているということは後を絶たないわけですが、少なくとも、今自衛隊の訓練空域になっているエリアQというのがあるんですね、一万四千フィート以上のところなんですけれども、そこを含めて全部除外してしまう、そうすれば、アメリカ軍の方にも調整して飛ぶというようなことは起き得ないんじゃないかというふうに思うわけです。
 日米安保条約、日米地位協定がありますから、政府としても、全くアメリカが飛ばないというわけにいかないんでしょうけれども、私たちはこの地位協定にも賛成はしておりませんし、米軍の基地も認めてはいないけれども、運輸大臣、少なくとも日米地位協定で、米軍の訓練空域、そういう危険な訓練をするのは洋上の方で二十三カ所指定されているわけですよ。そういうところでおやりになったらいかがか、そのぐらいは、民間の空港あるいは空の安全、住民の安全を守る責任大臣として、米側に言うべきではないんでしょうか。

○竹内(行)政府委員 今先生御指摘の、設定されております訓練空域等の関係でございますけれども、全国にと申しますか、我が国及びその周辺の公海上におきまして二十四カ所の訓練空域というものが日米合同委員会で協議されておりまして、その使用範囲、使用時間帯等を告示しておりますし、航空情報でこれを一般に公知しているところでございます。
 この訓練空域と申しますのは、御承知のとおり、米軍航空機の実弾射撃等のために、民間の船舶や航空機の安全を確保する目的ということで設定をされているわけでございます。他方、米軍によります実弾射撃等を伴わない通常の飛行訓練につきましては、日米地位協定上も、施設・区域の上空とか、それから設定されております訓練空域に限って行うということにはなっておらないわけでございます。
 また、つけ加えますけれども、航空自衛隊の訓練空域というもので、先生先ほど来御質問の訓練が米側において、米軍において行われているわけでございますけれども、これは、先ほど来答弁がございましたように、自衛隊との間で時間帯等を調整いたしまして航空路の安全に万全を期すという措置をとった上でやっておるわけでございますし、さらに、米側におきまして安全確保の上で万全の措置をとるということは当然行われるべきことでございます。
 そういうような状況でございます。

○中林委員 どこの外務省かと思うばかりの答弁でございます。
 少なくとも私は、今外務省がそういう御答弁になりましたので、低空飛行訓練について一月十四日に日米合意が六項目にわたって取り交わされましたが、これ自体が非常に実効性を伴わない合意事項だというふうに思うわけです。
 例えば民間空港のところは飛ばないというのに飛んでいるというのは、これまでるる述べたことです。それから、土日、祝祭日は訓練に不可欠以外のところは飛ばないという合意がされておりますけれども、少なくとも、一月には三日間四回、二月には二日間三回、それから、これは君田村のちゃんとした記録ですけれども、二月七日には、これは日曜日ですけれども、二機来ております。それから、六月十三日、日曜日ですけれども、これも飛んできております。
 こういう合意がされているにもかかわらず、実効性を伴わない。これは厳重に実行させるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○竹内(行)政府委員 先生御指摘の一月十四日に公表されました具体的な措置に関する文書でございますが、そこには、「週末及び日本の祭日における低空飛行訓練を、米軍の運用即応態勢上の必要性から不可欠と認められるものに限定する。」ということとされております。これは、ここに書いてございますとおり「不可欠と認められるものに限定する。」ということでございまして、必ずしも例外が全くないというわけではございません。
 いずれにいたしましても、住民への影響とか安全性の確保ということで問題があるようでございますれば、もちろん我々といたしましては、米側に照会したり協議を行うということについては、やぶさかなく行っていきたいという基本的姿勢でございます。
 先生今御指摘されました具体的な日付がございましたけれども、我々もその点については、米側に事実確認ということを五月の段階で行っております。と申しますのは、この文書におきましても、この低空飛行の安全性確保等に実効性を与えますために日本政府と引き続き協力する、協議するというような趣旨の項目がございまして、そういうことに基づいて、必要に応じて我々としても米側には照会を行うということは行っていくつもりでございます。

○中林委員 今申し上げました具体的な日曜日の日付の飛来が不可欠な訓練だったという、その詳細な中身は後で報告してください。
 大臣にせっかく来ていただいております。最後に一問、大臣に御答弁いただきたいと思うわけですけれども、島根県益田市の石見空港に、岩国米軍基地の米軍機FA18戦闘攻撃機が十日に緊急着陸をいたしました。この通告が空港管理所に入ったのは着陸の五分前で、いや応なしの強行着陸というふうになっております。着陸して初めて米軍機であることがわかりました。物すごくひどいと思います。
 直ちに益田市長は、石見空港は民間利用のための空港であり、いかなる理由にせよ軍用機が着陸したことは非常に遺憾だ、こういう抗議文を岩国米軍基地に送っております。また、島根県知事もこの事態に対して、県民の安全を守る立場からまことに遺憾として、在日米軍司令部に抗議をし、政府にも再発防止を要求しております。
 今回の事態、島根県と益田市の要請について、運輸大臣として真剣に受けとめるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○川崎国務大臣 まず、先ほどからの御質疑の内容については、外務省、防衛庁から御答弁をいただきましたので、それをもって御理解を賜りたいと思います。
 それから、今御指摘いただいた事案でございますけれども、六月十日午前十一時二十四分ごろ、福岡航空交通管制部において、有視界飛行方式により飛行中の米軍機から、燃料欠乏による緊急事態の通報と石見空港へ飛行したい旨の連絡がございました。同管制部は、当該機が緊急事態であったため、石見空港への飛行について支援し、十一時四十三分、石見空港に着陸いたしました。
 石見空港の使用を認める権限は、空港の設置管理者である島根県にあります。しかしながら、燃料欠乏のような緊急時の場合は、設置管理者の意思確認のため同管制部が空中待機を指示した結果安全に重大な支障を及ぼすことが考えられ、人道的な観点から必要な支援を行った。
 これは、実はガイドラインのときにも、成田の問題でいろいろお話がございました。混雑空港でございますので基本的には難しいというお答えを私はいたしておりますけれども、緊急時においては成田も使うことはあり得ると御答弁をさせていただいているところでありますので、どうぞ、安全という面からは御理解を賜りたいと思います。

○中林委員 時間が参りましたので終わりますけれども、米軍の安全を守ると同時に、日本国民の安全、命を守るということで、これまでの論議を通じて、米軍がどんなに飛ぼうとも、どんなに着陸しようとも手も足も出ない日本の政府の弱腰外交に、私は極めて遺憾ということを申し上げまして、質問を終わります。




  1. 2008/03/30(日) 21:15:23|
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衆-決算行政監視委員会-中林委員平成11年05月27日

衆-決算行政監視委員会-中林委員平成11年05月27日

○中林委員 国としての対応を本当に強く求めたいと思います。
 それでは次に、昨年私は、中国山中の、岩国米軍基地から飛び立った、米軍がエリア567と言われているところの危険な飛行について質問をいたしましたけれども、それに続いて、このエリア567の問題で質問をさせていただきます。
 島根県西部を中心に山口、広島三県にまたがる三角形を米軍はエリア567、このように呼んでおります。日常的に、定期的に戦闘訓練などが実は行われております。そのことも実は米軍は認めております。この空域は自衛隊の訓練空域NR7と言われている低高度部分で、防衛庁は昨年の私の質問に対して、このNR7という地域は練習機の初級操縦訓練をするところだ、そういうふうに答弁をされております。
 そんなところで、米軍が空対空訓練あるいは空中戦闘訓練、ダムだとか橋だとかを仮想目標にした対地訓練など大変危険な訓練をしているわけですけれども、これは一体だれが米軍に対して許可をしているのでしょうか。防衛庁なのでしょうか、それとも運輸省でしょうか。

○柳澤政府委員 先生今お触れになりましたとおり、ナンバー7の低高度訓練空域につきましては、通常、自衛隊の、特にこれは山口県の防府に所在いたします航空自衛隊第十二飛行教育団が空域の統制を行うこととされておりまして、これは米軍に限りませんけれども、自衛隊以外の航空機がそこを通過する際にはその当該部隊の長に連絡するという手順が決められております。
 基本的にこの空域につきましては、自衛隊以外の者が基本的には使ってはいけないという排他的な性格のものではございませんで、私ども通報は受けておりますけれども、先生言われるような意味で禁止したりあるいは許可するといった権限を私どもが持っているものではないということでございます。

○中林委員 許可はしていないということですけれども、調整して使わせている、こういうことだと思うのですね。それは、もう米軍であれあるいは民間機であれそこを使ってもよろしい、調整さえつけば、という話だと思うのですね。そうすると、これは少なくとも防衛庁が一応許可、調整という、使ってもよろしい、本来は防衛庁の、自衛隊の訓練空域なのだけれども、そういう設定はしてあるけれども、そこに米軍が来ようと民間機が来ようと調整さえつけばよろしいということになっていると思うのですよ。
 そうであるならば、例えば戦闘訓練、ドッグファイトだとかこういうものを、下には多くの住民が住んでいるその真上でやっていいのか。しかも、今言われたナンバー7という自衛隊の訓練空域は一万一千フィート以下、つまり三千三百メートル以下の低空なのですよ。そういうところでこんな訓練を米軍がやってよいのか。私は、防衛庁はそれは全くやめさせるべきだというふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。

○柳澤政府委員 まず、私どもの調整を受ける観点と申しますのは、先生御承知のように、低高度で防府の、これは航空自衛隊のパイロットになる要員が一番最初に乗る練習機でありますけれども、それを使ってプロペラ機で非常に低速で訓練をする、そういう空域でございまして、そこに異質なといいましょうか、他のトラフィックが入ってくることによって危険を防止するための調整を受けているわけであります。先生おっしゃるような、戦闘機の本格的な訓練、ジェット戦闘機の本格的な訓練を行うための空域としては、私ども、確かに非常に狭いと思いますし、高度も、そこで先ほどの航空自衛隊のプロペラ機とまじり合って飛ぶようなことは基本的には考えられないことだと思っております。
 あと、その空域に入るときの調整は受けておりますけれども、私どもとして、具体的に米軍がどういう訓練をやっておるかということについてはつまびらかにしていないところであります。

○中林委員 私は大変無責任だというふうに思います。これまでも、県だとかあるいはその関係の自治体からこういうことがやられているという報告は上がっているはずだというふうに思います。
 そこで、実は米軍の兵隊そのものが、広島のテレビ、RCCでのインタビューに答えている。岩国米軍基地のパイロットがこう答えているのですね。エリア567、ここではどんな訓練をしていますかという問いに、この米兵は、すべての任務だ、空対空訓練、ドッグファイトという追撃訓練、それにハイウエーや道の上をなぞる飛行、橋やダムを爆撃する訓練、雲が低く垂れ下がっているとき雲の下を飛行するんだ、こういう証言をしております。
 少なくとも、ちゃんと調べて、そして自衛隊でさえもやっていないような危険な訓練を、人家があり、人が住んでおる、こういう低空のところでやるべきではない、そこは防衛庁、ちゃんと米軍に言うべきではありませんか。

○柳澤政府委員 私どもからお答えするのが必ずしも適当かどうかわからないところはございますけれども、当然、我々、日米共同訓練等を通じて米軍と一緒に行動するような際には、安全面について十分な打ち合わせもしておりますし、また、御指摘のようなことが具体的にあるといたしますれば、地元を管轄します防衛施設局等を通じて、米軍等にはいろいろな機会をとらえて安全上の配慮については話し合いを行っているところであると承知しております。

○中林委員 話し合いを行っているというようなことで、これがやめられるはずもない。
 そこで、外務省とアメリカとの間で、この一月に日米の間で低空飛行に関しては合意事項がありました。しかし、これが結ばれた後にも、実はこの地域ではそういう訓練が頻繁にやられているという証言が次々に挙がっております。
 そこで、私は、運輸大臣にきょうわざわざお出かけいただいたのは、本当に安全な航空、飛行、これを担保する、そして空の安全を守っていく、そういう責任をぜひ運輸省としてとっていただきたい、そういうことからお出かけいただいたわけです。
 実は、島根県の益田市というところで、ずっと米軍機がどういう飛行訓練をしているかということを克明に記録している人がいるわけです。米軍のパイロットが証言しているように、雲の下を飛行するんだという証言がありますけれども、実は、昨年七月三十日ですけれども、ドッグファイトの訓練をやっているのを目撃しました。これはFA18という、写真もちゃんと撮って確認しているわけですけれども、急降下、急上昇をやっている。しかも、これがどのぐらいの低いところかということで、実は当日、雲がありましたから、石見空港へこの方は電話をして、今雲はどのくらいの高さなのかと言ったら、一万二千四百フィート、こういうふうに答えがあったということですね。だから、それよりも下だということなんですよ。そういう戦闘訓練をやっていた。
 しかも、実は、岩国の米軍の滑走路がことしの二月から四月の間改修工事がありましたから、そのときは岩国に米軍の戦闘機はありませんでした。このときは飛び立ってきていないのです。五月に入ってからまた頻繁に来るようになった、毎日来る、こういう状況になっております。
 こんなことを運輸省は認めていいのでしょうか。本当に、国民の命や安全、それを守っていくために、運輸省が、いわば自衛隊の訓練空域として、あの雫石の事故から学んで、ここは自衛隊の訓練空域と指定している。しかも、自衛隊もやっていないような危険なことを米軍が傍若無人にやるということは、脱法行為そのものをやっているんじゃないかというふうに私は思わざるを得ないわけですけれども、当然、運輸省としても、米軍に対して禁止するよう強く言うべきだと思うわけですけれども、いかがでしょうか。

○川崎国務大臣 委員大体おわかりいただいているんだと思いますけれども、昭和四十六年八月に策定されました航空交通安全緊急対策要綱に基づきまして、民間航空機が飛行する空域、それから訓練の空域、ここは分かれております。
 したがって、私どもが基本的に気をつけなければなりませんのは、民間航空機がこの訓練空域というものに入っていかない、有視飛行で入っていって間違いが起きる、こういうことがあってはなりませんから、そこをしっかり管制をしておく。また、米軍機が訓練空域というものを逸脱して民間航空機というものに接近をしてくる、こういうことがあってはならない。現実問題、私どもが知っておる限りは、このような支障が生じた場合はないということであります。
 なお、米軍は、航空法の内容を尊重し、低空訓練飛行については安全性を最大限確保し、かつ地元住民に与える影響を最小限とすることを、平成十一年一月の日米合同委員会において確認をいたしております。米軍が当該訓練・試験空域で安全上問題がある訓練を行っていないものと私どもは理解をいたしているところでございます。
 また、そのような問題があるとしたら、外交ルートを通して話し合いが行われるもの、このように考えております。

○中林委員 質問時間が終了という知らせが来たので、きょうは外務省の方にも来ていただいているのですけれども、お答えいただきませんが、日米地位協定でも、こういう戦闘訓練をする地域、これは海上で十五カ所わざわざ設けているわけですよ。私たちは、地位協定で、これを認めているわけじゃないけれども、少なくとも、人家がたくさんあるその上空で、ただ通過するだけではない、戦闘訓練をしている、しかもそれが低空でやられている。
 大臣、こういう本当に日本の航空法そのものも守れないような飛び方をしていることについては、今、四市六町二村からこういうことはやめてほしいという決議も上がっておりますので、ぜひ政府として対応をしていただきたいということを強く申し上げまして、私の質問を終わります。




  1. 2008/03/30(日) 21:14:42|
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衆-決算行政監視委員会-中林委員 平成11年07月28日

衆-決算行政監視委員会-中林委員 平成11年07月28日

○中林委員 私は、前回、五月二十七日に続いて、米軍機の無法、不当な訓練、特に岩国米軍基地がやっているエリア567での危険な訓練の問題について質問をいたします。
 私の質問のときに、運輸大臣が、米軍が当該訓練・試験空域で安全上問題がある訓練を行っていないものと理解している、こういう答弁をされました。私はそのとき、米軍パイロットの証言も紹介して、この空域で米軍機が空対空戦闘訓練、追撃訓練、対地攻撃訓練などをしている、こういうことも示したわけですが、安全上問題がある訓練はない、こういう答弁は、これらの訓練実態を無視したものであるというふうに私は思います。
 エリア567だけではなくして、一月二十一日に三沢基地から飛んだ戦闘機が釜石で事故を起こしております、墜落事故ですが、この事故の報告書も出ております。それを読んでも、対地攻撃訓練だとか空対空戦闘訓練、これをちょうど行っていたときに墜落事故を起こしたものだ、こういう事故報告書も出ております。
 そこで、運輸大臣に改めてお聞きしますけれども、島根県の石見空港開港に伴って、自衛隊の訓練空域が高度一万四千フィートまでで、空港から九海里、約十六キロにわたって民間機の安全のために削除された空域に、米軍機が繰り返し飛来して、急上昇、急降下、あるいは追尾訓練などの危険な訓練を行っていることが目撃されているわけですけれども、大臣として、この事態をどのように把握をし、どう対処しようとされているのでしょうか。

○岩村政府委員 お答え申し上げます。
 民間航空機の安全確保を図るため、昭和四十六年八月に策定されました航空交通安全緊急対策要綱に基づきまして、民間航空機が飛行する空域と訓練の空域を分離しているところであります。したがいまして、運輸省として、訓練空域における米軍の個別の訓練についてまでは関知していないという状況にあるわけでございます。

○中林委員 それならば防衛庁にお伺いしますけれども、この周辺空域について、米軍の使用調整をしているということになっているわけですけれども、エリアQ、7を米軍が使用する際に、自衛隊がやってはならない訓練はやらないという条件を米側に対してつけているのかどうか、お答えください。

○柳澤政府委員 先般の御質疑のときにも申し上げたところでございますけれども、この空域の使用に係る調整を行っておりますのは、私どもの訓練と他のトラフィックが基本的に混在しないようにということを考えておりまして、どのような飛び方をするかといったようなところは、私ども、調整の権限もございませんし、その内容については承知しておりません。

○中林委員 運輸省は、米軍機が飛ぶことについては自分たちの及ぶ範囲ではないと言い、自衛隊の訓練空域になっているところでいわば調整して米軍機が飛んでいる、その責任を負っている防衛庁も、防衛庁自身はこの訓練空域のところでは初歩的な訓練しかやっていない。今、米軍機の目撃されている空中戦の訓練だとか、そういうような危険な訓練はやっていないということであるにもかかわらず、又貸しをした相手の米軍機がどんな飛び方をやってもいいなどということが本当に許されるんだろうかというふうに思います。
 ぜひ、日本の空の安全に責任を持つ責任大臣として、米側は日本の航空法を守っているはずだというようなことをずっと言ってこられましたけれども、アメリカ側の言い分、これを守っているはずだということで信じていくのか、そうではなくて、これまでも実際に目撃している、その空の下で住んでいる広島県や島根県の住民の声を尊重するのかどうか、これが私は問われているというふうに思うわけですね。ですから、これだけ目撃証言があって、国に対しても、わざわざ石見空港が開港されてから安全のために除外されているその地域を米側が危険な飛行をしている、こういうことを調査する、少なくとも調査をする必要があるんじゃないか、こういうふうに思うわけですけれども、責任大臣としていかがでしょうか。
    〔鴨下委員長代理退席、委員長着席〕

○岩村政府委員 委員御承知のように、米軍機につきましては、航空法の特例法、実際の法律の名前はもう少し長い法律でございますが、航空法の特例法によりまして、航空法の第六章の規定、これは航空交通の指示、飛行計画の承認等、それから到着の通知の規定、この規定を除きまして適用が除外をされております。
 したがいまして、他の六章の中にあります訓練飛行についての許可、届け出義務、こういったものは適用がされません。したがいまして、訓練の具体的な内容については運輸省として承知をしていないわけでございます。
 なお、日米地位協定第十六条によって米軍には国内法令を尊重する義務があるということで、この訓練に当たっての米軍機の運航に当たって、航空法の規定も尊重するという確認を得ているというふうに我々も聞いておるところでございます。

○中林委員 そうなると、わざわざ石見空港が開港したときに、それまでは自衛隊の訓練空域だったところから、石見空港の下の部分、先ほど言った空港周辺、距離は十六キロ、そして高さは一万四千フィートの間は除外をしているわけですよね。それにもかかわらず、自衛隊は飛ばないにもかかわらず、米軍の戦闘機が戦闘訓練などを行っている、こういう目撃はもう後を絶たないわけですよ。
 では、それについて、運輸省も責任は持たない、いわばちゃんと国内法を守っているはずだと。はずでないから言っているわけですから。一体そこのところはだれが責任を持つのですか、そういう危険なことをやっていることに対して。大臣、これは内閣の問題として、その除外されたところを危険な飛び方をしているということは、一体だれが責任を持ってくれるのですか。運輸省なのか、外務省なのか、防衛庁なのか、どこですか。

○柳澤政府委員 私どもも、同様でありますけれども、訓練等で飛行します際の安全性というのは特に日ごろから十分に配慮しているつもりであります。そして、飛行の安全というものに対する責任という観点で申し上げれば、第一義的には当該機のパイロットとそれを運航している組織にあって、それぞれが十分に配慮をしているものであるというふうに認識をしております。

○中林委員 今の答弁、よくわかりません。
 そうなると、そこを勝手に飛んでいる、米軍ですからアメリカに責任があると。日本の安全について、日本の政府は責任をだれも持たないのですか。

○柳澤政府委員 申し上げましたように、それぞれの飛行に関する安全というのは当然それぞれの主体の責任において確保されるべき、まず第一義的にそういうことであると思いますし、それから、米軍の訓練内容について私どもは承知していないわけでありますけれども、私どもは、事前の飛行計画あるいは日々の個々のパイロットの訓練を通じまして安全性を十分確保しているつもりでありますし、当然、米軍においてもそのような配慮がなされているというふうに理解しておるわけであります。

○中林委員 そもそもこの自衛隊の訓練空域を米側が使いたいと言ったときに、調整して又貸ししているというときに、アメリカが、米軍機がそういう危険な飛び方をするということを運輸省は想定して又貸しをしているんですか。

○柳澤政府委員 又貸しという非常にわかりやすいお言葉で御指摘でありますけれども、私どもは、排他的にそこを占用する権限を持っているわけではございませんで、基本的にほかの航空機が入っていただかないことが望ましいわけであります。
 ただ、私どもが訓練に使っていないような状況でありますれば、事前に通報をいただいてそこを使っていただいているということでありまして、何の目的でどういう飛行をするかというのは、私どもに対して情報があるわけではございません。そこで、その飛行の安全については、先ほど来申し上げているように、当然それぞれの運航者において確保されるべきものであるというふうに思います。

○中林委員 そうなると、これは重大な問題をあなた方はおっしゃっている。私は大臣がなぜ答弁に立たれないのか不思議でならないわけですが、少なくとも運輸省は、石見空港が開港した時点で、その空港のいわば安全を担保するために自衛隊の訓練空域から除外しているわけですよ。そこを、又貸しした米軍機はどんな飛び方でも勝手し放題、責任はだれもとらない。こんなばかな話があっていいものでしょうか。
 今まで事故が起きないからここでは問題になっていないように思えるかもしれませんけれども、もしも釜石のような墜落事故があればとんでもない事態になると思います。エリア567で米軍が無法な訓練をやっているということは後を絶たないわけですが、少なくとも、今自衛隊の訓練空域になっているエリアQというのがあるんですね、一万四千フィート以上のところなんですけれども、そこを含めて全部除外してしまう、そうすれば、アメリカ軍の方にも調整して飛ぶというようなことは起き得ないんじゃないかというふうに思うわけです。
 日米安保条約、日米地位協定がありますから、政府としても、全くアメリカが飛ばないというわけにいかないんでしょうけれども、私たちはこの地位協定にも賛成はしておりませんし、米軍の基地も認めてはいないけれども、運輸大臣、少なくとも日米地位協定で、米軍の訓練空域、そういう危険な訓練をするのは洋上の方で二十三カ所指定されているわけですよ。そういうところでおやりになったらいかがか、そのぐらいは、民間の空港あるいは空の安全、住民の安全を守る責任大臣として、米側に言うべきではないんでしょうか。

○竹内(行)政府委員 今先生御指摘の、設定されております訓練空域等の関係でございますけれども、全国にと申しますか、我が国及びその周辺の公海上におきまして二十四カ所の訓練空域というものが日米合同委員会で協議されておりまして、その使用範囲、使用時間帯等を告示しておりますし、航空情報でこれを一般に公知しているところでございます。
 この訓練空域と申しますのは、御承知のとおり、米軍航空機の実弾射撃等のために、民間の船舶や航空機の安全を確保する目的ということで設定をされているわけでございます。他方、米軍によります実弾射撃等を伴わない通常の飛行訓練につきましては、日米地位協定上も、施設・区域の上空とか、それから設定されております訓練空域に限って行うということにはなっておらないわけでございます。
 また、つけ加えますけれども、航空自衛隊の訓練空域というもので、先生先ほど来御質問の訓練が米側において、米軍において行われているわけでございますけれども、これは、先ほど来答弁がございましたように、自衛隊との間で時間帯等を調整いたしまして航空路の安全に万全を期すという措置をとった上でやっておるわけでございますし、さらに、米側におきまして安全確保の上で万全の措置をとるということは当然行われるべきことでございます。
 そういうような状況でございます。

○中林委員 どこの外務省かと思うばかりの答弁でございます。
 少なくとも私は、今外務省がそういう御答弁になりましたので、低空飛行訓練について一月十四日に日米合意が六項目にわたって取り交わされましたが、これ自体が非常に実効性を伴わない合意事項だというふうに思うわけです。
 例えば民間空港のところは飛ばないというのに飛んでいるというのは、これまでるる述べたことです。それから、土日、祝祭日は訓練に不可欠以外のところは飛ばないという合意がされておりますけれども、少なくとも、一月には三日間四回、二月には二日間三回、それから、これは君田村のちゃんとした記録ですけれども、二月七日には、これは日曜日ですけれども、二機来ております。それから、六月十三日、日曜日ですけれども、これも飛んできております。
 こういう合意がされているにもかかわらず、実効性を伴わない。これは厳重に実行させるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○竹内(行)政府委員 先生御指摘の一月十四日に公表されました具体的な措置に関する文書でございますが、そこには、「週末及び日本の祭日における低空飛行訓練を、米軍の運用即応態勢上の必要性から不可欠と認められるものに限定する。」ということとされております。これは、ここに書いてございますとおり「不可欠と認められるものに限定する。」ということでございまして、必ずしも例外が全くないというわけではございません。
 いずれにいたしましても、住民への影響とか安全性の確保ということで問題があるようでございますれば、もちろん我々といたしましては、米側に照会したり協議を行うということについては、やぶさかなく行っていきたいという基本的姿勢でございます。
 先生今御指摘されました具体的な日付がございましたけれども、我々もその点については、米側に事実確認ということを五月の段階で行っております。と申しますのは、この文書におきましても、この低空飛行の安全性確保等に実効性を与えますために日本政府と引き続き協力する、協議するというような趣旨の項目がございまして、そういうことに基づいて、必要に応じて我々としても米側には照会を行うということは行っていくつもりでございます。

○中林委員 今申し上げました具体的な日曜日の日付の飛来が不可欠な訓練だったという、その詳細な中身は後で報告してください。
 大臣にせっかく来ていただいております。最後に一問、大臣に御答弁いただきたいと思うわけですけれども、島根県益田市の石見空港に、岩国米軍基地の米軍機FA18戦闘攻撃機が十日に緊急着陸をいたしました。この通告が空港管理所に入ったのは着陸の五分前で、いや応なしの強行着陸というふうになっております。着陸して初めて米軍機であることがわかりました。物すごくひどいと思います。
 直ちに益田市長は、石見空港は民間利用のための空港であり、いかなる理由にせよ軍用機が着陸したことは非常に遺憾だ、こういう抗議文を岩国米軍基地に送っております。また、島根県知事もこの事態に対して、県民の安全を守る立場からまことに遺憾として、在日米軍司令部に抗議をし、政府にも再発防止を要求しております。
 今回の事態、島根県と益田市の要請について、運輸大臣として真剣に受けとめるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○川崎国務大臣 まず、先ほどからの御質疑の内容については、外務省、防衛庁から御答弁をいただきましたので、それをもって御理解を賜りたいと思います。
 それから、今御指摘いただいた事案でございますけれども、六月十日午前十一時二十四分ごろ、福岡航空交通管制部において、有視界飛行方式により飛行中の米軍機から、燃料欠乏による緊急事態の通報と石見空港へ飛行したい旨の連絡がございました。同管制部は、当該機が緊急事態であったため、石見空港への飛行について支援し、十一時四十三分、石見空港に着陸いたしました。
 石見空港の使用を認める権限は、空港の設置管理者である島根県にあります。しかしながら、燃料欠乏のような緊急時の場合は、設置管理者の意思確認のため同管制部が空中待機を指示した結果安全に重大な支障を及ぼすことが考えられ、人道的な観点から必要な支援を行った。
 これは、実はガイドラインのときにも、成田の問題でいろいろお話がございました。混雑空港でございますので基本的には難しいというお答えを私はいたしておりますけれども、緊急時においては成田も使うことはあり得ると御答弁をさせていただいているところでありますので、どうぞ、安全という面からは御理解を賜りたいと思います。

○中林委員 時間が参りましたので終わりますけれども、米軍の安全を守ると同時に、日本国民の安全、命を守るということで、これまでの論議を通じて、米軍がどんなに飛ぼうとも、どんなに着陸しようとも手も足も出ない日本の政府の弱腰外交に、私は極めて遺憾ということを申し上げまして、質問を終わります。




  1. 2008/03/30(日) 21:13:57|
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衆-本会議-前原誠司君他  平成10年09月03日

衆-本会議-前原誠司君他  平成10年09月03日

○前原誠司君 私は、民主党を代表して、北朝鮮のミサイル発射について質問いたします。
 去る八月三十一日正午過ぎ、北朝鮮は同国の東海岸から弾道ミサイルを発射し、燃料部分
のブースターは日本海に落下し、弾頭部分は日本列島上空を通過して、三陸沖の太平洋に弾
着しました。このたびの北朝鮮のミサイル発射は、事前に何の通告もなく、また国際法上も
重大な疑義があり、ましてや我が国の上空を通過したということは、我が国の安全と国民の
生命を脅かし、そして、何よりも日本国民を愚弄する極めて許しがたい行為であります。絶
対に看過することはできません。
 我が党は、北朝鮮に対し厳重に抗議し、二度とこうした行為を繰り返さないよう厳しく求
めるとともに、日本国政府にも毅然とした対応を望む上で、以下、幾つかの質問を行います

 まず、政府の危機管理体制について質問します。
 政府は、国会の答弁や記者会見で、八月中旬ごろから不穏な動きを察知しており、関係省
庁に対して警戒するよう情報を流していたということであります。問題は、どの程度の緊張
感を持って情報を分析していたかにあります。かなりの確度で発射すると考えていたのか、
それとも、まさか本当に発射するとは思っていなかったのか。今後の危機管理体制を考える
上でも、正直にお答えいただきたい。
 また、北朝鮮に対しては思いとどまるよう注意を促したということですが、どのようなメ
ッセージの伝え方をしたのですか。具体的にお答えください。結果的には、そのメッセージ
を無視して、北朝鮮はミサイルの発射を強行しました。本当に毅然とした申し入れを行った
のか、大いに疑念が残ります。総理自身の評価をお聞きいたします。
 さて、十二時過ぎにはミサイルが発射されました。その後すぐに、米軍からの早期警戒情
報伝達システムによって、その事実は我が国政府の知るところとなりました。弾着までに約
十分間かかったと推測されていますが、早期警戒情報を入手した直後、最高指揮官としての
総理あるいは防衛庁長官は、何らかの命令を自衛隊に対して下されたのか、また自衛隊はど
う動いたのか、お答えください。
 また、弾着後も、それが訓練であったとか、あるいは発射は一回きりだということは断定
できません。続いてどのような行動に北朝鮮が出るのかを警戒する態勢を当然しかれたと思
いますが、どのような警戒態勢をしかれたのか、お伺いします。
 なお、防衛庁長官はその日、宿舎に帰られたと聞いております。情報の収集、解析がまだ
十分なされていないときに、司令官が防衛庁を離れて家に戻られるのは、私の感覚からすれ
ば、余りにも緊張感と自覚がなさ過ぎるのではないかと思いますが、反省を込めて防衛庁長
官に御答弁いただきたい。
 私が申し上げるまでもなく、危機管理体制を強化するためには、情報収集能力の向上が不
可欠であります。偵察衛星の導入については、この事件以来前向きな発言が政府から続いて
なされています。その必要性については我々も認めるところではありますが、そうであれば
、今まさに行われている概算要求にせめて調査費でも計上すべきではありませんか。お答え
ください。
 次に、北朝鮮への対応について質問します。
 我が国の上空を通過する形でミサイルが発射され、しかも事前通告もなかったとすれば、
私たちは、抗議するだけではなく、毅然とした対応をとる必要があります。そうでなければ
、北朝鮮に、日本はこのような事態においても抗議や通り一遍の対抗措置をとるだけだとい
うメッセージを伝えることになり、それがひいては次なる無謀な行為を誘発する危険すらあ
ります。
 一日に出された官房長官発表では、日朝国交正常化交渉と食糧などの支援と、KEDOの
進行を米韓等との協議の上、当面見合わせるとされています。また、チャーター便も認めな
いと決定されました。総理、こ